国会会議録
 

平成29年3月9日- - 参議院厚生労働委員会会議録


 

○足立信也君 おはようございます。
 今委員長からもありましたように、今年度といいますか今国会最初ですので、幅広に質問したいと思っています。よろしくお願いします。
 まず、おととい、三月七日の日本学術会議の声明、安全保障技術研究推進制度、これは非常に問題が多いという声明です。科学者などのグループからは制度の廃止を要求するという意見も出されています。新聞を読みますと評価は分かれているような感じがありますけれども、そういう声明が出ました。
 皆さん御案内のように、この安全保障技術研究推進制度というのは、将来の軍事装備開発につなげるという明確な目的を持った制度です。この予算が、二十七年度から始まりまして、三・一億円の予算で決算が二・七億円です。今年度は予算として六億円です。来年度予算、今審議中ですが、百十億円、かなり思い切った増額になっています。これまで百五十三件の応募があって十九の研究が採択されています。
 大臣は、この前の所信表明の冒頭で、「はじめに」のところで、国民の安全、安心の確保に万全を期す、これと全く同レベルの並列で、我が国の経済社会の発展に寄与するために全力で取り組むと、そのように表明されました。そこで、私自身は、この大きな予算の増額も含め大変懸念を持っています。
 実は、私、大学の先輩、後輩という関係もあって、ロボットスーツHALのサイバーダインですね、山海さんの一般財団法人山海健康財団というところの評議員をしています。これは、海外からも軍事利用、このロボットスーツをですね、相当話がある、何とかそれを食い止めようという意図が強い、そういう財団の評議員になっています。
 そこで、我が国の経済発展を目指すわけですけれども、大臣としてはですね、創薬だとか、今HALの話しましたけど、医療機器等の開発が軍事装備開発につながるという懸念を私は持っているし、学術会議の声明でもそうですが、私自身もあの声明に大変共感するところあります。もっと強いトーンで言ってもいいのかなと思っています。
 そこで、国民の安全、安心の確保と同レベルで我が国の経済社会の発展に寄与すると、このことと創薬や機器開発が将来の軍事装備開発につながる可能性、この点について大臣はどのように捉えていられるか、考えておられるか、それをまずお聞きしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、所信の中で経済発展に資するというふうに申し上げたのは、これ厚生労働省の設置法の第三条にそのように書いてあるそのままを申し上げたということでございますので、他意はないと、こういうことでございます。
 産官学の連携の下で、国家安全保障上の諸課題に取り組むために必要な技術の研究開発を政府全体で取り組んでいるということで、最近話題になっていることは私もニュースなどで拝見をしています。一方で、私ども厚生労働省としては、創薬研究とかそれから医療機器開発研究というのは、安心、安全な医療を目指して、国民の皆様方に世界最高水準の質の医療を提供するということを目的として推進をしなければならない、そしてまたそういうふうにしているということでございます。
 厚労省としては、AMEDを通じて軍事的に転用されるおそれのある研究成果が大量破壊兵器の開発者等に渡らないように、研究機関に対して外国為替及び外国貿易法に基づいて対応を求めているところでございます。引き続き、創薬研究や医療機器開発研究の成果が確実に国民の皆様方に届いて所期の目的をきちっと達成できるようにしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 なお、先ほどお触れになられました安全保障技術研究推進制度、この中で、公募がございますけれども、公募の中に健康・医療分野のテーマはないというふうに理解をしております。
○足立信也君 かなり明確に所期の目的をとおっしゃっていただきました。副次的な目的に追加されないようにそこは監視をしていきたいと思います。大臣のお気持ちはしっかり受け止めました。ありがとうございます。
 昨年の臨時国会で相当、衆議院では特にその点について話題になった試算の件で、十二月二十七日に約束どおり、年内にという約束で試算が示されました、二枚紙。ただ、そのことについてですが、私は、これは平成三十三年、三十四年度の賃金上昇率をリーマン・ショック時の平成二十年、二十一年度の実績に置き換えただけで、試算のベースは財政検証のケースのC、E、Gだったと思うんですね。この程度の試算だったらやっぱり審議中に出せたと思うんですよ。これが一点。
 そして、それ以上のことは私自身は無理だろうと思っていましたので、そこで、大臣とはあの審議の際に二つ約束したと思うんです。試算を出すということと、次の財政検証で、参考人の方もおっしゃっていました、全方位の検証が必要だと。二十六年の財政検証には賃金上昇率が物価上昇率を下回ったケースというのはないんですね。それからまた、実際は、物価変動率を賃金変動率が下回ったというのは、我が党の委員の資料でもありましたように、二〇〇五年度以降、十二回中七回もあるわけです。
 ですから、財政検証の前提は、全て物価上昇よりも賃金上昇が大きく、更に長期金利は高く、そして運用利回りはもっと高いという前提で全部がなっているから、それは現実に合わない。実際は、物価上昇よりも賃金上昇が小さい方がむしろ多くて、長期金利はゼロを目標にしていて、運用利回りは上がったり下がったりという状況ですから、全方位の検証ということについて大臣は約束しました。その点を、次の財政検証、三十一年財政検証、始まるのはもう来年だと思いますけれども、そのときに大臣であるかどうかは別にして、約束をもう一回はっきり明言していただきたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 去年の臨時国会に年金関連法案を御審議をいただいたわけでありまして、残念ながら衆議院ではなかなか冷静な議論ができずに、年金カット法案というレッテル貼りが先行して深い議論はできなかったわけでありますけれども、その後、参議院で審議をしていただいた際には、年金カット法という言葉は使わないという御英断をいただいて、非常に議論が深まったというふうに私は感じて有り難く思っているところでございます。
 そんな中で、特に、これも衆議院のサイドではそこにまで至らなかったわけでありますけれども、今お話をいただいたような御要請もいただいて、私どもとしてもやっぱり柔軟に、年金の問題はやっぱり国民の大事な老後の所得保障の問題でありますから、いろいろなケースを考えるということは当然冷静にやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思っていました。
 年金財政にとっては、人口や経済の長期の趨勢、これが非常に重要であって、したがって、法律の規定に基づいて少なくとも五年ごとに将来の人口や経済の前提を複数設定した上で長期的な年金財政の見通しを作って、そして給付と負担の均衡が図られているかどうかということをしっかりと検証をする、つまり財政検証と呼んでいますが、これをやるのが大変大事だというふうに思っています。
 特に財政検証に用いる経済前提については、これまでも、社会保障審議会の年金部会の下に置かれます、経済、金融の専門家で構成される専門委員会で客観的な議論を経て設定してまいっているわけでありますけれども、次期財政検証に用いる将来の経済前提についても、臨時国会でこの委員会で議論をしていただいた、一時的に賃金上昇率がマイナスになるようなケースも含めて様々な想定をした幅広い前提の設定について、専門的な観点から客観的に御議論をいただきつつ検討を進めなければならないというふうに考えているわけでございますので、今お話をいただいたようなことを含めて柔軟にやはり考えて将来推計をしていくということは、年金の将来にとってどういうことが起き得るのかということを国民の皆様方に考えていただくのに大変重要だというふうに考えております。

