国会会議録
 

平成28年5月23日- - 参議院決算委員会会議録


○足立信也君 民進党の足立信也です。
 まず、同期の小泉委員長、今回で勇退されるということをお聞きしました。非常に誠実な性格で、大変親しくさせていただきました。ありがとうございました。お疲れさまでした。
 十一か月ぶりに総理に質問をいたしますが、先週の発言から、私は一体、安倍総理には立法府の長として質問すればいいんでしょうか。総理。──お聞きになっていないようです。
 先週二度にわたって、立法府の長でありますと、私は。この委員会の質疑で、立法府の長である総理に私は質問をしなきゃいけないんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは行政府の長ということであります。

○足立信也君 じゃ、先週はちょっとエキサイトして間違ったということでよろしいんですね。

○政府参考人(大泉淳一君) 全体としての御質問でございましたが、執行経費の、地方団体の委託費としましては、前回との比較、二十八億九千六百万の増加でございまして、六・五%の増加となっております。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行政府の長、何回もいろいろと委員会運営について質問されたことがございますが、基本的には大体行政府の長としてお答えをしているわけでありますが、もしかしたら言い間違えたかもしれません。

○足立信也君 私はそれを責めているわけではないんです。やっぱり、ちょっと言い間違えたのでということを明確にされた方がいいと思うんですね。
 自公政権下で医療法を改正して、医療事故調査制度というのができました。その原案は私の方もかなり関わらせていただきましたが、肝は何かというのは、ツー・エラー・イズ・ヒューマンなんです。人は誰でも間違えるということなんですね。だから、私はそれをいたずらに責めるつもりはありません。ですから、先週の、私は立法府の長ですからというのはちょっと余りにも間違いが激しいので、しっかり訂正していただきたいと思って最初にお聞きしただけです。
 では、間違ったんだろうということでしたので、質問をさせていただきます。
 今年の四月に障害者差別解消法が施行されました。残念ながら衆議院の厚生労働委員会では、ALS協会副会長の岡部宏生さん、意見陳述が拒否されたということがございました。
 そこで、まず安倍総理と塩崎大臣にお聞きしたいんですが、ALSの患者さん、通訳を介して、そして会話をする、ALSの患者さんと今まで会話をされたことはございますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、幹事長時代でありますからもう十五年ぐらい前だと思いますが、千葉県の千葉市の駅前で街頭演説をしていたときに、聴衆の中に車椅子で来ておられたALSの患者さんがおられまして、聴衆の中に入っていって握手をした際に、私のメールアドレスを入れた名刺をお渡しをしましたが、その後、舩後さんという方でございますが、メールが私のPCに参りまして、それ以来ずっとメールでやり取りもさせていただいておりますし、その方の施設にもお伺いをしたことがございます。
 また、この方は詩作をしておられまして、作詞をしておられまして、彼がロックバンドをつくっておられまして、そのバンドの公演、演奏会にも一緒に伺ったこともございます。最近もメールのやり取りをしているわけでございますし、お伺いをした際には、眉毛の神経を少し使ってサインを送りつつ、それを文字に変換をするという形で対話をさせていただいているところでございます。そういう経験は何回もございますし、官邸にもお越しをいただいたことがございます。

○足立信也君 会話にもいろいろあると思います。今、実際にお話をされた話も一部ございました。総理、そのときに、衆議院の委員会で意見陳述が拒否された理由は、対話に時間が掛かるということだったみたいなんです。総理は時間が掛かると思われましたか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、様々な形で対話をしておられる方がおられると思いますが、私が参りましたときに、こういう実際に言葉を話す人とのやり取りのようなテンポで会話が進むということはもちろんそれはないわけでありますから、それは多少時間は必要であったと、このように思います。

