国会会議録
 

平成28年3月10日- - 参議院厚生労働委員会


○足立信也君 民主党の足立信也です。この政党名がいつまで使えるか分かりませんけど、強調しておきたいと思います。
 私、毎月送られてくる厚生労働省とそれから大分労働局の雇用情勢というのをずっと見ているんですけど、ずっと疑問に思うことがあります。疑問というか当然なんですが、例えば、厚生労働省の一月の有効求人倍率は一・二八、大分は一・〇六です。いつも大分は低いです。ただし、正社員の有効求人倍率というのは、厚生労働省が〇・八で大分も〇・八。大分というのは正社員の有効求人倍率って常に平均よりも高いんですね。
 つまり、有効求人倍率とそれから正社員の有効求人倍率、この差が大きいということは当然やっぱり非正規の求人数が多いんだろうと思うんですね。差が小さいということはそれだけ正社員の求人数の方が多いんだろうということで、この傾向はずっと続いていまして、それでちょっと気になって過去から調べてみたら、この差、有効求人倍率と正社員の有効求人倍率の差、一番小さいのは鹿児島です。当然、一番大きいのは東京ですね、〇・七四。大分は小さい方から二番目なんですね。ずっと順番に並べてみると、ベストテンというか、差が小さい方、つまり正社員の方が多いというところは、九州が三県入っていて、平均以下が五県あるんです。ということは、僕が思うのに、やはり地域によって、地方創生と言っていますが、地域によって雇用形態あるいは職種、業種、相当差がある、ここを詰めて対処しないと、一様ではうまくいかないんだろう、そのように思っているところです。
 そこで、都道府県によって正社員の有効求人倍率が非常に高いところと低いところがある、この理由はどこにあるんだろうというようなことを今まで分析したことはあるんでしょうか。

○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。
 直近の正社員有効求人倍率を都道府県別に見ますと、東京都が一・二四倍、福井県が一・二一倍と高くなっている一方、沖縄県が〇・三七倍、青森県が〇・五七倍となっており、都道府県ごとに差が見られます。また、正規雇用労働者の割合を都道府県別に見ると、富山県が六七・一%、福井県が六七・三%と高くなっている一方、沖縄県が五五・五%、北海道が五七・二%となっており、都道府県ごとに差が見られます。
 こうした大きな要因の一つとして地域の産業構造があると考えており、例えば正規雇用労働者の割合が低い沖縄県、北海道では、正規雇用労働者の割合が高い製造業の有業者の割合が相対的に低く、非正規雇用労働者の割合が高い宿泊業、飲食サービス業が相対的に高くなっているということが考えられます。

○足立信也君 恐らく一般論ではそうなるんだと思います。ただ、今、私申し上げたように、九州というのは割と正社員の有効求人倍率が高い方に属している。これ西高東低なんですね、ざっと見ると。西高東低というのは何を意味しているかというふうに考えると、例えば合計特殊出生率、これベストテンに九州が六県入っているんですね。ちなみに大分は同率の十位です、六県入っている。西高東低でもう一つ思い浮かぶのは、医療や介護や福祉の分野の施設がかなり充実していて従業員が多い、このことがまず頭に浮かぶんです、私としては。
 そこで、大分労働局長と話合いをしたんですけれども、今政務官おっしゃったように、製造業関係の企業があって、子会社、孫会社が相当充実していて、そこが正社員が多いという、これもあります。
 ただ、さっき申し上げたように、私は九州を思い浮かべると、やっぱり医療、介護や福祉の分野の雇用が非常に大きい。地方というのはこの分野の雇用に占める割合が非常に高くて、そこが安定的な職業になっていて、そして消費活動に向かう率が非常に高いわけです。雇用誘発効果の件は、この前予算委員会で藤末委員がやっておりましたけれども、特に私は地方はそうだと思っていまして、これはやはり非正規が非常に求人が多い都市部の方と、地方の方の正社員の求人が非常に多いところというのは、別の違った対応を考えないとこれはうまく進んでいかないというふうに思っていますので、分析はしたんですかとさっきお聞きしたんです。一般論でしかお答えなかったので、これは是非分析して別な対応をすべきだと私は考えますが、どうでしょうか。

