国会会議録
 

平成27年6月22日- - 決算委員会会議録


○足立信也君 民主党の足立信也でございます。安倍総理始め閣僚の皆さん、どうかよろしくお願いします。まず、珍しいことなんですが、政府に対して私率直に評価をしたいことがございます。昨年の三月、予算委員会で私が質問をしたことなんですが、東日本大震災の後に、三月十六日、これ、自主的な取組として、被災地、そして被災者の皆さんに健康をしっかり保ってもらうように、被災者健康支援チームというのを、私、声掛けをして発足いたしました。それから一か月半たった後に、これが自主的な組織として被災者健康支援連絡協議会というものになりました。当初は七団体、これは大学や医師会あるいは薬剤師会、看護協会等々が集まって、今や三十六団体でございます。去年、今までに派遣人員はもう十万人を超えているということの中で、この被災者健康支援連絡協議会の代表である方を中央防災会議の委員にしていただきたい、これから、今委員長の質問にもありましたように、大きな災害が起きる可能性がある、そのときにあらかじめつくられている団体 がお互いに情報交換しながら対応するのは極めて大事だと。それについて、この六月に、代表である横倉日本医師会会長が、医師会会長としてではなくて、この被災者健康支援連絡協議会の代表として中央防災会議の委員になられたと、このことに対して私は率直に評価いたしたいと思います。評価はここまでなんですけれども、参議院選挙制度改革についてお聞きいたします。先週水曜日、参議院本会議で、来年の参議院議員通常選挙から十八歳以上に選挙権が与えられる、これが全会一致で可決しました。まずやらなければならないことは、参議院選挙制度改革です。我々は逃げ道を断ったつもりでいます。私は、一年三か月、三十一回の選挙制度協議会、このメンバーとして参加いたしました。他の政党が改革案を提示する中、自民党は考え方の整理にとどまってしまった。選挙制度改革に向けて自民党のやる気がまるで見えないと私は感じました。そこで、党首討論で総理は、自民党に対して取りまとめを指示したというふうに先週おっしゃいました。そこでお聞きしたいのは、私が知る限りでは、自民党の参議院会長も、また幹事長も余り合区には積極的ではないというふうに聞いておりますけれども、誰に対していつまでに取りまとめるように指示をされたんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 参議院選挙制度の改革は、これは議会政治の根幹に関わる重要な課題であります。小さな政党も含め、各党各会派が真摯に議論を行っていくことが重要でございます。そして、参議院の一票の格差の問題は、委員が御指摘のように、待ったなしの問題であります。先般も党に対して、これは、今ここに伊達幹事長も来ておりますが、溝手議員会長に対しましても、参議院として結論が得られるようよろしくお願いをいたしますと、こう申し上げているわけでございますし、従来から伊達幹事長にも、取りまとめについてよろしくお願いをしますという指示をしているところでございます。もちろん、これは参議院の自主性という問題もございますから、私としては、院として自主性をしっかりと発揮をして、また、我が党は最大の議席を持っているわけでございますから、その責任感の下においてお願いをしたいと、こういうふうに申し上げたわけでございます。我が党は責任政党でありまして、議論を重ねた上において平成二十八年の参議院通常選挙で新制度が実施できるように、違憲状態とされた一票の格差是正へ向けて早急に結論を得るべく、これは一丸となって努力を重ねてまいります。現在、各党各会派で様々な議論が行われておりまして、一部には党派を超えた案が取りまとめられるなど注目すべき動きも見られるわけでありまして、立法府の責任として、しっかりとした制度改革を行い、国民の負託に応えていかなければならないと、このように考えております。

○足立信也君 私がお聞きしたのは、今国会は余すところあと二日でございます、いつまでに取りまとめよと指示されたんですかということをお聞きしました。その点についてお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、当然、来年に行われます参議院選挙においては、まさに新たに改革案の成ったこの法制度の下で行われなければならないと、こういうことでございます。その意味において、取りまとめをお願いをしたいと、このようにお願いをしたところでございます。

