国会会議録
 

平成28年10月25日- - 参議院厚生労働委員会会議録


 

○足立信也君  民進党の足立信也です。
 三度目の選挙も終わりまして、立法府として三たび、厚生労働行政に携わることができました。よろしくお願いします。
  私どもの民進党は、五十名、今副議長を除いて五十名いるんですが、常任一種の委員会の第一希望が二十七と聞いていますけど、過半数が第一希望が厚生労働という中で今回五名になってしまいました。自民党、公明党の方は新しいお顔の方がいらっしゃいますけど、うちの民進党はもう見慣れた顔ばっかり五人で大変申し訳ないんですが、それだけ非常に関心の高い分野ですので、理事としては委員会でいろんな方に発言してもらいたいと、そのように臨んでいきたいと思っています。よろしくお願いします。
  大臣の所信的挨拶で、経済成長の成果を子育てや介護などの社会保障分野に分配すると、そう発言されました。まだそんなことを言っているのかなという感じが私はします。人口減少社会、特に労働力人口の減少する社会にあって、成長の果実を原資とする社会保障という考え方は私はもう持続しないと思っています。
  これは羽生田委員長も以前からよくおっしゃっていますが、特に地方、人口減少社会においては、地域に密着した成長産業として、私は、この厚生労働分野は特に福祉や健康、医療、介護、この分野を充実させることが次の雇用を生み、新しい産業を生み、技術革新や新規産業が創出されて更に雇用が増えていくという好循環を生むんだと、特に地方はそうであると、もう産業構造が違いますからね、これは自民党の方々もずっとおっしゃっている、もうそういう時代になってきたんだと思うんです。
  成長の成果を回すというのは非常に古い考え方でして、私たち、特に私、政務官のときに、二〇一〇年、新成長戦略というのを定めまして、今まさに私が申し上げたこの分野を充実することによって雇用が生まれて、新規産業も生まれて、更に雇用を生んで海外へも進出していけると、それが成長産業になっていくんだと。もう一つ、壊れ始めてきたコミュニティーがこれによってまた再生できるんだということで、ライフイノベーションという言葉をつくって新成長戦略に定めたんです。
  お聞きしたいんですけれども、また政権が替わって安倍政権になって、成長の果実がないと社会保障は充実しないのかというやっぱり根本的な考え方がまた元に戻ったような気がしてならないんです。大臣としては、成長の果実がないと社会保障は充実しないと、そのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君)  今いろいろ、旧民主党時代のお話を含めてお考えを聞かせていただきました。
  社会保障の産業としての側面という意味においては、今おっしゃったようなことも考え方としてはあり得る話としてよく取り上げられておりますし、そのこと自体を否定するつもりもございませんけれども、産業としての社会保障関連産業という意味においてはそうだろうと思うんですが、私どもが申し上げているのは、社会保障をどうファイナンスしていくのかということを考えたときに、これはもう釈迦に説法でございますけれども、保険方式であれば保険料と税と自己負担、保育のようなところであればこれは税とそしてまた自己負担というか利用者負担、こういうことになってくるわけでありまして、これは政府が支払うわけではなく、やっぱり民間の個人ないしは企業が折半で払うというような形で保険料などは払われますし、もちろん税金も企業が払うと。しかし多くは個人が負担をされるわけでありますので、その保険料、そして税、自己負担と、これは取りも直さず所得の中から支払われるわけであるわけで、そのことを考えてみると、やはり所得がしっかり増えていくということが社会保障の充実分をカバーしていくためにも必要になってくると、こういうことではないかというふうに思っております。
  そういう意味で、この社会保障の費用を賄っていく負担の部分について見てみれば、経済成長をしていくことが充実にもつながっていきますし、今現状を維持するためにも当然経済がしっかりしていることが大事であるわけで、その成果を、果実を社会保障に使っていくというのは、ごく普通に考えてもそういう筋道ではないかというふうに考えておりますし、となれば、社会保障の持続可能性を考えてみると、経済を全体としても強くしていくことによってこの負担が支え切れる、あるいは負担を負担感をなく負担できるということにつながるのではないかというふうに思っておりまして、そういう意味で、成長とそれから分配の好循環というのはそのような意味で申し上げているわけでございます。

