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参議院議員 足立信也

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国会会議録

令和2年5月28日 - 厚生労働委員会

○足立信也君  おはようございます。国民民主党の足立信也です。共同会派でございます。
 まず、まだ手元には行っていないですかね。今日の理事会で、前回の委員会で要求いたしましたアビガンの有効性を示唆する研究、これを共有するために皆さんに提出していただきたいという要求をいたしまして、理事会で今認められましたのでお手元に行くと思います。ありますか。(発言する者あり)じゃ、順番変えましょうか。じゃ、順番変えますね。
 コロナ対策、新型コロナウイルス感染症対策について一問だけ。
 報道では、抗原検査、陰性に対してPCR検査を行うというのがずっと流れているんです。ですが、この前大臣が梅村委員に対する答弁で、まず五月中は四十万キットなんだけれども、検査する施設はPCR検査と同じ場所で同時にやると、二本という話をされました。つまり、モニター期間だということだと思うんですが、これのまず確認ですね。
 報道は、もうほとんど全部、抗原検査が陰性の場合はPCR検査というように流れていますよ。ここを、それは六月以降そうなのか、あるいは五月にやった結果でそうなのか、あるいはもう最初からそうなのかというのがちょっと分からないんですね。そこの確認が一つ。まずそこを確認したいと思います。

○政府参考人(宮嵜雅則君)  抗原検査につきましては、まず検体採取をするという意味で、感染のリスク等々考えて、今PCR検査というか検体採取ができるところを基本としてお願いするというような考え方でございます。
 今委員からありました、基本的には陰性の場合は更にPCRを検査をしなければいけないということで、並行してやっていくということで大臣からも御答弁させていただいておりまして、今、その結果、抗原検査での結果あるいはその後のPCRでの結果がどうなるかということは、まさにデータを蓄積してこれから見ていくというところでございまして、ちょっと今月中にとかいつまでにというのはなかなか言いにくいところではございますけれども、できるだけ早くそういうデータも整理して、その結果も踏まえて更にどういう進め方がいいのかというのを検討していくという、そういう段取り、流れになろうかというふうに考えております。

○足立信也君  じゃ、もう少し明確に。
 今報道はそうされているけれども、まずは抗原検査とPCRの検査の結果を比較する、それで分析した後どういう流れになるかを決めていきたいと、そういうことですね。私のところも、いろんな医学団体からもあるけど、みんなそう思っています、陰性だったらPCRなんだと。それは違うと、違うんですね。最初は同時にやるんでしょう。そこをちょっともう少し明確に言ってもらえませんか。間違っていますので、報道が、私はそう思っているんで、ちょっと大臣の方から明確に、最初は、結果が出るまでは同時なんだと言ってください。

○政府参考人(宮嵜雅則君)  済みません、お答え申し上げます。
 基本的な検査の流れといたしまして、まず、抗原検査をやるところでは抗原検査を行っていただいて、陽性が出ればその段階でもう確定診断ということでPCRは実施しないということと、それから、陰性であればその後PCRを実施して最終的に確認するという基本的な流れと同時に、この抗原検査というのがどのくらいの精度というか、PCRとの関係でどういうふうになるかということで、幾つかのところでは、一緒に並行して検体を取っていただいて一緒にデータを取っていくということと、ちょっと二つパターンを考えておりましてやっているということで、ちょっと言葉足らずというか説明が足りなくて、先生方にも現場の人にも混乱させてしまっているというかちょっと分かりにくいところあるかと思いますけど、そういうような考え方で今取り組ませていただいているというところでございます。

○国務大臣(加藤勝信君)  まさに、今は暫定期間だということだと……
○委員長(そのだ修光君) 加藤大臣。

○国務大臣(加藤勝信君)  あっ、ごめんなさい。どうも済みません。足立さんに指してもらったので、済みません、失礼しました。
 今まさに委員御指摘のように、今は暫定期間ということなので、基本的には、まだある程度性能がはっきりしませんから、基本的にはPCRが中心になりますと。いや、抗体検査も使いたいというところには、今、抗体検査のキットを考え方に基づいてお渡しをしております。したがって、そこでは、陽性であれば陽性、陰性の場合には、やはりPCR検査をやるということが前提ですからもう一回PCR検査をされるということになるんだと思います。
 ただ、今申し上げたように、この使い勝手がどうなのかというのは、今局長からお話をしたように、調べて、協力していただいたところに結果がどうだったということを出していただいて、そして、この抗原検査キットの性能といいましょうか、そういったことを確定した中で、どういうケースにおいては、もっと割り切って使うということも当然あるんだろうと思っていますので、したがって、その判断が付くまでの間は先ほど申し上げた言わば暫定期間として併用的な利用をお願いをしたいと。判断が付けばその段階で、どういう判断かによりますけれども、新たな考え方を、新たなというか、抗原検査とPCRをどういうふうに使っていくのかについて整理をした考え方を示していきたいというふうに考えているところであります。

○足立信也君  いや、この件はもうさらっと終わるつもりだったんですけど、今の答弁でまた分かりにくくなったんですけど。
 要は、何ですか、抗原検査のそのキットを配ると、四十万、五月に四十万ですか。そこには、あなたのところは、陰性であった場合には、指定じゃないところは陰性の場合はPCRをやってくださいねと言うし、指定のところは同時にやってくださいと、この二通り、二ルートが流れているということですか、今の御答弁は。ちょっとよく分からないんですけど。