○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。
 都道府県別の子会社、孫会社の多さ、医療、介護、福祉分野の雇用の多さと正規雇用労働者の割合との関係は不明であります。正規雇用労働者の割合について都道府県ごとに差があることの大きな要因の一つとして、地域の産業構造があると考えております。
 大臣を本部長として厚生労働省に設置した正社員転換・待遇改善実現本部において、正社員転換・待遇改善実現プランを一月二十八日に策定したところであります。また、全国四十七の都道府県労働局に既に設置している本部においても、今月中に各県ごとの地域プランを策定し、プランには正社員の有効求人倍率など各県の非正規雇用を取り巻く現状や地域の実情を考慮した実効性のある目標や取組を記載することを指示しております。
 今後、地域プランに基づき、各県の地域の実情に応じて正社員を希望する方々の正社員転換を推進するとともに、非正規雇用を選択する方々の待遇改善に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、三ッ林政務官から御説明申し上げましたけれども、結論から言うと、先ほど都道府県別に分析をしているのかということでありますが、正直言えば、深い分析を体系立ててやっているわけではないのでありますが、今お話がありましたが、さっき申し上げた正社員転換・待遇改善実現プランを作って、今度地方で労働局がこのようなものを作るわけですけれども、そういう際にも、それから政労使でもやっていますけれども、やっぱり今先生おっしゃるように、都道府県ごとにそれぞれ経済や、場合によっては長い文化もあるのかも分かりませんが、特徴があるので、それぞれにふさわしい正社員転換というかのプログラムがないといけないんだろうなというふうに思いますので、今申し上げたような、それぞれの都道府県で作って、今度は金融機関などにも入ってもらおうということで、今、正社員転換・待遇改善プログラムを考えてもらっていますけれども、そういうような枠組みを活用しながら、先生おっしゃるようなその地域に合った、雇用政策としてどういうものがベストなのかということを考えてまいりたいというふうに思います。

○足立信也君 意を酌んでいただいてありがとうございます。
 私の持っている感覚は、やっぱりどうも西日本の方で正社員の求人の方が非常に高い、そちらは社会保障分野、医療、介護、福祉の分野での雇用が安定していて雇用も誘発されている。そして、どういうわけか、その地域の方が合計特殊出生率も高いというようなことを是非関連付けて分析する必要があると思いますので、それは期待したいと思います。
 そこで、私、当時政務官だった二〇一〇年に新成長戦略というものを作りました。これは、当時、GDPが中国に抜かれて三位になったけれども、一人当たりGDPは十七位だと、日本はですね。その大きな原因は就業率の低さにある。男性は二位だけれども、女性は十五位であると。この就業というものを、障害を持った方、比較的若い高齢者、女性、ここに就業していただかなきゃいけない。その雇用を生む多くの機会がどこにあるか。特に地方は社会保障分野にあるということで、成長戦略と社会保障の充実、これがセットになって、そして強い財政を生むという成長戦略をつくったんです。
 ところが、昨今の総理の発言を聞いておりますと、強い経済があって、成長があって、それが強い財政を生んで、その結果社会保障にお金が回ってくるという、何か昔の議論をまた繰り返しているような気がしてならないんです。当時、三年間で我々のときに医療、福祉分野で労働者数八十二万人増えましたよ。今、安倍総理がおっしゃっていることよりもはるかに多くの数がその当時増えました。
 そこで、大臣にお聞きしたいのは、今二つの考え方を申し上げました。その地域によって必要とされている雇用は違うんだろう、そして、経済成長ももちろん大事だけれども、その地域に必要な社会保障分野というのはここを自立させることによって成長戦略の核になる、雇用を生んでくる、消費に向かう、そして強い財政になっていくという考え方を取るのか、また、以前のように、あるいは総理が今おっしゃるように、強い経済成長があって財政が安定しなければ社会保障になかなかお金が回らないんだよという考え方でいくのか、大臣はどちらなんでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 持続可能な社会保障制度が安心感をもたらして、言ってみれば安定的な経済活動ができるベースになり得るということはそのとおりだろうと思っております。
 ただ、どちらが先かというよりは、私は、結論から言うと、両方ないとうまくいかないだろうなというふうに思っています。それは、まず医療、介護を始め社会保障分野自体、これを戦略的に産業として育成していく、このことが国民の安心した生活を支える、そしてまた経済の厚みを増す、経済の持続的な成長を実現するということはそのとおりだというふうに思っています。
 一方で、成長といいますけれども、実はGDPというのは半分以上が付加価値、つまり給料、賃金なんですね。したがって、賃金を増やしていくためには経済も強くならなきゃいけないということと、もう一つは、やはり社会保険方式で運営されている医療、介護などは財源は三つしかなくて、保険料、そしてまた税金、そして自己負担ということを考えると、それを払うのは個人ないしは企業でありますから、個人の給料が下がり企業の収益が落ちていくという中では持続可能な社会保障もなかなかつくり得ないということだろうと思いますので。
 私は、どちらかというと、両方必要だし、個人のレベルにいくと、やっぱりこれは社会保障が一番最後のよりどころで大事なことで、年金であり、あるいは医療であり、介護である、そしてまた子育て支援でもあろうというふうに思うわけでありますから、それを持続可能にするためにも経済の成長はないと困ることになるということを申し上げているわけで、私どもは、やはり強い医療をつくっていく、あるいは強い介護をつくる、強い年金制度をつくるということに力を入れていかなきゃいけないと思っておりまして、例えば医療については、医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会などを設置して、医薬品、医療機器分野のベンチャーの育成を今検討中であります。それから、介護ロボットについてもそうでありますし、また雇用の面でも、確かに医療、介護、保育などの分野は非常に雇用の吸収力が大きい。したがって、ここがちゃんと伸びるということは雇用の裾野も広げていくことは今、足立先生がおっしゃったとおりだと思います。
 でありますので、それをどうやって支えていくかというときに、医療、介護、保育などの社会保障の制度そのものを強くしていくと同時に、労働生産性を向上させていくことによって、一つは働く人の負担を軽くするということと、もう一つは、生産性を上げるということは賃金を上げやすくするということが大事なのかなというふうに思っているところでございます。

