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参議院議員 足立信也

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国会会議録

令和2年11月20日 - 本会議

○足立信也君
 国民民主党・新緑風会の足立信也です。
 私は、会派を代表し、議題となりました法律案に対して質問します。
 十五年間、大学及び大学病院に勤務した元大学人として、日本学術会議に対する総理の六名任命拒否について一言申し上げたい。
 学問の世界、アカデミアの自律意識、プロフェッショナルオートノミー、自浄作用は政治の世界よりもはるかに高いと私は実感しています。逮捕されても居座ることはまずありません。他大学出身者を採用し、より学術的に変わろうとしてきました。どうやら内閣の考え方と異なる意見の表明が過去にあったという理由のようですが、多様性、ダイバーシティーを総理が口にするたび、茫然としてしまいます。
 異なる意見を拒絶し、多様性を排除してしまえばイノベーションは生まれてこない。それでは日本は立っていけない。内閣人事局で行政を支配し、検察庁法改正で司法を牛耳り、今度は学問の自由を奪う、まさに学問の危機、民主主義の危機、日本の危機であると私は感じます。
 まず六名を任命し、日本学術会議の改革が必要であれば、その後、論議に着手する、それしか道はないと思います。改めて、総理の対処方針を伺います。
 それでは、法案の質問に入ります。
 十一年前、政権交代時、ドラッグラグ二年、デバイスラグ一年半、そしてワクチンギャップ二十年というのが日本の現実でした。その後の取組でラグはほぼ解消し、ワクチンも新たに六疾患に対する定期接種が行われるようになりました。科学に関する政策について、日本は二周、三周遅れとよく言われます。その理由は、データを基に検証しない、できないことにあると思います。会議録や議事録、公文書は当然です。九月にはランセットに、日本はワクチンへの信頼が世界で最も低い国の一つと発表されました。ワクチンへの信頼度と政府への信頼度は相関します。
 したがいまして、過去の検証に基づいて質問します。
 新型コロナ対応民間臨時調査会の報告書に、今回教訓として学んだ多くの事柄が既に十年前の新型インフルエンザH1N1対策総括報告書で指摘されていた、まさに国を挙げて喉元を過ぎると熱さを忘れてしまったのであると書かれています。
 総理は、民間臨調の報告書の概要を承知していますか。
 十年前の新型インフルエンザ対策総括報告書の内容から、私は、当時の取りまとめ責任者として田村厚生労働大臣に質問します。
 ワクチン生産体制を強化すべきである。あわせて、輸入ワクチンについても、危機管理の観点から複数の海外メーカーと連携しつつ、ワクチンを確保する方策の一つとして検討していくべきである。
 この十年間でワクチン生産体制はどのように強化されたのでしょうか。
 新たな感染症の発生や既知の感染症の病原性の変化に応じ、集団接種で実施することも考慮しつつ、あらかじめ接種の予約、接種場所、接種の方法など、現場において実効性のある体制を計画するべきである。
 計画の公表はいつでしょうか。
 ワクチンの接種回数や費用及び輸入ワクチンの確保等については、決定までのプロセスを明確にし、できる限り開かれた議論を根拠を示しながら行うとともに、その議事録等をできる限り速やかに公表すべきである。
 公表はされているんですか。これからするんですか。
 優先接種対象者については、都道府県や市町村が地域の実情を踏まえ、柔軟に運用できるようにすべきである。
 今回、どのような運用になっていますか。
 前回は、優先接種対象者の公表から出荷、現場に届いて接種可能まで三週間掛かりました。そこで、ワクチンを迅速かつ円滑に流通できる体制の構築に向けた検討が必要であるとされました。ファイザー製は有効期限十日間と言われています。
 今回、どれほどの時間短縮になるのでしょうか。有効な抗体価を維持する期間はどれほどでしょうか。
 次に、新型コロナウイルス感染症について、まず、総理に伺います。
 ワクチン予防接種の位置付けは個人防衛なのですか、社会防衛なのですか。あわせて、無料で接種すると言いますが、輸入ワクチンの卸への出荷、医療機関への購入には消費税は掛かるのでしょうか。
 以下、田村大臣に伺います。
 発症予防や重症化予防が目的ならば、その結果を見るためには、無症状者を含めた全数調査かサンプリング調査をしなければ分かりません。ワクチン接種前、既に感染したかどうかの判断はどうするんですか。抗体検査をするのか。PCR、抗原検査の予定はあるのか。例えば、成人に対する風疹の予防接種の前には風疹抗体価を測定します。また、効果の判定は何を指標に行うのでしょうか。
 東アジアに陽性者、重症者、死亡者が少ない理由は様々な説があります。しかし、中でも日本は高い方です。やはり、私は、交差免疫の可能性が高いと思います。とすれば、ワクチンは一回接種で済む可能性が高いのではないでしょうか。臨床試験で確定するんですか。国内の臨床試験のデザインは決まっているんですか。
 前回は、国産ワクチン優先の指摘が非常に多くありましたが、輸入ワクチンは、ファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、合わせて二億九千万回分の契約と聞いています。前回は、海外の治験のデータ、臨床試験の結果、国内の治験のデータ、そして市販後調査も厚生労働省に集め、全て公表しました。今回の取組はいかがでしょうか。
 参考までに、前回、接種開始後の二万例の調査では、有害事象一・九七%、入院の必要あり九十三例、死亡二十六例、重篤な副反応六十七例でした。死亡とワクチンの因果関係なしという結果でした。
 前回、損失補償契約は各国横並びで必須でしたが、アメリカは、医療免責条項があるので損失補償契約は不要でした。今回、なぜ医療免責にしなかったんですか。
 新型インフルエンザでは、優先接種対象者五千四百万人、一般の方の三割、二千三百万人が接種すると想定しました。実際の優先接種者の接種率、一般の方の接種率はそれぞれどうだったのでしょうか。
 その上で、新型コロナワクチンの接種率をどれくらいに設定しているのでしょうか。参考までに、日本の二〇一八年度の季節性インフルエンザワクチン接種率は四七・九%でした。ちなみに、アメリカ六八・七%、イギリス七二%、韓国八五・一%です。また、接種が思うように進まない場合、国は積極的に勧奨するのでしょうか。
 国産ワクチンが量産された場合、また、一回接種でよかった場合、恐らく不要になるワクチンが大量に出ます。当時の自民党から再三指摘されましたが、返品の交渉可能性はあるのでしょうか。
 接種について国民の負担はないという説明ですが、異なる価格のワクチンを国が買い取り、流通業者に売り渡す価格はどのように決めるのですか。また、ワクチン接種の報酬はどのように決めるのですか。
 憲法八十五条に、「国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」とあります。今回、国が損失補償契約を締結するときは国会承認の手続を設けないこととしていますが、債務負担を決定するときは国会の承認を求めるのでしょうか。
 以上、過去を検証しつつ、新しい知見を学びながら一歩一歩積み上げていくことが科学と政策の融合だという思いを込めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕


○内閣総理大臣(菅義偉君)
 足立委員にお答えをいたします。
 日本学術会議の会員の任命等についてお尋ねがありました。
 今般の会員の任命については、日本学術会議法に沿って、学術会議に求められる役割等も踏まえて、任命権者として適切に判断したものであります。
 なお、政府の法案への反対を理由として任命の判断を行ったものではないことは繰り返し国会で答弁してきており、また、このような日本学術会議法に沿って行った任命権の行使が学問の自由との関係で問題になるとも考えておりません。
 六名を任命すべきとのお尋ねについては、今般の任命は推薦された者の扱いを含めて任命権者として最終判断したものであることから、一連の手続は終わっており、新たに任命を行うには、日本学術会議法に沿って、改めて補充のための推薦手続が取られる必要があると考えています。
 他方、学術会議の梶田会長とは、今後、学術会議を国民に理解される存在としてより良いものとしていこうという点で一致しており、未来志向で議論を続けていきたいと考えております。
 民間臨調の報告書についてお尋ねがありました。
 御指摘の報告書については、この報告書を執筆した代表者の方から直接その概要について御説明をいただいており、承知しております。
 私自身、官房長官として当時インタビューを受け、できる限り率直にお話をさせていただきました。報告書の内容についてコメントすることは差し控えますが、報告書をまとめられたことに敬意を表します。
 ワクチン接種の位置付け及びワクチンに係る消費税についてお尋ねがありました。
 今回の新型コロナワクチンについては、現在開発段階であり、有効性等が必ずしも明らかになっているわけではありませんが、個人における予防のメリットがあるだけでなく、社会における緊急の蔓延予防の意義を有する可能性があり、原則としては接種勧奨と努力義務に係る想定は適用することとした上で、必要に応じて例外的にこれらの規定を適用しないことを可能としております。
 また、国が確保したワクチンの卸売販売業者や医療機関への提供については、国内において事業者が対価を得て行う資産の譲渡に該当しなければ消費税が課されることはありませんが、現在、具体的な仕組みについて各関係者と調整を進めており、その結果を踏まえて判断されることになります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕


○国務大臣(田村憲久君)
 足立信也議員にお答え申し上げます。
 ワクチンの生産体制強化と接種に関する計画の公表についてお尋ねがありました。
 ワクチンの生産体制強化については、全国民分の新型インフルエンザワクチンを約半年で生産可能な体制を構築するため、平成二十一年に基金を造成し製薬企業の生産体制強化を行ったほか、輸入ワクチンを含めた複数のワクチンについて承認や定期接種化を行うなど、これまで対策を進めてきたところであります。
 なお、新型インフルエンザに関する接種体制については、令和三年三月末をめどに各市町村において住民接種実施計画の策定を依頼したところであり、市町村の策定状況を踏まえ、公表について検討をしてまいります。
 ワクチン接種に向けたプロセスに係る議事録の公開、優先接種の柔軟な運用や流通体制の構築についてのお尋ねがありました。
 まず、ワクチン接種の方針を議論する厚生労働省の審議会については、原則議事録を公開しております。ワクチンの接種順位については国で一定のルールを定める必要があると考えていますが、地域の状況が大きく異なる場合の取扱いについては、今後、必要に応じて検討してまいります。
 次に、ワクチンの有効期間については、現在薬事承認された新型コロナワクチンは存在しないためお答えすることはできませんが、円滑なワクチンの流通を可能にするために、地方自治体、医療機関及び卸売業者の関係者間でワクチン配分などの情報伝達を行うためのシステムの構築に取り組んでおります。
 こうしたシステムを活用すること等によりワクチンの効果的、効率的な供給や流通に努めるとともに、地方自治体を始めとする関係者に御協力をいただきながら、接種のための体制整備を進めてまいります。
 ワクチンの接種前の感染既往の調査や接種後の効果判定についてお尋ねがありました。
 現時点で感染既往者が人口に占める割合は小さいと考えられること等から、ワクチン接種前に広く感染既往の確認のための抗体検査等を実施することは想定しておりません。接種後の調査については、他の医薬品と同様に、製造販売業者による製造販売後調査が行われることとなりますが、効果に関する研究調査の実施については、専門家の意見等も踏まえ検討をしてまいります。
 ワクチンの接種回数等についてお尋ねがありました。
 一般的に、ワクチンの接種回数等の用法、用量は、臨床試験のデータ等を踏まえ、薬事承認審査において判断されます。新型コロナウイルスワクチンは現在開発中であり、その接種回数も含め、臨床試験の計画、結果等についてのお答えは差し控えさせていただきます。
 いずれにしても、承認申請があった場合は、治験データ等と最新の科学的知見を踏まえ、承認申請の内容について適切に評価してまいります。
 新型コロナワクチンに関する治験データ等の公表についてお尋ねがありました。
 ワクチンに係る承認審査の透明性の担保等の観点から、これまでも必要な情報の公表を行っているところですが、治験データ等を含むPMDAの審査報告書等について適切に情報の公表を行ってまいります。また、新型コロナワクチンの接種後の副反応については、国としても適切な情報の収集と正確で分かりやすい情報の公表、発信に努めてまいります。
 いわゆる法定免責についてお尋ねがありました。
 今回の損失補償契約を可能とするための規定については、二〇〇九年の新型インフルエンザの際の対応を踏まえつつ、世界的にワクチン供給が逼迫する中、企業と契約交渉を行うに当たって不可欠なものであると認識しております。必要な範囲で法的措置を行うこととしているものでございます。
 新型インフルエンザワクチンの接種率と新型コロナウイルスワクチン接種の考え方についてお尋ねがありました。
 新型インフルエンザワクチンの接種率については、当時報告を受けていない医療機関があったため実績をお示しできませんが、医療機関からの報告数を基に機械的な試算を行ったところ、優先接種対象者の推定接種率は約五四・九%、その他の推定接種率は五%でありました。
 新型コロナ感染症のワクチンについては開発中の段階であり、その特性について明らかになっていないことや、接種の対象者の範囲やワクチンの供給量などの未確定要素が多いため、接種率の目標について現時点で設定することは困難と考えております。
 接種については、蔓延の防止上、緊急の必要性を踏まえ、原則勧奨と接種の努力義務を規定を設けており、安全で有効なワクチンが開発されれば国民に幅広く接種を呼びかけ、行政として多くの国民が接種を受けることを期待することも考えられます。
 一方で、予防接種を受けるに当たっては、接種を受ける方が自らの意思で接種を受けていただくことができるよう、丁寧かつ分かりやすく情報提供に努めてまいります。
 余剰ワクチンの取扱い、国内でのワクチン流通価格及び接種費用についてお尋ねがありました。
 ワクチンに余剰が出た場合の対応を含め、ワクチン供給に関する契約内容等については、その内容を申し上げることでより有利な条件で契約することが難しくなるおそれや、逆に我が国への供給を交渉前から断念する企業が生ずるおそれがあるほか、交渉中の企業との間での秘密保持義務もあるため、詳細について申し上げることは差し控えさせていただきます。
 また、国が確保したワクチンを卸売販売業者や医療機関へ無償で提供することも含め、現在、流通に関する具体的な仕組みについては各関係者と調整を進めているところであります。
 さらに、接種費用についても、医療現場の実態を踏まえたものとなるよう検討しているところであり、医療関係者を始め関係者の皆様の御意見をよく伺いつつ検討を進めてまいります。
 損失補償契約を締結するに当たっての手続についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案は、現に発生している新型コロナウイルス感染症に対象を限り、全国民に提供できる数量というワクチン確保の方針も示した上で御審議いただくものであることから、平成二十一年の新型インフルエンザ発生時と同様、個別の契約に当たって国会承認の手続を設けないことといたしております。(拍手)
参議院本会議会議録より

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