○足立信也君 当然のことながら、これは周知に一年は必要だということで一年後の施行になっているわけですね、十八歳の選挙権。そして、一番最初に皆さんに知っていただかなければならないのは選挙制度の内容です。ですから、いつまでにということをお聞きしているわけです。当然、来年は七月が予想されますけれども、もう目の前、一年前が来ております。改めて、いつまでということは言及できないでしょうか、ここで。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに来年の参議院選挙が、新たな改革が成った、格差の是正が行われたこの制度の下で実施されることが重要でありまして、そうしたことをしっかりと念頭に置きながらまとめていくべきものだと、こう考えております。その上において指示をしたところでございます。

○足立信也君 なかなかいつまでということはお答えいただけないので、その内容についてもうちょっとお聞きしたいと思います。昨年の十一月二十六日の最高裁の判決は、これ違憲状態ということでございます。投票価値の不均衡は著しい不平等状態だったと、ただ、国会の裁量権の限界を超えるものとは言えないということで違憲状態となったわけです。あわせて、判決理由の中で、都道府県を単位として定数を設定する現行の方式を改めるなど速やかに立法的措置をとる必要があると、このように書かれているわけです。最高裁砂川判決を私は無理やりに援用しているような気がしますが、それよりも、総理はやはり最高裁は憲法の番人であるということは認められている。そんな中で、その最高裁が直接指摘している参議院選挙制度の立法の方が私ははるかに喫緊の課題だと思っておりますので、その選挙制度改革、指示された内容について、これは国会の裁量権の限界を超えないというのは前の四増四減の立法から九か月後の選挙でしたから、しかしそのままいけば三年九か月もうたつわけでございます。ですから、次の初めて十八歳、十九歳の方が選挙権を得る参議院選挙が違憲無効と、このままいけばそういうふうに判決される可能性もやっぱり高いわけですね。この前参考人の方にお聞きしたところ、やはり若者は政治不信というよりもこれは与えられたチャンスだと捉えている、だから前向きにしっかり勉強したい、そういう気持ちの若者が多いわけです。その初めての選挙が違憲無効というふうになったら一体どういう気持ちになるかと、政治不信 はますます募ると私は思います。そこで、総理が自民党に指示した内容というのは、この最高裁の判決理由に沿うような内容で取りまとめをしてくれと、そう指示されたんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、この十八歳の選挙権が新たに付与されるわけでございますから、その皆さんがやはり初めて参加する国政選挙、参議院選挙になるわけでありますから、当然そうしたことも念頭に置きながら、最高裁から今おっしゃられたような違憲無効と言われているという、この状態から脱却をしなければならないのは当然のことであります。そのためのこれは定数の是正でありまして、何のためにこの定数の是正を行うといえば、当然、これは最高裁からそういう意見が出されている、判決が出されているわけでありますから、そうした判決に堪え得るものでなければならないと、こう考えております。ちなみに、参議院における一票の格差については、参議院が発足をした時点では二・六二倍であったわけでありますが、その後間もなく三倍を超えました。そして、近年は五倍程度で推移をしてきたところでございます。いずれにせよ、選挙制度改革は議会政治の根幹に関わる重要な課題であることから、地域代表的な性格などの参議院特有の事情も含め、各党各会派により建設的な議論が進められ、早期に結論を出すことによって、政治の責任を果たし、国民の負託にしっかりと応えていかなければならない。大切なことは、来年の選挙、参議院選挙がしっかりとこの新たな定数是正がなされた制度の下で行われることであろうと、このように思います。

