国民民主党大分県参議院選挙区 第1総支部
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参議院議員 足立信也

足立信也と安心な日本を創る会
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国会会議録

平成30年3月5日- - 参議院予算委員会

○足立信也君  民進党の足立信也でございます。どうかよろしくお願いします。
 私は、日本国民の皆さんはどうもゆでガエル状態に置かれているような気がしてならないんです。それは、国民の皆さんに景気がいいんだという実感はほぼない中で、安倍総理は、GDPは増えています、株価は上がっています、有効求人倍率は最も高いですと、そうおっしゃる。総理がそこまで言うのであれば、我が町もあるいは私自身も待っていればいつかはという感じにずっとなっているような気がしてならないんです。でも、日本の危機的財政状況は私は待ったなしだと思います。
 そこで、今日はGDPからあるいはアベノミクス、そういう質問を用意したんですが、ちょっと茂木大臣、順番が変わりますので後の方になるかもしれません、済みません。
 パネルを用意してほしいんですけれども、(資料提示)マネタリーベースとマネーストックのこれアベノミクスの第一の矢だと思いますが、マネタリーベースは日銀が供給するお金の量、御覧のように年間八十兆円ペースで増加させて、アベノミクスが始まる前の頃、ブルーですね、百兆ちょっとから五百兆近く、約五倍近く、三百六十兆円ほど増えている。しかし、実際に世の中に出回るお金、マネーストック、これは、赤ですけれども、それほど伸びていない。よく言われるキャッシュの内部留保や海外への投資に流れて、超低金利ですから、個人収入は増えず貯蓄率は減り、銀行の貸出しは減り、中小企業はお金が回らずもたない、そして景気が悪いと、そういうふうに感じているんだと思います。
 そこで、まず総理にお伺いしたいのは、アベノミクスの第一の矢の狙いはこのマネーストックを増大させることだったのではないかと、私はそう認識していますが、増大しなかった理由は何でしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君)  政権を交代させていただいた後、私どもとしては、極めて長い、歴史家は何と言うんだか知りません、二十年以上続いたと言うんだと思いますが、デフレ不況というものから脱却して日本経済を力強く再生させていくためには、いわゆる三本の矢という経済政策というものを政策の中に一体として取り組んでやらせてきていただいたんだと思っております。
 中でも、その中で、今御指摘のありました日銀によります金融緩和というのに関しましては、いわゆる経営者の中に特にデフレマインドというものが非常に強く、何というのかな、固定化されているといったものを払拭させるということに私どもは主眼を置かせていただいたというのは事実です。
 マネタリーベースの伸びに比べれば、マネーサプライ、今はマネタリーストックというんですかね、マネーサプライ、マネタリーストックというのの増加ペースが緩やかである、これはもう事実です。間違いなく今その数字に挙がっておりますが、二〇一二年と二〇一七年とを比べますと、マネタリーベースで約二百五十九兆円伸びて、これは十二月ベースですけれども、そしてマネーストックの方は約一九・七%、二五九%に対して一九・七%、約二〇%ですから、倍率からいくとかなり低いものになっているのは事実ですが、これは間違いなく資金需要がない。これは多分世界の経済で初めて、金利を安くしても金を借りる人がいないという資金の余った状況というのは、多分世界の中でも初めて起きた、需要が、ここで起きているんだと思いますが、いわゆる企業の資金需要が起きないという状態が、簡単に言えば需要がないということなんだと思いますが、そういう状況になったという、あるというのは事実だと思いますが。
 しかし、おかげさまで、二〇一二年、一三年ぐらいから、間違いなくずっと減少傾向だったいわゆる法人の需要、法人貸出しというものが少しずつ少しずつ、そこにはありませんけど、増えてきておりますので、量的・質的金融緩和の効果もあって、二%ぐらいから、年によって違いますが、四%程度ぐらいのプラス基調へと明確に反転したことも大きな点かなと思いますし、GDPも伸びましたし、円が当時一ドル八十円から、今日が百五円、六円になっておりますが、そういったようなところに円安に振れたという、結果論としては円安に振れた結果もありますし、また有効求人倍率が上がったり、そうですね、あと賃金も間違いなく、少しずつではありますけれども、ベア、ベースアップという言葉が何十年ぶりかで紙面に出てくるようになりましたので、経済の好循環は着実に回ってきているんだと思っております。
 金融につきましては、これは日銀の政策になりますので日銀に委ねるべきものだと思っておりますが、今後とも、日銀と我々としては、経済とか物価とか、そういった金融情勢を踏まえつつ金融緩和というものを着実に進めていただいて、いわゆるデフレマインドというものをきれいに払拭して、企業が得た利益を設備投資、賃金等々に回していけるような姿勢というものをやってもらいたいと、私どもはそう思っております。

