国会会議録
 

平成29年5月16日- - 参議院厚生労働委員会会議録


 

○足立信也君 民進党の足立信也でございます。おはようございます。
 先週、与党の方から今日採決をしてほしいという話がありましたので、可能性としては今日いっぱいかなということも考えて、先週、川合さんが質問されたことなんですが、途中で法案の概要の説明が、私たちは追加資料という表現しましたけど、差し替えたという表現をされておりました。しかし、連休中に川合さんがホームページをずっと調べたらまだいっぱい残っているということで、大臣にそこをただしたところ、大臣の方からはできるだけ早くやり替えるという話をされましたので、その後どうなっているか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(堀江裕君) 今お尋ねの説明資料につきましては、即日ホームページ上の修正を行ってございます。

○足立信也君 全部ですか。

○政府参考人(堀江裕君) 法律案の概要につきまして、例えば、審議会等でかけたものにつきましては新しいものにジャンプできるようなことをいたしまして、新しいものに、見ていただけるようにしてございます。

○足立信也君 確認しようと思って今朝まで待っていたんですね。今朝の時点でホームページで探してみると、精神・障害保健課の心の健康支援室、医療観察法医療体制整備推進室というところから、そこにPDFが三つありまして、前のというか第一版の、大臣が非常に懸念されておった立法事実のところ、「相模原市の障害者支援施設の事件では、」という、これがそのままありまして、もう一つのPDFにはその部分がないんですが、非常に大事なことは、その前の方のものにアスタリスク付けてあって、赤字で大きな字で主管課長会議開催後の差し替え版はこちらですと書いてあるんです。それが元のやつなんです。これはジャンプするという意味ですか。

○政府参考人(堀江裕君) 今の委員のおっしゃいますように、その新しいものがそこからジャンプして見れるようにしているという理解だと考えてございます。

○足立信也君 ということは、そこの前の版の方を見た方も、そこをクリックしたらその二行が削除されたところに飛ぶと、つまり二種類まだあるということですね。

○政府参考人(堀江裕君) おっしゃるとおりだと思うんですが、ジャンプして今正しいものを見ていただけるようにするということでございます。
 それから、ちょっと今手元にそのホームページを見れないところがあるのですけれども、そのときに会議に使ったものという意味での歴史的なものとして残っているのかもしれません。ちょっとそこは確認させていただきます。

○足立信也君 これは、今朝確認して最新の情報でと思ったので、昨日の通告の段階ではこれはもう当然できませんので、今言いました。そこのところはもう少し、私の質問時間で結構ですから、当初大臣は、先週の段階では古いものは全部削除して新しいものにという話をされていたので、今、堀江さんはかなり丁寧に、そのときの会議ではこれを使ったけれども、今はこれですと分かるようにと今おっしゃいましたけど、それを私もいいように解釈しますけど、そのところは、今急な話をしましたので、私の質問時間内にちょっと整理して、きれいに答弁してもらえますか。

○政府参考人(堀江裕君) そのようにさせていただきます。

○足立信也君 連休前に何とか間に合うようにということで、私、質問主意書を出しました。その内容は、総理が施政方針演説で精神保健福祉法を改正することを例に挙げて再発防止策だというふうにおっしゃったこと、それから大臣は今回の取組で再発防止に資するんだというこの違い、そこはそごがないのかという点が一点と、それから再発とは何なのかということをただしたわけですね。政府としての統一見解、再発防止対策あるいは再発防止に資すると、いずれにしても再発と言っているわけで、その点をただしたわけです。そこで、再発とはどう答弁書は答えられているか。昨日、答弁書出ましたけれども、再発とは、今回の事件と同様な要因を背景とした事件が再び起きることだと、そういうふうに書いているんです。
 大臣は答弁の中で、先週、石橋さんとの審議の中でおっしゃいましたが、孤立を防ぐという、措置入院経験者のその後の孤立を防ぐという、私の答弁のときにもありました、それを引用されたのが石橋さんですけど。答弁書では、今回の事件と同様な要因を背景とした事件が再び起きることが再発であって、大臣はこの防止に資するということをおっしゃっている。ということは、やっぱりこの津久井やまゆり事件、この事件がこういうものだというふうにしっかりした概念があって、そしてその再発防止に資するんだということをおっしゃっているわけですが。
 じゃ、大臣は、私、これ何度か今までの質疑の中で津久井やまゆり事件というのはこういう事件ですよということを申し上げましたけれども、大臣としてはどのような事件だと受け止めて、今回、再発防止に資するというのは、この事件と同様な要因を背景とした事件を起こさないということをおっしゃっているわけで、そこを教えていただきたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 私の方から孤立の再発防止するという答弁をしたと、こういう御指摘がございまして、総理の発言との整合性についてお尋ねをいただいているわけでありますけれども。
 今の、四月の二十五日の審議で私から、措置入院者が退院後に地域に戻ってから孤立するような状況を防止しようということで今回の法改正をお願い申し上げているという旨をお答えをしたわけでございますけれども、これは、本法案の内容につきましては、今回の事件の背景になった様々な要因の一つである措置入院者が退院後に孤立をする状況の防止を図るということで、結果として今回の事件と同様の様々な要因を背景とした事件の再発防止に資するものであると、このような趣旨で私の方から御答弁を申し上げたということでございます。
 質問主意書の答弁書では、今御指摘がございましたが、こうした考え方の下で私が申し上げた再発は、今回の事件と同様の様々な要因を背景とした事件が再び起こることがあるとお答えをしたものでございます。このため、質問主意書の答弁書の内容はこれまでの答弁と矛盾をするものではないというふうに考えておるところでございます。