○足立信也君 ストレートな物言いではありませんけれども、我々民主党も野党第一党として、これ、業を煮やしてという言い方は正しいかどうか分かりませんが、先週から幹事長会談を申し入れて、しっかり我々の責任においてまとめていこうということを提案しております。金曜日は自民党の党内の手続があってなかなか参加できないということでしたが、今日からセットされるようでございますので、各党挙げてしっかり来年に向けて取組をしたいと、そのように思います。それでは、資料の一をお願いします。決算についてです。(資料提示)過去五年間の推移を示しました。トータルの額は百兆円というのはほとんど皆さん認識で余り変化はございません。一番上の社会保障関係費ですが、この歳出、国の歳出ですから、五年間で五千億円増えております。年平均一千億円です。ここでお聞きしたいのは、総理はいろんな委員会等で、社会保障費が毎年一兆円ずつ増えるんだと、そういう発言をされております。私、常識的には、社会保障費の中で国費、歳出が占めるのは大体四分の一、二四、五%と、これ常識的なところですが、これで見ても年間一千億円しか増えていないんですね。それに対して、また財政審で今後五年間で一兆五千億円削減という話が出ております。小泉政権時代に社会保障費を毎年二千二百億円削減すると、それで医療崩壊や介護難民が生まれたことは皆さんもう御存じのとおりでございます。そこでお聞きしたいのは、総理が度々発言される社会保障費が毎年一兆円ずつあるいはそれ以上増えるんだという根拠を示していただきたいと思 います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障費が毎年一兆円ずつ増えるとの御指摘は、近年、初予算の概算要求において、高齢化等に伴ういわゆる自然増が一兆円前後となっていることを指しているものと考えられます。一方、社会保障関係費の決算額については、平成二十一年度から二十五年度までの五年度分を見ると約五千億円増となっています。これが年平均約一千三百億円増ということになるわけでありまして、今御指摘をいただきましたが、この背景には、平成二十一年度は、リーマン・ショック後の経済状況に対応するため、緊急雇用対策や地域医療、介護拠点整備など、補正予算における社会保障関係費が大幅に増加をしました。約四兆円であります。補正後の予算額や決算額が増加した結果、二十五年度との差額が相対的に小さくなるといった状況があると承知をしております。いずれにいたしましても、給付と負担のバランスの取れた持続可能な社会保障制度としていくため、制度の不断の見直しを進めるとともに、必要な社会保障給付を確実に行っていくことが重要ではないかと思います。

○足立信也君 やはり、冒頭総理おっしゃられたように、当初予算の概算要求でという話なんですね。決算上で見ると、この五年間、ほぼ安定して毎年一千億円程度の伸びなんですね、国費としては。ちょっと単年度で比較します。二十一年度、二十四年度は政権交代がありましたから、これは省きます。二十二年度の終わりには東日本大震災があって予備費を大量に使わせていただきましたので、そこも省くと。二十三年、二十五年、民主党・国民新党政権と自公政権で、ここを比較しますと、減額されたのは、二十三年度と二十五年度です、社会保障関係費がマイナス五千億円、それから地方交付税交付金がマイナス一兆六千億円、そして中小企業対策費がマイナス一兆六千億円です。それに対して増額されたのは、二十三年度と二十五年度ですけれども、文教及び科学振興費が一千億円、ほぼ同じ、国債費がプラス一兆六千億円、公共事業関係費がプラス二兆円という。私は政権の特徴が非常によく出ていると思います。私は大分なんですけれども、東九州自動車道がこの三月に県内全線開通しました。民主党政権時代、今までに比べて三倍近く予算を付けました。そして、一気に工事が進んだと私は思っています。この道路を利用して、今、大分県の佐伯や蒲江では宮崎の方が水産物を求めて多くいらっしゃる。それから、大分、宮崎は東九州メディカルバレー構想で非常によく連携をしています。なぜそれができたかというと、やっぱり選択と集中という考え方なんですね。全国一律にという今の姿勢では、やっぱり人手不足、先ほど総理言及していました、人手不足あるいは資材高騰というものに耐えられない。選択と集中が大事だと私は思っております。実は、ところで、社会保障費は五年間で五千億円増加しましたが、その中で五年間でちょうど五千百億円増えているのは生活保護費です。相対的貧困率の高さあるいは格差拡大、これをある意味物語っていると私は思います。そのことにつきましては後でまた質問いたします。次は、学校給食の食材についてです。有権者から私聞かれました。学校給食の素材の原産地を学校に聞いたんだけれども、分からないと言われた。これ、五年間で、今のデータですと、文教及び科学振興費はほぼ同額なんですが、義務教育費国庫負担は千三百億円、文教施設費は八百億円減額されています。給食なんですけど、今や、しっかり調理されたものを食べるというのは一日に一回になってしまったかもしれない。私は学校給食というのは極めて大事だと思っているんですが、給食の食材のうち、国産でないものの割合というのはどれぐらいなんでしょうか。