○足立信也君  非常に長い答弁で、ありがとうございます。
 リフレ派の代表のポール・クルーグマンが言うように、日本が、これ需要の不足、おっしゃるとおり、しかも弱い、しかも肝腎なことは、これが永続的なものに見えるというふうに評価しています。そこで、需要が伸びないこの原因は何かという対策が必要になってくる。
 そこで、私は、必要なのは、少子化対策とそれから貧困対策、やっぱり暮らし全体の、賃金も含め底上げが何よりも大事だろうと、そういうふうに捉えています。これは後で時間があればデータをお示しいたしますけれども、その暮らし全体の底上げ、そのやりがいのある働き方ということで働き方改革の問題になってくるし、第三の矢もそこが狙いだと思うんですが。
 そこで、まず公務員の働き方から申し上げたいと思います。
 先ほど有村議員は国会対応がという話をされましたけれども、私が官僚の皆さんに聞いたのは、官邸やあるいは各省庁の上司からの突然の指示、あるいは、特に与党議員とは言いませんが、国会議員からの突然の指示の対応の方がはるかに大変なんだということを私は官僚の方から聞いていますよ。
 そこで、この公務員の働き方で、森友学園問題ですね、国有地売却の決裁文書、この件なんですが、これちょっと、私が非常に怒りを持っているのは、先週の金曜日、この参議院の予算委員会で相当この問題は取り上げられましたし、肝がどこにあるのかということは最低限答えてくれと皆さんが言ったのは、国会議員に示された決裁書と、その後、それより以前に別の決裁書があるのではないかという疑惑の中で、少なくともあるかどうか、ないのか、そこぐらいははっきりしてくれという議論だったと思いますが、一切その答えはなくて、これが衆議院の財務金融委員会の理事会であるかないかぐらいははっきりしないと先に進めないじゃないかという話になって、衆議院の財務金融委員会の理事会の方で六日までに調査して報告するということになったと。これは参議院をかなり軽視した話じゃないですか。
 そこで、もう一回確認します。今日の朝の理事会でもこの件は確認されたらしいですが、六日に衆議院の財務金融委員会へ調査をした結果を報告すると。今日中の参議院の予算委員会への報告はないんですか。

○国務大臣(麻生太郎君)  これは、昨日の、私も出ておりましたので、財務金融委員会、夕方五時ぐらいから開かれたんだと思いますが、この委員会の最中にこの話が出てきたと記憶をいたしております。
 いずれにいたしましても、その内容につきましては、今朝の本委員会の理事会で、御議論も承知をしておりますので、明日、調査の方針、留意点などの調査の状況について報告をさせるということになったと記憶しています。

○足立信也君  ここではしないということですね。
 であるならば、今までどういう報道でこれが問題になっているかということを、報道ベースですけれども、私の方から申し上げます。契約当時の文書では、学園との取引で特例的な内容となるとか、本件の特殊性という表現を使っている。そして、学園の提案に応じて鑑定評価を行うとか、価格提示を行うという記載もあったと言われている、と言われているんです。
 そこで、物事を決定していく際に稟議で稟議書を回していくと。提案者から、下から上へずっと上がっていくということと比べると、この公文書の決裁書、決裁書は、提案者が、その責任のある上司の決裁で決まると思うんですね。
 この国有地売却の決裁書の責任者は誰なんですか。

○政府参考人(太田充君)  お答えを申し上げます。
 国有地、本件の国有地売却の決裁の、決裁の最終権者は、近畿財務局の管財部の次長でございます。

○足立信也君  近畿財務局と。
 そこでまた、何といいますか、麻生大臣の私は気持ちを聞きたいんですけどね。
 虚偽の公文書作成あるいは行使というと、私は、元厚生労働省の事務次官だった村木厚子さんの冤罪事件を思い出します。これは結果的には冤罪であったわけですけど、それほど上司の関与が、検察の考え方かもしれませんけど、上司の関与が当然とされて、その関与を否定する証明というのは、彼女が相当苦労したように難しいんですよ、関与を否定するのはですね。当然のことのようにこれは上司の関与だろうなと、今、上司は近畿財務局という話がありましたけど、それだけ証明が、関与していないということが難しいということは、十分な調査がこれ必要なんです。
 これは、やっぱり麻生大臣がこの点について、その調査に対してどういう気持ちで臨むかということと、それから、大臣としての、そこの責任はどこにあるのかということについて御答弁願いたいと思うんですが。