○国務大臣(加藤勝信君)  いや、基本的には、抗原検査で陽性であればそこまで、そうでなければPCR検査をしていただくということが今の段階では、陽性の判定としては慎重にやっていくという立場から必要なんだと。
 ただ、そのやっておられる中で、調査に協力していただいている方はその検査結果を私どもの方にいただきたいということで、そしてその調査結果を踏まえて、先ほど申し上げた最終的にどう使うべきかについて改めて考え方を整理をしていきたい、こういうことであります。

○足立信也君  じゃ、基本はまず抗原検査をやって陰性だったらPCRをやってくださいねという考え方なんだけれども、お聞きしたいのは、じゃ、どれぐらい同時にやってくれと頼む予定なのか。これ科学検査ですから、科学上の差があるのかどうかのことですから、どれぐらいの数を同時にやってくれというふうに依頼するのかと、これ資料をお配りしましたが、そうなった場合に患者さんの流れ、これ、厚生労働省が出しているPCR検査を受ける際の患者さんの流れですが、これに抗原検査の流れを付加するとすると、これは、地域の診療所、右側の方に受診して、その段階で陽性であれば保健所へ報告と、こういうことになるんでしょうか。ちょっと、患者さん自身の流れがどうなっていくのかなと。今二点質問しましたけど。

○政府参考人(宮嵜雅則君)  まず、後段の方のこの流れから申し上げますと、この中に抗原検査が入ったときですよね。基本的に抗原検査というのは、補完的にと言うとあれなのかな、PCRの前段階のスクリーニング的に使われるような流れで今セットしていますので、基本的にはこの流れが、抗原検査の段階で陽性が出れば、その陽性の段階でPCRが陽性になったときと同様の流れになりますので、この流れとしては今の段階で大きく変わるものではないというふうに捉えております。
 それから、検査をお願いしているところにつきましては、今の段階でちょっと幾つという数字は持っていないんですけれども、御協力いただけるところにデータを出していただくというようなやり方で進めているというところでございます。

○足立信也君  流れとしてはと。でも、アバウトなんですよ。どうしたらいいのかなと現場の人間は考えるわけですね。
 今、じゃ、もう一回確認ですよ。こんなに長く掛かると思わなかったんですけど。
 まず、患者さんが診療所にというか、そこの検査するところへ行って、抗原検査で陽性の場合は抗原検査陽性ですと言って保健所へ報告するんですか。で、PCRはもうやらないと。陰性であった場合は、今までのPCRの流れにのっとって、帰国者・接触者あるいは地域外来・検査センターにまた依頼してやるという形になるんですか、陰性の場合。依頼か連絡をしてということになるんですか。どういう流れなんですか、陽性の場合と陰性の場合。陰性を待って、もう一回PCR検査の流れに戻るという話ですか。

○政府参考人(宮嵜雅則君)  済みません、お答え申し上げます。
 陽性の場合には、抗原の段階で陽性ですので、陽性と御連絡いただければ、結果的にこれまでのPCRが陽性だったときと同じで、御連絡いただければ、それに基づいて保健所の方で入院等の措置を行っていくという普通の流れになろうかと思います。
 陰性のときは、その後PCR検査を受けていただくんですけれども、ただ、実際の流れとしては、検査して三十分とか待っていただいて、陰性だったらまた検体取ってPCRという形ではなくて、多分、検体は一遍に二検体なら二検体分採取されて、まず抗原だけ検査されるというのが一般的だと思いますけれども、その結果、陰性だった場合にはもう一つの方をPCRの方に回すということになると思いますので、その段階ではPCRの検査の結果、当然すぐ出ないわけですから、これもこれまでと同じですけれども、一回御自宅なりに戻っていただいて、検査結果が出たら連絡して、プラスだったらプラスの措置、マイナスだったらそのままというようなこれまでの流れと同じような形になろうかというふうに考えております。

