国会会議録
 

平成28年12月9日- - 参議院厚生労働委員会会議録


 

○足立信也君  民進党の足立信也です。
  四名の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
  まず、山崎参考人に質問をしたいと思います。オプション試算についてです。
  受給開始年齢を引き上げる、この件を除けば、最も効果的、所得代替率を上げる手段としては適用拡大だと、そのようになっていると思います。
  これは、山崎さんは三党合意による年金機能強化法からずっとおっしゃられましたが、私たちはそのときから最低賃金以上に拡大すべきだと。二十時間で百万人。その最低賃金も、時間制限を取り外せば更に百七十万、あるいは二百万人と、そういうことを申し上げていたんですけど、これは今までの発言とちょっと違うんですが、かなり当時の野党側から抵抗がありました、業界側からも。これは、企業としての理解が一番大事だということは論をまちませんけれども、じゃ、その保険料拠出に対する企業側の負担軽減、これをどう考えるか、私たちは社会保険料への負担を半分国が見るべきではないかと、そういう法案も用意してい
  るんです、今。
  この負担軽減策、理解が一番であることは論をまちませんけれども、負担軽減についてはどのように考えておられますか、企業の保険料。

○参考人(山崎泰彦君)  ただいまの御提案、詳細分からないんでございますが、要するに事業主負担の増加に対してどう合意を得るかということでしょうか。

○足立信也君  はい。

○参考人(山崎泰彦君)  先ほど西沢参考人もおっしゃっておりましたが、私は、現在の枠組みをつくった平成十六年改正の準備をしていた年金部会の審議で、西沢参考人もおっしゃっていましたように、雇主には人を雇っていることの責任として、パートであれ、どのような雇い方であれ、報酬の一定割合を、言わば雇用税になるのかも分かりませんけれども、社会保障に係る負担金として負担していただけないだろうかというふうに思っております。これは、企業規模、雇われ方にかかわらず、払った報酬の一定率を拠出していただいてはどうかというふうに考えております。

○足立信也君  負担軽減策というよりも、やっぱり原則に返って理解していただくという御意見だったと思います。果たしてそれで広がるかという疑問は相当あります。
  次は、西沢参考人にお聞きしたいんです。二点です。
  一つは、まず西沢さんがおっしゃられたことは、私は、個人的かもしれませんけれども、ほとんど同意見です。それをまず申し上げておきたいと思っています。
  そこで、財政検証のときに八つのパターンがある中で、物価変動率よりも賃金変動率の方が低い場合という、この試算が一つもないということが、西沢さんもおっしゃいましたし、財政検証の方で試算もしていない、検証もしていないことが出てきた。これを我が党は、年金カット法案、衆議院で言っていたわけですが、御案内のように参議院は、私含めて五人おりますが、年金カット法案と一言も言っていません。しかし、別の党から年金カット法と言われていて、何だろうなと思っています。
  そこで、その検証がない、試算がない、これは財政検証から出た今回の賃金スライドというものが本当に財政検証から生じたものかという不安があるんですね。その試算の必要性について西沢さんはどう考えられますか、先ほどおっしゃっていましたが。

○参考人(西沢和彦君)  今、財政検証は二〇一四年三月に経済前提を出しまして、それを受けて六月に財政検証の結果が出たんですけれども、その財政検証は経済前提についてケースAからHまで八パターンあるんですが、いずれも実質賃金がプラスのケースなんですね。
  ただ、今回の法案の中では、その実質賃金もマイナスになるようなときに備えての法案が出ているわけですから、本来であれば財政検証でそうしたケースが想定されてこの法案が出るべきであって、財政検証でそれが出れば、国会での議論をかいま見ていましても、試算出せないような言い方ありますが、そうじゃなくて、オプション試算の中で物価変動のケースも出していますので、例えば実質賃金についても、長期的には〇・五だけれども、例えばマイナス〇・五になったりプラス一になったりという変動のケース出せたはずなんですね。ですから、当初よりこういう法案が、制度改正で問題意識あるのであれば、財政検証の中でしっかり計算しておくべきだったと思います。

○足立信也君  そのとおりです。財政検証に基づいて今回の法案という根拠が、そこがないわけです。この点が、衆議院ではそこに集中し過ぎた感が極めて強いですけれども、あの不信につながっていると、私はそう思います。
  最後の質問ですが、基礎年金部分、つまり公的年金制度の条件ですね、十分性の確保のところで、やはり基礎年金部分が下がり過ぎると、これはおっしゃるとおり。
  そこで必要なことは、じゃ、生活保障として、底上げをするために生活保障として、考え方は現金と現物というのがあります。現金でやろうとしたら、これは国で一体的な取組になってくる、中央からのということになると思いますが、現物で生活保障をするとなると、これは地方自治体がメーンになってくる、現物ですからね、医療や介護を含めて、福祉も含めてですね。
  西沢さんは、現物給付で生活の最低の保障をしていくという、これは地方分権の考え方の流れにぴったり一致すると私は思っているんですが、その現金と現物ということについて、最低限の生活保障ということに関係してどのように思われていますか。

○参考人(西沢和彦君)  非常に重要だと思います。
  思い起こしますと、二〇〇八年四月の高齢者医療制度改革が施行された年に、全国の高齢者の医療保険料がどうなるかというのが国で一元的に把握されていなかったんですね。ですから、上がる人もいれば下がる人もいる。上がる方から文句が出た、クレーム、まあ意見が出たわけですけれども、そこで緊急的に政府は調査をして、三千億の補正予算を組んで手当てしたわけです。
  ですから、国民健康保険料、介護保険料、高齢者医療の保険料というのは全国ばらばらなわけです、まあ、それは地方自治だから仕方ないんですけれども。情報は一元的に把握して、それら保険料が引かれた後の年金が可処分所得として、先ほど茶谷参考人からも、基礎年金に医療が入っている、入っていないというお話ありましたけれども、そこを参酌しながら基礎年金を設計していくということが必要。
  基礎年金とか年金は全国一律、でも保険料は自治もあるのでばらばらなわけで、まあ、それが自治ですけれども、少なくとも情報は国レベルで集約していくべきですし、これは、子供の医療費もそうですしインフルエンザとかの予防接種のお金もそうですし、自治体が自治事務でやっているものは費用が全国ばらばらなんですね。ですから、それは少なくとも調査して、それに合わせて全国均一の現金給付も行っていくというのがあるべき方向だと思います。

○足立信也君  あと一分ありますので、山崎さん、申し訳ない、もう一問お願いします。
  先ほどと同じなんですが、財政検証でなぜ物価変動よりも賃金変動の方が低いという前提の検証をオプションでもしなかったんでしょう。どうお考えですか。

○参考人(山崎泰彦君)  この経済前提の置き方は、まさに西沢参考人が直接関わられたと思うんでございますが、金融経済の専門家の間で随分長期にわたって御議論いただいて出されたものでございまして、私はそれに従うのが政府として当然かなというふうに思います。

○足立信也君  どうもありがとうございました。
  終わります。


 

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