○国務大臣(下村博文君) 学校給食用の食品については、文部科学省告示である学校給食衛生管理基準におきまして、原材料が明らかでない食品は使用せず、また可能な限り使用原材料の原産国についての記述がある食品を選定することにしております。国産品がどれぐらいあるかということについては承知しておりません。

○足立信也君 ちょっと残念ですけど、資料の五を御覧ください。お配りしている紙です。サンプル調査ではありますが、国産食材の活用状況は全国平均七七%です。二三%が……(発言する者あり)分かっているんです、外国産ということです。残念ながら、国産品が七割未満というのが六府県あります。そこで、今原産国の話がありました。学校給食衛生管理基準、確かに、可能な限り使用原材料の原産国について記述のある食品を選定することと、そのように書かれております。確かにそうなんですが、食材購入の場としては、考えられるのは給食センター、あるいは学校給食会又はそれぞれの学校で調理されているところ、この三種があると思います。直接購入しない給食センターや学校給食会の場合、原産国は知らないんですよ。もっと言うと原産地、原産地というものは、今これから触れますが、残留農薬の件等について極めて大事だと私は思いますが。これ、外で調理される場合ですよ、学校側は原産国、原産地について知らされていないんじゃないでしょうか。どうなんでしょう。

○国務大臣(下村博文君) 食品の納入時に生産地、品質、鮮度等の情報を毎日点検し記録することとしておりまして、各学校等におきましてはこれに沿った取組がなされているものというふうに承知をしております。ただ、センターについては、これは、各学校についてはそこまで情報が行っているかどうかはその自治体によって異なるのではないかと思います。

○足立信也君 献立というのはあるんです。しかし、原産国、原産地というのは学校は知らないのがほとんどなんです。だから、父兄の方、先ほど有権者の方と言いましたが、学校に聞いても分からないと言われるんです。なぜそれが重要なのかといいますと、先ほど言いましたように、残留農薬です、やはり気になるのが。残留農薬が基準値以下であるかどうか、誰がいつ調べるんでしょう。

○国務大臣(下村博文君) 学校給食用の食品につきましては、学校給食衛生管理基準によりまして定期的に原材料及び加工食品の理化学検査を行うこととしておりまして、その検査の内容として残留農薬についても、検査機関や保健所に検査を委託したり納入業者に検査データを求めるなどの方法で対応している例もあるというふうに承知しております。