○国務大臣(麻生太郎君)  最終決定につきましては、今理財局長の方から答弁をさせていただいたとおりなんですが、これは、いろんなところでどういう改ざんがあったかないかということに関してすら、私どもとしては、今捜査の段階でありますんで、今の段階としてお答えできる範疇にはないというのが私どもの立場です。
 したがいまして、今、御質問に対しましては、今の段階でお答えできるようなところにはないということだろうかと存じますが。

○足立信也君  僕は、そういう質問はしているわけじゃないんですよ。その今の答弁は金曜日にいっぱい聞きました。
 ですから、この決裁書の責任者の、責任の所在は、今、近畿財務局という、直接はという話をされました。では、先ほど冤罪事件の話も取り上げましたけれども、財務大臣としてはこの件について、公文書の改ざんというのはこれ犯罪ですからね、そのことについて、財務大臣はどういう調査をやって、そしてどういう責任を持って臨むかということをお聞かせくださいと申し上げたんです。

○国務大臣(麻生太郎君)  これは仮定の質問なんで、お答えするのは差し控えないかぬというのはもう当然のことなんですが、その上で、今、御存じのように、これは私どもに、捜査に関わる話なんで、今捜査の途中ですから、資料も大阪地検で持っておられますし、私どもとしてはそういったことに関しましてはお答えできないというのは、この前御答弁申し上げたとおりだと思っております。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君)  速記を止めてください。
   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君)  速記を起こしてください。

○国務大臣(麻生太郎君)  質問の意味を取り違えていたんだと思って、恐縮です。
 私どもとしては、今は捜査の途中でもありますので、私どもとしていわゆる個別に調査をというようなことをよく言われますけれども、御存じのように、捜査当局の方からは、少なくとも今、口裏合わせをするような話に取りかねないということから、こういったことに関しては極めて控えるようにということを言われているのは事実ですから、私どもとしては、そういったこと終わりますと、やっぱり捜査が終わってきちんとした、でないと私どもとしては個別な調査がなかなかしにくいというのは事実だと思いますが。(発言する者あり)えっ、何か言った、今。

○足立信也君  この調査は極めて大事だということを申し上げて、調査をしていると大臣もおっしゃって、でも、今の答弁は、調査しにくい話だと、捜査中であるのでということになったわけですね。
 しかし、ここはやっぱり私は、これ大臣の決意でもいいです。この問題の重要性、公文書改ざんは犯罪ですから、間違いなく、三十年間の保存の必要もあるわけで、大臣としてこの問題をどの程度大きく捉えて、そして責任を持って調査し、それで、その結果は分かりませんけれども、分かりませんけれども、大臣としてはどういう決意で臨むのかと、それを聞かせてくださいと。大臣の責任はどこなんですかということを聞いているわけです。

○国務大臣(麻生太郎君)  これは、ここで答弁いたしたか、財務委員会で答弁したか財金で答弁したか、ちょっと記憶が確かではありませんけれども、これが、仮定の質問でありますけれども、これが事実であったとしたのならば、これはゆゆしき事態なんだと、私どもそう理解しております。

○足立信也君  まあ、調査のこととその後の責任のことをどうも一緒にしておっしゃられるので、明らかに麻生大臣は私どもとしても調査をしたいというふうに答弁されているわけですから、その調査に臨む、これは重大な事案だということで調査に臨むと、そこの決意を聞かせてくださいねと申し上げているわけですね。それはお認めになると。
 そこで、働き方の、ちょっと私、別の観点からいきたいので、この問題はできれば、もう一回言います、あしたの衆議院の財務金融委員会に報告するのであるならば、今日はこの参議院でテレビが入って予算委員会やっているわけですから、今日中にその結果の報告、できれば昼までに出していただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。いかがですか。

○委員長(金子原二郎君)  理事会で協議をいたします。

○足立信也君  理事会で協議をしますと逃げられてもですね。国民の皆さんは、一旦鎮静化しているような森友学園問題ではございますけれども、この公文書の問題は非常に大きいというのを再認識されていると思いますので、与党の理事の方も真摯に対応していただきたい。この段階で、後、野党議員の方々を始め与党の議員からもこの問題については質問があると思いますので、次に移りたいと思います。
 パネルの三番。先ほど冒頭に言いましたが、有効求人倍率は非常に増えていると、こういう説明を、確かに増えています。ある意味当たり前だと思うんですけどね。有効求人倍率というのは、有効求職者数が分母で有効求人数が分子ですから、当然、このように有効求職者数がどんどんどんどん減っていくと、当たり前のように有効求人倍率は増えていくわけですね。しかも、網掛けのところで、緑のところでありますか、むしろ有効求人倍率は低下しているようにも見える、見えますね。
 そこで、総理としては、この有効求職者数が減り続けているこの理由は何だと捉えているんでしょう。