○足立信也君 ヘルパーさんが岡部さんの少しの動きを読みながら母音をまず判断して、そして、あかさたな、はまやらわというふうに言って、どこでまばたきをするかで決めていくんですね。多少は時間掛かるでしょうという話ですが、私は何度か話をして、相当速いですよ、びっくりしますよ。普通の人とそう変わらないですよ、対話時間というのは。私はそう感じました。ですから、衆議院で、これは委員長始め与党の理事の方々、会話したことがないんじゃないかなと、私はそう率直に思いました。ですが、今日、参議院は、皆さんの御理解で、今この時間、厚生労働委員会で岡部宏生さんが意見陳述をしておりますので、そこは、これこそ良識の府でよかったなと、私はそういうふうに思っております。
 次は、熊本地震、今日何度も話題になっておりますが、ちょっと違う視点で言いたいと思うんですけれども、熊本地震、熊本県では今なお九千人超える方々が避難されています。私の地元大分では、これは何といっても裾野の広い観光業というものがやっぱり打撃を受けています。半減しています。
 ここで改めて私感じたのは、九州は一つだなということです。大分の中では、地元の方々は、ここは全く被害がない、あるいは被害が軽微だということを分かっている方はいっぱいいらっしゃる。ところが、九州はルートで動いていきますから、熊本そしてその南部の方が難しいと、あるいは全体から見るとほとんど近くに見えるので、全部キャンセルになってしまうんですね。
 そういうことで、まさに九州は一つだなと、そういうふうに感じましたのと、特に地産地消を推進している観光地としては、この影響が及ぶ裾野というのが物すごく広い。もう実際、解雇とかが始まっています。私、厚生労働委員会で二回ほど、今こそ雇用調整助成金の活用しっかりやるべきだという話をさせていただきましたので、今日は別の観点から申し上げたいと思います。
 今、大分は、大分は元気だ、熊本に協力しようと、そういう心意気でやっております。ここで、実は大分には瓜生島伝説というのがあるんです。一夜にして島が沈んでしまったという伝説で、日本のアトランティスとも言われています。四百二十年ほど前に、一五九六年、いわゆる慶長豊後地震、翌日に慶長伊予地震、五日後に慶長伏見地震、こう連なっていったんですね。
 こうなると、私たちが一番不安になるのは中央構造線の断層帯です。今回も、別府も湯布院も、それから玖珠も被害がありましたけれども、一番私たちが恐れたのは、これが別府湾の中央構造線断層帯で、もしそこに地震が起きたら津波が起きる、島が一つ水没したというような伝説があるくらいですから、これが起きたら大変なことになるということをかなり我々大分の人は心配しました。
 そこで、丸川大臣にお聞きしたいんです。
 避難の話なんですけど、避難経路あるいは救援の経路もありますけれども、今この中央構造線断層帯を越えて避難するルート、つまり四国から大分というようなことになっているわけですが、まさにその構造線の断層帯の真上を通って避難するということが現実的なのかと。今回のことについて、避難経路のあるいは救援経路の見直しということは今後予定されるんでしょうか。

○国務大臣(丸川珠代君) 伊予ということでございまして、伊方地域の避難計画について申し上げますと、愛媛県内の原発から五キロ圏内のPAZ及び五キロから三十キロ圏内のUPZの対象となる伊方町を始め五市二町の避難先については、愛媛県内に避難先を設定しております。
 この避難手段は通常陸路でございますが、御承知のとおり、伊方から大分の方へ海路ということも設定をしております。大分に逃げられない場合は海路で愛媛県内のほかの港にということでございまして、複数の経路を設定をしておりますので、北側の海路に逃げられない場合は、南東と言えばいいんでしょうか、伊方の佐田岬半島からすると南東方向に逃げるということになろうかと思います。
 いずれにしても、災害は複合災害を想定して経路を複数用意した上で、駄目な場合は順次、自治体がその中から生きている経路を生かして避難を順次行っていくということになります。

○足立信也君 過去二十年間に、先ほどから出ています活断層直下型地震と、それからプレート、太平洋プレートですね、その地震と、そして今回、活断層の断層帯が連動する可能性があると、もう三種類の地震が起きていると、二十年間に、わけですね。将来、こういう時期が日本にあったんだということになると思いますけれども、やはり今の避難経路の話、いろんなルートを考えてやられるということですので、そのときに応じた避難も、そして救援も図れるようにしっかりまた見直しを続けていただきたい、そのように思います。
 そこで、気になるのが、熊本でこの参議院の通常選挙が本当にできるんだろうかという問題です、大分から見ておりますとね。私は、国民の権利の行使ということで是非やるべきだと思います。しかし、やっぱり本当にあの状況を見ていて大丈夫なのかなと不安になります。
 今回の選挙で新たに、二つの新しいことに対応しなければいけません。それは、一つは十八歳以上に選挙権があること、それからもう一つは、三か月の居住要件をこれ特例を付けて認めることになりました。いずれも、この二つは六月十九日に施行されます。ということは、六月一日の定時登録ではできません。恐らく、公示日前日の選挙時登録という形になります。
 今うわさされている七月十日が投票であれば、そして仮に六月二十二日が公示だとすれば、その前日、二十一日に選挙時登録を行う。ここで、投票日が七月十日であれば、十一日に十八歳になる十一日の誕生日の人までが登録されて、しかも三か月要件を満たさない人は転入先に対して転出元に三か月以上住んでいましたという証明が必要になってくるんだと、そう思います。二つのことが同時にスタートする。
 これでお聞きしたいんですが、選挙人名簿登録特例、これを使って選挙権を行使するために、そのためにまず行政は何をしなければならないのか。あるいは、転居して三か月未満の十八歳以上の人は投票するために何をしなければならないのか。この二点、総務大臣、説明してください。国民の皆さんが御覧になっているので、分かりやすく説明してください。