○足立信也君  多分、やっぱり整理しないと分からないと、僕自身が分からないんで、多分分からないんじゃないかと思うんですけれども。帰国者・接触者外来に最初から行った人はいいですよ。そうじゃない人たちというのは行ったり来たりしなきゃいけないんじゃないかと思うんです、陰性になったら。ちょっと整理しましょう、後で。
 今配付されたというので、この件に行きます。
 御案内のように、この有効性を示すような報告という私は依頼をしました。そうすると、ホームページに症例報告が三つと。普通、その効かなかったという症例報告はしませんから分からないですね。臨床試験としては一つ。これが皆さんの話題になった、一度掲載と言いながらそれが取消しになったけれども、また四月十七日に正式掲載になったというものなんですが、これ、原文を読みまして、ちょっと質問はしませんけれども、概要を説明します。
 これはオープン方式という臨床試験の一つにすぎないわけですけど、このエンジニアリングという雑誌ですね、インパクトファクターは五・〇と高いんですけど、エンジニアリングという雑誌というのがどうも、あれっという感じがします。カレトラ群を、これ、カレトラというのはエイズの治療薬ですけれども、HIV感染症の、これどういうふうにやったかというと、一週間で九十一例カレトラ群行った後の四十五例がピックアップされている。その後、アビガン群を二週間で五十六例やったうちの三十五例。このピックアップが果たしてどうなのか。しかも、連続でやっていると。
 カレトラというのはもう、先ほど言いましたエイズ治療薬ですけど、臨床試験でコロナウイルスに対して有効性は認められなかったものとの比較試験です。有意差はありということになっているんですけれども、ですけれども、ウイルスの消失について。ところが、これ見てみると、三十五例中二十五例が四日間で消失しているという、ちょっと信じ難いようなものなんです、私から見ると、四日で消失というのがですね。やっぱりこれを見ると、私はきちんと計画された治験結果を待つべきだと、そのように改めて思います。
 質問ではありませんので言いますと、一言言いますと、やっぱり結果を出す、はっきりさせるための研究、臨床試験というものはルールを変えてはいけないということです、その承認に関しても。科学を軽視する政治は駄目だと改めて私は言いたいと思います。
 じゃ、年金の問題に移りますけれども、まず、参考人質疑を行いました。神野年金部会長は、抜本改革、例えば二〇〇四年に行われたような抜本改革はビジョンの改革なのに対して、五年ごとに財政検証を行い実施される改革、まあ今回の改革もそうですが、問題解決型改革だと、そのようにおっしゃっていました。
 でも、プログラムにのっとって行われる個別のテーマの改革はそれは重要ですが、そうなると、問題を絞ってそこに解決策を提示するような法改正をやるということになると、根本的な問題とかあるいはテーマ以外の問題点が置き去りにされるという危険性がやっぱり非常に高いわけですよ。野党の皆さん、与党の皆さんも含めて、質問の多くはそういう部分じゃなかったかと。テーマを絞って、二つの大きな柱というふうに言われておりましたけれども、絞った改革はそうだけれども、それ以外の部分が相当問題があるという指摘があるんだと思いますし、参考人のお一人の西沢さんは、ビジョンの議論が部会で足りなかったんじゃないかという指摘をされておりました。
 さらに、そういうテーマを絞って、項目を絞って問題解決型にすると、前回の法改正時に付けた附帯決議が反映されないことがあります、別のテーマだからと。そういったことも、後で二点ほど指摘をしますけれども、年金制度全体に対する法改正を施行するに当たってこういうことを考えてくれといったことが、テーマが違うからといって行われていないということが生じてくるわけですよ。このやり方は私はちょっとどうなのかなという気がしますし、その点は後で指摘しておきたいですし、また、プログラムにのっとってテーマごとにというやり方も、その形をどこまで続けるのかというのがないと、根本的なビジョンに関する改革論というのがちょっと置き去りになってしまわないかという気がします。
 今回、テーマにはなっていないんだと思いますけれども、やっぱり年金、基礎年金の底上げという問題が非常に大きい。被用者保険の適用拡大もそれに資すると思いますけれども。
 まず、この前も言いましたが、二〇一八年度の全要素生産性が〇・三%だったと、上昇率がですね。これは財政検証のケース六に相当すると。これ、資料をいろいろ調べたんですが、例えばケース三の場合は、二〇四七年度以降で所得代替率が五〇・八%、基礎年金部分が二六・二%で今のものよりも二八%カット、そして、厚生年金部分は二四・六%で今よりも三%カットと、こうなると。ということは、ケース六の場合、基礎年金部分と厚生年金部分の所得代替率はどうなるのか、これ分からなかったので、教えてください。

○政府参考人(高橋俊之君)  二〇一九年財政検証のケース六でございますが、マクロ経済スライド調整中の二〇四三年度に所得代替率が五〇%に到達するという結果になってございます。法律の規定で、その次の回の財政検証までの間に五〇%を下回ると見込まれる場合には、給付水準調整を終了し、給付と負担の在り方について検討を行うということとされておりますので、その二〇四三年度の五〇%に到達した時点で、基礎年金部分、二人分ですけれども、代替率二九・六%、報酬比例部分二〇・三%となるというものでございます。

○足立信也君  ケース六の場合、二九・六と二〇・三ということですね。これは既に調整がもう終了してしまうというか、積立金を取り崩していかなきゃという話になってくるわけですけれども、今のデータはそれでお聞きしました。
 そうすると、基礎年金の話を今しておりますが、二〇一九年の単身高齢者の基礎的消費支出と老齢基礎年金の差額というのは今どれぐらいなんでしょう。

○政府参考人(高橋俊之君)  食費や光熱費、家賃や保健医療サービスといった基礎的消費支出でございますが、二〇一九年の家計調査報告によりますと、六十五歳以上の単身世帯におきまして月額七万七百四十一円となってございます。一方で、二〇一九年度の老齢基礎年金額、満額は月額六万五千八円でございます。したがいまして、その差額は約五千七百円程度でございます。

○足立信也君  私は、もう前々から高橋さんとの議論の中で、基礎年金というのは老後の生活全てを保障というものでもない、ベースだということは共有しています。ただし、五千七百円の差額はあるという認識ですね。
 じゃ、繰下げ受給をした場合の話なんですが、この年金部会の今後の検討課題というものの中に、僕はよく知らなかったんですが、繰下げ受給をしても在職支給停止相当分は増額対象にならない、このことは今後の検討対象であるというふうに書かれていました。その事実を僕は余り知らなかったので、その説明なんですが、この在職支給停止相当分が増額の対象にならない、ならないということになる年金給付者といいますか、受給者といいますか、その年金の対象者は誰、どういう人たちで、年率八・四%の増加ということになるんですが、それは在職支給停止相当分を除いた部分が八・四%に増加していく、年率換算で、そういう意味なんですか、全体額じゃなくて。説明だとそこの部分がちょっと、資料を見てもよく分からないんです。説明をお願いします。