○足立信也君  この分野、健康や医療や介護や福祉の分野というのは、地域に密着した産業であるし、普遍的な産業であるし、今求められている産業でもある、この辺は共通認識だと思いますが、恐らく初期投資の原資がないという話になってくるんだと思うんです。そこは考え方の相違だとやっぱり思いますね。初期投資のために成長が必要だと。しかし、それをもう四年待っているけどなかなか初期投資の原資が出てこないというような話になっているし、私たちはその初期投資の部分を消費税の増税によってやろうということで社会保障と税の一体改革、これを進めてきたわけですから、恐らくこれが考え方の違いで、現政権と我々の、民進党あるいは皆さん、ほかの党もいらっしゃると思いますが、根本的な考え方の違いじゃなかろうかと、私はそう捉えています。
  ところで、十月十九日、読売新聞にアンケートが出ておりました。今の社会保障の給付サービスに満足している、三五%、満足していない、六五%。この今の日本の社会保障に対して満足していないというパーセントが六五%というのは、私、過去最高じゃないかと思います。今までそんな数値は出なかったと思います。それに加えて、今の社会保障制度を維持できなくなるという不安、これ九三%です、不安を持っている。さらに、将来希望する介護サービスを受けられないのではないかという不安、八七%です。かつてない数字だと思いますよ。
  今私、例示として、社会保障制度が維持できなくなる、あるいは介護サービスが受けられなくなる、希望するですね、これが九三%、八七%、これを率直に聞かれてどう感じられますか。

○国務大臣(塩崎恭久君)  私ども、地元でもよくいろんな方々、年代層それぞれですが、社会保障に関してのお話をよく聞くわけでありますけれども、なかなか皆さん、一〇〇%安心しているというような人に出会うことはなかなかないわけでございまして、御指摘の世論調査、これ読売新聞の結果を私も拝見をいたしますと、不安を大いに感じるという方が現役世代の方が高くなっているということでございまして、これは、今後高齢化が進行する中で、社会保障制度の持続可能性に対する将来への懸念というか、こういうものを表しておられるんだろうなというふうに思います。大いに不安を感じるというのを改めてこれ年代別に見てみますと、七十代が三〇%、六十代が四八%、五十歳代が五割台、そして四十歳代が五七%ということで、若い方に行く方が心配の度合いが重くなってくると、こういうことでありますので、これはこれとして正面から受け止めなければいけない心の中の事実ではないかなというふうに思っております。
  こうした不安をやはりなくしていくというのがこれ政治の役割であり、政府の役割でもあるわけであって、社会保障と税の一体改革もそういうことで行われた三党での合意であったかというふうに思いますし、いわゆる全世代型の社会保障、ここに転換をすることでどの年代にとっても先が見えるということにしていくことが大事なことだろうというふうに思っております。
  社会保障の持続可能性を揺るぎないものとすると、そして世界に冠たる社会保障制度、少なくとも保険、皆保険制度でできている医療、あるいは介護の問題にしても、介護保険は皆保険ではございませんけれども年代が決められていますから、いずれにしても年代を限ってみれば全て入るということにもなるわけで、そういった良さをどうつないでいくかということがとても大事でありますが、一方で、特に学生などに年金の問題などを聞いても更に将来不安を感じていらっしゃる方が多いということでありますので、私どもはその不安をなくすようにするための努力を引き続き重ねていかなければならないというふうに考えているところでございます。