○足立信也君 改めて約束していただいたと捉えます。当然のことながら、長期金利の件も運用利回りの件もそこは加味してしっかり検証をしていただきたい、そのことを要望しておきます。
 次は、社会保障全体のことに行きます。
 私は、消費税は八から一〇に上げるべきだったとずっと思っています。総務省の家計調査によると、二人以上の世帯で家計消費は年々減少して、二〇一六年は実質一・七%減少です。これ、三年連続減少です。やっぱり将来不安が原因でなかなか消費に回らないということが大きいんだと思います。ですから、将来へ向けて社会保障の充実ということが欠かせない、そう思っています。
 総理はアベノミクスの成長の果実を社会保障にと言いますけれども、景気というのはトレンドがあって、そのトレンド部分を除くと、安倍政権になっての四年ちょっとで実質三兆円ぐらいしか伸びていないです。それを果実として社会保障の充実というのは、私は非常に難しいと思います。
 そこで、結果として、充実というよりも社会保障の削減ということが今ターゲットになっていると、今の政権ではですね、そう捉えざるを得ない。そのことについてお聞きしたいんですけど、まず初めにちょっと確認したいんですが、介護保険法の改正で介護医療院というものを新たに創設という話が出ていますが、ポンチ絵の説明だと介護療養型から変換されるというふうに読めるんですけれども、全体の説明だと医療療養型もそこに入るということなので、その点の確認をまずお願いしたいと思います。