○政府参考人(高橋俊之君)  六十五歳から年金を受給した場合、所得が高いときですね、高在老ですからラインが高くなっておりますけれども、それを超える所得がある場合に、在職支給停止によりまして年金の全部又は一部が支給停止になるわけでございますけれども、そのような方が繰下げ受給を選択した場合には、在職支給停止相当分を除いた部分だけについて増額率が掛かる、在職支給停止分については増額率は掛からないと。除いた部分について、停止されない部分について、増額率月〇・七%、年八・四%が適用されるというものでございます。これは、在職支給停止された部分も繰下げ増額の対象としてしまいますと、繰下げを選択することによりまして、実施時期に在職老齢年金の支給停止がなかったものとなってしまうということを避けるために取られている仕組みでございます。
 これにつきましては、年金部会の昨年末の議論の整理におきましても、在職老齢年金についての様々な論点を取り上げる中の一つとして、繰下げ受給をしても在職支給停止相当分は増額対象とならないことも取り上げた上で、高在老を含めた高齢期の年金と就労の在り方については引き続き検討を進めていくというふうにされているものでございます。

○足立信也君  それは高在老を受けた方という話ですが、年金の受給を繰り下げるということと高在老を受けてもらっている方という、そこの区別がよく付かないんですが、繰下げの方というのはもらっていないわけですよね。繰り下げた方はもらっていないけれども、その受給停止部分のものが増額されると重なってしまうというちょっと理屈がよく分からないんですけど。ずっと年金もらっていない人の話ですよね、今。
 だから、最初に聞いたのは、どういう人が対象、誰なんですかというのが、ちょっともう少し詳しく説明していただけますか。

○政府参考人(高橋俊之君)  これ、年金を受給して、繰下げ中ですから今受給していないわけですけれども、受給していない方につきましても所得は調べているわけですね。これ、厚生年金の被保険者について、厚生年金の被保険者以外の所得はこれはカウントしない仕組みなので、厚生年金の被保険者の所得というのはちゃんと年金機構に入ってきています。
 七十歳以上の方であってもデータは取るようになっていまして、まだ受給中じゃなくても、その所得から見て支給停止基準に該当しているということであれば、支給停止基準に該当しているというふうに記録をしていくわけでございますね。それで繰下げ受給をして、現に繰り下げて受給が開始したときに、その当時に支給停止基準に該当していたという記録があるものでございますから、その部分は増額しないと、こういった計算をするものでございます。

○足立信也君  そうすると、月〇・七%、年で換算すると八・四%増えますよというのは僕は違うような気がするんですけど。その部分を抜いているということは、それまでもらっていないわけですよね。
 普通考えると、六十五歳時点での年金受給額というのは定期便あるいはねんきんで来ますよね。それを繰り下げていったら、その額が〇・七、〇・七と増えていくというふうに思うんですけど、そうではないということですね。

○政府参考人(高橋俊之君)  高在老の支給停止基準に該当する方についてはそうではないと。該当しない方についてはちゃんとそういうふうに増額するというものでございます。ちなみに、これ基礎年金部分は高在老の制度がありませんので、これにつきましては所得が高くても支給停止部分でありませんので、これにつきましてはきっちり増額するというものでございます。

○足立信也君  これ、私だけかもしれませんが、知らない方は相当いるような気がしますので、実はそうなんだということだろうと思いますよ。これもできるだけ分かりやすく説明していただきたいと。去年取り上げたものか何か、繰上げすると増えますよというものだけがこう大々的に出ていまして、その部分は、高在老に該当する方が受給停止部分があるんだということは知らない方の方が多いんじゃないかと私思いますので、是非それは分かりやすくしていただきたいと思います。
 次に、二〇四〇年、私は二〇二五年とともに二〇四〇年がやっぱりターニングポイントだと思っていまして、それまでの準備が非常に大事だと。なぜかというと、二〇四〇年前後で高齢者人口はほぼ一定になりますけれども、八十歳以上はぐっと増えていくという中で、じゃ、それに加えて、団塊ジュニアの方が六十五歳以上の高齢者になっていくと。この方々に続いて、就職氷河期時代の方々がまたなっていくと。
 非常に厳しいターニングポイントになってくると思うんですが、そのときに、基礎年金のマクロ経済スライドが二〇四五年、四七年、その前後までずっと続いていくということは、多くの低年金者が生じる可能性が高いと思うんですね。それが予測される。そうなると、生活保護世帯が増えるのではないかと一般的に言われていますね。これ、団塊ジュニアと就職氷河期の方々、これに対する回避策、生活保護にならないようにと。これは一つは基礎年金の話になってきますけれども、この回避策というものをどのように考えておられるんでしょう。大きな話になりますが。

○国務大臣(加藤勝信君)  基礎年金の、今おっしゃるようにマクロ経済スライドの調整期間が長期化する中で、基礎年金のみで生活をするなどの低年金の方には今委員御指摘のような影響が出ているという、これは、私どももその問題認識は共有をしております。
 就労の多様化を背景に、自ら生活の手段を有する自営業者だけではなく、雇用者でありながらも厚生年金には加入できず国民年金に加入している方も四割近くを占めているわけでありまして、まず、こうした状況を踏まえると、被用者保険の適用拡大、これをしっかりと進めることによって、その方の基礎年金水準の確保にもつながると同時に、既にこの年金試算でもお示しさせていただいておりますように、基礎年金水準そのものの引上げにもつながっていくということで、これをしっかりと進めさせていただきたいと思っております。
 また、財政検証オプションでは基礎年金拠出期間の延長が年金水準を充実させるという、こういう試算も出させていただきました。ただ、課題は、基礎年金拠出期間延長については、延長分に係る基礎年金の二分の一の国庫負担をどうするか、どう安定的な財源を確保するかという課題があるわけであります。そうした課題も含めて、今回の法案の検討規定の中においては、被用者保険の適用拡大に加えて、基礎年金の所得再配分機能の維持に向けてどのような方策が可能かということも含めて検討すべきとされているところでありますので、それを含めてしっかりと検討を進めていきたいというふうに思っております。