○国務大臣(高市早苗君) 選挙人名簿の登録制度の改正によりまして、新たに登録されることになる方が選挙権を行使できるように、被災地におきましても適切に選挙人名簿を、これは調製と言いますが、つまり作成するとともに、周知をしっかり行うことが重要です。
 まず、選挙人名簿の調製に関しましては、熊本県内の市町村におきましては、もう既に改正に対応した選挙人名簿システムの改修はおおむね済んでいると聞いております。それから、熊本県では、平成二十六年の衆議院選におきましても、全ての市町村選管が、転出された有権者が転入先の市町村の選挙人名簿に登録されたかどうか確認をしていただいていて有権者の把握を行っていますので、今回の改正によって新たに登録される方についても同様の確認を行うということになると存じます。
 その上で、新たに選挙人名簿に登録された方に対して、旧住所地で選挙人名簿登録がされて投票が可能になったということなどを周知するということがまず重要でございますので、総務省では、適切な選挙人名簿の調製ですとか、それから選挙人の方に対する周知について、被災地、今大変でございますから、御要望も十分にお聞きしながら関係選管と協力して支援をしてまいります。
 いずれにしましても、今回法律が変わりまして、皆様にお知りいただきたいのは、転出後四か月は住所移転をしても旧住所地では抹消されずに選挙人名簿に名前残っていますので、旧住所地で投票が可能でございます。それから、新しい住所地に郵便が届きますので、その場合、新しい住所地で不在者投票をしていただく、その手続をしていただくことも可能でございます。

○足立信也君 十分熊本も対応できるであろうということだったと思います。
 一つそこで気になるのは、六月一日の定時登録以降の誕生日の方で七月十一日の誕生日の方、ここには十分留意が必要だろうと思います、今までの定時の登録で載っていませんから。その点を申し上げておきたいと思います。
 では、パネルをお願いします。(資料提示)では、これから決算について質疑をしたいと思います。
 今回は二十六年度決算でございます。御存じのように、二十六年度は消費税が八%に上げられた年度です。それから、予算審議では基金の在り方というものがかなり問題になった年でございます。
 去年、私、同じようなパネルで五年間、二十五年度までを出しました。そこでは、社会保障関係費の歳出は五年間で五千億伸びていました。年間約一千億増加です。そして、ちょうどその五年間で五千億伸びているのは生活保護費だということを言いました。今回、二十六年度を見ますと、この総額が九十八兆で、二十五年度が百兆ですけれども、ぱっと見て、やっぱり社会保障関係費が急激に伸びているな、それから国債費が伸びているな、ほかは減っているわけですから、そういうふうに分かります。
 そこで、まず社会保障関係費、この増えている、約九千四百億円増えています、国だけで。この社会保障関係費のうちどの事項が歳出増になったのか、まず教えてください。

○国務大臣(麻生太郎君) 約九千三百八十九、総投入額九千三百八十九億円の増加になっておりますが、この内容の増加額の多い事項順に申し上げさせていただくと、年金医療介護保険給付費、六千七百五十四億です。次に、社会福祉費が四千五百二十六億増えております。それで、今御指摘のありました生活保護費が約四十九億円増加したということになります。

○足立信也君 今おっしゃったように、上位二つ挙げますと、年金医療介護保険給付費、今六千七百という話がありましたが、約七千億円弱と、社会福祉費、これが四千六百億円、この二つだと思うんです。
 これを事項で見ますと、年金医療介護保険給付費は、二十三年度が六千九百億、二十四年度が二千二百億、二十五年度が五千八百億、そして二十六年度が七千億円弱の増加、平均すると約五千五百億円ずつ増加して、余り変動はないんです。
 ところが、社会福祉費は、二十三年度が三千六百億円の増加、そして二十四年度が三千百億円の減少、そして二十五年度が五千億円の減少、そしてこの二十六年度が四千六百億円の歳出増と、もう上がり下がり上がり下がりしている状況なんです、大きく変動しています。これはどのような傾向にあるかという、決算の主たる目的である、どういう傾向にあるかというのが全く把握できないわけです。
 そこで、二十六年度決算の年金医療介護保険給付費がこれ増えたわけですが、その中で、医療、年金、介護の増加はそれぞれ幾らなのか、そして社会福祉費、これ約四千六百億円も増えていますが、その歳出増のうち金額の大きな項目を、項を挙げていただきたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、年金医療介護保険給付費でございますけれども、平成二十六年度一般会計の決算で、前年度と比較いたしまして、高齢化等の影響によりまして六千七百五十五億円増となっていることは今財務大臣から御答弁申し上げましたけれども、年金が二千八百五十九億円増、医療が二千八百三億円増、介護が一千九十四億円増というふうになっております。
 それから、社会福祉費の方でございますけれども、これは児童福祉、母子家庭支援、障害者福祉などですが、前年度と比較して四千五百二十六億円増でございますが、大幅に増えているのは高齢者医療制度の負担軽減措置などの経費である医療保険給付諸費、これが二千五百十七億円増、そして子ども・子育て支援対策費、これが一千百三十二億円増となっております。
 今、変動が大きいというお話がございましたが、主な原因は基金の扱いでございまして、この基金事業として行ってきたのが、こういった事業につきまして主に補正予算で対応してきたわけでございますけれども、平成二十六年度は当初予算に計上されたということがございました。
 具体的には、医療保険給付諸費につきまして、七十歳から七十四歳までの医療費の窓口負担を一割に軽減するという措置などを実施する基金、この基金に交付する高齢者医療制度円滑運営臨時特例交付金というのがございますが、これが、平成二十五年度に補正予算ではなくて二十六年度当初予算において二千六百十七億円が計上されたということになりました。
 それから、子ども・子育て支援対策費について、待機児童解消加速化プランの推進等のための安心こども基金、これも基金でございますが、これに交付する子育て支援対策臨時特例交付金につきまして、平成二十五年度の補正予算で百六十九億円であったものが、平成二十六年度の当初予算で一千三百一億円となったものによるものだというふうに考えられます。