○足立信也君 私が聞いたのは、大臣は津久井やまゆり園事件をどのような事件だと捉えているのかと。
 様々な背景とおっしゃいましたが、大臣もこの事件を、多分また同じことを聞いても同じ答えだと思いますので聞きませんけど、措置入院者ということはよく言われるんですけれども、やはりここは大麻使用者ということは余りおっしゃらない。孤立とおっしゃるけれども、この前、石橋委員の質疑でも、ハローワークにも行っている、生活保護の申請もしている、通院もやっている、で、孤立だとおっしゃる意味が分からない。だから、重要単語、大臣がおっしゃる再発防止のための重要単語は措置入院と孤立だというんですけど、そのどちらもよく分からない。
 私は、もう何度も申し上げましたが、このやまゆり事件というのは、大麻使用者が犯罪予告どおりに犯罪を犯したということです。そういう事件ですよ。その認識がちょっと違い過ぎるんではなかろうかと思うんです。
 措置入院の出口の話ばかりされていますけど、やっぱり措置入院というのは私、入口の整備が最も大事だと思いますよ。どういう状況に置かれているからそれは非自発的入院やむなしと、そして場合によっては措置入院になるんだということになっていく、その入口の問題だと思います。そこに薬剤あるいは禁止薬物が絡んでいるということで、そこを、やっぱりこのやまゆり事件のところをもう少し明確にした方がいいと思いますので、私はそこをまず最初にやっていきたいと思います。
 この容疑者、津久井やまゆり園に三年以上在職しています、三年以上。その間、精神障害を疑わせる、あるいは大麻使用を疑わせるような事案はなかったんでしょうか。

○副大臣(橋本岳君) お尋ねの点でございますけれども、私どもの把握しているところによれば、平成二十八年二月十九日に、昼に被告人が施設に退職届を提出し退職をし、同日夜に相模原市が緊急措置入院を実施した後の尿検査の結果、大麻成分が陽性であった、このことは承知をしております。
 今、在職中についてはというお尋ねをいただきましたけれども、検証チーム等で把握している限りにおいては、精神障害や大麻の使用があったということを確認できてはおりません。

○足立信也君 今までの議論の中で、措置入院になった患者さんは精神障害の既往のある方が非常に多いという話もありましたが、疑わせることはなかったと。
 ただ、私、検証チームの会議の状況をつぶさに見ていますけれども、一昨年、二十七年十二月くらいから言動が変わってきたという職員のヒアリングがあります、変わってきたと。私は、それは大麻に物すごく絡んでいることじゃなかろうかと、そのように思いますよ。二十七年十二月から変わってきたということがあります。
 この事件は、別のいろんな情報によると、そもそもこの容疑者は、安倍総理宛てに、自民党本部に手紙を持っていったと。しかし、断られて議長公邸へやむなく持っていったということになっています、二月十五日ですね、去年の。で、手紙は麹町警察署に渡されて、神奈川県警に送られたと。そこが、殺人予告なんですけれども、神奈川県警に送られたのは刑事課ではなくて生活安全課なんですね。これまたどうしてなんだろうかと。担当は、相模原市の精神保健福祉課になったということなんです。
 先ほど、要するに、手掛かりとしては、橋本副大臣おっしゃったように、在職中は疑わせることはなかったと今おっしゃいました。手紙の内容だけだと思うんですけれども、資料はですね。精神保健福祉課の担当になって生活安全課に回されたということなんですが、これ殺人予告は刑事課ではなくて生活安全課になるんでしょうか。

○政府参考人(小田部耕治君) 各都道府県警察における所属ごとの所掌事務はそれぞれに定められているものでありますけれども、一般的には刑法犯等の特定の犯罪の捜査や犯罪の捜査一般に関することは刑事部門が担当し、犯罪、事故その他の事案に係る市民生活の安全と平穏に関することは生活安全部門が担当しているところでございます。
 お尋ねの殺人予告につきましては、様々な形態が考えられ、個別具体の事案に応じて対応することとなり、一概にお答えすることは困難でありますけれども、例えば、犯罪が行われている疑いがあるなどの情報であれば捜査を行うこと、自傷他害のおそれがあるなどの情報であれば警察官職務執行法に基づく保護、精神保健福祉法に基づく通報を行うこと、また、このほか、関係機関、団体等との連携を図りつつ必要な防犯措置を講ずることなどが考えられるところであります。
 警察署におきましてこれらの対応を行う場合には、警察署長の指揮の下、刑事課が捜査をすると同時に、生活安全課が防犯措置を行うなどが考えられますけれども、いずれにいたしましても、個別具体の事案に応じまして、警察署長の指揮の下に組織的な対応を図っていくこととなるものと承知しております。

○足立信也君 個別具体の事案のことを聞いているんですけれども、手紙しかなくて、そこで、今、自傷他害のおそれのある精神障害者じゃないかという、多分そういう判断をしたんですね。
 これ、殺人予告がそういう生活安全課、今、一般論をおっしゃいましたけれども、その判断はどうしてそういう判断になったんですか。