○足立信也君  これは質問ではなくて意見ですけど、我々はずっと所得税減税が大事だということの中で給付付き税額控除という、課税所得以下の人たちにも逆に給付という形で、それにはマイナンバーの活用が欠かせない、今回の新型コロナウイルス感染症の経済的影響も含めるとまたその議論が必要だと、もっと必要だと、私はそのように考えておりまして、生活保護世帯がどんどんどんどん増えていくというよりも、やはりその課税所得の下限を下げるような形の補足で給付付き税額控除という形を持っていくのがやっぱり正しいんではないかなと、一つ私は考えています。
 今の大臣の説明ですけど、やっぱり適用拡大も確かに非常に大事、効果は大きいと思いますが、総理はこの前の答弁で、基礎年金の所得再分配機能の低下は確かにあると、このままいくとですね、引き続き検討するというふうにおっしゃいました。今大臣も検討すると言いましたが、これは先ほどの冒頭の私の話からいくとビジョンの議論になってくるんですが、この基礎年金部分をどうしようかというような検討はどれぐらいまでにやろうというふうに考えておられるんですか、大臣の今の考えとしては。検討が必要だということで。

○国務大臣(加藤勝信君)  これ二つあるというふうに思っておりまして、基礎年金、今委員から御指摘の当初の御質問にもありましたけど、基礎年金部分というのはどこをカバーしているかという水準そのものの議論ということと同時に、このマクロ経済スライドがスタートしてから基礎年金部分と報酬比例部分のこの中のバランスも随分変わっていってしまっているという、ここをどう捉えるのかという、二つの課題があるんだろうというふうに思っております。
 いずれにしても、それらについて、基本的には次の財政検証を踏まえて行う次期年度改正検討にということになるわけでありますから、私どものところでは社会保障審議会年金部会などの場で議論をするということになると思いますけれども、これ、先ほど申し上げたように安定財源とも絡んでくる話もあります、中にはですね。したがって、こうした年金部会だけで本当に議論できるのかどうか、その辺はまだどういう構想を私自身が持っているわけではありませんけれども、もう少し幅広く議論をしていく必要はあるというふうには認識をしております。

○足立信也君  おっしゃるとおりだと思います。
 特に、この今のウイルスと共生する考え方あるいはポストコロナというものと考えると、今まで過去三回、私はこの前例示しましたけれども、国民会議のような大きな会議体で全体の社会保障をどう考えるかという議論はまた必要になってくると、そのように思います。
 そこで、一番大きな要素のその被用者保険の適用拡大のことにもう一回行きますけれども、その分、国民年金の拠出金負担を減少させて国民年金財政を改善するのは間違いないと思います、被用者保険の適用拡大はですね。とともに、マクロ経済スライド調整が基礎年金部分が早期に終了することに資すると思います。そうなると、所得再分配機能もまた高まっていくと。こういう好循環がある。だから拡大すべきなんだという議論なんですが、じゃ、オプション試算のAというのは、年金部会長もオプション試算を見た上で議論をしたということなんですが、あっ、ごめんなさい、財政検証を見てですね。で、オプション試算のAは企業規模要件を廃止したものですね、Aというのは全て。
 じゃ、なぜ試算にもない百人あるいは五十人というのが出てきたんでしょう。そこの説明をお願いしたいと思います。

○政府参考人(高橋俊之君)  御指摘のように、オプション試算Aでは三つ試算を行っております。一つは、現行の企業規模要件を完全に撤廃した場合、それからもう一つは、さらに賃金要件と企業規模要件、両方を廃止した場合、三つ目が、労働時間要件も廃止いたしまして、月額五・八万円以上の賃金要件を満たす雇用者全てを適用した場合、この三つ試算したわけでございます。
 この数字を材料にしながら様々な議論を行っているわけでございますけれども、また、その財政検証の前一年間ほど掛けて事業者団体、労働者団体、関係団体を含めた懇談会というのをやってまいりました。そのメンバーでない関係の業種別の団体もお呼びしてヒアリングを行ったり、そういうきめ細かな議論を行ってまいりました。
 こういった関係者の意見を丁寧に聞きつつ議論を重ねた結果、企業規模要件を撤廃というのを今回の法律でいくのはいかにも中小企業が困ると、こういう意見も非常に多かったわけでございます。一方で、本来は被用者である場合には最終的に規模要件を撤廃するのが原則であるといった御意見もありまして、両方意見があった中で関係者の意見を丁寧に聞いて議論を重ねた結果、まず今回の改正では二〇二四年十月に五十人超規模の企業まで適用という結論に至ったという経過でございます。