○足立信也君  さらに、今大臣も若い世代ほど不安を感じているとおっしゃいました。そこが表れているのが、保険料負担が重い、これがやっぱり六三%。子育て支援の占める割合を増やすべきである、六九%、七割ですね。そうはいいながら、じゃ、負担をどうするのかということになると、やはり当然のことながら、社会保障の費用負担を高齢世代、現役世代共に増やす、これが五一%。世の中、これも読売新聞のをなぜ出したかというと、与党寄りと一般的に言われていますから、その方々もこういうアンケート結果だということなんです。世の中の方々は、国民の多くはもうそういう時代になっているという認識はしっかりあるんだと思います。そこで大切になるのが、消費税増税が二年半延期されて三十一年にですか、なりますが、この使い道だと思うんですね。
  そこで、消費増税の延期は悪い影響が出るという不安が、これもアンケートで五九%、約六割ですね。現時点で今お考えがあるかどうか分かりません。これ、消費増税五%分は、五%のうち一対三対一という形で、社会保障の充実は一%という形になっているわけですが、残された二%分、これに軽減税率分が入ると更に減額になるわけでしょうが、この五%のうちの一%の充実という考え方をまだこれからも踏襲するかどうか。このことについて、現時点で答えがないかもしれませんが、あるいはロードマップに沿ってそのままやるとおっしゃるかもしれませんが、私はこの使い道がかなり近い十年先の将来を決める大きな問題だと思っています。現時点での大臣のお考えはいかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君)  これは三党合意で、民主、自民、公明、この三党間での公党の約束として決まったことを私どもは引き継いでやっているわけでございまして、結論から申し上げれば、その三党合意は守っていくということであるわけでありまして、さっき申し上げたように、社会保険方式で成り立っていて、なおかつ税財源を入れた混合型というか、そういう形になって、保険料の負担能力の低い方でも制度に、この税の投入によってより享受をされやすいという、そういうことになっている仕組みだというふうに思っています。
  こういうような社会保障への公費投入というのは国費だけで三十兆円を超えているわけでありまして、国の一般歳出の半分以上を占めているということで、しかも年々これが増加を、高齢化に従って増えているということでございます。こういうような状況を踏まえると、社会保障制度が、今後も高齢化が進展をするわけでございますので、必要な機能を果たし続けるためには、社会保障の充実と、それとともに、税財源によって賄われている部分についても安定的な財源というものが確保されることが極めて重要だというふうに思っています。それがゆえに三党合意で、先ほどお話いただいたような割り振りで充実分を賄っていこう
  と、こういうことで決まっていたんだろうというふうに思います。
  社会保障と税の一体改革では、社会保障の充実、安定化と、それから財政健全化の同時達成を目指すということが明記されていたと思いますが、持続可能な社会保障の構築のためには、財政健全化も、これは当然長もちさせるためにも大事な要素でありますので、消費税率の引上げによる増収分の全てを社会保障の充実に充てることはなかなか適切ではないんではないかというこの三党合意の考え方はそのまま踏襲すべきかなというふうに思っております。