○政府参考人(小田部耕治君) 当時、神奈川県警察におきましては、被告人に関する情報を得た後、施設を管轄する津久井警察署におきまして、警察署長の指揮の下、捜査、防犯などの様々な観点から検討を行った上で、組織的に対応し必要な措置を講じていたものと認識しております。
 具体的には、当時の被告人の手紙につきましては、その内容等から刑罰法令を適用して検挙するのは困難でありましたけれども、被告人に関する情報を得た後、速やかに施設周辺のパトロールを開始するとともに、施設に赴き手紙の内容を説明するとともに、防犯カメラの設置、夜間の警備体制の強化等の防犯指導を行い、また、被告人との面談結果に係る施設側からの説明、被告人の言動等を基に、精神保健福祉法第二十三条に基づき相模原市に通報を行い、さらに、施設からの連絡を受け、被告人の退院を把握した後も施設を重ねて訪問し、数度にわたり防犯カメラの設置などを含めた防犯指導を行うなどしていたところでございます。また、施設におきましても、警察による説明、指導を受け、早急に警備体制の強化を開始するとともに、その後、防犯カメラを設置するなどの対応を講じていたものと承知しております。
 このように、当時、神奈川県警察におきましては、被告人に関する情報を得た後、必要な措置を講じていたものと承知しております。

○足立信也君 やっぱり認識といいますか、甘いのかなと。
 検討チームのものでは、施設に対しては予告の内容が知らされていなかったというような記述があったんですが、今の説明ですと、施設に対して手紙の内容を詳細に説明したということはおっしゃっていましたが、それはそのとおりなんですか。

○政府参考人(小田部耕治君) 施設に対しましては、被告人が施設を名指しして入所者に危害を加える手紙を作成したことなどを説明するとともに、これを踏まえた防犯カメラの設置、夜間の警備体制の強化等の指導を行ったとの報告を受けております。

○足立信也君 していないというふうに書かれていますよ。ここは問題点の一つだとまず思いますし、手紙が二月十五日ですよね、で、二月十九日に施設で容疑者に対して辞職の勧告をしていますね。辞職の勧告をして、本人が承諾をして、そこで職を辞めることになって。この場合の措置入院の流れを僕はちょっとよく分からないんですが、これは、そこで辞職をした、そして警察が保護した、相模原市へ警察から通報があった。そこのことがまたよく分からないんですが、これ、届出が、通報があった場合は調査をすることになっていますよね。調査をして指定医の診察を受けて判定になっていくわけですが、この場合、今の流れで届出後の調査というのは誰が行ったんですか。

○副大臣(橋本岳君) 今御指摘をいただきましたように、措置入院については、入院の必要性を判断するために、精神保健指定医の診察を行うに当たっては措置権者が事前調査を行うこととされており、緊急措置入院についてはできる限り事前調査を行うように努めることとされております。
 御指摘のケースについて申し上げれば、相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止検討チームにおける検証作業の中で把握された事実関係によれば、先ほどお話をいただきましたように、二月十九日に面談等があり、そして警察官が保護し、警察官通報を行うということがございまして、その後、緊急措置入院ということになりますが、被告人の緊急措置入院に先立ち、相模原市の精神保健福祉士を含む職員三名が事前調査を行ったものと承知をしております。

○足立信也君 そこでPSWを含む三名という話ですね。で、緊急措置入院になった。
 緊急措置入院になったわけですけど、その時点でのまず診断は何でしょうか。

○政府参考人(堀江裕君) 相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チームにおける検証作業の中で把握された事実関係によりますと、容疑者の緊急措置診察を行った精神保健指定医は、診断書において、主たる精神障害の欄に躁病と記載したものと承知してございます。

○足立信也君 躁病ですね。ハイな状態だったと。
 その緊急措置入院の間に、尿検査で大麻陽性が分かったと。大麻陽性だということは警察には届けられていないんですか。

○政府参考人(堀江裕君) 警察には届けてございません。

○足立信也君 警察に届けていない。
 そして、その後、措置入院になります。ただ、緊急措置入院、まあ短期間ですけれども、その緊急の間に大麻陽性が分かったと。そして、措置入院に変わる。措置入院に変わったときの診断は何ですか。

○政府参考人(堀江裕君) 検証・検討チームが把握した事実関係によりますと、容疑者の措置診察は二名の精神保健指定医が行っており、そのうちの一名は、主たる精神障害を大麻精神病、従たる精神障害を非社会性パーソナリティー障害と診断してございまして、もう一人の精神保健指定医は、主たる精神障害を妄想性障害、従たる精神障害を薬物性精神病性障害と、こう診断してございます。