○足立信也君  法律上、企業規模要件というのは当分の間と、こうなっていて、もちろんこれはなくすというのが本来の法律の趣旨なわけですけれども、オプション試算を参考にしながら部会では議論したと言いながら、そのオプションAには企業規模要件を下げていくというオプションは一切ない。もうないわけですね、企業規模要件というのは。それはまあその後の議論で変わっていったと言いますが、じゃ、もちろん今後もこの適用拡大、企業規模要件に関しては更なる検討をやるんでしょうが、現時点で五十人以下の事業所というのは除外されているわけですよね。この除外するということは極めて大きい話だと思うんですが、これには、そこの意図はどういう意図があるんですかね。

○政府参考人(高橋俊之君)  本来は被用者である者には被用者保険を適用することが原則であって、企業規模要件は最終的に撤廃すべきと、当然そういう考え方に立った上で、一方で中小企業への経営への配慮も欠かせないと、そういった点で今回の改正ではここまでとしたわけでございますが、今後につきましてさらに検討規定で定めておりますとおり、しっかりと次の財政検証等も踏まえ、また今回の施行状況等を踏まえながら、更なる拡大につきまして検討していくというものでございます。

○足立信也君  それでは、年金機構の体制というか、年金事務所のそれぞれの体制のことを伺いたいんですが、適用要件を満たしている全ての事業所をもう本当に把握しているんだろうかというのがやっぱり非常に疑問です。
 政府案の、これ調査権限を今回強化するということになっているわけですが、今のこの体制で本当に把握することが可能なんだろうかと。
 この前、石橋理事の質問に対して審議官は、今は適用されていないけれども適用の可能性のある方が百五十六万人と答えられたと思うんですが、じゃ、今回、先ほど法改正の話しましたけれども、適用事業所である蓋然性が高い未適用事業所は法的権限に基づく立入検査の対象とするというふうになっているわけです。
 二〇一六年の前回のその参議院の附帯決議でも厚労省の厚生年金保険への加入促進という趣旨が明確に書かれていて、これは、職員は、調査、徴収、それから滞納処分というようないろんなことをやっていくわけですけれども、そこに適用しているかしていないかも含めると、適用事業所も非適用事業所もどちらも調査対象と私は思うんですね。そうなった場合に、今の年金事務所の職員で本当に足りるのか。
 まずは、今の年金事務所の職員で調査、徴収、滞納処分をする職員数はどれぐらいいて、調査対象の事業所はどれぐらいあるのかというのをまず教えてください。

○政府参考人(日原知己君)  今御質問をいただきました年金事務所の厚生年金保険でこの適用促進の業務に従事する職員の人数ということで申し上げますと、ちょっと切り分けが難しい部分もございますけれども、各年金事務所におきまして厚生年金保険の適用促進業務を所管する課、こちらに配属されております職員の総数ということで申し上げますと、今年の四月現在で約二千九百名というふうになってございます。

○足立信也君  事業所。質問の対象事業所、調査対象事業所。

○政府参考人(日原知己君)  それから、もう既に適用されております事業所に対します事業所調査、これも非常に重要だというふうに考えておりまして、適用されております事業所の事業所調査ということで申し上げますと、まず適用されております事業所数全てで申し上げますと、平成三十年度末現在で約二百三十四万事業所となっております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 それで、この適用事業所に対する調査につきましては、平成二十八年度から平成三十年度で申し上げると、毎年三十万前後の事業所に対して調査を行っているという状況でございます。

○足立信也君  二百三十四万あるうちの三十万は調査しているという話。
 これ、人数のことなんですけど、私、年金機構労働組合の方からの情報でそれをお聞きしたんですが、年金機構全体の定員は二万二千六百人ですけれども、全国三百十二の年金事務所の職員は一万五千六百人、約。そのうち厚生年金適用業務に従事するのは適用促進課、厚生年金調査課、厚生年金適用調査課、厚生年金適用徴収課で、このうちの約一割、千五百人程度なんです。千五百人で適用事業所二百三十四万、未適用調査対象事業所が約三十六万と。これ、割ると一人平均千七百か所以上の事業所を担当しなきゃいけないという計算になるんですけど、まあ不可能ですよね。
 ここのところは、非常に大きな、先ほど基礎年金にも資する、もちろん労働者は厚生年金でという大原則のある中で、この人数でこれだけの調査をしなきゃいけないということ自体がまず無理だと思うんですが、この体制そのものについてはどういうふうに捉えられているんでしょう。

○政府参考人(日原知己君)  まず、その事業所の調査の方について申し上げますと、一点は、この事業所調査を実施するに当たって、より効果的、効率的に調査を実施できるようにしていくということが大変重要だと思っておりまして、その調査対象に対してもう少し具体的な情報を持った上で対象を優先順位付けしていくと。
 具体的には、その雇用保険の被保険者情報などの活用に取り組んでいきたいと考えておりますほか、今回の法改正の施行に当たりまして、日本年金機構における必要な体制整備、これを図っていく必要があるというふうに考えておりまして、これを予算要求に向けて必要な対応を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○足立信也君  やっぱりしっかり体制がないと、調査も徴収も、滞納処分に関してもなかなか難しいと思いますので、是非頑張ってもらいたいと、これは大臣にエールを送っておきたいと思います。
 次は、年金積立金の運用についてなんですが、私自身ちょっと、今まで運用については、株式とそれから債券、国内、国外と、そう思っていたんですが、オルタナティブ資産、私、今回まで知らなかったんですが、オルタナティブな資産ですね、これについての、どんな特徴があるのか、その保有割合あるいは額、これについてまず教えてください。