○足立信也君 今おっしゃったように、教育委員会が委託して、定期的に原材料及び加工品について微生物検査、理化学検査を行うことになっているんです。私、友人の学校給食調理員の方に聞きました、やっているんですかと。そうしたら、予算がないみたいでやっているのを見たことないですと言うんです。やっぱりそういうことで、私言いましたが、今、本当に一日一回かもしれない、しっかり調理されたものを食べる機会は。ですから、申し上げたいのは、これはやっぱり抜き打ち検査も含めて検査すべきだと思うし、少なくとも原産国だけではなくて原産地も含めて学校にはお知らせするような形になっていないと、やはり保護者の方は私は不安だと思います。その点、要望しておきたいと思います。多分、お答えは前向きには恐らく無理だと思いますので、次に移ります。資料の二をお願いします。医療費の動向ということで、推移を示しました。まず、下の段の老人医療費です。これは、二〇〇八年から七十五歳以上になっているので、そこから後が参考になると思います。ほぼ一定の伸びだというのがお分かりだと思います。二〇一〇年の我々の政権のときの診療報酬改定で、私、政務官でしたけれども、七十五歳以上のみに着目した診療報酬十七項目を全部削除しました。特に、うば捨て山と言われた後期高齢者終末期相談支援料及び加算、これを廃止しました。しかし、伸びはむしろ低下をして、二〇一三年度は十四兆二千億円ですけど、その二〇一〇年の前後で伸びはむしろやっぱり低下しているんです。この件については激しく我々も当時導入に抵抗しましたけれども、その理由は、資料六をお配りしているのでちょっと御覧いただきたいと思います、手元ですね。これは、高齢者のみ終末期に高額の医療費が掛かるというある意味偏見があったと思っているんです。これ二〇〇五年のデータです。終末、終わり一か月で医療費が伸びるのは一桁代と十代なんです。これはもう二〇〇五年、分かっていることで、これは今野先生のデータですけど、なので、私たちは、後期高齢者に絞って終末期の相談料というものは間違っているということを申し上げたわけです。じゃ、全体の医療費、またこの二に戻りますが、二〇一〇年、十年ぶりの診療報酬プラス改定をしましたが、これは御覧になってお分かりだと思いますけれども、医療費の伸びはむしろ少なくなっているんです。下の表の下から二番目です。少なくなっているんです。理由は、診療報酬というのは医療行為の単価です。それに数が加わって、その総和が医療費になる。ある行為を高く評価して、そしてそれを受ける人が少なくなってきたら医療費は増えないんです。そういうのが私は診療報酬改定の本質だと思っています。そこで、ずっとマイナス改定が続いてきましたが、そのマイナス改定を行った次の年を御覧いただきたいと思います。三角印がマイナス改定です。二〇〇〇年から二〇〇一年、マイナス改定した次の年は五%も増えている。二〇〇二年から二〇〇三年は二・四%、二〇〇四年から二〇〇五年は一・四%、二〇〇六年から二〇〇七年は三・〇%、二〇〇八年から二〇〇九年には一・四%増えている。平均二・六四%です。これは、単価を下げられたからその次の年は数で稼ごうというふうになってくるんです。ところが、プラス改定をした二〇一〇年―二〇一一年は、むしろマイナス〇・八%と下がっているんです。そして、二〇一二年―二〇一三年はプラス〇・六%、平均すると〇・一%の減少になるんです。これは、やはり診療報酬で質を変えることによってそれを受ける方々の数が大幅に変わってくるということが診療報酬改定の本道なんです。ですから、プラス改定した後、むしろ伸びが低下しているということなんです。政権交代、我々の政権になる前によく言われました。診療報酬改定は財務省の資料で医師等の給与等と書いてあるんです。でも、今、医療機関で人件費が五割になったらもう危ないです。それ以下にする。しかも、その半分は看護師さん、そしてさらに残りの半分がやっと医師なんです。全体でいくと八分の一、それを医師等の給与等と書いていることに大きなミスリードがある。それを変えさせました、我々の政権のとき。でも、最近また同じような表現を使っている。そこで、総理にお聞きしたいのは、今診療報酬改定とはどういうものかという話を私なりにさせていただきましたが、これは断固マイナス改定をするというふうに今年も言われているところもありますが、そうすると、次の年にまた数で稼がないと病院がもたないというふうに行動に出るんですね。その診療報酬改定と医療費の関連の意義、これを総理はどう捉えているか、よろしくお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 近年の医療費の伸びは大体年二%から四%前後と、こうなっておりますが、これはもちろん、診療報酬改定だけではなくて、今委員が御指摘になったように、高齢化あるいはまた高度化等の要因によると考えています。いずれにいたしましても、平成二十八年度の診療報酬改定の在り方については、これは物価や賃金の動向や医療機関の経営状況、保険料等の国民負担の在り方などを踏まえながら、平成二十八年度予算編成の過程において検討をしていきたいと、このように思いますが、今委員がおっしゃったように、診療報酬を改定していく中において、確かに、先ほどもちょっと申し上げましたが、高齢化 していく中において、母数の多い集団に対する診療報酬とそうでない診療報酬、それはパーセンテージでは高くなったとしても、総額では当然様々なそれぞれの母数が違ってくればそれぞれの結果が出てくると、こういうことではあろうと思います。そうしたことを総合的にこれは勘案しながら進めていきたいと思っております。