○足立信也君 第一指定医、第二指定医とも、主従の違いはありますが、薬物あるいは大麻というふうに書いているわけですよ、診断が。
 そこで、これから、以前の質問で退院のことを大分やりましたけど、更にここを行きますけれども、緊急措置入院のときに大麻の使用が分かって、でも警察にも届けていない。そして、措置入院のときには大麻あるいは薬物というふうになっているのに、なぜその専門の医療機関に入院させないんでしょうか。あるいは、この容疑者がいた施設というのは、私が知っている範囲では、当然、大麻使用に関する専門の機関でもないですね。相模原にはたしかあったはずです。さっき入口の問題と言いましたけれども、なぜそこで対処しなかったんでしょう。その点、答えられますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) これ、検討チームで、検証結果におきまして、それを見てみますと、薬物使用に関連する精神障害への対応が不十分な医療機関では、薬物使用が判明した時点で措置症状の原因を薬物のみに求める傾向が強く出まして、薬物を体内から消失させるための治療のみに集中をして、他の精神疾患が存在する可能性の検討が十分に行われないというようなことが問題としてあるわけであります。それから、他の精神疾患を検討して対応する際に不可欠な生活歴の聴取とかあるいは心理教育目的での関わりが希薄になるという、そういう可能性が指摘されている。つまり、薬物の使用による問題についての専門機関ではない場所での医師の判断であった場合の問題点というのは検証チームの中で指摘をされているわけであります。
 御指摘のように、相模原市の近郊では、神奈川県立精神医療センター、これは横浜にありますが、それから国立精神・神経医療研究センター、これは東京の小平市でありますが、地理的に近いという意味では、こういったところに薬物の詳しい、精神障害に対応できるような、そういう技術的助言が行うことができる医療機関があったわけであります。
 このため、チームの検証結果では、今回の措置入院先の病院は薬物使用に関連する精神障害に対応する体制がやはり不十分であったというふうに結論付けておりまして、こうした精神障害について十分な診療経験を有する外部機関の医師の意見を聞くとともに、躁うつ病などの気分障害の可能性を考え、より詳細に生活歴を調べること、あるいはパーソナリティー障害等の可能性を考えて心理検査を行うことが望ましい対応であったこと、さらに、外部機関の医師の意見を求めるなど多職種、多機関との連携をしっかりとしながら、認知行動療法の考え方を用いた治療プログラムへの参加を促すべきであったというような報告がなされております。
 厚生労働省としても同様の認識を持っているわけでありますので、御指摘のように、薬物専門の医療機関、医師の診断を仰がなかったことについての問題点は御指摘のとおりだというふうに思っております。

○足立信也君 私も外科医ですので、後で診た方がより正確な診断になるというのはもう常識ですね。
 この方は、八日間入院措置、措置入院をされていて、八日で解除になりましたね。そのときは大麻陰性ですね。つまり抜け出た。じゃ、そのとき、ここで措置解除をする、自傷他害の疑いがなくなったと、そのときの診断は何だったんですか。

○政府参考人(堀江裕君) 検証チームで把握されました事実関係によりますと、措置解除に先立って病院から提出されました症状消退届には、措置症状の内容として、主たる精神障害は大麻使用による精神及び行動の障害である旨の記載がございました。症状消退を認めた指定医は、この精神障害による措置症状が消退したと判断したものと承知してございます。

○足立信也君 この緊急措置入院、措置入院の間のいわゆる結論は、大麻使用による精神及び行動の障害なんですよ。しかし、その後、今回の法改正で計画になるかもしれませんけれども、その後、やはり薬物使用、大麻使用の専門家のところになぜアプローチしなかったのか、そこが大いな疑問ですね、結論としてそこになっているのに。
 戻りますけれども、措置入院者に犯罪率高いのかというこの前の質問です。高くはありませんと。しかし、大麻使用者は、そもそもが犯罪ですし、またそこから他の犯罪を犯す危険性も非常にあるわけです。結論としては、措置入院の間にせっかくそこまで結論を達したのに、なぜその後のフォローをしなかったのか、薬物依存、大麻依存に対する治療をなぜやらなかったのか、この事件の本質はそこだと思いますよ、私は。
 そこで、この前から私が言っている、これは、やっぱり大麻使用者が大麻の使用中に犯罪予告をし、そして入院したことによって大麻が体から出ていって、陰性になったときは自傷他害の疑いがなくなった、でもまた犯行時は大麻陽性だったわけでしょう。このことですよ、本質は、この事件の。だから、大麻使用者が犯罪予告どおりに、そのときも大麻を使用していて、犯行のときも大麻を使用していた、そういう事件ですよ。それなのに、やはりその大麻使用ということはその次に置かれて、二日後の関係閣僚会議で、措置入院の既往があった人、その人が退院後のフォローが不十分だったという理由を付けて事件を起こしたという決め付けからスタートしているんですよ、その後の検討は。そこに大きな問題があるんだと私は思っています。
 そこで、この前の質問で、入院措置、措置入院の解除はイコール退院だと。今までは、法律はずっとそれを退院と表現している。そして、その後の転帰は、医療保護入院が約五割、任意の入院が二割、そして転院が一割強、通院の方に回るのは二割弱なわけです。
 そこで、この退院計画との関係なんですけれども、同じ法律で、この前質問しましたが、退院ということを答弁者、特に大臣はやはり家に帰ることの意味で退院を非常に使われている、堀内政務官は、この前の質問がそこに限ったからだと思いますが、措置の解除が退院だという意味でよく使われているというのを感じています。答弁者によっても退院の意味合いがやっぱり違っている。それから、内閣法制局は解釈で使い分けていると言いました、同じ言葉を。これが本当に法的安定性が保てるのかなという大疑問がまずありますけれども、そこでお聞きしたいんです。
 この前、措置入院からそのまま医療保護入院に移る方が五割だと。あるいは、転院を入れると、転院は一割ですね、一割強。それで、任意入院は二割。全部で八割が入院を継続しているわけです。しかし、そこで退院という言葉を使っていて、その日のうちに退院して再入院したんだという表現をこの前答弁で言われました。じゃ、同じ日に退院して入院したといったらそれは入院の継続だと私は言いましたが、これは費用負担どうなるんですか、その日の。