○足立信也君  予想された答弁です。
  私たちは、三党合意はほごにされたと判断しています。ですから、これからは残る二%の使い道をどう考えるかというのが国民の選択になってくるんだと、そのように思っています。そのことを予告しておいて、今日は私と石橋委員とで分けていますので、私は年金、医療、介護、そして石橋委員は雇用、労働、年金ですか、というふうになっております。ただ、ちょっと順番を変えまして、私、年金、介護、医療の順番でちょっと聞いていきたいと思います。
  まず、年金ですが、これは一年半、二年半、消費増税が延長されて、結局四年間延長された形になるわけですが、消費税一〇%に上げるときの低年金者、無年金者に対する対策として主なものは三つあったと認識しています。一つは、低年金、低所得者対策として月マックス五千円で年間六万円という年金生活者給付金で__した。これは、今年六月、一回こっきり三万円という形に化けたかどうかは分かりませんけれども、まあそれなりの取組はされていると私は思います。
  そして、もう一つは介護保険料、これも低年金者対策ですね、介護保険料の軽減、これは当初、約三割の方、一千百三十万人の想定でした。しかし、現在、二十七年度からこれは行われておりますが、聞くところによると、六百五十万人、半分ぐらいにその対象がなっている。ただ、行われていることは行われている、範囲も額も縮小されたけど行われている。
  それに対して、やっぱり無年金者対策というのが極めて遅れているという認識であるわけです。今般、元々二十七年の十月、去年ですね、一〇%のときに無年金者対策と考えられていたものが、一年半延びて二十九年四月、そして二年半また延びたわけです。これはやっぱり心待ちにされていた方は相当多いと思いますし、今般、それで新法、年金に対する新法を提出されたわけですけれども、やっぱり元々一年半遅れた時点で二十九年四月一日だと想定されて準備もされてきたと思うんですよ。ここに来て六月に再延期が決まって、しかし、総理の所信で九月に、二十九年度中にやるんだと言って、いきなり二十九年八月一日施行が出てき
  たと。せっかく準備していたはずなのに、もっと早くできないかと、率直な話なんです。
  そこで、これ、質問四はちょっと飛ばします、五なんですけど、なぜ遅れたのかということと、これ違いは、八月一日施行だと九月から対象者が広がって十月の支給からになるわけです。準備期間等々という話がありますが、これ、四月一日から施行したら、五月から対象者が増えて、その方々が本来、六月、八月と年金をもらえる可能性があったわけですね。
  だとしたら、まずお聞きしたいのは、私たちはこの無年金者対策だけが遅れたというふうに考えているんですが、その遅れた理由、それをまずお答え願いたいと、そう思います。

○国務大臣(塩崎恭久君)  今の御質問は、なぜ八月なんだ、なぜもっと早くできないのかという質問であると理解してお答えを申し上げれば、これは、今御指摘のように、今回、消費税の引上げを再び二年半延ばすということになったわけでありまして、正直それまでいろいろこの準備をしていたわけでありますが、そこで一回引上げを延期するというところで手続を止めました。
  しかし、そうはいいながら、今回、私ども政権としても、この二十五年、十年は今回の法律でお願いをして通すということを政権として決めたわけでありますが、そうなると、いつ最短でできるのかということを私どもも事務的に詰めてまいりました。その結果、最速でやっても八月一日ということでございますので、私どもとしてはこの八月一日ということで今回法律を出してお願いをするということにさせていただいたわけでございますので、事務的にできないで年金機構の窓口においでをいただいて不測の事態を招くというのは決して好ましいことではないので、私どもとして最善の努力をして最速のタイミングでいくのが八月
  一日ということで、今回こういうことで御提案を申し上げて実施していこうということになっているわけでございます。

○足立信也君  昨日、部門会議で議論しました。私は今年の三月に消費増税の再延期を決めたと認識していたんですが、正確には六月だと。六月に延期決めたと。じゃ、それまでは準備していました。それで、九月に総理が二十九年度中にやるんだと言ってこの法案出てきた。三か月間中断したら四か月遅れるという話になるんですか、今のは。
  私、提案したいと思います。四月一日に施行すれば五月から対象になります。準備が間に合わなくて六月に支給できないんであれば十月の支給で構わないですよ。六月分、八月分、十月以降に支給したらどうですか。そういう修正案を私ども準備します。あくまでも施行は四月一日、皆さんそう思っていたわけですから四月一日にして、その対象となる方は五月から確定させていく、準備をする。間に合わないんであれば十月以降の支給で__も構わない。六月分、八月分、しっかりそこで支給できるように、十月以降にできるように私たちは求めたいし、その修正案を出したいと思います。準備期間が足りないということであれば、それで
  できると思います。答弁されるというんであれば答弁結構ですが、私はそういう提案をするということを申し上げておきたいと思います。いいですね。