○国務大臣(加藤勝信君)  今の御指摘は、有効求職者数の減少の背景ということですね。
 これについては、近年の雇用情勢の改善により事業所都合等で離職する人そのものが減少しているということ、また、求職者が仕事に就きやすくなるということで就業者数全体も増加している、こういったことが背景にあるというふうに考えております。

○足立信也君  有効求職者数全体が減っているという答弁でしょうか。
 もちろん、これ少子高齢社会の中で労働力人口が減っているということは当然ありますが、もう一つ大事なポイントは、この有効求職者、有効求人、これハローワークからの統計ですよね。今、非正規雇用の方が非常に多くなっている中で、このハローワークを通さずに、口コミでありますとか広告でありますとか、非正規雇用の方はどんどんどんどんそこを経由して働いていると私は思いますよ。だからこそ、このハローワークを通した有効求職者数というのはどんどんどんどん減っているんじゃないでしょうか。これ、非正規雇用が増え続けていることと私は関連性の非常に高い話だと、そう思いますよ。
 ですから、この有効求職者数が減る状況の中で有効求人倍率は増えていますと言っても、それは当たり前のことであって、ここの表現の仕方というのは、当たり前というか、そこに、それ以外に隠れている部分が相当あるということをまず指摘しておきたいと思うんです。
 そこで、私がこの今回の質問で最初に疑問に思ったのは、じゃ、裁量労働制で働く方々の中で労災認定を受ける方がどれぐらいいらっしゃる、それ以外の一般労働の方々の中で労災認定を受ける方がどれぐらいいらっしゃるのか、ここが裁量労働制をどう捉えるかの私は根本だと思うんですね。
 この資料といいますか、データを教えてくれと先週の中頃からずっと申し上げているんですが、この裁量労働制で働く方とそれから一般の雇用形態の方の労災認定の頻度、どう違うんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君)  これは、頻度ということになると、これ分母、働いている人、それから分子、これが労災認定、例えば過労死等の認定を受けるということなんですが、分子についてはそれぞれ我々同じベースの統計を持っているんですが、分母については、全労働者についてのデータと、そしてまた、裁量労働制というのを出していくという場合のこの数字、これ、取り方が違うものですから、その違うものをまた比較するということにはなってはならない、必ずしも適切な比較になりませんので、私ども、全体としてそのような比率をお示しすることはできないと、こういうことを申し上げているわけであります。

○足立信也君  別々だから比較できないと、何やら裁量労働制のこのデータの問題そのものに関連付けられておっしゃっていますが、じゃ、シンプルに、裁量労働制で働く方々がどれぐらいいらっしゃって、労災認定される方はそのうちの何%なんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君)  まず、裁量労働制が適用されている労働者の方で、過労死等の労災補償状況については労災認定件数として把握をしておりまして、平成二十六年度から平成二十八年度までの合計で見ますと、脳・心臓疾患で十二件、精神障害で十六件でありますから、合計すれば二十八件ということになります。
 それから、裁量労働制全体で働いている方でありますけれども、これ、実は企画と専門とで違います。企画については半年ごとに報告書を徴求しておりますから、それを集計すれば出てまいりますが、専門型についてはそういう形になっておりませんので、必ずしもその両方を足した意味での労働者数というのを把握できている状況にはないと、こういうことでございます。

○足立信也君  議論の以前の問題で、裁量労働制の業務の拡大をしようと、企画業務型ですね、しているときに、今実際、裁量労働制でどれだけの方が働いているかのデータはありませんと今おっしゃっているわけですよね。それでよく立法作業をされているなとつくづく思うんですが。
 振り返っていくと、総理が二〇一二年の暮れに総理に返り咲かれて、一三年には、世界で一番企業が活躍しやすい国にするんだと、そうおっしゃって、二〇一三年六月の日本再興戦略で裁量労働制の拡大ということになっているわけですね。
 しかし、その一か月前は、国連の社会権規約委員会が日本への長時間労働及び過労死に関する勧告を出している、なんですね。これは、職場の中でのあらゆるハラスメントに対する法がない、規制する法がないということと、長時間労働の規制の法はあるけれども、監督する人が足りなくてそれが実際に規制になっていないということが勧告だったわけです。
 今、閣議決定、六月と申し上げましたが、その翌月、NHKの、まあ名前はこれ出されていますから、佐戸未和さんが過労死。これはその当時は裁量労働制ではありませんけれども、記者さんですから、裁量労働の可能性が極めて高い専門型なんですね。
 そして、皆さんよく御存じの二〇一五年の十二月、電通の高橋まつりさん、過労自死ですね。これも企画業務型の裁量労働制を取り得る。そして、しかし、今回はこれを拡大しようという、しかもその根拠のデータはありませんと今言うわけですね。
 二〇一六年の一月には、これも、新潟の市民病院の木元文さん、過労自死。これ、勤務医ですよ。この勤務医も今回の長時間労働規制から除外されると、医師という形で。
 一体、その立法事実というか、何が問題だから今立法作業をしているというのがよく見えないんですね。昨今報道もありました、二〇一六年九月に野村不動産の社員、これは裁量労働制の違法適用ですよ。この方が過労死ですね。
 こういう事実を考えると、裁量労働制そのものをしっかり一般の、それ以外の労働の形と区分して、どういう問題点があるのかということの基本となるデータがなければ議論できないじゃないですか。
 今後、先ほど、数はあるようなことをおっしゃいますが、裁量労働制で働いている人全体の人数は分からないと今おっしゃいましたが、そのことは調査で、今後、労災の頻度も含めて調査される予定はありますか。