○足立信也君 私も両方大事だと思っています。ですから、冒頭の質問に戻って、それは、地域、あるいは都市部や地方、そこで大分違ってくるんだということの分析が必要だし、その対応が必要だということを申し上げたわけです。石破大臣に今度機会があったらそのことをまた言いたいと思いますけれども。
 そこで、当然、社会保障費を削減すると国民の将来の生活不安が大きくなって貯蓄性向を高めてしまう、支出が減って圧縮されてしまうと、これはもう当然そうなんですが、となると、今日の質問は、その社会保障分野の中で収入については非常に大きなウエートを占めている診療報酬、介護報酬、そして成長戦略、これを聞いていきたいと、そのように思っています。
 まず、午前中、藤井委員の質問にもありましたけれども、この診療報酬改定、今回のポイントは、七対一の入院基本料の絞り込みと、そして薬価の市場拡大再算定、この二点だと私は思っています。
 そこで、絞り込みについては、A、B、Cと新規のものが加えられましたし、患者さんの状況とか、あるいは手術というような医学的状況も加味されるようになってということなんですが、問題は、在宅復帰率ということを向上させようとしておりますけれども、この七対一、一番急性期の強いところ、そこを絞り込む、そこが一気に在宅復帰率を高めようというのは、私は相当無理がある話だと思っているんですが、いきなり在宅までということはですね。その点について、じゃ、どうやって在宅復帰率を高めようと考えておられるのか、その説明をお願いします。

○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。
 平成二十八年度診療報酬改定におきましては、地域包括ケアシステムを推進する観点から、病床の機能分化と連携を促進することとしておりまして、七対一入院基本料を算定する病棟では、重症患者の割合や在宅復帰の実績に関する基準を引き上げることとしております。
 重症患者の割合につきましては、手術後の患者、救急搬送後の患者など、より多くの患者を重症患者に含める一方で、基準を一五%から二五%に引き上げることで、全体として重症患者が多い病棟が適正に評価されるように見直すこととしておるところでございます。
 また、在宅復帰率の基準につきましては、七五%を今回は八〇%に引き上げることで、在宅復帰や医療連携に関する更なる取組を促すこととしております。
 入院医療の機能分化、連携の推進につきましては、今回の改定の影響を検証しながら、中央社会保険医療協議会で今後も議論していくこととしております。