○委員長(羽生田俊君)  大臣、よろしいですか、答弁。

○足立信也君  されますか。――はい、分かりました。
  可能だと思います。ですから、今準備をしています。
  ちょっと、医療よりも先に介護の問題に行きます。
  今、地方を見ていますと、やっぱり介護人材の不足で、以前は入所施設が足りないということが大きな話題でしたが、今は人材が足りなくてなかなか入所できないということがメーンになっています。そこで、地方の事情としては、冠婚葬祭もほとんど外部化されて、個々の家庭が孤立するような状況に今なっています。そこで一番影響を受けるのが家庭内介護だと私は思っているんです。これは、老老介護のこともありますし、お嫁さんが家庭に縛り付けられるというようなこともございます。要するに、家庭内介護ですね。その結果、介護自殺であるとか、あるいは殺人というような話も聞かれます。心中ということもございました。
  そこで、私が今、大分県内のいろいろな市長さんと相談していることは、我々はそれで介護の社会化が必要だということはもう全党一致、挙げてそう判断したわけですけど、家庭内介護で困っている方々を、介護が必要な方は入所されて、介護を家庭でやってきた方は臨時職員として施設に雇って、そして、正規な国家資格もないわけですから給料は安いかもしれませんが、幾ばくかの給料がもらえる。何よりも大切なことは、家庭内介護で二十四時間三百六十五日縛られていた方々が週一日でも二日でも休みがもらえる、レスパイトになる。この新しい働き方といいますか、入所の仕方といいますか、これを県下でやってみませんかという話を市長さんに僕はしているんですけれども。
  そこで、これ、前もって検討したんですが、このやり方、家庭内介護の代わりに、要介護者は入所者、介護していた方は職員として施設に迎え入れる、これは現行の制度上できないという問題があるでしょうか。あるいは、これをやるために注意しなければいけない点があるでしょうか。教えてください。

○政府参考人(蒲原基道君)  今お話のございました点でございますけれども、介護保険施設につきましては、法律あるいは運営基準等におきまして留意すべき事項を想定しているところでございます。
  とりわけ、今の話について言うと、入所側のところをまず一つどう見るかということでございますけれども、入所については、例えば介護老人保健施設につきましては、医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性を勘案して、必要性が高いと認められる者を優先的に入所させるというのがまず基準でございます。
  また、介護老人福祉施設でございますけれども、こちらについては、要介護三以上を原則としている。ただし、要介護一、二であっても居宅における日常生活を営むことが困難な方ということであれば可能だということになってございますし、実際には、介護の必要の程度あるいは家族等の状況を勘案して、必要度が高いと認められる者を優先的に入所させるということになっておりまして、このような優先的な入所の取扱いについては透明性及び公平性が求められているところであります。したがって、こういう基準に入所者のところが合っているというところが一つのポイントであろうかと思います。
  また、もう一つ、一般的に、職員として雇用する場合でございますけれども、これは、事業所の側が、職務内容や雇用の形態につきまして十分にその方に説明をして、雇われる御本人の理解を得て行われるということが必要であるというふうに考えております。
  そうした留意する点はございますけれども、御提案につきましては、こうした事項のほか、特に各自治体の条例の規定に抵触するものでもなく、いずれにしても、こうしたことで、利用者あるいは御家族の意向を十分に聞いた上で行われるということであれば、現行法上、それが問題があるということではないというふうに考えております。