○国務大臣(加藤勝信君)  今委員の御指摘、先ほど申し上げた裁量労働制には企画業務型と専門型が二つございます。企画業務型については、平成二十六年度から二十八年度までの下半期に報告が出された。それを集計したものはございまして、対象労働数、平成二十八年度について申し上げれば七万四千二百九十九人となっております。
 ただ他方で、専門型についてはそうした届出という仕組みがないということでございますので、私ども今掌握をしていないということでございます。したがって、トータルとしての裁量労働制の適用労働者というのは把握をしていないというような実態でございます。
 それから、今、勤務医以外についてと。先ほど勤務医の話がありましたが、勤務医も基本的には現行の労働基準法の適用はなされているわけでありますので、今議論しているのは、罰則付き上限規制を掛けることについて、それぞれの応招義務もございますから、その辺を含めてどう議論するかということで今議論をしていただき、またその議論の結果、それが定着するには一定の時間が掛かるということでたしか五年の猶予を置かせていただいているということでございます。
 今御質問の中で、これから裁量労働制に関して調査をするということ、実態把握をするということでありますので、そういう中で、どういう形のものをどういうふうにやっていくのかということについては、まさに具体、これから進めていかなきゃならないというふうに思いますし、そのときには統計の専門家を含めて様々な方の御意見もいただきながらそうした調査の仕組み等を考えていきたいと、こう思っております。

○足立信也君  今、専門型の裁量労働制の労働者の数が、ちらっと、七万四千と、こう……(発言する者あり)あっ、企画型、七万四千、出ましたね。そして、今まで労災認定されている方の数を見ると、私が持っているデータでは専門業務型の方が多いです。今の先ほどの人数からいきますと七万と、企画業務型の労災認定を考えると万分の一のオーダーだろうなと思います。それに対して、一般の労働者、全体で五千七百万いらっしゃいますから、その中での労災認定の数を言うと、極めて低いパーセンテージになるんだと思います。
 何を申し上げたいかというと、裁量労働制、しかも企画型、専門型共に一般の労働に比べれば労災認定の比率が高いということは推定できます。このことは申し上げておきたいと思います。
 そこで、安倍総理と加藤大臣がこの裁量労働制の条文の作成に当たってちょっとニュアンスが違うことをおっしゃっていると思うんです。全面的に削除する、裁量労働制の項目ですね、全面的に削除されるのかどうか。私は全面的に削除するのは余りいいことじゃないと思っていますので。現時点では全面的に削除される予定なんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君)  総理の指示は全面的に削除するということでございますので、裁量労働制、特に今回、企画型についてでありますけれども、これに絡む部分についてはそういった取扱いになるというふうに考えております。

○足立信也君  今回出されると言われていた中身には、この裁量労働型の中での健康確保措置というのもあったわけですね。あるいは十分な経験、三年以上という経験要件も考えられていた。先ほど、私、事案を並べてみましたけれども、この健康確保措置あるいは十分な経験の要件というのは私は必要だと思いますよ。
 更に言わせていただくと、今いろいろ事案を申し上げた中で、本人が知らないで裁量労働型とされていたという事案もあるわけですね。それは、本人が話合いを、あるいは現状が分かったときに本人同意は撤回できる、本人がこの裁量労働型で働きたくないんだと撤回できるような条文化も私は必要なんではなかろうかと我々は考えています。
 それから、この裁量労働あるいは労働法制全般にも関わる話ですけど、そういう法令違反を行った企業は裁量労働制のこの制度を採用できないとか、一定期間ですね、というようなことも我々は必要なんではなかろうかと思っているんです。
 この今、政府案とされていたものの中で健康確保措置あるいは十分な経験の要件、これは、今までの裁量労働制の労災認定あるいは過労死、過労自死の事案を振り返ってみて、ここは必要なんではないでしょうか。大臣の判断としては、今やっぱり全文削除ですか。