○足立信也君 在宅復帰率を八〇%に引き上げると言うけれども、その具体的な案が今全然示されない。恐らくそうだろうと思います。間違ってもアメリカのように、すぐ近くのホテルに帰ってくださいというような事態にはならないように、これは連携しかないと思いますので、その点だけ注意しておきたいと思います。
 そこで、ちょっと大臣申し訳ないんですけれども、これ通告にはなっていませんが、今、地方、地方、都道府県で地域医療構想、その策定を一生懸命今やられていますね。これは、二次医療圏ごとに、その地方がどういう特徴があって、その地域がですね、区域がどういう連携構想をつくっていくのかというボトムアップ式でないといけないと思っているんですが、どうも最初の説明から、二〇二五年に二割ベッド削減とか三割削減という数値がぼんと出てしまって、もうテーブルに着くのを嫌がっている医療機関の人が非常に多いんです。
 そこは、私は、やっぱりさっきの話、その地域あるいは地方によって望まれていること、その内容、それから今の七対一の件もそうですが、三次医療から二次、一次と、ここの割合、必要とされる割合は全く違うわけですから、やっぱりその区域、二次医療圏から出てくる案というのを、これを辛抱強く待つことが必要だと思います。
 そして、厚生労働省は、二次医療圏だけで済まない話、例えば県境問題です。県境問題、この県の境のところを厚生労働省としてはどうやって指導していくのかと、その地域医療構想をですね。そこで途切れてしまうはずがないわけで、患者さんはわざわざ県を指定して行くというわけでもないですから。そこのところに、むしろ厚生労働省の役割としてはそこに徹するべきで、あとは地方からの発案を、しっかり提案を待つという姿勢が極めて大事だと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるように、地域のそれぞれの実情というのは、例えば入院日数一つ取ってみてもかなりのばらつきがあるわけでありますので、私どもは、やはりその地域地域でそれぞれの特徴をよく踏まえた上で考えていただく。ボトムアップと先生おっしゃいましたが、確かに、急性期、そしてリハビリ期、そしてまた慢性期と、これの割り振りをどうするのかというのを、本当に今、医療のプラクティスというか、診療の形態などによっても随分変わってくると思うので、そういうところでやっぱり下から上がってくる声を大事にするということはそのとおりだと思います。
 恐らくその中に、県境で、要するにお隣の県の病院に行って、かかりつけ医はお隣の県にいるということは、実は私ども愛媛県ぐらいになると、町というのは割合、町の外は何もなかったり、で、また町が来るみたいになっていますけど、本州なんか特にずうっと続いているわけでありますから、幾らでも人の行き来があって、私どものような県でも二次医療圏をまたいで行っていらっしゃる方はたくさんおられますから、そこは柔軟にやるということにガイドラインでもお示しをしていると思うので、今回、先生も、言うまでもなく初めてこういうことを県単位で、そして二次医療圏ごとにビジョンを二〇二五年を展望して考えていただく、それも協議の場の中で作っていただくという話合いを大事にしながら、しかし、ビジョンを描き切るということを初めてやることでございますので、正直いろんなことがあると思います。
 したがって、それには柔軟に私どもも対処していかなきゃいけませんし、大事なことは、やっぱり地域の実情を守るということでありますが、しかし、そうはいいながら、国全体としてこの医療制度が持続可能になって、今の日本の誇るべき制度はその本質はきちっと守り切れるように、この人口の変化の中でできるようにしていかなければならないというふうに考えております。

○足立信也君 柔軟にというのはそのとおりなんです。
 僕は、今申し上げたのは、もう少し、何といいますか、県境問題を抱えているところは、そこを枠をつくってあげるとか、ちょっと指導力を発揮するとか、そういうことがないと難しいだろうと思ったのでそう言ったんです。
 今、愛媛県の話されましたけど、例えば大分だと熊本と宮崎の県境というのは余り問題がないんです。完結的なんです。ところが、福岡との話になると、中津の方はむしろ大分の方に流入される方が多い、日田の方は逆に福岡の方に行かれる方が多い等々の問題がやっぱりありますので、そこはその話合いの枠をやっぱりつくるようなことも指導してあげた方がいいのではないかと、私はそういうふうに思っています。
 じゃ、もう一つの診療報酬改定のポイントである市場拡大再算定のことなんですけど、今回、診療報酬改定の枠とは別枠となったのは、これは従来の市場拡大再算定の方なんですか、それとも特例の方なんでしょうか。これによって診療報酬改定がマイナス一・〇三%になるということが表に出ないようになっているわけですけど、どちらが別枠ということなんでしょう。どちらも。