○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 今国会に提出させていただいております地域包括ケア強化法案におきまして、慢性期の医療・介護ニーズへの対応のために、今お話がございましたけれども、長期療養のための医療と日常生活上の世話を一体的に提供する施設として介護医療院を創設するということを盛り込んでいるところでございます。
 これは、介護保険法上の新たな介護保険施設として位置付けられるわけでございますけれども、今先生お話がありましたとおり、介護療養病床からの転換だけではなくて、医療療養病床からの転換も含めてということで位置付けておるところでございます。

○足立信也君 そこで、私が非常にどうしてかなと思うのは、地域医療構想というのがこの三月にほぼ出そろうように指導の方というか、していますよね。それは、二〇二五年の需要に見合うような供給という形で整理するということなんですが、今一つ介護医療院の話がありました。そうすると、療養型の医療施設が転換されていく。せっかく医療構想を作ったのに、その部分は一体どうなるんだと。
 それから、元々、二次医療圏と保健所の所管、あるいは救急を扱う消防の所管が全く合わないですよね。これは、この国の救急体制としては僕は大問題だと思っていまして、元々違う範囲の議論をまたしなきゃいけない。さらに、不確かなものとして、これ専門医制度というのは本当はもうスタートするはずだったけれども、今いろいろもめている。後で質問があるかもしれません、専門医制度がしっかりできて専門医の配置の議論になってくると、またここで変わってくる。さらに、介護医療院の話がありましたね。
 こういったことが、この三月まで地域医療構想を出しなさいとなっているのに、その後、制度変更がいっぱいありますよと。すぐ作り直せという話になるんですかね。順番が逆だと思うんです。これはやっぱり各局各課で、あるいは各省庁ごとにやっぱり、どうしても縦割りの弊害が取り払えなくて、全体的な二〇二五年の構想を今やれと言っているのに、その後、制度変更がいっぱいありますよって話ですよ。これでは信じて作れませんし、すぐに見直せという形になる。このやり方、やっぱりちょっとまずいと思いますよ。実際、当事者は困りますよ。
 この点について、なぜこんなことになってしまったのか。また、構想を出させた後に、専門医もそう、介護医療院もそう、施設の形態そのものが変わってくる中で、先ほど言いました救急の体制も二次医療圏も全部違う、ここを、なぜこういうふうになってしまったんでしょうか、どうしたらいいんでしょうか、すぐに変えろという話が出てくるんでしょうか。その点についてどうでしょう。

○政府参考人(神田裕二君) 御指摘の地域医療構想の策定と介護医療院ですとか専門医制度、それから二次医療圏等との関係について御質問がございました。
 まず、地域医療構想の中では、療養病床の見積りについては、現在療養病床に入院している方のうち、医療区分一のうちの一定割合の方、七割ぐらいの方、それから地域差を解消するといったことも見積もりまして、療養病床の必要量というのを地域医療構想で策定をしていただいております。現に、一月末で既に三十九の都道府県で策定されているところでございます。
 その中では、在宅医療等の見積りをしていただくということにしております。これは、今申し上げたような方々については、広く療養病床以外にも、老人ホームでございますとか老人保健施設、サービス付き高齢者住宅等幅広いところで受け止めるということで在宅医療等という見積りをさせていただいておりますが、これは、病院、診療所以外のものを広く受皿として見積もるということにしております。したがいまして、介護医療院というものができますれば、これもその受皿の一つになってくるというふうに考えております。
 それから、専門医制度についてお話がございましたけれども、昨年、地方公共団体それから地域医療の関係者の方々から地域医療の偏在を助長するのではないかという懸念が表明されましたことから一年延期をいたしまして、今、専門医機構で具体的な制度設計をしているところでございますけれども、その中では、地域医療の配慮といたしまして、例えば、都市部に集中しないように、都市部では過去の募集定員を上回らないようにするといったことですとか、従前その研修施設になっていたところが漏れないように、そういったところは連携施設としてなれるようにする。あるいは、最終的に専門医機構でプログラム認定するに当たりましては、医師会ですとか大学病院団体等が入った協議会と事前に協議をするというふうになっておりますので、地域医療構想を踏まえまして、その専門医の養成施設に、研修施設に地域の医療機関が加えていただけないと支障が生ずるというような場合については、都道府県から意見を出していただくことによって、調整をすることによって地域医療構想に支障がないようにしてまいりたいというふうに考えております。