○足立信也君  労働力人口の不足、それから、人が人の世話をする職業の人材不足ということが顕著です。外国人の必要性というものも当然出てくると私は思いますが、その前に、家庭内介護で困っている方々をいかに、入所される方も、そして介護していた方もウイン・ウインになるような制度ができないかということで、仕組みができないかということでこれを提案しているわけです。
  今の説明ですと、入所者に必要度があればいい、あくまでも透明性を保ってという点、介護者に対しては強制的にならないようにと、そういう注意のことがありましたけれども、制度的には問題ないということでございましたので、これを少しずつでも広げていって、私はこれ、冒頭ちょこっと申し上げましたように、今家庭が孤立化しているんですね。こういうセットで入所するというのがもし増えていった場合に、ある意味、そこにまたコミュニティーができるような気がするんです。これが一つの再生だと思っておりまして、是非進めていきたい。今局長の方から、これは制度的には大丈夫なんだと言われましたので進めていきた
  いと思います。そこで、私たちの政権のときに、国交省とセットで、サ高住ですね、サービス付き高齢者住宅、これをかなり進めました。今の入居者の九割が要介護認定を受けているという調査もありますし、そもそもサ高住に入れば医療も介護も全部そろっていると勘違いされている方が非常に多いですね。逆にそのことが介護の行き場のない高齢者の受皿みたいになっていて、ですから介護サービス不十分だし、入っている人の思いと提供する側の人のできることが違うわけですから、ちょっとそこにモラルハザードが生じていると私は思います。せっかく進めた仕組みなのに、これが誤解があってはやっぱり良くないなと思いますので、そこは厚労省から国土交通省にも話し合っていただいて、しっかりその意義を、役割というものをしっかり
  してもらいたいと思います。
  そこで、介護保険法の改正のときに、これも我々の政権のときでしたが、地域包括ケアということをつくりました。これは今ほとんど国民の皆さんは聞いたことはあるという単語だと思いますが、これは一体どういう意味なんだということを明確におっしゃられる方が余りいらっしゃらない。そこで、地域包括ケアとは一体一言で言えば何なのか、これをお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君)  今御指摘のこの地域包括ケアでございますけれども、これにつきましては、重度な要介護状態となってもずっと住み慣れてきた地域でまさに自分らしい暮らしが続けられ、そして人生の最後までそれが続け得るということ、そのために、医療、介護だけではなくて、予防あるいは住まい、そしてまた生活支援、こういったことが包括的に準備をされて提供されるという体制を築き上げていくべきではないかということではないかというふうに思っております。
  厚生労働省としては、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年というのを当面のターゲットにあらゆることを考えておりますけれども、地域包括ケアシステムの構築についてもこの二〇二五年を目途としまして各種施策を並行的に進めているということでございます。
  これは先ほど欒委員のときにお話が出ていましたが、高齢者に限らず、これから、地域ということであれば、地域共生社会と我々呼んでいる、障害者あるいは高齢者、子供、生活困窮者、難病の方々、もちろん健常者、元気な方々、こういった方々丸ごとの支援をし合う関係を深化をさせていくということをやるとともに、住民が自らの、我が事の問題として地域づくりをする、コミュニティービルディングというか、地域力を養っていくという、そういうものに参画をする仕組みを構築をして、国民一人一人の暮らしと生きがいを共につくって高め合う、助けたり助けられたり、いろんな方々の組合せがあり得る地域共生社会の実
  現を目指すということにもつながる考え方が地域包括ケアシステムではないかなというふうに私どもは今考えているところでございます。