○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。
 今回の診療報酬改定の改定率の表示におきましては、薬価改定について、市場拡大再算定の通常分による薬価の引下げ額がこれまでの改定時よりも大きくなる見込みであることも勘案し、薬価等改定率と区別して表示しておりまして、これによりますと、薬価等改定率はマイナス一・三三%となります。一方、従来の整理どおり、市場拡大再算定の通常分による薬価の引下げ額を改定率に加えた場合には、薬価等改定率はマイナス一・五二%となります。
 なお、市場拡大再算定につきましては、年間販売額が企業の当初の見込額を大きく超えた医薬品に対する特例を実施しておりまして、これにより薬価等改定率とは別にマイナス〇・二八%相当分の薬価の見直しを行っているところでございます。
○足立信也君 つまり、通常の市場拡大再算定と特例、両方外しているという話ですね。特例の方で先ほど来指摘がありますけど、やっぱりこれは、僕は強制値下げとしか言いようがない話だと思います。
 それで、成長戦略あるいはTPPに絡んでちょっと話をしたいと思っているんですが、やっぱり薬価の改定というのは、これは実勢価格に合わせていくというのが根本であって、この実勢価格を無視した引下げであるというのは、先ほど言いましたように、強制的な値下げとしか言いようがないんですけれども。
 そこで、ちょっと一つ聞きたいのは、今回、通常の市場価格の再算定のところというのは、品目としては四十五品目ぐらいで、特例が四品目でいいんでしょうか。
 それと、先ほど藤井委員に対して、今後も、次の二年後の改定のときも更に検討を加えるという答弁だったんですが、ということは、これ再算定をやるということは、一年ごとではとてもできる話ではなくて、例えば国立大学や病院等で運営費交付金がこれから削減していった場合に、年度末の購入というのは極端に減っていくわけで、単年度では判断できないんですね。何を言いたいかというと、これを検討していくということは、毎年度の薬価改定は不可能ということですね。

○政府参考人(唐澤剛君) 品目数のお尋ねがありましたので、お話しさせていただきます。
 まず、通常分の再算定でございますけれども、先生から今御指摘ございましたが、これ成分数で申し上げますと二十でございますが、品目数だと四十四という数でございます。それから、特例再算定でございますが、こちらは成分数が四でございまして、品目数は六という数になっております。

○足立信也君 二番目は答えられますか。

○政府参考人(唐澤剛君) 毎年改定につきましては先生からも何度もお尋ねがございましたけれども、私どもの立場は、毎年改定は難しいという立場でございます。
 これはいろいろな理由がございまして、一つには、メーカーのきちんとしたイノベーションへの意欲がそがれるのではないかということが一つ。それから二つ目は、特に卸の経営に対する影響というものがございます。三つ目は、実務的な問題として、改定をしてからきちんとした調査が毎年できるのか、価格の把握がきちんとできるかということがございまして、私どもは現在のような形で改定については実施をしていくのが望ましいという考え方を持っているところでございます。

○足立信也君 かなり明確に一年ごとは難しいという話になってきていると思います。
 そこで、これも指摘されましたが、私としては、やっぱり新薬創出加算というものを、導入に関わった以上、これがまた日本の創薬の後押しに非常になっているし、未承認薬の解消になってきているというのは自負をしておりますので、この件と今回のことがどうつながるのかについてお聞きしたいと思います。
 例えば、アバスチンについては、これは抗VEGF抗体で非常に多く売れているわけですけれども、ここは相当なパーセント、薬価下げるというよりも、補正加算がむしろされていますよね。そういうのは、これは恐らく国で示した方向で小児適用の開発を進めて承認を受けたというようなこともあると思うんですが、この対応とC型肝炎の治療薬、ソバルディの方の対応の差について聞きたいんです。
 何を言うかというと、これは創薬の後押しと未承認薬の解消のために我々はむしろ推進してきた、それを強制的な値下げをやると。しかしながら、これが国の方針として、そこを開発を進めてきた部分については補正加算をちょっとやるというやり方と完全に下げてしまうというやり方を二通り取っているということの方が整合性が取れるのかどうか。そこの点について、なぜこんなふうになったのか、あるいは、新薬創出加算というものが私はかなり評価が高いと思っているんですけれども、これは今後どうするつもりなのか、その点についてお答えしていただきたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 特例については、やはり予定していた、想定していた売上げと比べてかなり大幅に増えてしまったということで、今回こういうような形で、今お取り上げの、これ四種類ございますけれども、適用することにしたわけでございますけれども、確かにすばらしい薬であることはそれぞれ間違いないわけで、だからこそかなりの価格が付いて、薬価が付いているわけでございまして、しかし一方で、そういう意味では新薬創出・適応外薬の解消等の促進加算、いわゆる新薬創出等加算は、今回、試行は当然私どもは継続しながらイノベーションを応援をしていくということはやるわけでありまして、イノベーションを評価し、国民皆保険をしかし同時に守っていかなきゃいけないという中で、予想をかなり超えたものについてはこのような形で再算定をさせていただくということにしたわけでございます。
 さっき申し上げたとおり、中医協の附帯意見もございました。したがって、今先生が御指摘になって、御懸念になっていらっしゃる問題意識は私どももよく分かっているわけでございますので、新薬創出等加算とそれから市場拡大再算定の特例、これの言ってみればバランスをどうするのかということについて、新しい有効な薬を育てるということ、イノベーションを応援をするということと、皆保険を守るということで、どこまでがやるべきことなのかということについては引き続き議論し、なおかつ、新薬創出等加算は引き続き私どもとしては続けてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

