国会会議録
 

平成29年5月30日- - 参議院厚生労働委員会会議録


 

○足立信也君 足立信也です。
 自民党本部の中の話じゃないので、というか反対側の人の意見も聞きたいなという気がしてきました。何か一様な感じがして、どうも報道と大分違うなという感じが受けましたので、一言申し上げます。
 参議院でだけ年に一回、臓器移植の実施状況が報告されます。今日それがあったわけです。ですから、今、日本移植学会、江川理事長も湯沢副理事長も私同期ですので、今日はちょっと臓器移植のことだけ短時間で質問したいと思います。
 まず、E型肝炎です。皆さん、E型肝炎って余り御存じないと思いますが、ウイルス感染で、口からの感染で、慢性化しないと言われておったんですけれども、私の出身医局、筑波大ですけれども、そこの大河内教授の調査で、全国二千人の腎臓移植を受けた方の調査で、九人からE型肝炎のウイルスを検出したと、で、三人が慢性化していたという発表がありました。チームの担当者の大城講師と話をちょっとしたんですけれども、当然のことながら、慢性化するということは将来肝硬変、肝がんの可能性があると。しかも、慢性化しないと言われていたのがどうも慢性化しているというこの状況は、臓器移植を推進する立場としてはやはり見過ごすわけにはいかない状況だと思います。
 なので、健康局長に、まずは臓器移植後のE型肝炎の現時点の調査と、今後どういう方針で臨むかについてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。
 平成二十七年度から実施されております日本医療研究開発機構による研究事業、心・腎移植患者におけるE型肝炎ウイルス肝炎の全国実態調査、今御紹介のあった筑波大学の大河内先生が班長の研究班でございますが、ここが行った全国調査の中間報告によりますと、感染経路は不明でございますけれども、腎臓移植後患者及び心臓移植後患者において、E型肝炎のウイルス陽性率及びIgG抗体陽性率は一般人口よりも高いということが報告をされております。特に、腎移植につきましては九例で現行感染が同定されておりますが、そのうち三例がウイルス血症六か月以上持続ということで慢性化しているということでございます。今後、この研究班では移植学会とも連携して、心・腎移植におきますE型肝炎ウイルスの感染率、慢性化率について更なる追跡調査を行うということを承知をしております。
 厚生労働省といたしましては、今年の一月十日でございますが、日本移植学会、日本臨床腎移植学会、日本心臓移植研究会に対しましてこの研究結果を伝えて注意喚起を行ったところでございますけれども、引き続き研究の状況を注視し、必要に応じて医療現場に情報提供するなど、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

○足立信也君 一般人よりも高いと今おっしゃいましたが、これの調査だと三十倍ですよね、かなり高い。
 それから、この医局はずっと移植に関わっているわけですけど、私も一九八四年、日本で初めての膵・腎同時移植、手術に入っておりましたので、ここを、先ほど言いましたけど、推進する立場としては、やはり調査が最も大事ですし、対応も考えてほしいと思います。
 そこで、どうして、どうやって臓器移植を推進するか。一番大事なのはやっぱり意思表示カードだと思うんですね。その件と、後で質問しますけれども、せっかく提供する意思があるのに臓器提供施設に搬送されないと、この問題が最初から非常に大きかったわけです。この二点についてお聞きします。
 私、政務官室で担当者と、今、意思表示カード、これ鉛筆なめなめ書きました。自分で言うのもなんですが非常によくできたと思っていまして、かなりシンプルです。脳死でも心臓死でも移植をするか、あるいは心臓死だけするか、臓器を提供しないか、提供する場合でも、これはしてほしくないという臓器にバツを付けると。非常にシンプルなんですが、臓器提供施設というのは限られます、三条件等々ありますから。これ、報告書を見ると、どうなんでしょう、臓器提供施設というのは増えているんでしょうか、増えていないんでしょうか。私は余り増えなくてもいいとは思っているんですけれども、いかがなんでしょう。

○政府参考人(福島靖正君) 臓器移植に関する法律の運用に関する指針、ガイドラインに基づきまして、臓器移植を行う施設は、適正な脳死判定を行い、救急医療などの関連分野において高度の医療を行う必要があることから、五つの類型の施設に限られております。
 二十九年三月三十一日現在では、臓器移植提供が行われる施設は四百三十五施設で、五年前に比べますと三十五施設増えております。また、十八歳未満の方からの臓器移植提供を行うための必要な体制を整えている施設は二百六十九施設でございまして、五年間で五十五施設増となっております。

○足立信也君 私がそんなに増える必要ないと申し上げたのは、これ定着してほしいんですよね、この施設は臓器提供が可能な施設なんだと。そこであれば搬送がよりスムーズに進むと思いますしね。
 そこで、お聞きしたいのは、今、免許証にも保険証にも裏にこの意思表示カードが付いていますね。実際、意識がないような患者さんに、救急救命士等が行きます、それで身元を確認するためにも免許証や保険証は可能な限り見ると思うんですね。そこで、もしここで臓器提供したいという意思が表示がされていた場合に、臓器提供施設に優先的に搬送されるのかどうか、実態はどうなんでしょう。

○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 傷病者の搬送につきましては、都道府県ごとに消防機関と医療機関から成る協議会の意見を聞きまして、傷病者の搬送等に係る実施基準が定められておりまして、緊急性や専門性等を踏まえて定められた医療機関のリスト等に基づき、専ら当該傷病者の救命を主眼として搬送しているという格好でございますので、御質問のようなものについては把握をしておらないということであります。

○足立信也君 把握していないんですよ。でも、これ、最初から問題だったんですよ。せっかく意思表示しているのに、そして搬送された病院で臓器提供したいとおっしゃっても、ここはできないんですと。
 これはやっぱりよくないと思いますんで、福島局長、実態把握していませんという答えだろうと思ったので、でも、これ臓器移植を所管している厚生労働省健康局はこの問題をしっかりやらなきゃ駄目ですよ。だから、これ、ここの部分は通告していませんけれども、福島さん、せっかく意思表示があるのに行った先は提供できない、これはやっぱりまずい。そして、身元確認に免許証とか保険証やっぱり見るんですよ。だから、この点については総務省にお任せではなくて、厚生労働省としてしっかり取り組んだ方がいいですよ。その点についてはいかがでしょう。最後の質問です。

○政府参考人(福島靖正君) 今御指摘のその脳死判定の対象となるような患者で意思表示カードを持っている患者が臓器提供できない施設に搬送されている状況があるというふうに考えています。
 実際、臓器提供実施できた場合は六十四事例、脳死下の臓器提供六十四事例のうち十二例が健康保険証、運転免許証で確認されておりますけれども、それ以外の判定できない、臓器提供できない施設に搬送されているという状況については私ども把握をしておりませんが、今後、どういう把握ができるか、どういう施設でその意思表示、なかなかその意思表示をそういう施設では確認する必要がないために私ども手元にデータございませんけれども、どういう把握ができるか、今回の御質問の趣旨も踏まえまして、救急医学会ともどういう調査ができるか可能性についても検討してまいりたいと考えております。

○足立信也君 これで終わりますけれども、そうなんです、臓器提供できない施設に運ばれたら意思表示の確認もしないんですよ。そこがやはり大きな問題なので、今おっしゃったように、ここはしっかり取り組んでいただきたいと、そう申し上げて、質問を終わります。


 

このページのTOPに戻る


 
 
 
Copyright 2004 Adachi Shinya. All Rights Reserved.