○足立信也君 皆さんお聞きいただいてお分かりだと思うんですね。社会福祉費、これが増えたり減ったりしているのは、要するに基金へ積み増すお金が増えたり減ったりしている。決算というのは本予算も補正予算も関係ないです、その年度の使用、歳出額ですから。トータルで見たら、基金へどんと積み増されたら、その年は決算で見るとずんと増える、積み増さなければ減っている。これが二十六年度本予算のときの審議で大変な問題になったわけです。
 私、決算の参議院に属しておりますけど、決算額の推移が結局は基金の出し入れに左右されている、その実態が分からない、何に使われているかという、その後のですね、国が歳出した後の動きが分からない。これで決算の参議院というのは、多少私は残念な気がしているんですね。
 そこで、二十五年度の補正と二十六年度本予算で九十八の基金事業があって二兆六千四百億円計上されました。二十六年度予算案審議のとき、そのときに我が党の大塚議員は、財政法上、基金は法的根拠がなく、憲法上の予算の単年度主義、財政法上の会計年度の独立の原則に反している、実態が分からないわけだから、基金に係る基本法とか基金情報公開法とか作るべきだというふうに提案されました。そして、麻生大臣もいい提案だということを答えておられました。
 その後の、今申し上げました、結局、決算をやっても基金の上げ下げでその先のことが分からない、これに対して財務省、その後、これを改善する取組をどういうふうにされたんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 二十六年の三月の参議院の予算委員会におきまして、これは大塚委員の方から、大塚耕平先生の方からだと思いますが、指摘を受けております。
 当然、基金につきましては、適正かつ効率的にこれは国費を活用するという観点から、いわゆるPDCA、PDCAサイクルを確立するということがこれは極めて重要であるというのは当然のことであります。
 したがいまして、各府省では基金シートの作成、チェックを通じた自己点検を実施、また、行政改革推進会議で行政事業レビューというものを通じて余剰資金の点検を行っているところでありまして、昨年の十一月の秋のレビューでも余剰資金がある三つの基金を取り上げて、基金の網羅的な点検を行っております。
 燃油価格高騰緊急対策基金とかいろいろありましたけれども、こうした取組もありまして、平成二十七年度及び平成二十八年度の二年間で総額五千億円を超える国庫返納を予定させていただいております。その上で、毎年度の予算編成におきましても、基金方式による実施が真に必要かどうかというものにつきましては個別に精査して、最近では基金事業の総額が大幅に減っておりまして、二十六年度当初で一・四兆円は、今、二十八年度当初〇・九兆円まで減額ということになってきております。
 また、法令面では、二十六年の十月に補助金適正化法施行令を改正をさせていただいております。基金事業の性質を法令に明記するということと、基金の基本情報の公表、執行状況の各府省への報告、余剰資金の国庫返納の義務付けなど、法令上の枠組みも設けさせていただきました。
 引き続きまして、財務省といたしましては、行政改革推進会議等、各府省と組みまして、基金の適正化に向けて引き続き努力を取り組んでまいりたいと考えております。

○足立信也君 詳細を法令の方で定めていたという話です。
 その結果が今回のこの二十六年度決算なのか、あるいは今後だと思うんですね。今後、やっぱり決算を重視する立場としては、詳細な使途が分かるような決算書になっていくことを望みたいですし、そのチェックが極めて必要だと思います。これが二十六年度予算、決算に対する基金への取組だと私は捉えております。ただ、現時点では、その後の、歳出した後の使われ方がよく分からないということについては、私は、地方の裁量に任せる一括交付金の方がずっといいと、そのように捉えています。
 次は、税制についてお聞きします。
 二十六年度の国の消費税収は、国の十六兆円、二十五年度から五・二兆円増加しました。消費税の使途が四経費の目的税になって、基礎年金、それから、今まで高齢者だけでしたけれども、医療保険全般、介護保険、そして少子化対策と、そういうふうになったわけです。しかし、これらの総額は、国としては二十六兆六千六百億円ですのでまだまだ足りない。まだまだ足りないというのは明らかです。それでも少しは正常に近づいてきている、そう捉えています。
 私は、格差の拡大も国債費の増大も、結局は税収不足が原因だと、そのように思います。国民負担率は今四一・六%、これはもうアメリカに次いで本当に低い方ですね。しかし、増税策は国民にとってはなかなか受け入れられない。それは、課税される層の中に、自分たちは給付を受けていない、受けられていないという感覚にさせられてしまっている層があるからだと思います。自分たちは負担するばかりだ、給付は受けていないよという感覚になっているんだと思います。つまり、課税される層と給付を受ける層に分断させられてしまっているというような感覚を持っている人がいるんだと思います。人口減少社会、特に生産年齢人口の減少では、そこが分断されていては私は全体の税収を増やすことは難しいと思います。
 そこで、次のパネルをお願いします。これは、ISSP、国際社会調査プログラムの二〇〇六年のデータです。貧しい家庭の大学生に経済的援助を与えることは政府の責任ではない、そのように思う人の割合です。
 今、給付型の奨学金を日本も導入すべきだと、この議論が盛んに行われております。私も大賛成です。給付型の奨学金制度がないのはアイスランドと日本だけと、しかし、アイスランドは授業料は無料であるということなんですが、しかし、日本のところをめくってください。貧しい家庭の大学生に経済的援助を与えることは政府の責任ではないと思う方が断然日本は多いんです。これが、二〇〇六年は郵政解散の一年後です。郵政を民営化すれば全てがうまくいくと、市場原理に任せればいい、その翌年だったからこういうデータになっているのかもしれません。今は違うことを私は祈っていますが。
 総理、よろしいですか。こういうふうに、このデータですね、日本が圧倒的に政府の責任ではないと思う人が多いということを総理としてはどのように捉えますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういう意識が二〇〇六年にあったかどうかというのを、私もそれは何とも申し上げようがないわけでありますが、しかし、今の国民的な意識としては、やはり家庭の経済事情によって進学できるかどうか、学ぶことができるかどうか、それが左右されてはならないというのが大体一般的な常識ではないだろうか。それを、今申し上げた社会を実現をしていくためには公助、共助が必要であろうと、こう思うんだろうと、このように思います。
 安倍政権におきましては、必要な方々への無利子奨学金の給付、そしてまた、例えば児童養護施設、里親の方々に対する給付型、これは厚労省の予算でありますが、今年度の予算からそうした対応をしているところでございます。