○足立信也君 今、質問、僕は二点あったので、ちょっと不明確だったので申し訳ないです。創出加算については分かりました。
 もう一つ私が質問したのは、アバスチンとソバルディの差で、アバスチンの方は、小児適用の開発等々やってもらってその結果こうなったというので補正加算の部分もある。ソバルディは、これ将来、慢性肝炎あるいは肝がんのリスクがほぼゼロになるかもしれない、患者さんにとっては非常な恩恵があるし、将来負担が大幅に減少される、むしろ積極的に推奨されるべきじゃないかと思うんですが、これが下げられたまま。この対応の違いはどうしてか、そこを聞きたかった。
 これは永遠の課題なんですが、要は費用対効果、これを今中医協で議論されていますが、本当に効果があるものは高く評価すべきであるというのが大原則、これがないと創薬を後押しなんてことにもなりませんし、ここをどう考えるかって、もうやらなきゃいけない時期なんですよ。このことをお聞きしたいんです。
 それで、まず一点目は私の考え。このアバスチンはやはり評価が高い、客観性に効果が認められた、だからそんなに下げられないというのがあったんだと思います。であるならば、これ特例の再算定とかではなくて、一定期間置いて、そしてその使用のされ方と効果を客観的に評価して保険償還の価格に反映させたらどうですか、今後。そういうやり方をもうやるべきですよ。ある一定期間はそこでいくけれども、その後のきちっと評価をしてそれを保険償還価格に反映させる、こういうやり方をやるべきだと私は思うんですけど、いかがでしょうか。

○政府参考人(唐澤剛君) 費用対効果につきましては大臣から後ほど御答弁をいただきたいと思いますけれども、市場拡大再算定につきましては、私どもの立場は、当初の予想見込み販売額、これを設定しているわけですが、当然メーカーの方は、これから発売するわけですから堅く見積もると、これは当然のことでございます。その堅く見積もった中で、投資を回収をして、そして次の新薬につなげていくということになるわけですが、やっぱり、今の先生の御指摘のあったような医薬品につきましては、私どもも、大臣からも申し上げました、大変優れた薬でございます、それはもう本当に認めております。ただし、当初の予想見込み販売額よりは相当上回って販売されているということがございますので、一定程度といいますが、かなりの部分は投資の回収ということが行われているんじゃないかという考え方に立ちまして、医療保険制度との両立、皆保険との両立という観点から今回の引下げをしたわけでございます。
 それで、アバスチンとソバルディは、ちょっと販売金額が、アバスチンは一千億を超えた水準、ソバルディは一千五百億を超えた水準ということで、それで、引下げの幅の考え方が中医協で議論されて違っておりますので、そういうことも含めましてこういう結果になっているということでございます。

○足立信也君 説明としては理解します。ただ、今後の方針の決め方としては、先ほどの観点は是非必要だと思います。
 それと同じように、二つに分けてと言いました後半部分、これ、成功報酬的なものをこの国の診療報酬というものはずっと捉えられなかった。例えば、がんに対する治療であるならばその行為あるいは薬に対しての報酬が出される。しかし、良性疾患に限って言うと、患者さんから見ると、一回で治る、あるいは今後繰り返さない、その恩恵というか、得られたうれしさというのは相当なものなんですね。これは、ある意味成功報酬的に評価されるべきことだと思うんです。
 歯科で例を挙げると、ずっと予防に従事していて、あるいはケアをしてきて、ずっと虫歯にならない、このことに対する報酬が一体どうなるんだろう。逆に言うと、虫歯になった方が歯医者さんにとっては患者さんが増えていく。そういうような観点の成功報酬的な診療報酬での考え方というのが、さっき費用対効果と言いましたが、それだけではない。そのことによって将来の発病やあるいは重症化を予防できることに対する評価というのがまだまだ弱いと思っているんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○政府参考人(唐澤剛君) 先生の御指摘の費用対効果につきましても、中医協でも大きな議論になっておりまして、一部二十八年から試行的に導入をするということが定められているところでございます。これは引き続き検討を続けていただきます。
 それから、今歯科のお話もございましたけれども、歯科につきましては、先生御指摘のように、今ある歯をできるだけ残していく、長く残していくというマネジメントあるいは予防というような観点がございますので、今御指摘いただいたような視点、費用対効果といいますか、成功報酬的といいますか、そういう観点は非常に重要だというふうに思っております。
 また、今回の改定におきましても、質の高いリハビリテーションを評価をするということで、回復期リハビリテーション病棟につきましてもアウトカム評価を導入させていただいております。まだこれ一部でございますけれども、保健医療二〇三五でもこのアウトカム評価ということを重視をしていくということも指摘をされておりますので、今後、累次の診療報酬改定の中に徐々にこの適用領域を広げていって、具体的に適用できるような基準を作成をしてまいりたいと考えております。