○国務大臣(加藤勝信君)  私も国会で、当初考えていた案というのは、一方で、裁量労働制、あるいは企画型と言ってもいいかもしれませんが、ついて、みなし労働時間に比べて実際の労働時間が長い、またそれが長時間労働になる等々様々な問題点が指摘をされ、そしてそれに対する対応として、ざくっと言えば、今、先ほど委員が御指摘の規制強化の部分も入っておりますという説明はさせていただきました。
 ただ、今回、一連の議論の中で、まず、その前提となる裁量労働制、特に今回は企画型でありましたけれども、やっぱり実態把握について、そのデータについて国民の皆さんに疑念を抱く、そして改正そのものについて疑念を抱くということになったわけでありますから、そこはもう一回実態を把握させていただいて、今回の規制でいいのか、また、今委員から一つの御提案等もございましたけれども、そうしたことも含めてしっかり議論していく必要があるというふうに思います。

○足立信也君  議論していく必要があるということは、まだ全面削除するかどうかは決めていないと、そういう意味ではないですね。

○国務大臣(加藤勝信君)  まず、ここでは全面削除をした上で、そして実態把握を行い、そしてその実態を踏まえてこの規制改革、あるいはまた広げるということも含めて議論をしていく必要がある、こういうことを申し上げたところでございます。

○足立信也君  どうして確認したかと申しますと、やっぱり高度プロフェッショナル制度はスーパー裁量労働制とも言われているわけですよ。
 そこで、労政審で審議されましたですよね。今、データの問題があったから、最初の段階でこれは疑義があるから全面削除とおっしゃいましたけれども、この労政審の議論の中で裁量労働の方が労働時間が短いんだということを根拠に、そして、これは間違っていたわけですけど、更に年収要件を加え、休みの期間を加えた高度プロフェッショナル制度というものがいいんだというような議論はあったんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君)  まず、二つに分けてお話をさせていただきたいと思います。
 一つは、裁量労働制について、結果的に私ども、選び方が違う二つのデータを並べたということでありますけれども、労政審では一般労働者と裁量労働者について比べた資料は提出をしておりません。
 それから、裁量労働制とまた今度の高度プロフェッショナル制度、これ基本的に考え方が違っておりますから、それはそれぞれ別物として議論がなされたと、こういうふうに承知をしております。

○足立信也君  私、イメージがなかなか湧きづらいんですが、年収要件のことは先ほど言われました。これまでの議論でもありました。その一千七十五万以上という方が約三%だという話もありましたが、これ高度プロフェッショナル制度が導入された場合に、どんな職種の方が、この年収要件と兼ね合いの中でどのような職種の方がこの制度に移行し得ると、そのように考えておられるんでしょうか。イメージが湧かないので教えていただきたい。

○国務大臣(加藤勝信君)  高度プロフェッショナル制度においては、一つは、今お話がありましたように、年収要件を平均年収の三倍を相当程度上回るということでこれを法定した上で、具体的には省令で決めることにしております。労政審等の議論では千七十五万円という数字なども出てきたところでございます。
 具体的な対象業務、これは今後省令で規定することになるわけでありますけれども、労働政策審議会の建議においては金融商品の開発業務とか研究開発業務などなどが想定をされているところでございますので、実際、年収要件で見ますと、働く方でですね、一千七十五万円を、管理職を含めて一千万円を超える者というのは二・九%ということでございますので、その中から今申し上げた業務、またさらに、業務の対象であっても本人の同意がなければこれは適用されないので、かなり限定されていくのではないかというふうに考えております。

○足立信也君  基本的に、今回準備されているものの中で、四つの業種の猶予と、研究開発に関しては、これはもう除外だとありますよね、研究開発業務に従事する方、長時間労働の規制。ということは、そこに今該当される方の中からこの高度プロフェッショナル制度へ移行する人が多いのではないかと。金融関係、今、研究開発とおっしゃいましたが、そのように捉えているんですか。今除外されている、長時間労働規制から除外されている方の中からここには入るのではなかろうかと、そういう感じなんでしょうか。そういうわけでもない。

○国務大臣(加藤勝信君)  済みません、ちょっと必ずしも委員の御質問の趣旨をそのまま受けていないのでありますけれども、いずれにしても、対象業務については、高度の専門的知識を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務が対象になっているわけでございます。
 その対象になった業務の中において、先ほどの年収要件等々の要件、さらには本人の同意、そういったことによって、結果的に、この法律が通ればの話ですけれども、通った段階で高プロで働く人が生じてくるということでございますので、今委員御指摘の、今その人たちがどういう形で働いているかというのはちょっと一概に申し上げることはできないということでございます。