○政府参考人(堀江裕君) 四月二十五日の答弁は、措置入院から医療保護入院へと入院を継続している方は、法律上、措置入院から一度退院し医療保護入院をしたという整理である旨を申し上げました。精神保健福祉法上、退院は全て入院を終えることを指すという整理と合致してございまして、法の中で退院の使い方が複数あるものではございません。
 お尋ねの入院費の負担でございますけれども、措置入院の場合は原則公費負担、措置入院以外の場合は公費負担の対象外としてございますが、措置入院を終えた日と同じ日に別の入院形態で入院した方であっても、再度入院した以後の治療行為は公費負担の対象外としてございまして、条文上の整理と今の費用負担の取扱いにつきまして矛盾はないというふうに考えてございます。

○足立信也君 笑っている方もいますけど、その日はどうなるんですか。

○政府参考人(堀江裕君) その日につきましては、入院基本料につきましては、その措置解除時について公費負担ということでございまして、ただ、その後の、医療保護入院を開始した後に個別の医療行為を行ったような場合の診療報酬は医療保護入院の方で、公費負担でない形のことで算定するルールになってございます。

○足立信也君 じゃ、それは二つ、報酬としては請求がどう行くかということになるわけですけど、ある時点を境に公費負担で回る部分と、そこから後はいわゆる診療報酬でというふうにもうルール上決まっているということですか。

○政府参考人(堀江裕君) ルール上、そういう取扱いでこの請求の実務も行ってございます。

○足立信也君 そうおっしゃるので、じゃ実例をこれから調べてみます。
 そこで、退院後支援計画は、さっき私が四つ挙げました転帰、これ全てに掛かりますね。これはそういう答弁をこれまでされてきました。だとすると、さっき、この容疑者の方、八日間で措置入院を終えているわけですけれども、措置入院期間の平均とその後の医療保護入院の平均日数、大体どれぐらいの期間の差があるのか、ちょっと知りたいと思うんですが。

○政府参考人(堀江裕君) 平成二十二年度に厚生労働科学研究で調査した内容でございますが、千四百二十一例を対象にして行いました調査によりますと、措置入院期間の平均値は八十八・二日、また措置入院後に医療保護入院等を経て退院するまでの医療保護入院等の期間の平均値は五十三・一日というふうになってございます。

○足立信也君 分かりました。八十八日と五十三日ということです。
 今回、前の質問でもありましたけれども、措置入院の入退院の判断を精神医療審査会が行うということですね。その精神医療審査会で決定するわけですけれども、この審査の期間というのを、この前の質疑では約三十三・五日みたいな話をされていましたが、これ、今回のケースも八日で措置入院解除です。入院の決定が措置入院の解除よりも遅くなるということはあり得ないわけですから、これ、措置入院の期間って幅もあるでしょうけれども、今回は八日だったと。その間に精神医療審査会で入院の可否の判断は絶対必須条件になるわけですか。

○政府参考人(堀江裕君) 精神医療審査会におきます入院届あるいは退院請求等の審査というのは、病院以外の第三者機関として入院や処遇の妥当性を審査するものでございまして、審査会の決定を経て入院や退院が可能というような仕組みにはしてございません。また、審査会の決定が措置解除の条件ともなってございません。
 今回の改正で、患者の権利擁護あるいは適正手続の確保をより一層図るため、知事等が措置入院を行った時点においても速やかにその必要性について精神医療審査会におきます審査を実施することとしてございますが、審査会の決定までに措置解除となることを何ら妨げるものではございません。
 いずれにいたしましても、審査会による権利擁護を図る観点から、適正な審査を迅速に行うことができますよう必要な対応を図ってまいりたいと考えてございます。

○足立信也君 何ら妨げるものではないと、そう言われましても、だって、措置入院の可否の判断が出る前に解除ってできるものじゃないじゃないですか。措置入院そもそもが、そこが可であったということがない以上、自傷他害の疑いがなくなったからこれ解除しますという段階に行けないんじゃないですか。
 これ、できるだけ速やかにと今おっしゃいましたけれども、措置入院になったときに大体どれぐらいの期間内で精神医療審査会開いて入院の可否を決めるんですか。

○副大臣(橋本岳君) ちょっと一点補足をさせていただきたいと思うのですが、措置入院そのものの決定は措置権者、すなわち自治体が行うものでございまして、今部長が答弁を申し上げましたように、精神医療審査会というのは第三者機関としてその妥当性を審査をするという位置付けになっております。
 したがいまして、決定そのものは精神医療審査会における審査が間に合わなかったという場合もあり得るわけでございますけれども、その決定、措置入院の決定あるいはその解除の決定そのものは、その審査会の妥当性の審査が仮にまだなされていなかったとかいうことの影響を受けるものではないということです。