○足立信也君 分かりました。
 先ほど、創薬への後押し、そして未承認薬の解消という話をしてきました。創薬への後押しという観点からくると、このTPPの問題に、大臣に一点だけお聞きしたいんですけれども、TPP加盟国で創薬というものは、じゃどこがやっているかというとやっぱり日米で、かつ、後発医薬品をじゃどこが製造して売っているかというとやっぱり日米ということになってきて、これが特許期間の問題やあるいはデータ保護期間の問題で日本はどっちの立場を取るんだろう。当然、アメリカのように創薬に力を入れたいと思ったらデータ保護期間長い方がいい、でも、後発医薬品でこれから置き換えていって稼ごうとすれば短い方がいいというふうになりますよね。
 今回、日本は、八年だと思うんですけれども、どちらの観点を重視して臨んだんでしょうか。あるいは、大臣はどちらが重要だと思われますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) TPPについてお答えする前に、先ほど、要するにイノベーションをちゃんと評価して、それもアウトカムで評価をすべしということでありますけれども、例えば、これは今回の診療報酬の改定ではありませんけれども、条件付承認を去年の九月に初めて二つ選ばせていただいて、その後、償還価格を決めた際に、例えば心筋シートの価格を決める際には、私は、やはりきちっとした評価を付けないと次の研究開発につながらないということで、できる限り評価を、やっぱりアウトカムベースももう既に分かっているわけですから、ある程度すべきだということで、ワンクールで千五百万円弱ぐらいの評価を付けるということになったので、基本的に先生がおっしゃっている方向性で私たちも考えているというふうに思ったところでございます。
 今のTPPの、生物製剤の新薬のデータ保護期間が今回八年ということでTPPはまとまりました、いろんなことがありましたが。我が国の新薬の承認後の新薬メーカーのデータを後発医薬品の承認のために使用しない期間を実質八年間に設定を元々しているということでもございまして、今回のこのTPPの協定の内容は、我が国の現行制度と基本的に同じでありますので整合的で、新薬の開発の促進と後発医薬品へのアクセスというもののバランスを考慮した上で、今回、元々八年となっていたものではございますけれども、適切なルールになったのではないかということで私どもは納得をしているところでございます。
 適切なデータの保護期間がルール化されるということは、今度逆に、世界で数少ない、先生おっしゃるように日米中心の、イギリスもありますが、フランスも若干ありますけれども、新薬創出国である日本の新薬メーカーが新たな医薬品を開発して国際展開をするという上でのメリットがある一方で、後発医薬品へもアクセスを確保するということで、どっちに重きを置いたのかと言われるとなかなかそれは難しいので、バランスを取ってこの道が納得できる選択肢として今回選ばれたというふうに理解をしております。

○足立信也君 途上国の主張とアメリカの主張の間を取ったという印象ですね。
 TPPといえば南米が入ってくるわけで、今南米というと、ちょっとジカ熱のことを聞きたいと思います。あともう時間が多分一問しかないと思うので、福島さんでも大臣でもどちらでも結構です。ちょっとジカ熱のことについて申し上げます。
 二月一日にWHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態という宣言をしました。そして、二月十六日、FDAは、輸血でも感染するので輸血に関して血液は国で調達するよう勧告、それから、最低四週間は献血の自粛をするということがありました。二月十六日、厚生労働省は、発症国からの帰国の男性にコンドームの使用を推奨したと。これ、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王も避妊は絶対悪ではないという発言もされております。そして、二月二十三日、アメリカCDCで、アメリカの国内の女性が性交渉でウイルス感染したということがありました。それから、二十三日、アメリカの妊婦九人が感染して、そのうち二人は流産、二人が脳の異常で中絶、一人が小頭症、二人はまだ妊娠中で、二人健康な赤ちゃんが生まれたということがありました。それから、三月四日、ブラジルとアメリカの研究チームで、四十二人の妊婦のうち十二人、二九%が胎児異常があると。
 こういう事態で、これは極めてゆゆしき事態である、緊急事態であるということは当然皆さんお分かりなんですが、私は、じゃどういう対策をというのが余り出てこないなと。
 今の献血の自粛、それから輸血は国内でということがありましたけれども、これ、ネッタイシマカあるいはヒトスジシマカであるならば日本にも当然いるわけです。そして、局長だと思いますけど、これ根本策は、恐らく何が一番有効かということは答えはすぐ出ると思うんです。であるならば、その先の対策を考えた方がいいと思うんですけど、まずは、これは根本的にどういう対策、どういうことが予防につながるというふうに今言えるでしょうか。