○政府参考人(高橋俊之君)  オルタナティブ資産というのは、伝統的な投資対象である上場株式や債券とは異なる非伝統的資産、オルタナティブ、代替でございますので、非伝統的なもの、でないものというものでございまして、GPIFが投資対象としているオルタナティブ資産は、インフラストラクチャー、例えば電力の発送電施設とかパイプラインとか鉄道とかのインフラ、それからプライベートエクイティー、これは非上場企業の株式、それから不動産、オフィスビルですとか商業施設ですとか賃貸施設ですとか、そういった不動産などでございます。

○足立信也君  それで、どんな特徴があるんでしょう。それから、保有額あるいは割合、そこまで。

○政府参考人(高橋俊之君)  失礼いたしました。
 オルタナティブ資産は、そういったものでございますので、流動性が低い。株式市場とか債券市場で取り扱われておりませんので、流動性が低い。一方で、伝統的な資産に比べまして、高い収益、収益率が高いといった特徴がございます。そういった意味で、個別性が高いものでございますから、そのリスクをよく見極める必要がございます。GPIFは、個々の不動産インフラを直接出資するんではなくて、そのファンドに出すという形をしてございます。
 今、規模的に申しますと、令和元年度第三・四半期末で資産総額八千億円になっています。GPIF全体の資産全体に占める割合、〇・四九%程度というものでございます。今後、もう少し増えていくとは思います。(発言する者あり)

○理事(石田昌宏君)  もう一度お願いします。

○政府参考人(高橋俊之君)  はい。
 もう一度、金額申し上げます。
 資産総額は約八千億円、年金積立金全体に占める割合が〇・四九%というのが令和元年度第三・四半期末でございます。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕

○足立信也君  今、説明の中で、流動性が低い、収益率が高いと言いますが、流動性が低いということはその掛かるコストが高いということなんじゃないんですか。違いますか。
 今までの議論の中で、これまでのオルタナティブ資産に関して、目標、今〇・四九ですが、これを五%にという目標を掲げているというような話も聞きました。今の十倍以上になるわけですね、その目標まで行くと。
 そうすると、高橋さんとしては、今の特徴、おっしゃられた特徴を踏まえると、その目標、十倍の目標を掲げていく、これを増やしていくということについては、どういう効果あるいは懸念、それが挙げられるでしょうか。

○政府参考人(高橋俊之君)  これは長期投資でございますので、オルタナティブ資産、インフラやプライベートエクイティー、不動産などのそのファンドをしっかり見極めて、長期的に持っていて、それが損失を出したりしないということをよく確かめて、リスクを確かめた上でそこを持つと。で、長期間持ち続けますと、最初はその見極める手間というのが掛かるんですが、一旦それが走り出しますと、それは余り手間を掛けずに高い利回りが継続して出ていくと。そういうものを徐々に増やしていくと、長期的に見て高い利回りが取れていくと。
 今、債券が非常に利回りが低いわけでございますので、これ、GPIFに限らず、年金の運用をしている世界の、内外の法人等も、このオルタナティブというのは有力な運用手段として重視して、リスクを見極めながら運用していくといった状況でございます。

○足立信也君  ということは、これ、GPIF法の趣旨といいますか、運用の基本原則といいますか、これに関わってくるわけですけれども、その基本原則、趣旨、法律上の要請ですね、それは何で、どういうことであって、それにこのオルタナティブ資産の運用を増やしていくということは合致しているという判断ですか。

○政府参考人(高橋俊之君)  積立金の運用の法律上の要請というのは、厚生年金法ですと七十九条の二に規定されているわけでございます。
 積立金が被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、積立金が将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたり、年金事業の運営の安定に資することを目的として行うこととされているといったものでございます。安全かつ効率的にということでございまして、安全というのは、短期的に株のように上がったり下がったりするじゃないかと、そういう短期的リスクではなくて、長期的に見てしっかりと利回りが取れるかどうかといったことでございます。
 そういう意味で、このオルタナティブ資産のようなものは、長期的に安定的に利益が出ると。そのときそのときで時価の評価が上がったり下がったりしませんし、長期的に見て下落するというよりはインフラや不動産からしっかりと定期的に利回りが入ってくると、こういったものでございますので、そういう意味で、この目的にかなっているというふうに考えてございます。

○足立信也君  ただし、大災害とかない場合だと思いますね、特にインフラ部分のものが多いわけで、という条件が付くと私は思います。
 二つ目の、附帯決議のことが議論されていないんじゃないかという次のことなんですが、そのGPIFの経営委員会の組織、委員構成ですね、これについて、附帯決議では、経営委員会における被保険者代表の定数と配分について検討が求められております。
 やはり、私がこれをお聞きしたときについて思いますと、どうしても、その被保険者、労働者代表というのが一人というのは非常に厳しいんだろうなと。何事においても、一人で行くと、最近よく見るのは両論併記みたいな形で終わるとか、せいぜい行ってもそこまでで、大方の流れの中に一人で行って話をするというのは本当に難しいことだと思うんですが、これは今回の改正に当たってどんな検討がされていたんでしょうか。