○足立信也君 機能しないような気がするんですよ。やはり、妥当性を判断するって、その前に次の行動がもう始まっているわけで、場合によっては解除もあるわけで、要するに後追いにすぎないような気が私はするんですね。
 さっき入口の問題が一番大事だと言いましたけれども、そこは、この審査会の妥当性の判断というのが本当に機能するかどうかというのは、措置入院あるいは解除そのものに懸かってくるんだと私は思います。そうでなければ機能しているとは言えないんじゃないかと私は思います。
 そこで、さっき、計画は全てに掛かるわけですけれども、これ例えば、例えばですよ、医療保護入院に変わる、で、医療保護入院に変わる方が五割です。その方にもずっとこの計画というのはそのまま半年間は有効だと、おおむね半年間は有効だというふうに考えていられるんですか。そこの判断はないんですか、医療保護入院の。

○政府参考人(堀江裕君) 医療保護入院に転帰する場合につきましては、先回もお答え申し上げたところでございますけれども、医療保護入院中にどういう適切な医療を行っていただくかというようなことを記載してもらうものでございまして、その医療保護入院の期間がもうごくごく短く想定されるというようなことがもし分かっている場合があれば期間は短くなりましょうし、そういう意味では、半年というのはあくまで目安でございますので、必ず半年というものではないわけでございますが、いずれにいたしましても、医療保護入院中、退院後支援計画は有効に機能するといいますか効力を発揮していると、こういうことだと思います。

○足立信也君 それですと、これは転院が一一%いるんですけれども、他の都道府県、他の医療機関、そこに入院になった場合も、前のところで協議された、自治体が責任持ったその計画がそのまま踏襲されるんですか。

○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画は転院した場合の医療機関におきましても作成されておりますので機能いたします。

○足立信也君 いや、そんなの、私、医療者として受け入れ難いですね。前の都道府県の医療機関で決められた退院後の計画が、転院してきて、例えば私が勤めているところに来て、そのまま有効ですと、それに従ってください、指導させる義務があるって法律に書いてあって、それに従えって言うんですか。

○政府参考人(堀江裕君) 計画の内容にもよるわけでございまして、直接に退院する場合と、それから転院、転院といいますか、医療保護入院に移る、あるいは他県の医療保護入院に移る場合とでまた内容も違うかもしれませんが、地域にお帰りになる場合にはどういう医療あるいは地域福祉、就労支援等の支援を行っていくものかということについて、どの医療機関に、クリニックにお願いをしてということまで含めまして、こういう退院後支援計画としますというのを、その行き先の自治体の関係者にも、あるいは医療機関、あるいは福祉サービスを提供する機関にも参加いただいて計画を、本人のための計画を作っていく、支援のための計画を作っていくわけでございます。
 それから、医療保護入院に変わる場合、転院等の場合につきましては、基本的には、元の医療機関でこういう状態でございました、そうすると、通例こういうことが、例えばこういう病歴がある方ですよというようなことも含めまして退院後支援計画の内容として、転院後、移られる病院の管理者の方に周知をいたしまして、言わば留意事項的なことも含めましてお伝えいたしまして、ただ、後、そこの、病気でございますので、それは症状が変わっていくものを元の計画で全部縛ろうとか、そういうような計画にはおのずからならないものと考えてございます。

○足立信也君 今、考えておりますみたいな形で答えられるよりも、そこは医療保護入院になった方に対する退院支援委員会とこの前の協議会との役割とか、そこを整理すべきだと思いますよ。措置入院された方もさっき八十八日って言われました。医療保護入院はその後五十三日と言いましたが、結構長いわけですよ。その間にやっぱり状況は相当変わるし、一番直近の診断、判断がやっぱり正しいと思うんですよ。そこは、当然そこで修正を加えていきながらやるべきですよ、医療保護入院者に対して退院支援委員会があるんですから。
 そこと協議会の関係を詰めることと、今、私が特殊な例に近く挙げたのは別の都道府県、そこだって責任があるわけですよ。今回、都道府県に対して計画を作る義務と指導させる義務まで負わせているわけですよ。それがずっと掛かってきている。でも、直近の医療を受けているところが全く違う都道府県の別の医療機関だとしたら、そこで決められることの方がはるかに有効じゃないですか、その患者さんにとって。そこの整理ができていないんじゃないですかということを言っているわけです。
 それは、今、話合いをしながらどうこうなんて言うよりも、やっぱり義務が掛かっていることとその後の協議の在り方というのをちゃんと規定してないことは大きな違いがありますよ。そこを整理しなさいと言っているんですよ。

○政府参考人(堀江裕君) 退院後支援計画については、今委員おっしゃいますように、そのときそのときで一番いい内容にするのが当然でございますので、もし必要が出てきたときには計画を、例えば病状が一定の変化をしたとかいうような場合には、当然、今の退院後支援計画でスペックが合わないということであれば変更していただいたらばというふうに考えているところでございますし、ですから、何といいますか、当初のところで作ったものがずっとそのまま固定的にフォローされなければいけないというふうには考えてございません。
 それから、例えば今度いよいよ医療保護入院から退院をする場合には、新たに居住することになる地域の自治体の方が主体となって、退院後支援計画の見直しの形になりますその作成というのをもう一回していただくような形になると思います。