○足立信也君 まあ、そこまでの答弁しか得られないと思いますので、ちょっと簡単にまとめて言いますね。高齢者特有の診療報酬というものは、それをなくしても伸びはむしろ鈍化している。そして、診療報酬という医療行為の評価を高めたら、その後の医療費はほとんど伸びない、あるいは低下している年もあるということなんです。ですから、診療報酬をプラス幾らマイナス幾らというのがそのまま医療費に連動して結果が出るわけではないということなんです。診療報酬は、医療行為をどういう質の変換を図るかということが一番大事なことだということを申し上げておきます。次に、資料三、お願いします。その中で、日本の社会保障の中で根幹を占めている社会保険ということについて申し上げたいんですが、グラフで御案内のように、消費税と併せて社会保険というのは物すごく逆進性が高いんですね。これ直接税、所得税、住民税等々を示すわけですが、これは年収、収入に応じて増えていっています。しかし、社会保険料というのは、一番上のグラフですけど、極めて逆進性が高い、低所得者につらいシステムなんです。それは、収入に上限があって、それ以上は、社会保険である以上頭打ちになってしまうからなんですね。健康保険でいいますと、被用者健康保険は、リスクの分散である本来の保険とほかの保険制度への拠出である再分配、これがもう半々なんです。この前のデータですと、組合健保は四四%、協会けんぽは四三・五%、既にほかの医療制度への拠出なんです。これが果たして社会保険の本来の姿なのかということです。特に中小企業にとっては 社会保険料が最大の負担です。そして、雇用抑制や非正規化への要因にもなっている。これは中小企業の方々、そのようにおっしゃっています。そもそも、事業主がほかの保険制度のために拠出するのは私はおかしいとある意味思います。それと、財政を健全化させなければいけない、これはもう当然です。名目三%、実質二%成長しても、二〇二〇年には九・四兆円の基礎的財政収支の赤字になります。歳出削減、抑制ということを今盛んにおっしゃっていますが、私は、これはそれだけでは足りない、やはり税収増というのを図らなきゃいけないと思っています。そこで、私個人の考え方になりますけど、社会保障制度の持続可能性を確保するためには、やはりリスクの分散である社会保険の部分と再分配機能、これは、本来税が持つべき再分配機能のところはやはり切り離さないと、社会保険料に頼れば頼るほど逆進性が強くなるということなんです。これでは持続可能性は私は極めて低くなると思います。このことは、この前、厚生労働委員会で総理にお聞きしましたが、それは高齢者医療への拠出の話にちょっととどまってしまいましたけど、これからの健康保険の持続可能性、あるいは全体でいうと、社会保障の持続可能性を考えると、従来の保険部分というものと再分配のところ、これは切り分けないと私は持続可能性が保てないんじゃないかと思うんですが、その点のお考え、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、厚労委員会で御質問をいただいたのは高齢者医療に特化した御質問だったと思いますが、今回は全体の仕組みとして医療費の負担をどのような割合で行っていくかと。保険は、これはリスクの分散であり、そして税は再分配機能であるから、それはそれぞれで考えるべきではないかという御指摘だろうと思いますが、これは考え方でもございますが、医療保険制度については制度が分立をしているわけでありますが、分立していく中において、給付と負担のバランスが取れた現在の仕組みとして世界に冠たる国民皆保険を維持をしていると思います。その皆保険を次の世代に引き渡していきたいと思います。先般議論になりましたのは、言わば後期高齢者に対する負担の在り方において、これは、保険の中において現役世代から後期高齢者に、言わば現役世代が負担して保険の中でそちらに回していくという考え方はどうなのかという御指摘だったと思いますが、これは、そうしたことを行っていく上において世代間の言わば助け合い、言わば社会連帯の精神に基づいて、四割を現役世代、そして五割は税金から、そして一割はこの後期高齢者でいえば高齢者の保険料で賄っているという、こういう負担の在り方で国民の皆様に説明をさせていただいているわけでございますが、私どもといたしましても、例えば、では、それで割り切っていくということになりますと、新たな公費、言わば税の財源が必要になってくるという大きな課題もあるわけでありまして、そこをどう考えるかということもあるんだろうと、こう思うわけでございまして、私は、現時点においては、言わばこのバランス、保険料と税金、そしてまたあるいは御本人の負担、このバランスというのはある意味それぞれ御納得がいただけるバランスではないかと、このように考えております。

