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2017年5月16日 廃案とすべき精神保健福祉法改正案を早期に抜本的に見直す修正を勝ち取る

参院議員 足立 信也

相模原市の障害者支援施設で2016年7月、46人が殺傷される痛ましい事件が起きた。犯行と精神障害との関係はこれから裁判で争われることになっているにもかかわらず、安倍政権は「措置入院(※)歴がある精神障害者」と決めつけて、入院措置解除後のフォローを都道府県に義務付ける法案(精神保健福祉法改正案)を提出した。
※入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者を、精神保健指定医2人の診断の結果が一致した場合に都道府県知事が決定して入院させること。

安倍総理は今年1月の施政方針演説で、「昨年7月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります」と述べている。

法案は、原則として措置入院中に措置入院者の退院後支援計画を作成することとしており、計画ができるまで退院できず、精神科病院への囲い込みにつながるおそれがあるという問題がある。一方的な決めつけで、精神障害者の人権を侵害するおそれのある法改正を行うことは問題であり、民進党は4月11日の「次の内閣」で反対することを決定した。

民進党が参院厚生労働委員会で厚労省にこの問題をただしたところ、厚労省は13日、「改正の趣旨を法案の内容に即したものにすることで、より分かりやすくするため」といった理由で、法案の概要資料から事件に関する記述を削除することを含め、5カ所の修正を提示した。審議が始まってから法案の資料を修正することは極めて異例。

4月7日に参議院で審議が始まってから1か月以上に渡り、民進党は廃案を目指して法案の問題を追及してきたが、与党の強い要求により、5月16日、参院厚生労働委員会で採決が行われることになった(写真は法案について質問する足立信也参議院議員)。民進党は仮に法案が成立しても、早期に抜本的な見直しが行われるよう、与党に修正案(内容は下記の通り)を提案。修正案は与党の合意を得て可決した。民進党は修正案には賛成したが、重大な問題がある法案本体には反対した。

 法案は、与党等の賛成によって参議院で可決された。民進党は引き続き、衆議院で法案の問題点と政府の対応を厳しく追及していく。

(修正案のポイント)
〇政府がこの法律について見直しする期限を、法施行後「5年以内」から「3年を目途」に前倒しする。
○「必要に応じて」を削除し、「必ず」所要の措置を講ずるものとする。
〇政府に対し、精神科病院に入院している者及び退院した者の権利の保護の観点から、措置入院者等及び医療保護入院者の退院後の医療その他の支援の在り方等について検討することを義務付ける。特に、以下の3点について検討することを義務付ける。

 ・個別ケース検討会議への参加を含む、措置入院者等及びその家族による退院後支援計画の作成に関する手続への関与の機会の確保
 ・措置入院者等及びその家族による退院後支援計画の内容・実施についての異議又は修正の申出の手続の整備
 ・非自発的入院者に係る法定代理人又は弁護士の選任の機会の確保



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2017年2月25日 医療法務研究協会 設立記念講演会によせて

参院議員 足立 信也

 医療法務研究協会の設立並びに記念講演会の盛会を祝します。
ご参加の皆様の真摯な議論に水を差してはいけませんが、法律案の審議には駆け引きがありますので、過去の経緯を説明いたします。

死因究明関連2法は平成24(2012)年6月22日に公布されました。
「死因究明等の推進に関する法律」(「死因究明推進法」と略)と「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律」(「警察関連死因法」と略)のことです。

このうち、「死因究明推進法」が可決した最大の理由は、第十六条に 医療の提供に関連して死亡した者の死因究明のための制度については、その特殊性に鑑み、政府において別途検討するものとする。という条文を書き、診療関連死を除外したことです。その2年後平成26年、医療法の改正という形で「医療事故調査制度」ができたのは皆さま周知のとおりです。

この「死因究明推進法」は2年間の時限立法でした。その為、同じ平成26年にはこの法律を延長しようという動きがありました。私が気を配ったのは医療法の改正による「医療事故調査制度」と「死因究明推進法」を混同させないことでした。平成20(2008)年の「医療安全調査委員会設置法案(大綱案)」に逆戻りさせないためです。

内閣府に特別の機関として、死因究明等推進計画の案を作成する死因究明等推進会議が置かれましたが、2法が成立した平成24年の12月に政権交代があったため、議論は全く進みませんでした。そこでまず、死因究明等推進計画を作成することが大前提である、と主張し内閣のやる気を求めました。

平成26年6月13日に死因究明等推進計画が閣議決定されましたが、その中の重点施策に医師、歯科医師等の育成及び資質の向上という項目があります。そこには、臨床研修病院等で死亡診断書記入マニュアルを活用して死亡診断書、死体検案書を作成する、という到達目標を周知徹底する、とあります。
ここで死亡診断書記入マニュアルが重要になってきます。当時のマニュアルは皆さんご存知のように、『異状死体』を見た時の医師個人の判断である「医師法21条」の解釈に、法医学会の「異状」の判断のガイドラインを参考にしなさい、というどの法令にも書かれていないことを敢えて厚労省が書いたという誤ったものでした。

このため、田村大臣、安倍総理から死因究明等推進計画にある死亡診断書記入マニュアルとは現在のものではなく、見直した後のものである、という答弁を引き出しました。しかし、答弁だけではうそをつかれる心配があります。その為実際に死亡診断書記入マニュアルが改定されるまで、「死因究明推進法」の審議開始に反対しました。

死亡診断書記入マニュアルが改正され、医療法改正による「医療事故調査制度」が定着した今、「死因究明推進法」を「死因究明法」にする機会だと思います。ただ、取りざたされているように厚労省が所管するようになった場合、混乱を生じさせ、再び「大綱案」の悪夢が訪れる懸念も感じます。日本の死因究明制度を所掌するのが厚生労働省でいいのでしょうか。



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