○副大臣(竹内譲君) まず、最も有効な対策は何かということでございますが、国内で感染が広がっていない現時点におきましては、まずは中南米などのジカウイルス感染症が流行している地域への渡航を控えることが最も有効であると考えております。また、やむを得ず流行地域へ渡航する場合も、長袖、長ズボンの着用や防虫剤などを使用して、主な感染経路である蚊に刺されないための対策を取ることがまずもって重要であると考えております。

○足立信也君 蚊に刺されないことということなんですけれども、これ当然、先ほど、ネッタイシマカあるいはヒトスジシマカの分布は日本もあるわけで。
 それから、血液中では一週間以上生存は余りないというふうにされておりますけれども、先ほど、アメリカ国内の女性が性交渉で感染したと。精子の中にはどれだけ生きているかというのはまだ分からないわけですね。たしか新型インフルエンザ、スペイン風邪か何かの分析ですか、アジアですかね、六十日以上も精子中で生きていたというようなことも以前あったと思います。これもまだ分かっていない話です。
 そこで、今、渡航を自粛するという話がありましたが、例えば今年リオのオリンピックがありますし、ブラジルが今大変な経済の状況であることは分かりますけれども、蚊に刺されないように、そして渡航した人との接触を避ける、性交渉を避ける、避妊をする、献血をしないということで、一番私は考え得るのはやっぱり渡航制限じゃないんでしょうか。
 渡航制限という言葉がなかなか出てこないのが不思議でしようがないんですね。それは経済的な理由をおもんぱかってのことなんでしょうか、オリンピックを考えてのことなのか、余り大騒ぎにしたくないということなのか。しかし、今言った理由、あるいは最も有効な予防策を考えると、ここは渡航は控えると。さっき自粛というような話がありましたけれども、厚生労働省として渡航、あるいは外務省にそれを要求したということがあるんでしょうか。渡航制限はどう考えていますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) WHOの専門家会合がございまして、そこではジカウイルス感染症に関する、何というか、アドバイスの中では、一般渡航者について流行地への渡航制限は必要ないというふうに、WHOの専門家会合は一応そういうような結論を出しているようでございます。
 一方で、妊婦の方については、先ほど来お話が出ているようにリスクが高いということで、WHOやそれからCDCは、胎児の小頭症との関連を踏まえて流行地への渡航は控えるべきと勧告をしていると。そして我が国も、妊婦の方に対して流行地への渡航は可能な限り控えていただくように今注意喚起をしているわけであります。
 今後とも、海外における流行状況とか対応状況について情報収集に努めて、国民の皆様方にできるだけ情報を提供して更なる注意喚起を図ると。蚊の発生予防対策などジカウイルス感染症対策に万全を期して、日本の国内でもそうしないといけないと思っておりますが、今、外務省になぜ渡航制限を要請しないのか、それから渡航制限自体が有効なのでなぜやらないのかと、こういうことでありますが、エボラのときも特にそういう形での制限というよりは、どちらかというと水際でどう防ぐのかということと、国内でどう早く見付けるかということをやるということでやっておりましたが、今回も、じゃ男性の渡航はどうするのか、女性の渡航はどうするのかということを考えると、基本的にはそこのところの渡航制限ではなくて、可能な限り控えていただくという形の政策かなというふうに我々は整理をしているところでございます。

○足立信也君 WHOは渡航制限をしないという、それはそのとおりであるんです。でも、それがいけないんじゃないかという意見もあって、CDCなんかは渡航制限を警告しているんです。そういうこともあります。
 以上で終わりにしたいんですが、これは、小頭症あるいは無脳症という患児を私も診たことありますけど、かなりこれは大変です。ここは防げるものは防げるように努力すべきだと思います。
 それから、今日はほかの質問できませんでしたが、介護報酬の件、それから渡航制限というと血液が海を渡る話について、ちょっと化血研の問題も次回やりたいと思います。
 どうもありがとうございました。


このページのTOPに戻る




Copyright 2004 Adachi Shinya. All Rights Reserved.