○足立信也君  今度はなかなかイメージが湧きづらい方々が入る制度が今議論の俎上に上っているという話で、聞いている方はもっとイメージが湧かないなという感じがします。
 そこで、今、厚労省は来年度の予算でも兼業、副業の普及促進と銘打って予算に計上されています。これ、仮に高度プロフェッショナル制度が導入された場合に、年間百四日以上の休みがあるわけですね。これ、この方々も兼業、副業の促進されるんですかね。

○国務大臣(加藤勝信君)  副業、兼業のお話がありましたけれども、働き方改革実行計画において、長時間労働を招かないよう留意しつつ、原則副業、兼業を認める方向で普及促進を図るとされ、これを踏まえて、本年一月、現行のいろんな体系が、法体系ございますが、その下において副業、兼業に関する現行法令の留意点をまとめたガイドライン等を作成したところでございます。
 この副業、兼業の普及促進の趣旨は、労働者にこれを義務付けるわけではございません。労働者の健康確保に十分留意しつつ、希望する労働者、そういった形で自分のスキルをアップしていきたいとか、あるいは別なことも少しやりたい、そういった希望する労働者の方が副業、兼業を行える環境が整備されるようにということでございますので、その趣旨を踏まえて周知を図っていきたいということで、平成三十年度においても、たしか予算額一・一億円でございますけれども、計上させていただいております。
 委員の御指摘の高度プロフェッショナル制度で働く人についても副業、兼業を行うかどうかは、最終的にはもちろん、その会社の就業規則等々に加えて御本人の希望次第ということでございますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げた長時間労働を招いては本末転倒でありますので、仮に副業、兼業が行われる場合にあっても、労働者の健康確保に留意していくことは重要であると考えております。

○足立信也君  今、副業、兼業をして長時間労働になってしまったら本末転倒だとおっしゃいました。そこを私は心配しているんですよ。フリーランスの方とか副業、兼業をされている方、これ、労働時間に関する規制の在り方とかあるいは労働者の健康や福祉を確保するための制度、つまり労働者の保護法制の観点、これ及ばない方々なんですね。あるいは、兼業、副業の場合はどう及ばせるかという観点の方がいいのかもしれません。これは非常に大事なことだと思うんですね。
 予算に計上して普及促進をしている中で、この副業、兼業の方の労働者保護法制、この適用そのものがあやふやになっている。ここは私は働き方改革の中でも極めて大事な検討項目だと思うんですが、なぜ今回それが検討がないんでしょう。あるいはあるんでしょうか、提出予定されているものの中で。

○国務大臣(加藤勝信君)  それがというのは、高プロと兼業、副業の関係ということですか。

○足立信也君  もう一度言います。
 副業や兼業をされている方々、これ二つの場所に、箇所になるわけで、そういった方々のいわゆる労働者保護法制ですね、労働者の健康や福祉を確保する法律である、あるいは決まりであるとか、そういうことを作っておかないと、普及促進で兼業、副業をやってくださいねと言いながら、谷間に落ちちゃう可能性が出てくるわけですよ。そこは、今回提出予定している法案の中でこの兼業、副業の労働者保護法制の在り方あるいは制度設計というものについては検討されているんですかという質問です。