○足立信也君  一言でと申し上げたんですが、気持ちはよく分かりますが、単語としてちょっと重要なところが抜けておったと思うのが、聞き漏らしたかもしれませんが、やっぱり教育もそこに入っているということです。中学校単位ということですね。
  これは一言で言えば、今、特に地方では、コミュニティー、人間関係が壊れつつあって、人も少なくなっている。これ、二十一世紀型の地域コミュニティーの再生なんですよ。そういう概念で私たちはつくったんです。是非その概念を、まあ忘れることはないと思いますが、そういう目的の地域包括ケアというのは、介護保険法の中の地域包括ケアの中に医療も入れているわけですからね、そして教育もその中に入っている。これは、二十一世紀型のコミュニティーの再生です。是非、その意図をしっかり持ってやっていただきたいと思います。
  残る時間が医療のことなんですが、ちょっと申し訳ない、六番、七番、時間があれば後でということにします。その次から行きますね。理化学研究所、理研、これが十月一日に特定国立研究開発法人になりました。グレードアップしました。これは、皆さん御存じのように、STAP論文事件でもう二年以上、最初に決まっていたけれども、それが延びたわけです。
  それに加え、東大で八月に内部告発があって、今、論文不正問題がかなりの疑惑になっています。これはSTAP研究をはるかに超える問題じゃないかという指摘もあります。
  そこで、これはどういうことかというと、脂肪を燃焼させるたんぱく質、これ、アディポネクチンと言いますが、この研究です。さらに、その物質の作用を強化する化合物、アディプロンと言います、これも発見したというようなことで、痩せる、血糖値を下げる、動脈硬化を予防する、生活習慣病の治療薬と、夢のような薬の話の一連の研究です。そこで、これは武田薬品から資金提供をかなり受けて、年間の寄附額は三千万円なんですが、二〇一一年にこの教室、今のこの研究グループ、武田医学賞を受けています。そこで、去年、私は、AMEDの法案の審議だったと思うんですが、ブロプレスの関係で武田と京大の問題点、指摘しました。そこで業務改善命令が厚生労働省から出されました。その内容は誇大広告です。その誇大広告という内容を簡単に説明してください。

○政府参考人(武田俊彦君)  誇大広告についての御質問ございました。
  まず、誇大広告、一般的にどういう定義になっているかということでございますが……(発言する者あり)あっ、恐れ入ります。
  具体的な業務改善命令について御説明いたします。
  武田薬品の事例についてのお尋ねでございます。
  平成二十七年六月十二日に、同社の高血圧症治療薬ブロプレスの広告が医薬品医療機器法で禁止している誇大広告に該当するとして業務改善命令を行ってございます。この事案におきましては、同社製品と他社製品による脳卒中等の発現率のグラフにおいて、統計的有意差がないにもかかわらず、あたかも他社製品より優れるかのような表現で強調を行ったほか、糖尿病など承認された効能効果でない副次的な効果を提示するなどの広告が行われたものでございまして、これについて業務改善命令を行ったものでございます。

○足立信也君  そうなんです、二点。有意差がないのにあるように見せかけた。そして、ゴールデン・クロスという言葉を使って、長く服用すれば本来効能効果ではない糖尿病や慢性腎不全などに効果があるように、読めるように誇大広告をした。この二点なんです。
  そして、今、糖尿病の話、私しましたけれども、まさにその内容が、降圧薬、今誇大広告で注意された降圧薬には、先ほど研究されているというたんぱく質、血糖値を下げて糖尿病を予防するような薬につながるんじゃないかというアディポネクチンの濃度を上げるということも書かれているわけです。ここで、この誇大広告の件と、先ほど、東大の論文不正の問題がリンクしてくるんです。東大だけではなくて、さらに、作用を強化するというアディプロンの発見、これについては、理研と東大が二〇一三年にアメリカに特許申請をしているんです。ここで理研が絡んでくるんです。元々共同研究をやられているんだと私思いますし、東大と理研、そして武田に対する誇大広告のその根拠になった研究、一連の研究が論文不正の可能性があると今言われているんです。
  そこで、十月一日に理研が特定国立研究開発法人にグレードアップされた。もし、今内部調査、八月、九月と内部調査をやっているということですが、もし論文不正が明らかになったら、東大のことですが、理研もそこに関係している。論文不正があった場合に一体理研はどう対応するんでしょうか。ワングレードアップされたんです。二年以上STAPの関係で待ったけれども、しかし、今、この論文不正はもっと大きな問題じゃないかと指摘されている中で、その中で、渦中でグレードアップされたんですね。
  文科省としては、まず、理研は論文不正があった場合どう対応しようと思っているのか、文科省はそれに対してどう対応しようと思っているのか。もしあった場合で、仮定の問題で申し訳ないですけれども、極めて大きな問題だと私は思っています。お答えを願いたいと思います。