○足立信也君 今、今はこうではないのではなかろうかと希望的におっしゃいました。たしか二〇〇六年といえば、安倍総理になった年ではなかったでしょうかね。
 私は、今がこうではないことを祈っていますし、やっぱり人口が減少していく社会の中で、こういう感覚は社会自体がもっていかないと思うんですね。だから、これを変えるためにはどうすればいいかという話の中で、今から税収について考えていきたいと思います。
 まず、企業はどうか。次のパネル、お願いします。ここで主要製造業の納税額の推移をパネルにしました。資料は三ですね。
 これ、ジェットコースターのように、赤で描きましたけど、動いているのは自動車産業の納税額です。リーマン・ショック以降、急激に落ち込んだが徐々に回復して、二〇一二年以降、これは安倍政権の発足以降でしょうか、急激に上昇しています。この上昇していることは悪いことではないです。
 ただ、パネルちょっとそのままで、資料四を御覧ください。ここに、これは為替のレートを描かせていただきました。これは、四と三を見比べていただくと、手元でですね、ぴったり一致しているんです。要するに、円安になれば、その前に、円高になれば自動車産業としては急激に納税額が減って、そして円安になれば急激に増える。これ、よく御覧になるとぴったり一致しているのがお分かりだと思います。
 そこで、つまり輸出頼りということなんですよ。ただ、二十六年のこの消費税増税以降、国内で自動車のことを考えると、新車販売台数は五百万台を割り込んで、今は危険水域だと言われています。要は輸出頼りということです。
 この中で大事なことは、為替の変動に無関係なのは製薬業界と電気機械業界なんですよ。消費税収の議論は景気に左右されないから社会保障のための安定財源とした、これはもう皆さんも共通していると思うんです。だとしたら、成長戦略の核は為替に影響を受けない業界、これに対して成長戦略をしっかり打つことが私は日本にとって大事なことだと思います。そこを指摘しておきたいと思います。
 ただ、そこで、自動車のことなんですが、私ども、大分ですけれども、地方にとっては足ですよ。生活必需品です。ほぼ成人の数プラス軽トラ一台、これが普通ですよ。そこに取得、そして保持、走行段階で九種類の税が掛かる、消費税を入れてですね。我々の政権のときに自動車の重量税の上乗せ部分は三分の一減、そして二分の一減とやってきました。国内需要を増やすためには車体課税の簡素化とタックス・オン・タックス、二重課税の解消、これは絶対欠かせないことだと思いますが、財務大臣、御所見はいかがでしょうか。その部分だけでいいです。

○国務大臣(麻生太郎君) 車体課税については、これはもうリーマン・ショックの後だと思いますけれども、税率の引下げとか、私のときもエコカー減税なんていうのもありましたし、いろんな形で減税の創設、拡充といったものをやらせていただいたんだと記憶しますけれども、結果として平成二十年から二十八年度の間に約七千六百五十七億、〇・八兆円ぐらい、近くのものが減少してきたんですが、これはいずれにしても、車体課税というのは、先生御存じのように、これは、地方において車が足というのは間違いなく、公共交通機関が発達していないという状況やら等々を踏まえますと、これはもう事実なんだと思いますが、同時にこれは地方税というものがそのうちのほとんどを占めておりますので、そういった意味では、約二兆五千億のうち国税は約六千億ぐらいですから、そういった意味では地方税ということになりますので、これ、厳しい地方の財政事情とか、また同時にいろんな大気汚染の話とか、いろんなものもありますので、私どもとしては、これいろんな幅広いところから検討をしないと、この点、一点だけ詰めますと、この点だけと言われると話が非常に偏った形になりかねぬというところは危惧いたします。