○足立信也君 神田さん、医政局長として細かなことをおっしゃいましたけど、私の言っているのはもっと大きな話で、これは政務の役割ですよ。やっぱり順番が逆だということと縦割りを、そこを崩していかないと構想なんかできないですよ。
 だから、これは、地域医療構想が三月に出ますけれども、ある一定期間、二〇二五年じゃとてももたない、その中間でやっぱりもう一度やり直さなきゃいけないんじゃないでしょうか、制度改正を踏まえた、と思います。これはもう政務の役割だと私は思います。
 もう次に行きます。
 全体像を言いたいんですが、ちょっと私が気になっていることは、過剰診療、特に終末期の話なんですね。これ、在宅で亡くなった場合の話ですが、かかりつけ医がいなかったらどうなるんだろう、医師が往診してくれなかったらどうなるんだろうという話です。
 実は、私の友人も在宅でずっと見ているように親子で話し合ってやったけれども、突然お母さんが亡くなったと。もうかかりつけというわけではないし、呼んでも来れないので救急隊が来ると。そうすると警察に連絡が行く。そして、大変悲しくて動転しているのに、取調べに近いことをずっと聴かれる。かわいそうですね。遺族の方は本当にかわいそう。それもある。でも、実態はそうならないように救急隊をやっぱり呼んでしまうんですね。
 そこで、平成二十七年中に在宅、居宅で、救急隊の要請があったけれども、到着したときに明らかに亡くなっていて、そして搬送しなかった件数というのはどれぐらいあるんでしょうか。

○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 平成二十七年中におきまして、救急自動車が出動し、救急隊到着時、傷病者が明らかに死亡しており搬送しなかった件数は七万七千九百九十三件となっております。なお、不搬送の場合につきましては、発生場所別の数値は統計上持ち合わせておりません。

○足立信也君 ちょっとそこは統計上ないのが残念なんですが、在宅、居宅というふうに絞れないということです。ただ、到着したときにもう明らかに死亡しているので搬送しなかったのは七万七千九百九十三ですね。この方々というのはやっぱり警察が介入しているということに当然なります。ですから、さっき私が申し上げたように、もう納得しているのに、非常につらい思いもするし、場合によっては解剖ですよ。こういう事態になっている。じゃ、それを防ぐためにはどうすればいいか。
 医療機関に連れていくというのは、死体を搬送することはできません。ですから、救急隊を呼びます。今、実際は七万と数が出ました。じゃ、二十七年中、全体の救急車の搬送人員は何人で、医師が初診、診たときに死亡だと確認された人数、そのうち、それは家から、居宅からというのは何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 平成二十七年中、救急自動車による搬送人員数は五百四十七万八千三百七十人であります。このうち、医師の初診時におきまして死亡が確認された者は七万六千二百五十五人となっております。また、このうち住宅より搬送された人数は五万二千三百七人となっております。