○政府参考人(高橋俊之君)  現在、GPIFの経営委員会、委員長、理事長含めまして、委員全員で十名という経営委員会の規模になってございます。
 そういう意味で、これは経済や金融、資産運用、経営管理などの専門家、そしてまた、監査委員のメンバーもこの経営委員でありますから、弁護士ですとか公認会計士ですとか入ります。それから、執行部側として理事長もこのメンバーに入っています。この限られたメンバーの中で、この法律を作ったときも、被保険者、事業主の代表をどうするかという議論がございましたけれども、その中で、それを一名と、一名ずつ関係団体の推薦に基づき任命することがGPIF法に明記されているものでございます。
 前回、この法案の審議のときに附帯決議もありまして、その後、なかなかこれは継続的な検討ということではあるんでございますけれども、その後、その趣旨を生かす形で、社会保障審議会の資金運用部会がつくられた際には、その委員には労使の代表が各二名加わっていただくといったことで、経営委員会から、さらに今度は厚労省から示す方針ですとかその運用状況を審議するという、資金運用部会にはそういった体制も強化しておりますけれども、いずれにしましても、この経営委員会のメンバーは、この十人全員が専ら被保険者の利益のために運営するという目的の下に行うわけでございまして、しっかりと被保険者や事業主、代表者の意見も反映した議論がなされていると考えてございます。
 そういった中でございますので、今回の法改正の、改正法案の中でここを変えるといった議論とならなかったものでございます。

○足立信也君  専ら被保険者の利益のためにとあるからそれは全員が共有しているという話と、それから、GPIFの経営委員会ではないけれども、部会の中で、例えば資産運用に関しても、この前、参考人として来ていただいた神野先生は部会長だし、井上さんも委員で、それはそうなんですが、やはりそこも、そこには入っていると今おっしゃいますけれども、やっぱり海外の例えばアメリカ、カナダ、韓国、スウェーデン、オランダ、オーストラリア見ても、実際に被保険者である労働者の代表というのは、やっぱり皆さん、今挙げた中では全部複数ですね。やっぱり一人というのは大変だと思いますし、そこに意見がしっかり反映されるのかどうかと。専ら被保険者の利益のためにと共有しているからって、それは、法律に書いてあるからそれはできるんだと言っているのと同じようなもので、そこが実際に実効性があるかどうかというのは、やっぱり委員構成は大きく影響すると私は思いますので、この点は指摘しておきたいと思います。
 次に、企業年金と個人年金についてなんですけれども、今ずっと議論の中で、基礎年金の給付水準の低下が非常に大きいということで、それはひいては公的年金全体の給付水準が将来低下していくというのはもう皆さん認識が共有されていると思うんです。一方、企業年金や個人年金は、やはり税制上の優遇措置もあって政策上は推進されている方向にあるんだと、そのように思うんです。
 そもそも、これは二〇〇四年の年金国会の後に、与野党を超えて、全体の協議会でしたか、衆参合わせた会議がつくられました。あのときもあったんですが、そもそも公的年金が必要なのかという議論につながっていく話だと私は思っていまして、そこで、もう最終盤になってきましたので、そもそも公的年金がなぜ必要なのかと、そこを正確にあるいは意欲的に説明してほしいんです。お願いします。

○国務大臣(加藤勝信君)  まさに、従来から申し上げておりますように、公的年金のその役割、まず、老後の生活を支える中心ということでありますから、それの持続性を図っていくということは私どもの大事な責務だというふうに考えております。その上において、企業、個人が行う自主的な取組、これを税制面で支援をしていくという形になっているわけであります。
 公的年金制度は、まさに共助としての社会保険制度であります。給付と負担の均衡が取れて初めて、先ほど申し上げた持続可能であり、その機能も維持をしていくことができる。そして、このためにマクロ経済スライド等を導入して、現役世代と高齢世代のバランスも確保しつつ、一定の給付水準を確保することを前提に制度を維持可能なものとしてきたところでありまして、引き続き、そういった意味での老後生活の基本を支える機能ということで、引き続き公的年金がその機能を果たしていけるように、言わばモデル年金の所得代替率についても五〇%を確保するということはそうした考え方が反映しているものだというふうにも思いますので、そうした公的年金の機能がこれからもしっかりと発揮できるように我々として努力をしていきたいというふうに思っております。

○足立信也君  公的年金について、今、社会保険の仕組みを使っているとおっしゃいました。
 私は、そうであるならば、できるだけ大きな運用をする母体であって安定的であるということと、やはり所得再分配機能をしっかり持っているんだということが公的年金の私は大きな役割だと、そのように思っています。
 あと、指摘ですが、前回の質問で石橋理事がiDeCoの手数料が非常に多いんだということを指摘されました。これを是非やっぱり定期的に公表してもらいたいなということを要望として挙げておきます。
 非適用業種の見直しがされました。士業の方なんですが、一つだけお聞きしたいのは、これ例えば国会議員の事務所なんというのは考えなかったんでしょうか。

○政府参考人(高橋俊之君)  今、一般に、被用者保険に加入するには一定の要件を満たす適用事業所で使用されているということでございまして、個人事業所の場合には、常時五人以上で法定十六業種、今回士業を追加したわけでございます。
 今回は様々な検討をした上で士業を追加したわけでございますけれども、もちろん、非適用業種の見直し、今後引き続きの検討課題だと思っております。仮に業種の限定がなくなれば、常時五人以上の秘書などの従業員を使用する議員の事務所、これも当然適用事業所となると考えてございます。現時点でも任意包括適用というのをしていただいて適用をしていただいている議員の先生もおられます。
 今後の検討課題の中には当然含まれるものと考えてございます。

○足立信也君  以上で終わります。
令和2年5月28日 参議院厚生労働委員会議事録より

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