○足立信也君 大臣のその感覚は私も共有します。ただ、地方にとっては生活必需品そのものがこれだけの九種類の課税があるということはやはり大変な負担になるわけですから、これで行動範囲もかなり狭まっている方々もいらっしゃるし、そうすると引きこもったりそこで孤独になったりということもありますから、是非ともその観点でも考えていただきたいと思います。
 今は企業を見てまいりましたが、次は世帯収入を見たいと思います。
 資料五、紙で御覧ください。一世帯当たりの平均所得は一九九五年前後をピークに減り続けていまして、二〇一三年時点では全世帯の平均で二〇%近い減少、それから児童のいる家庭でも一一%減少しています。
 資料六をめくって見ていただきたいんです。一九九五年というのは専業主婦世帯数を共働き世帯数が上回った年なんです。つまり、モデル世帯が変わった年なんですね。そして、その当時はダブルインカムとか、あるいはツインタワーとか、共働きで言われたんです。しかし、先ほどの資料五と比べられると、そのときから世帯収入は児童のいる家庭で減り続けているんです。働き手が二人、二倍になったのに収入は減り続けているという事態なんですね。
 どうしてこういうふうになったんでしょうか。まずはその捉え方をお聞きしたいなと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、国民生活基礎調査の数値をお取り上げをいただいたわけでありますけれども、全世帯の平均所得は、これは、一九九〇年代以降、失われた十年と最初言われていましたが、減少が見られて、長引くデフレの中でなかなか賃金が伸びなかったということ、企業収益もいま一つということで、急速な少子高齢化によって比較的所得の低い高齢者世帯の割合が増えたということも大きく影響しているのではないかというふうに考えております。
 児童のいる世帯についても、比較的若い世代であって、高齢化の影響はそこまで大きくないわけでありますけれども、こうした影響のほかに、一人親の割合の増加もございまして平均所得が減っているのではないか、趨勢的に今お示しをいただいたように減少傾向があるということであります。このところ一進一退になってきているということだろうというふうに思います。
 正規、非正規ということもあろうかというふうには思いますが、児童のいる世帯の世帯主が正規の職員あるいは従業員の割合というのは、二〇一〇年の六〇・六から、直近の二〇一四年では六六・三ということで、緩やかに今上昇傾向にあるというふうに思っております。
 いずれにしても、厚生労働省としても、デフレ脱却に取り組む中で、国全体の可処分所得の合計が二年連続でこのところは増加をしているわけでありますから、経済を拡大をさせて所得がしっかりと上がっていく中で、今の世帯での所得も増えるようにしていくことが重要だというふうに考えておるところでございます。

○足立信也君 幾つか考えられる要素を挙げて今いただきました。もちろん非正規雇用というのは私大きいと思いますが、働き手がほぼ二倍になったのに家庭の収入は減り続けているというのは、それだけではないんだろうと思いますね。
 私が一つやっぱり考えられるのは、そういう世帯、子供がいる、児童がいる世帯に対する給付がやっぱり少ないんではなかろうかということも一つの大きな要素だと思いますし、五年連続実質賃金が低下している中です。ですから、全世帯では年齢の問題もあるでしょうが、子供のいる世帯の中でもそういう状況が起きているということは、もう少し働き方、雇用の形態だけではない、恐らく私は給付というものの在り方がそこに少ないんではなかろうかというふうに捉えているということを申し上げたいと思います。
 次のパネルお願いします。
 そこで、私が地元でいろんな報告会等をしているときにこのグラフを地元で示すと、みんなびっくりされるんです。一億円までは所得税の負担率は上がっていく。ところが、一億円を超えるとぐんぐんぐんぐんと下がってくると。これは皆さん御存じのように、賃金よりも金融所得の割合が相対的に増えてくるから、かつ分離課税であるからこういうふうになってくると。青は平成二十五年分で、これは金融所得課税が一〇%のときです。そして、赤は二十六年で、これは金融所得課税が本則の二〇%になったところです。遠くから見ると、おっ、ちょっといい形になっているんじゃないかと思われますよね。そこで、我々は更に金融所得課税五%上げた方がいいんではないかという提案を今しているわけですが、どうも政府の方にはそういう考え方はないようでございますけれども。
 ここで、分離課税やめて総合課税に転換するか、あるいは金融所得課税、これは一般の方々が、私は、せめて一億円を超えたら横にずっと水平になるぐらいは希望されているだろうなと思うんですね、多くの国民の方が。ですから、金融所得課税二〇%よりも上げるべきではなかろうか、我々は五%上げた方がいいと指摘しています。この点についていかがでしょう。