○足立信也君 五万二千三百七人なんですね。もう運ばれなかった人も七万七千なんですね。ただ、やっぱりほぼ匹敵するような数はどうしようもないから救急隊を呼んで搬送しているということです。
 私も救急医やっていましたから申し上げますけれども、初診時死亡という判断の中には、明らかに亡くなっているからもう死亡だという場合と、ちょっと救急隊の方待っていてください、蘇生しますと、駄目でした、やっぱり初診時死亡になる人と、あるいは、消防隊の方も忙しいですから、これは重症だといって処置を始めて、もう帰っていいですよ、次の仕事があるからということで帰るけれども、やっぱりその日や次の日に亡くなっている方も相当いるわけです。こういったものの統計はあるんでしょうか。

○政府参考人(猿渡知之君) お尋ねの数値につきましては持ち合わせていないところであります。

○足立信也君 そうなんですよ。実際はそうなっているけれども、だから、初診で死亡が確認された人数、在宅、居宅からでも五万二千、それよりもはるかに多くの数が病院で、まあ失礼な言い方ですけど、逆に言うと医師だから言えるのかもしれませんが、これはもう亡くなっていると思うけれども、いろいろな医療的介入、処置をして結果的には蘇生あるいは生還にはならなかったという数は物すごく多いということです。
 これは、家族もかかりつけ医も納得しているということが一番大事ですけれども、医師が自宅には来てくれない、あるいは来られないという状況にあると、救急車でやっぱり運ぶしかない。そんな中で、地域でカルテが共有できていれば、いればですよ、いれば、在宅、居宅で亡くなった人は、当番で医師が死亡確認に行くとかですね。
 我々、かつて法案出しましたけれども、訪問看護しているのであれば最初の段階は看護師の判断でいい、それで翌日、医師の死亡診断でいいんじゃないかとか、あるいはもう一つの考え方としては、今は死体を自家用車で運ぶことができないから救急隊を呼んでいると。運ぶことが、医療機関に運ぶんだという前提であるならば、自家用車でも運べるという、そこを広げるという手もあると思うんです。
 今三つ提案しましたけれども、それについてはいかがでしょうか。

○政府参考人(神田裕二君) 先生がおっしゃられるように、望んでいないのに先に救急隊に連絡が行ってしまって救急搬送されてしまうということで、結果的には搬送された段階で死亡確認がされるというケースが相当数あるということは、御指摘のとおりであるというふうに思っております。
 先生がおっしゃられるとおり、グループ診療の体制づくりを進めていくということも非常に大事なことであるというふうに考えておりまして、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、具体的に都道府県におきましてグループ診療の体制づくりを進める。例えば富山県では、平成二十二年からグループ診療の体制づくりを進めておりまして、平成二十七年までに百九十六名の医師がグループ診療に参加をしているというような取組を基金を使って支援をさせていただいております。
 それから、例えば在宅医療に取り組んでいる医師と救急隊等との連携を図っていくということも非常に大事であるというふうに考えております。具体的に、例えば静岡の医師会においてはグリーンカード・システムというようなものを設けまして、最後まで自宅で全うしたいという患者さんをかかりつけ医があらかじめ医師会に登録いたしまして、容体が急変したけれどもかかりつけ医に連絡が取れないような場合には、そのカードに意思を書いておいて、それを共有することによって望まざる救急搬送というようなことを防ぐことによって、できる限り最後まで御自宅で暮らせるようにというような取組がされております。
 それから、看護師につきましては、規制改革実施計画、昨年六月に決定されましたこの中におきまして、あらかじめ医師と一定の取決めをしておきまして、またその御家族の同意を得ておくことによりまして、一定の研修を受けた看護師の方があらかじめ医師と取り決めた事項について確認をいたしまして、医師がそれを遠隔で確認をすることによって、受診後二十四時間を経過していても、現地で改めて対面によって死亡診断をしなくても死亡診断書が書けるようにというような取組をしておりますので、こうしたことによりまして、できるだけ御自宅で最期を全うされたい御家族と御本人の希望に沿えるような体制を構築してまいりたいというふうに考えております。