○足立信也君 いろいろな指摘がある中で、そうだなと思われて、常套文句であるガイドラインに書きますというのが今出なかったので不思議なんですけれども、これはやっぱりそう定めなきゃいけないですよ。今おっしゃったけど、それは随時変えていくんだと、病状に応じて。でも、今回、それは措置入院者に限っているんじゃないですか、医療保護入院は外れているじゃないですか。だから規定する必要がありますよと言っているんです。そして、もう一つは、別の自治体ですよ、別の自治体になったらやっぱりそこで協議させなきゃいかぬですよ。そういうことが書かれていないということですよ。一発そこで決めてしまったかなり義務の強いものがあったら、その後の修正なり変更なり協議なりというのが書かれていないということを言っているわけですよ。
 これは、本来、これだけの義務が自治体に課されるんであれば、転院先の自治体のことも書かなきゃいけないし、医療保護入院であるところの委員会、このことも明記すべきだと思いますけど、最低限、それはガイドラインに書かないと駄目ですよ。ちょっとサジェスチョンですけれども、そう答えてくださいよ。

○副大臣(橋本岳君) ちょっと整理をして御答弁申し上げたいと思いますけれども、措置入院が措置解除後、別の入院をする、それは同じ病院かもしれないし、別の病院に転院をするということもあり得ると思いますが、そうした場合に、まず措置入院中に計画を作るということになったときに、転院なりもう一回別の形で入院をするということが見えていれば、それはその入院継続先の病院の管理者が、退院が見通しが立った際に都道府県、政令市に連絡をするということを計画に書くということになります。その上で、措置が終わり、医療保護入院なり別の入院なりということとなっていきますと、その計画は引き継がれていくことになるわけでございますが、その計画の中で、今度はその新しい病院の方で、若しくは同じ病院かもしれませんが、退院の見通しが立った段階で入院継続先病院の管理者から都道府県が、政令市が連絡を受けるということになりますので、そこが患者の帰住先の保健所設置自治体に連絡をするということになります。で、その患者の帰住先の保健所設置自治体が協議会を開催し、それ以降の期間における支援について、通院医療するだとかいろんなサポートするだとか、そういうことについての退院支援後計画を作成をし直すという整理になります。
 帰住先の保健所設置自治体に連絡をするということについては法律上の規定に基づいて行うということになりますが、それ以外の今申し上げた点についてはガイドライン等にきちんと明記をして、その措置入院から別の入院形態になったときにどういうふうに整理をされるのかということは、しっかりそこも誤りのないように周知をしていきたいと考えております。
 御指摘ありがとうございます。

○足立信也君 今副大臣、整理されましたけれども、措置入院のまま変わり得ることは当然ある、そのときは同じ義務が自治体に掛かるからいいわけですね。だから、入院形態、費用負担も含めて、形態が変わったとき、そこをしっかり連携するような形をつくっておかないとということを、再度、繰り返しになりますけど、そこはある意味ガイドラインの肝かもしれませんから、是非それをやっていただきたいし、それが本当にでき上がっているかどうか、私の方もチェックしたいと思います。
 今回、自治体の情報提供が義務化されるわけですけれども、情報提供の規定というのは、今回、地域包括ケアの中に我が事・丸ごとというものの中で、その部分でも精神障害者の方々に対しては包括ケアの取組があるわけですけれども、ほかの医療とか難治性疾患とか、障害者総合支援法にこの情報提供の義務規定、これはあるんでしょうか。

○政府参考人(堀江裕君) 今回の法案で、退院後支援計画による支援の対象である患者が転居した場合に、転居元から転居先の自治体に対して患者の退院後支援計画の内容等の情報を提供する規定を新たに設けているところでございますが、お尋ねの精神科医療以外の医療や、例えば難治性疾患に関する法令、あるいは障害者総合支援法には、支援の対象者に対して計画の策定を自治体に義務付ける規定はなく、支援の対象者が転居した際の情報提供についても本法案と同様の規定はございません。
 一方で、例えば児童虐待の分野におきまして、支援を行っている家庭が他の自治体に転出する場合に、児童福祉法第二十五条等に基づきまして、転出先の自治体等に通告をいたしまして、ケースを移管することで児童等への必要な支援を継続的に行える仕組みはございます。

○足立信也君 私、地域包括ケアシステムの中に例を取って、今後、介護保険法関係の審議があると思いますが、そこに障害者福祉も含めて溶け込んでいるわけです。多くの国民あるいは障害者施策に関わる方々はその流れが正しいんだと思っているわけです。
 そこで、地域包括ケアシステムの中と今回のこと、今、堀江さんおっしゃったように、法律で義務を規定して、情報について、これしかないんですよ。果たしてそれが正しいのかどうかということなんですが、その前に、障害者総合支援法では発達障害も精神障害の一つになりましたね。先週、川合委員が、自傷と他害は大きく違うということの中で、発達障害というのは私は自傷の可能性がかなりあると思っていますが、これは、今回、そこで自傷の危険性が相当数あるとなった場合に、今回もこの法律のスキームの対象になり得るんですか、発達障害。

○副大臣(橋本岳君) 発達障害の方についてのお尋ねでございますが、これは、発達障害の方も含めて、措置入院に至るまで病状が悪化した方については、退院後も円滑に地域生活に移行できるような環境を整える必要性は同様に高いと考えられます。このため、措置入院となった方は、発達障害の方を含めて、精神障害の内容に関係なく退院後支援の対象として適切な支援を行ってまいりたいと考えております。