○政府参考人(小松弥生君)  御指摘がございました東京大学における論文不正の疑いに係る告発につきましては、現在、申立ての事実関係を明らかにするため、東京大学において調査をしていると承知しております。現在調査中の事案でございますので、本件に関する具体的な言及は申し訳ないのですけれども差し控えさせていただきます。
  仮にという御質問でございましたので、仮に東大の研究者に何らかの論文不正が認められた場合には、研究に参画いたしました理化学研究所の研究者が研究上どのような役割を果たしていたか、その事実関係をまず詳細に確認をいたしまして、その上で、特許の取扱いも含めて適正に対応することとなります。
  理化学研究所におきましては、御指摘のように特定国立研究開発法人として指定されておりますので、理事長のリーダーシップの下、自らが行う研究のみならず、外部の研究者との共同研究においても適正な研究開発等の実施を確保する必要がございますので、仮に研究不正が明らかになった場合には、きちんと、どういうふうな関与をしたかということ、そしてそれに対する対処法を考える必要があると思っております。そのため、文部科学省といたしましても、理化学研究所に対してその対応方について指導をしてまいりたいと考えております。

○足立信也君  仮定の話で意外と答弁していただいたと思っています。
  でも、これ国内最高の研究開発法人と位置付けたわけですよ。STAP細胞で待ちに待って、しかしあれよりも大きな話だと思いますよ、この一連の研究がもし不正だったら。これは、指定そのものが私は勇み足じゃないかと思いますよ。これ見届けてからでも遅くなかったなという気がしますし、これ、ノーベル賞で今年もおめでたいことですけれども、日本の研究に対して相当な外国からの目が厳しくなるし、当然疑いのまなざしで見られるようになると思いますね。慎重にやられた方が私は良かったと思うし、まだ間に合うと、そういう気はしています。問題は隠さないことです。_そして、亡くなる人を出さないようにしっかり調べていただきたいと、そのように思います。
  もう残された時間が僅かですので、ちょっと懸念だけ、戻って申し上げますが、午前中、三原委員が高額医薬品、ソバルディやハーボニー配合剤に続いて今度はオプジーボ、場当たり的だという表現されました。
  私、五月のこの委員会で、これは制度的に診療報酬改定の期中の適応拡大されたものについてはそこで単価を見直すべきだ、その仕組みをつくるべきだと、仕組みをつくらないと場当たり的と言われても、指摘されてもしようがないと思うんですね。ここでは、今回は特例的引下げをやるけど、次の改定でという話になっています。
  そこでお聞きしたいんですが、前回の改定、これは診療報酬改定なんだけれども、市場拡大再算定の部分は枠の外で計算されましたね。で、今の話ですと、次はしっかり診療報酬改定の中で収めるんでしょうか。もう一つ、医師会は、これに対して適正な使用を担保するということで、ガイドラインをしっかり作りなさいと。聞くところによると、これは医薬局になるんでしょうか、そこを作るのは。診療報酬に入れるかどうか、そして、今までは施設の基準や使用基準というものは医政局なり保険局なりが作っていたと思うんですが、今回は医薬局がそれを作ろうというふうにしている。これ、縦割りで本当にうまくいくのかなとい
  う心配があります。
  その二点について、ちょっともう時間が来て申し訳ないんですが、お答え願いたいと思います。

○政府参考人(鈴木康裕君)  お尋ねの高額医薬品、特にオプジーボの問題でございますが、現在の検討状況、中医協におきましては二つございます。一つは、緊急的対応として、当面の対応としての薬価をまず下げるという問題、これは程度については今議論中でございます。それからもう一つは、先ほど委員が御指摘いただいた、正しい対象に適正に使用する。これは医薬局の方でガイドラインを作っていただきますが、それを中医協できちっと検討させた上で留意事項通知として保険局から出させていただいて、そこはそごがないようにさせていただきたいと思っています。
  最後は、三十年改定のときに新たなルールを作らせていただいて、こういうことが二度と起きないような手当てをしたいというふうに思っております。

○足立信也君 終わります。


 

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