○足立信也君 これは社会保障費の削減というんじゃなくて、過剰診療の打開策として私ちょっと提案しているということをまず御理解いただきたい。
 七万七千の話がありました。もう搬送しない、これは警察が絡んできて大変なことになっている。それから、居宅から搬送したけれども、まず、もうその時点で死亡が五万二千と。先ほど言ったいろんな場合を、処置のことを考えると、十万人ぐらいはいると思います。それに一人一人十万円掛かったら、それだけで百億ですよ。やっぱりここは相当考える余地があると思うんです。いずれにしても、医療者も家族も本人も納得しているというのがまず大前提ですが、ここには相当私は検討の余地があると思っていますので、是非検討していただきたいと思います。
 次に、資料、高額療養費制度です。
 これは予算関連なんですが、皆さんも御案内のように、今年の八月から七十歳以上の方々の、これ左から二番目ですね、負担額の上限というのが上がります。来年の八月から、これはまだ予算事項ですし政令もないわけですから決まっているわけじゃないですが、このように提示されています。
 一番右と比較していただいて、現役並み所得のところは全く一緒ということです。年齢に関係なく同じだと。これが公平だと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、私の経験上、あるいはここに多くいらっしゃる方々、同じ病気でも、高齢な人は併存疾患があったりあるいは合併症があったり、同じ疾患でも医療費は高くなります。これはもう間違いない事実だと思います。そこに、高額療養費で上限が決められているといいますが、プラス一%が付いているんです。これは、公平だといいながら、高齢者の方々というのは、私は、医療費が同じ病気でも高くなるというのが前提ですけれども、そこに一%が付いたら同じ病気でも高齢者の方が負担が多くなるよということなんですね。
 私は、このことで、今は結論出せるわけではないと思いますが、この七十歳以上のところ、全く年齢に関係なくやるといいますが、高齢者にとってはこのプラス一%というのは私はあるべきじゃないと思っています。この点についていかがでしょう。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、様々な見直しをお願いを申し上げているわけでありますけれども、特にこの高額療養費の見直しというのは、社会全体が高齢化をしていく中にあって、社会保障費が増大をする、特に医療費が増大をするという中で、しかし制度は持続可能なものとしていかなければならないということで、次世代への引渡しをしっかりとやるためには、高齢者の方々にも、制度の支え手として、世代間の公平あるいは負担能力に応じた負担の観点から、今回一定の御負担をいただくということで見直しをさせていただいているわけでありまして、今、プラス一%、この問題を御指摘をいただきました。
 この医療費のプラス一%の負担につきましては、現行制度においても、年収約三百七十万円以上の現役並み所得区分に属する七十歳以上の方について、六十九歳以下と同様に、実際に掛かった医療費から一定の額を差し引いた金額の一%分、これを追加して御負担をいただいているわけでございまして、例えば医療費が百万円掛かった場合には、上限額の八万百円に追加分として七千三百三十円、これを加えた八万七千四百三十円を御負担をいただくという形になっているわけであります。
 今回の見直しでは、現役並み所得の区分のうちで、三百七十万の年収から七百七十万円の方の上限額はこれは据え置くということで、年収約七百七十万円以上の方についてはプラス一%分を含めて六十九歳以下の方々と同様の御負担をお願いをするということになっているわけでございます。
 この見直しにつきまして、負担能力に応じて負担可能な範囲に自己負担上限額を設けている高額療養費制度において、六十九歳以下においても一定以上の所得を有する方には同様の負担をお願いしているということ、それから、プラス一%の追加負担というのは、平成十四年に七十歳以上の方に導入をされて以来、これは一貫して今日まで適用されてきております。今般の見直しによって上限額が変わるのは年収約七百七十万円以上の比較的高水準の所得を有する方に限られるということ、そして、長期にわたって高額療養費に該当する場合は多数回該当の適用によってプラス一%の適用はなくなって更に負担額が抑えられるというようなことを踏まえますと、世代間の公平あるいは負担能力に応じた負担の観点から、高齢者にとって差別的な扱いではないかという今の御指摘は必ずしも当たらないのではないかというふうに考えて、今回このような形で御審議をお願いしようと、こういうことでございます。