○足立信也君 そこで、先ほど申し上げたことなんですけど、地域包括ケアシステム、これは二〇一〇年に原案を作り始めて、一一年ですかね、二十一世紀のコミュニティーの再生だと私は位置付けてやりました。
 その中で、地域協議会、今回のですね、地域協議会も退院後支援計画の法定化も、地域包括ケアシステムには先ほど部長答えられたようにないわけですよ、ないんですね。あれは、中学校単位を考えながら、医療、介護、福祉を地域包括ケアシステムという形でコミュニティー再生しようじゃないかということの中で、今回、なぜ措置入院だけ、そして退院後計画というものが法で縛られている、自治体の義務となっている。この地域包括ケアシステムの全体の考え方の中と、ここだけ抜き出した、法で縛る、義務化するというのは私は相入れないんじゃないかと思うんですよ。そこのところはどういうふうに整理されているんでしょう。

○国務大臣(塩崎恭久君) 地域包括ケアシステムの構築と今回の支援計画などについてのお尋ねをいただいたわけでありますが、入院から地域生活に移行する際には、患者本人が地域生活を可能な限り円滑に継続できるようにするということが大事であって、必要な支援が包括的に提供することが重要であるわけであります。
 この点、入院中から、入院先の医療機関と退院後に患者を支える医療機関の介護、福祉などの関係者が多職種、多施設のチームを構成をいたしまして退院後の支援について調整を行う、そして本人の意向を踏まえて退院後の支援計画を作って、それぞれの支援者の明確な役割分担の下で包括的に支援を提供するということが有効な手段であることは広く認知をされているわけでありますが、高齢期を対象とした御指摘の地域包括ケアシステムにおいて、既にこれは、退院時のカンファレンスであったり地域ケア会議といったものでこういう方式は定着をしているわけでございます。
 今回の法律で、なぜこの法律で定めるのかと、自治体に対して義務化をするのかと、こういうことでありますけれども、今回作ります退院後の支援計画やあるいは精神障害者支援地域協議会は、このような医療、介護などの分野でこれまで蓄積をされてきた政策やそれから実践等の共通の考え方の下で、措置入院者を含めた精神障害者が社会復帰の促進などに必要な医療、福祉、就労支援などなどの各種の支援を地域において包括的に受けることができるようにと、そういうことで考えた仕組みであるわけでございます。
 したがいまして、これは地域包括ケアシステムの考え方と相通ずるものでございますが、なぜ法律で義務付けるのかという御質問でございましたが、それにつきましては、何度も申し上げているように、これまで孤立をする仕組みで、きちっとした支援の手だてが用意をされていなかったということを、自治体がその支援の計画を作る、しかしもちろん御本人がそれを受け入れるということを前提に作るということで、そのことによって孤立をすることなく社会復帰がよりスムーズにいくようにしようと、こういうことで作らせていただいているものでございます。

○足立信也君 やっぱり特別視という感想が拭えないですね。
 もうあと二分しかないので、ちょっと最後に申し上げたいと思うんです。
 精神保健指定医の要件の見直しのことなんですが、一症例は一人に限るというような話も説明で聞きました。しかし、私は外科医ですから申し上げますけど、やっぱりチーム医療で一人の患者さんを数人で診ている、それは経験になるわけです。この精神障害についても、例えば十年前に診た人と今診た人では当然違うし、一人で診るのはかなり危険性があって、私はチームで診るべきだと思っていて、それは、一人の症例、患者さんのことが二人のところに表れてきても何らおかしなところはないと私は思いますよ。それを参考にしていただきたいと思います。
 最後に、もう今日が終わりかもしれませんので、あと一分ですけれども、冒頭、この質疑に入る前に私申し上げましたけど、やっぱり時代の逆行だという感じがどうしても否めない。イギリスでは一九五九年に精神保健法改正、アメリカでは一九六三年のケネディ教書、その後、施設から地域医療へというふうに世界は流れていって、今は社会モデル化されているわけです。しかし、日本では、東京オリンピック、一九六四年のライシャワー事件で、これは精神科病院への入院歴のある方が起こしたと。そして翌年、精神衛生法が改正されて、警察官による知事への通報が始まったんですよ。何か今回のことは、三年後のオリンピックも考えると、繰り返しをされているような気がしてならない。
 そこで、その結果、今回の改正案は、私は、障害者権利条約に違反して、我々が目指す将来の共生社会の理念にやっぱり反している、厚生労働省が積み上げてきた審議会の方向性にも反している、精神科医療の国際的潮流にも反しているんだと思います。
 そこで、ほかの検討会でも指摘されました。今ある、これ三年後の見直しをずっとやってきて、ある意味結論も近かったわけです。審議を継続している審議会や検討会とは別にアドホックな検討会を立ち上げて、医療ビジョンの件を指摘されている方もいました。ぽこんと検討会ができて、その内容がメーンに変わっていくと、こういう法案作成の段階におけるやり方も、私は、ちょっと拙速だし、おかしいと思いますよ、王道じゃないと思います。
 そして、何よりも精神保健福祉法の趣旨である精神障害者本人の利益というものがこの法案から抜け落ちているということを申し上げて、私の質問を終わります。


 

このページのTOPに戻る


 
 
 
Copyright 2004 Adachi Shinya. All Rights Reserved.