○国務大臣(麻生太郎君) 今のその数字というのは、赤の方が二〇になった後ですね、それは。

○足立信也君 そうです。

○国務大臣(麻生太郎君) そうですね。
 年間所得が一億円を超えると所得税の負担率は下がるというこの実態につきましては、もう今言われましたように、高額所得になるほど所得というものが給与所得ではなくて、いわゆる譲渡益の割合、株式等々の配当によります利益やら株式を売った利益等々によるものが多いということがまず大きな理由だというのは御指摘になったとおりであります。
 譲渡益課税というのは、これはもう既に株式などというものは一回会社が税金を払った後の配当でありますから、またそれに税金を掛けるということになったら二重課税ということになりますので、そういった意味では分離課税というものを対象とさせていただいておりましたが、景気の悪いときに一〇に一回下げておいたのを今度本則に戻して二〇にさせていただいたのが今回ということになっております。
 この分離課税というものを対象としておりますのは、これはもう譲渡益の中には、これは長い間積み重ねてきた含み益というものを一気にぼんと吐き出すということになるときには一定にどんと税金が掛かりますので、そういったものを考えないかぬというのが一点。
 また、株式の譲渡益を始め、これは金融所得というものになりますと、これはもう極めて流動性が高いのは、もうフィンテック等々に言われるまでもなく極めて流動性が高いものでありますから、いわゆるキャピタルフライト、簡単に言えばお金が国外に出ていくということですけれども、そういったことが極めて生じるおそれがありますので、現在の課税方式というのは、まあ各国似たようなものですけれども、一定の合理性があると、我々はそう思っております。
 今、二五%というお話がありましたけれども、一〇%を二〇%の本則に戻したのは二十六年だったかな、二十六年の所得税の負担率を改正前の二十五と比較すると、今言われたように、所得の負担率が上がるということを見られておりますけれども、この水準を今後どうするかということにつきましては、これはちょっと今始まったばかりでもありますので、一〇%を戻したばかりでもありますので、ちょっと今の段階で直ちにもう五%上げるということを考えているわけではありません。
 ただ、勤労所得に対する課税とのバランスというものやリスク資産というものへの投資の促進のためには、これは金融所得課税全体の在り方も併せて考えておかねばならぬところだと思って、いずれにいたしましても検討する必要があるというのは確かだと思っております。

○足立信也君 検討は必要だと、ただ、今すぐやるのは早過ぎると、まとめればそういう話だと思います、金融所得課税上げることはですね。ただ、国民の皆さんは、これを見ると、やっぱりもうちょっと上げた方がと、多くの方がそう思われると思います。
 そこで、先ほど熊谷さんも触れられていたと思います若者に対するアンケートで、やっぱり関心のある政策のトップは社会保障なんですね、四九%。これはイコール将来の社会保障に不安を持っているということだと思います。
 私先ほど申し上げましたように、貧しい人に限定した給付は課税される層と給付を受ける層に分断してしまう、結果として相対的貧困率を上げる、税収を下げる。共生社会を目指すのだったら、これからは我々みんなが税を納めたらその分配を皆が得る社会というものを構築していかなければ私いけないんだろうと、そう思っています。
 そこで大事なことは、次のパネルをお願いします、この課題解決は、やっぱり今申し上げた情報に格差があっては駄目なんですね。これからの社会、マーケットで解決をするのも情報が必要ですが、政府が全部解決をしていくというガバメントソリューションは画一的なものを生んでしまう、無駄を生んでしまう。やっぱり情報を共有して、しっかり皆さんが同じ認識に立って立ち向かわなきゃいけない、そういう社会です、人口減少社会というのは。
 そのときに、残念ながら、この国境なき記者団の報道の自由度、日本の順位は、これ申し訳ないですけど民主党政権時のところを色づけさせていただきましたが、とんとんとんと、今七十二位なんですね。これは、私は今、根本のことを申し上げました。根本的に情報を共有していないと、これからの社会どういうものをつくっていくのか、そのために我々は何をすべきなのかということが解決策が見出し難いわけです。
 そこで、総理、この自由度の順位等々、まず感想を聞かせていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これを見ますと、二〇〇六年から二〇〇七年にかけて五十一位から三十七位に上がっているんです。第一次安倍政権のときには五十一位から三十七位にこれは上がっているわけでありますが、これは随分上がっていますが、ただ、どうして上がったかと言われれば、これは分からないんですよね、もう正直に言ってですね。今回、民主党政権のときも十一位から二十二位と、五十三位までこれはずっと下ってきているわけでございますが。
 ここで大切なことは、やはり言論の自由、報道の自由というのはこれ民主主義の基盤でありますから、それはしっかりと守っていくということは当然なことであろうと、このように思いますし、情報の透明性ということについても、政府としてもこれはやっていかなければならないと、このように考えております。

○足立信也君 そういう感想かなと思いますけど、国連人権理事会が任命した特別報告者のデビッド・ケイ教授、この方が四月十九日に、日本の報道機関の独立性が深刻な脅威にさらされていることを憂慮するとして、放送法や特定秘密保護法の改正を求める声明を出しました。
 私は、自由度そのもので評価しようとは思いませんが、何よりも大事なことは、やはり人口が減る中で全てがステークホルダー、関係者なんですね。そこで熟議を重ねていくためには、自分の経験に基づいて主張する、しかし、その後は結論に導いていく、そのためにはやっぱり情報の共有というのは本当に欠かせないことだと思っておりますので、この点については我々はできるだけ情報を共有したい。
 実は、医療事故が当時裁判とかいう問題でありましたけれども、私は、医療崩壊を食い止めるためには、人を増やして情報の共有を、提供する側と受ける側が情報を共有しなければ解決しないという態度で臨ませていただきました。そのことを申し上げておきたいと思います。
 あとは、私も二十三年間外科医をやりましたので、健康に関することでちょっと科学的といいますか根拠のある議論をしたいと思いまして、福島第一原発のことと子宮頸がんの予防ワクチンのことを取り上げたいと思います。
 原発作業員の被曝限度、これは、通常は五年間で百ミリシーベルトかつ一年間では五十ミリシーベルト。しかし、緊急作業の場合、三・一一の事故等緊急作業の場合は従事する期間は百ミリシーベルトと、こういうようになっています。あのとき、三・一一の後、三月十四日に、百ミリシーベルトなんですが、二百五十に上げました。二百五十に上げました。そして、その年の十二月十六日に百に下げました。元に戻しました。
 今年の四月一日からまた二百五十ミリシーベルトまで上がっていますが、これは緊急ではないと思いますけれども、被曝限度を緊急作業のレベルまで上げた理由はどういう理由でしょうか。