○国務大臣(加藤勝信君)  今回の法律の、今想定、今私どもが作業を進めている法案の中においては、兼業、副業に関する規定は盛り込まれておりません。

○足立信也君  私どもはそこも非常に大事だと思いまして、これ、後追い後追いになっちゃう可能性があるんですね。
 厚生労働省としては、副業、兼業、あるいはフリーランスのことも検討が始まりました。それで、それを普及促進しようとしているときに、問題が生じたら何かやろうという姿勢だと思うんですけれども、これは、長時間労働になってきたらこれは人の生命に関することですから、何か起きたらとか極めて頻度が高いからって、それでもやらないのはもっと悪いですけど、ある程度予測されることについては、今回、私は、働き方改革であるならば、これは重要な項目の一点だと、そう思いますよ。我々としては、それに対する対案という形、法案という形で提出しようと思っていますので、是非一緒に審議していただきたいと、そう思うんです。
 先ほど、高プロとの兼業、副業の話なんですけど、一千七十五万ということなんですが、私、二十二年間、外科の勤務医でした。医師の収入の統計を見ると、三十五歳以上だと平均でそのラインをクリアしているんですね。でも、これは、私の場合もそうですが、ある地方へ手術の手伝い、指導に行くとか外来をやるとか、そういう二か所、三か所の収入の合計なんですね。実際そうやられているということです。
 私が大事だと思うのは、高度プロフェッショナルに該当するのはこの領域の人たちなのかなという想像がある中で、想像がある中でですよ、想像で大変申し訳ないんですけど、ここは、医師法上、裁量制はないですね。裁量制はない、つまり応招義務があるからです。応招義務があるから自分の裁量でというわけにはいかない。
 それから、先ほど待機時間の問題ありましたが、待機時間の問題もクリアされていない中で、応招義務を少し弱める方向性は私はこの人手不足の中でやむを得ないと思うんですが、それがゆえに、あなたは裁量ある労働のやり方ですというふうに決められてしまうとまた大きな問題が生じると、逆の意味があってですね。
 今、実際、医師個人に応招義務があるんではなくて、その科全体でやるとか、あるいは病院だとかいうような見直しの方向の可能性も出てきていますけれども、それをもって裁量制がある働きだというふうに捉えられると、医療の人たちというのは断るわけにはいかない状況の中で、ここを連動させてもらったら困るなという問題意識で、まず申し上げさせていただきました。
 そんな中で、加藤大臣にお願いしたいのは、正規雇用、まあ非正規雇用は二〇〇〇年代からずっと増えておりますが、正規雇用は二〇一五年から増えています。これは総理も今まで何度かおっしゃっています。この原因の一番はどこにあるかというと、やっぱり二〇一二年の八月の労働契約法の改正だと思うんですね。五年勤めた場合の無期転換ルールですね。
 ところが、これに対して、これ今年の四月から始まるわけですが、大量雇い止めというような事態が今生じてきています。東北大学では仙台労働基準監督署へ告訴状の提出をされていますし、私が大学で聞いたところによると、現場の意見ではなくて事務方の方からこの人はもう辞めさせてくださいという話まで来ているというんです。
 そこで、大臣、この労働契約法、二〇一二年八月の改正の無期転換ルール、この趣旨をもう一度、皆さん、国民の皆さんに分かるようにお伝えください。

○国務大臣(加藤勝信君)  正規労働者が増えているという御認識を示していただいたわけでありますけれども、やっぱりその背景は、こういった制度もありますけれども、基本的に経済がそれを担うものでなければこれは実際増えていかないのではないかというふうに思います。
 その上で、無期転換ルールでありますけれども、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、有期契約で働く方の雇用の安定を図るためにこれは設けられたものであります。有期労働契約を長期にわたり更新した場合の無期労働契約への転換などを法律で規定することによって、働いている方が安心して働き続ける、これが可能な社会の実現を図ることを目的としたと、こういうふうに認識をしております。

○足立信也君  趣旨を取り違えてといいますか、運営費交付金の問題であるとか、そういうことの中でこれは大量雇い止めが生じていて、実際そこで告訴まであるいは起きているということを受け止めていただいて、これは去年からいろいろ指摘されておりますので対処していただきたいと、そのように思います。
 茂木大臣、済みませんでした。時間がなくなって、順番変えさせていただいたので。
 最後に申し上げたいのは、GDPは算出基準の変更もあって、このことを取り上げたかったんですが、確かに伸びている。これは、二〇〇八SNAに合わせた、国際基準に合わせたものと、その他、国内での計算方法の違い、これが七兆円という、極めて大きい。我々は、GDPの大宗、六割あるいは三分の二は民間消費だと、そういうふうに考えているんですが、このグラフで御案内のように、民間最終消費支出と実質消費支出、これ指数でしか提示できないので指数ですが、乖離してきているんですよ。民間最終消費支出と実質の消費支出指数が乖離してきている、なんですね。
 これはどうしてかということをお聞きしたかったんですが、私の考えでは、これはGDPの民間最終消費支出の算出の際にやっぱり出来高払に変わってきていると、国内統計もですね、そのことが実質の消費支出との連動と物すごく乖離が広がっている、新しいワニの口かもしれません。そういう印象があります。
 このことについて、その開きの理由、説明していただけますか。

○委員長(金子原二郎君)  茂木経済財政担当大臣。時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

○国務大臣(茂木敏充君)  済みません、時間が来てこの問題お話しするのは。
 まず、数字の上乗せと、こういう話ではなくて、客観的な改定基準によりまして数値の変更と、これを行っているところであります。
 それで、御説明するのに恐らく五分ぐらい本当は掛かるんですけれど、消費については、その動向を見るのに世帯当たりの人数の減少等の影響、これが家計調査による消費でありますけど、これを見るのよりも、国全体の消費を表すGDPベースの消費、民間最終消費支出を見る方が適切であると考えております。

○足立信也君  次回にまた質問させていただきます。ありがとうございました。

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