○足立信也君 多くの方は納得していないという現状だと思います。そこで、世代間の助け合い、言葉はきれいで、全国民がそう意識を持たなきゃいけないというのは、私そう思います。ただ、社会保険料というのは逆進性が強いということをお示ししているわけです。低所得者あるいは若者、非正規雇用の方々、その方々に負担を強いているわけです。これは持続可能性は保てないということを私は申し上げたい。新たな税というものが必要になるかもしれないという言及もありましたが、そのことも含めて覚悟して私は臨まないとこれから先は非常に厳しいと思います。その点については、私も正しいことは正しいというふうに主張していきたいと思っております。そこで、次の四、これは委員長も先ほど質問で年金の個人情報の漏れのお話をされましたが、社会保障改革プログラム法、プログラム法、これ通りましたけれども、マクロ経済スライドの見直しが明記されました。ちょっとだけ振り返りたいと思うんですが、スライド調整というものがございます。これは、現役人口の減少率と平均余命の伸びを勘案した一定率になるわけです。今は〇・九です。右側のように、今は〇・九だけれども、労働参加が進まない場合、これは今後は二・二まで、パーセントです、上昇するというふうに財政検証でも出ているわけです。これはもう二〇〇四年に百年安心ということで決まった話ですが、当時はそこまでの説明はなかったと思いますが、このように増えていく。そこで、これも有権者からの要望なんですが、今は賃金、物価が上昇した場合に調整率分下げる。しかしながら、上昇が不十分な場合は現状維持というか、それ以上下げることはしない、左側ですね。さらに、賃金、物価が下がった場合はそこでスライド調整を加えて更に引き下げることはしないと。こういうふうになっているわけですが、高齢の方々も、賃金、物価が下落した場合にその分年金が下がることは、これはやむなしという方が非常に多かったです。しかし、それに加えて、スライド調整、高いときは二・二%まで行くかもしれない、それを更に加えて給付を減額する、それだけは避けていただきたいという希望が非常に多く出ておりますので、この点について、塩崎大臣、よろしくお願いします。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生からお話がありましたマクロ経済スライドの見直し、これについては、民主党政権時代にも閣議決定した社会保障・税一体改革大綱で検討課題とされておって、政権交代後も社会保障制度改革国民会議報告とかあるいは社会保障改革プログラム法において検討課題として明記をされているわけでありまして、これまで与党の中でも議論を重ねてまいりました。昨年来、社会保障審議会年金部会で、年金制度改革についての議論の中で今御指摘の課題についても議論が行われて、将来世代の給付水準を確保するということがまず第一、その観点から、マクロ経済スライドによる調整が極力先送りをされないようにする工夫をどうするかと、これが重要だということで、これはおおむね皆さんに共有をされたというふうに理解をしているわけでありますが、この審議会の議論を踏まえて、現在の高齢世 代の生活の安定とともに将来世代の年金給付水準の確保も考慮をする。つまり、これはまさにマクロ経済スライドをなぜやるのかということに関わる問題であって、将来世代に極力先送りをしないスライド調整とすることが重要であるわけでありますが、同時に、今お話がありましたように、大事なことはもちろん現在の高齢世代の皆さん方の生活の安定、つまり年金がどこまで調整をされるのかということもよく考慮した上で決めなければいけないということで、デフレ下での問題を含めて、今申し上げたようなことで、将来世代と言ってみれば現役世代、両方が少しずつ我慢をするというのが元々の年金のマクロ経済スライドの発想でございますので、今申し上げたようなことをにらみながら決めていかなければいけないというふうに考えております。