○国務大臣(丸川珠代君) 原子力規制委員会が、今年四月一日から、重大事故が発生した場合の原子力施設で働く作業員の被曝線量限度をこれまでの百ミリシーベルトから二百五十ミリシーベルトに上げたということは承知をしております。
 その理由といたしましては、福島第一原子力発電所事故当時に緊急的に二百五十ミリシーベルトに引き上げたことを踏まえ、今後も百ミリシーベルトを超える作業を伴う事故が起こる可能性を完全に否定することはできないという考えの下、そのような事故の場合にも必要な対応ができるようにする必要があるという原子力規制委員会の考えに基づいたものであると承知をしております。

○足立信也君 ということは、通常は百ミリシーベルトなんだけれども、事故が起きたときは二百五十ミリまでということをあらかじめ定めたという理解ですか、それとも通常百で今まであったのが二百五十ミリまで高めたという、前者の方ということですね、今の説明ですと。

○国務大臣(丸川珠代君) 先生御指摘のとおり、前者の方でございます。

○足立信也君 ありがとうございます。
 手元の資料の九を御覧ください。よく、放射線の被害、チェルノブイリでは四、五年後から甲状腺がんが増えたということを言われます。甲状腺検査の結果概要ということで示させていただきました。
 左が福島県の県民健康調査、右は環境省による甲状腺有所見率調査結果、つまり原発事故の影響が無縁だと思われる地域、弘前市、甲府市、長崎市での同様な手法による検査結果です。つまり、そこで二次検査が必要な人というのをピックアップしていくわけですが、福島県が〇・八%、先行検査も本格検査も〇・八%、それに対して全く関係のないところは一・〇%、有意差は全くないということ。それからまた、福島県石川郡平田村にあるひらた中央病院では内部被曝検査をこれまで四万六千四百一人に行っていて、放射性セシウムが検出されたのは三名、一年間に換算すると〇・〇一ミリシーベルト。また、その病院では三年間で延べ三千四百四十七名の生徒に検査をしておりますが、三十一名、つまり〇・九%、全く同じですね、〇・九%が二次検査が必要、甲状腺がんはゼロということです。これが客観的な数値です。
 私は、もちろん、五年たってこれからのフォローが大切なことは当たり前のことですが、責任の所在とそれに対する補償、これと安全性を認めることというのは別問題だと、そう捉えています。もちろん今後のフォローが大事なことは今言いましたが、これは風評被害対策としても、安全性についてはこうなんだ、しかし事故に対してはこういう責任があって補償しなきゃいけないと、これは明確に区別して言うべきだと、そう思います。
 ですから、この結果に基づいて、これは現時点では、五年たった現時点では有意な差はありませんということをもっと明確にアピールしてほしいんですが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東京電力福島第一原発事故による放射線が健康に与える影響を考慮し、住民の健康管理、特に子供の健康を中長期的にしっかりと守っていくことが重要と認識をしております。
 福島県は、国が拠出した交付金を活用して、全県民の外部被曝線量の推計や原発事故時におおむね十八歳以下であった全ての福島県の子供を対象とする甲状腺がんの検査等の県民健康調査を実施をしています。その結果について、環境省の専門家会議は、福島県の住民の甲状腺の被曝線量がチェルノブイリ事故後の住民の被曝線量よりも低いこと、甲状腺による結節などが認められた比率が、青森県、山梨県、長崎県で、ただいま委員から御紹介いただきましたが、行われた調査の結果と大きく変わらないことなどから、発見された甲状腺がんが原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないと評価をしています。
 一方で、将来の健康に不安を抱いている方々がおられることも承知をしておりまして、今後も県民健康調査を継続することとしておりまして、健康相談や情報発信もしっかりと行っていきたいと思います。

○足立信也君 時間が来ましたので、残念ながら子宮頸がんの予防ワクチンのことはできませんでした。
 私が目指してきたのは、証拠に基づいた、確証に基づいた政策形成です。エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングです。この件につきましては、頸がんのワクチンにつきましても日本が立ち止まっているのはよくないと思います。三年間も積極勧奨しないで、国民には接種の努力義務がいまだに掛かっている、この事態は解消しなきゃいけません。
 もし任期が得られたら、次はこのことをしっかりまた議論したいと思います。
 どうもありがとうございました。


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