○足立信也君 先ほどの私の説明で委員の皆さん方お分かりだと思います。同じ病気でも、やはり高齢な方の方が私は医療費が掛かっている、それはもう実感ですが、お願いしたいのは、七十歳未満と七十歳以上で代表的な疾患の治療の医療費がどれだけだったかというのを資料としていつかこの後出してください。そこでもう一回議論をしたいと思います。
 次は、働き方改革なんですが、電通の高橋まつりさんの過労自死のことはよく皆さんお取り上げですが、その一か月後、実は木元文さんという方が、三年目の医師です、元々は看護助手として働いた方が医師になって、三年目ですが、二年間の研修を終えて、市民病院の内科勤務から僅か十か月、一月に過労の自死をしています。今、労災申請しているときで、まだ認定が下りていませんが、時間外の労働時間は、この十か月、平均百八十七時間です。このことについて、研修医の間はまあ何とかやれた、実際に常勤になって、勤めるようになって十か月がこういう状況だったということで。
 じゃ、今、研修医の間とそれ以降と、時間外労働に関する規定に何か違いがあるんでしょうか。そこをまず確認したいと思います。

○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。
 労働基準法上の労働者でございますけれども、これは、事業に使用され賃金を支払われる者と定められているところでございます。したがいまして、臨床研修医についてでございますけれども、こういった臨床研修医の方が病院の開設者の指揮監督の下に労務の提供をしていると評価される場合は、この事業に使用され賃金を支払われる者として労働者に当たると解されているところでございまして、こうしたことから、労働者に該当する場合が一般的であると思いますし、その後の研修医につきましても、その実態により、事業に使用され賃金を支払われる者と見られる場合は労働者に当たるわけでございます。

○足立信也君 違いはないということだと思いますが、実際に卒後臨床研修医やられている方、時間になったらさっと帰るとか、場合によっては手術の途中でも帰ってしまうとかいう話もよく聞きます。この方は内科になったんですけどね。
 二〇一六年臨床研修修了者アンケートというのがありまして、研修をした前後で希望が減ったかというのが、やっぱり目立つのが内科系と外科系なんですね。内科系、外科系というのはきついのかなという印象がありますけれども、これ労災認定が出たらまた大きな話題になると思いますので、またそのときに譲りたいと思います。
 それで、先週のこれインターネットによるアンケートなんですが、勤務医のアンケート、まず勤務医、時間外労働六十時間以上、勤務医の三六%、開業医の一九%。そして、時間外労働の上限規制、医師も適用すべきだという勤務医の方の意見は五八%です、そうすべきだと。開業医さんは五七%がやっぱり規制すべきだと。
 ところが、報道では、四病協と医師会の方々が、時間外労働の上限規制について医師を除外するように要望したというように聞いていますが、大臣はこのことについて受け止めはいかがなんでしょう。

○国務大臣(塩崎恭久君) 私のところにもいろいろな御意見がいろいろなお立場の医師の皆さん方から参っておるわけでございますけど、今御指摘のあった病院団体や医師会からは、働き方について、医師には診療の求めがあった場合の応招義務が医師法上の義務として課されているということ、そして、医師の養成には十年以上の研さんが必要だといったような特殊性を指摘をされ、労働時間の上限規制の例外としてほしいという、こういう要望が出てきているというのが今の一つだと思います。
 厚生労働省では、今、医師の働き方をより良いものにするということ、その大前提は、これからの医療はどういうものであるべきなのかということで、その中で働き方というものもセットで考えなければいけないということで、昨年十月に、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会というのを、東大の渋谷先生を座長に鋭意検討していただいておりまして、この三月末までには取りまとめが行われるというふうに思っておりますけれども、医師の勤務実態あるいは働き方の意向について初めて全国調査を十万人の医師に対して送りました。これ、回収は一万五千余り返ってきておりまして、これを正確に把握をした上で今後の、まず第一に医療の在り方についての先生方のお考え、そしてまたそれを踏まえた医療従事者の望ましい働き方ということを考えていきたいと考えているわけでありますが。
 今、働き方改革実現会議で長時間労働を含め様々な働き方についての課題を議論しています。医師の働き方についても当然お話がいろいろなところから出て、これを含めて私どもとしてはしっかりとその会議の中でも議論していきたいと思っておりますけれども、今申し上げたように、いろいろな形での働き方をされている医師がおられる中でありますので、そういった先ほど申し上げたような調査を踏まえて、勤務医の勤務実態あるいは働き方についての御意向、そしてまた病院団体からの御要望なども含めてしっかりと踏まえながら検討をしていくべきことだろうというふうに考えております。