○足立信也君 要望をお伝えしました。これからしっかり議論をしていきたいと思います。手元の資料の七で、甘利大臣になるかと思うんですが、ちょっと時間少なくなって申し訳ないんですけど、薬価改定、毎年やろうという話が出ていますが、これは非常に不合理な話です。政府は、成長戦略で、二〇一六年から一八年までに一・七兆円市場拡大と、このようにおっしゃっています。しかし、薬価改定、これ二回分で平均すると大体一・二兆円マイナスになる。さらに、後発医薬品の促進で五千億円マイナスになる。そして、これに、中間年にもう一回やったら更に五千億から六千億円マイナスになる。それは市場拡大一・七兆円よりも下回ってしまうということが一つ挙げられます。それから、薬価調査というのはほとんど卸の方々のボランティア的な活動が多くて、四千億円というのが掛かる、これを頻回に繰り返すと流通コスト高くなる。カバーできないですね。ということは、医薬品の安定供給ができなくなる。さらに、後発医薬品というのは先発の初上市は六割、そしてさらに七割引きという形も今妥結で出ております。これ、供給過多で後発メーカーも生き残れないと私は思います。ましてや、システム改革等で、現場の医療機関、これはシステム経費の負担だけでも相当増えていくということで、私は、毎年薬価改定というのは製薬業も卸も医療機関も全てが苦しむような気がしてならないんです。この点を考慮していただいて、三年間やってみてという御回答になるかもしれませんけれども、これはかなりリスクをはらんでいるということを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) 現状、二年に一度の薬価改定に関しては、問題点とそれから課題と、両面から指摘があることは承知をいたしております。二年ではいかぬのではないかという考え方の中に、医薬品の市場実勢価格が下落しているにもかかわらず公定価格が二年間据え置かれているということは、患者負担であるとか保険料負担あるいは公費負担に影響を与えていると。市場実勢価格を適切に反映するという観点から毎年改定をすべきだという議論が出ていると。それに対する課題としてこういう課題があるということとしては、諮問会議においてでありますが、厚労大臣からは、創薬意欲への影響があると、あるいは流通現場への影響、薬価調査、改定のコスト等について御指摘がありました。これらの課題も踏まえつつ、薬価改定の在り方について、骨太方針策定に向けて引き続き検討を進めていくということであります。それから、後発医薬品のお話、メーカーが潰れると。ただ、先発開発メーカーからは、後発品メーカー、後発品の企業の方が利益率ははるかに我々より高いという指摘があることも事実でありまして、大体、先発品メーカーの利益率の二倍ぐらい後発品のメーカーの方が高いということも事実だと思います。

○足立信也君 時間が来ましたので、総理に一言だけお願いしたいと思います。東京オリンピック、昭和三十九年、私、小学校一年生でした。鮮明に覚えております。あのときに、車椅子使用者だけではなくて、全ての身体障害者が参加できる国際スポーツ大会が初めて東京で行われたわけですね。そのときからパラリンピックと言われるようになったんです。そこで、お願いなんですが、二度目のパラリンピックになります。私は、障害者一人一人にフィットしたユニホームを是非日本は作ってもらいたいんです。大分県に在住の方で、障害者の体に本当にフィットした、服飾デザイナーの方がいらっしゃって、一つ一つ、一人一人合ったものを作る。これは、二度目のパラリンピックを迎えるからには是非日本でやってもらいたいなと、そのように思っています。二〇〇八年の大分国体、二回目のときに知事にお願いしたんですが、予算が足りなくて無理だと言われたので、是非検討をお願いしたいと思います。以上で終わりますが、ありますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘がございました。一九六四年、パラリンピックとしては初めて開催されたわけでありますが、二〇二〇年のパラリンピックは六四年のパラリンピックとは大きく姿を変えて、もっともっと全国や世界に発信できるパラリンピックに変えていきたい、そのために、様々な今委員御指摘の点も踏まえ検討をしていきたいと思っております。

○足立信也君 どうもありがとうございます。




このページのTOPに戻る




Copyright 2004 Adachi Shinya. All Rights Reserved.