○足立信也君 見逃されがちなのが、公務員や教員や医師、看護師、介護職員、この方々の労働時間というのはどうなんだ。教職員は月八十時間以上が七割以上だというデータもあります。我々は、石橋委員を中心に、そういった公務あるいはサービス関係、そういった方々の労働時間というものをどう考えるか検討していますけれども、除外を希望するのであればそこはオートノミーを働かせなきゃいけない、自分たちはどうあるべきだということを団体の方にも私は要望したいと、そのように思っています。
 ちょっと最後もう時間がないので、ショッキングなデータかもしれませんが、保団連の女性開業医アンケートというのがあります。医師と歯科医師ですね。これで、産休、これ産前と産後がありますが、産前の休暇がゼロ日という人が二七%、ゼロ日ですよ。労働基準法上の産前六週間に満たない三十日以下の休暇というのが八四%です。産後は、ゼロ日が七%、次の日から働いている。そして、労働基準法上八週間という、これに満たない五十日以下の休暇が七六%です。全労連のアンケートでは、全労働者、産前休暇六週未満が一三%、産後八週未満が三%になっていますが、もう圧倒的に女性開業医というのは過酷な中で、それはもう職員の生活のこともありますからやっているという、様々この中で問題があります。子育て支援については七割が支援があったといいますが、一番多いのは親族なんですね。続いて配偶者、民間サービス。公的サービスというのは一番低いんです、サービスを受けているのは。ここにも改善しなきゃいけないところがあります。
 一つ絞りたいのは、私これをずっと見ていく中で、当然、解決策としては、保育施設を造る、保育士を育成する、それから産休か育休に該当するところはドクターバンクという考え方もありますが、一つ気になったのは、被用者保険の中では出産育児一時金というのはもう全保険に通用して、私、政務官のときに、お金を用意しなくても保険者から直接払われるというふうに変えました。それはいいんですが、出産手当というのが国民健康保険はないということが分かったわけです。なぜないのか、実際は今どうなのか。出産手当ですよ。産む行為に対する一時金はあるけれども、やっぱりそれ以外にお金は掛かる。協会けんぽも健保組合の保険も出産手当あると思います。共済もあると思います。国民健康保険はなぜないのかと。そのことと、この仕組みをつくることは、今、非正規雇用の方々、昔は無職であったり、第一次産業、農業者かもしれませんが、非正規雇用の方というのは今は国民健康保険がほとんどじゃないですか。国民健康保険で非正規雇用同士の夫婦の場合、出産手当もないということですよ。ここを改めないと、産むことに対して保険上に相当差異がある。
 実態はどうなっているかということと、私は、国民健康保険でも出産手当の仕組みをつくる、あるいは市町村にそれを促すということが必要だと思いますが、まとめて、実態とその私の提案に対していかがかということをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(鈴木康裕君) 国民健康保険における出産手当金の実態でございますけれども、自営業や農林水産業などの個人事業主、無職等の方が加盟される国民健康保険におきましては、制度上は保険者が条例又は規約を定めることにより出産手当金を給付することができるということになっております。ただし、実際に条例を定めて給付を行っている市町村はないということです。
 なお、国保組合の方でございますが、出産手当金については規約を三十三組合が定めておりまして、平成二十六年度の実績で千百二十四件、約三億円が支給されております。

○足立信也君 これはもう大変な問題だということを認識していただいて、解決しなきゃいけないということを申し上げて、質問を終わります。


 

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