国会会議録
 

平成27年4月16日- - 参議院法務委員会


○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。

 先週、予算の委嘱審査で私は宿題を二つ出しましたし、大変な矛盾があるんじゃないかということを申し上げました。今、資料が出て、配らせていただいているのが宿題の一つです。

 要するに、先週のことをもう一回繰り返しますと、収容者数は、今、三宅先生の質問にもありました、収容者数は減っている。そして、有病率は変わっていない。矯正医官も減り続けている。でも、矯正施設での医療費は国民医療費や老人医療費をはるかに凌駕する率で増え続けている。こういう現状なんですね。しかし、もう成立しました予算は、この医療費というのが六千七百万円の減額である。一体どういう手段を考えているのかというのが質問で、それに対して宿題があったわけで、この資料のところを申し上げますが、この薄いブルーのところが、これが施設内での医療費です。薬や医療機器の購入というのが主になると思います。それから、薄いオレンジの上の部分が外部委託といいますか、まず外部の医療機関への移送費や委託費、そして外注した検査費等々となっているわけですね。

 この前、大臣の答弁でも、高齢者が増えてきて、そして外部委託が増えてきたというようなことでおっしゃっています。なるほど、予算もそれから決算上のものも、外部委託は増えていますね。内部の方を減額していこうとしているわけですね。これはいいと思うんです。これを考えると、内部の方を減らしていこうと。具体的に矯正施設内での内部での医療費を減額させる、その手段は何ですか。

○政府参考人(小川新二君) お答えいたします。

 委員御指摘のように、内部で使用する経費の主要なものとしましては、医薬品等の矯正施設内部で使用する経費でございます。その中で薬品代が非常に大きなウエートを占めるわけでございますけれども、後発医薬品等を活用する、なるべく安い医薬品を購入するというふうなことで医療費の抑制に努めていきたいというふうに考えております。

○足立信也君 となると、今までは、これはスケールメリットというのがありまして、国立病院機構であるとか地域医療推進機構であるとか、スケールメリットを生かして安く購入しているんです。これ、全国にありますよね、矯正施設。スケールメリットを生かすのであれば、そもそも安く購入できているはずなんですよ、本来からいくとですよ。

 じゃ、今まで高過ぎたということを言っているのか。あるいは、後発医薬品、ジェネリックを増やしたいということは、現在のジェネリックの使用率と今年度の目標があるんですか。

○政府参考人(小川新二君) 数値的な目標を持っているわけではございませんけれども、極力……(発言する者あり)後発医薬品を極力購入していきたいというふうには考えておりまして、矯正施設における平成二十五年度におきまして購入した全医薬品のうち、ジェネリック医薬品の占める割合は六七・九%という数値になっております。

 矯正施設における医薬品の調達につきましては、また、商品名で調達するのではなくて薬品の一般名で競争入札を行いまして、後発医薬品の導入を含めてなるべく安い、安価な医薬品の購入を行っているところでございまして、引き続きこれを徹底してまいりたいと考えております。

○足立信也君 ジェネリックで六七・九%ってかなり高いですよ。これを増やすのは多分無理だと思います。ということは、今まで薬や医療機器を高く買っていたということだと僕は思いますよ。

 その点を指摘しておきたいんですが、大臣、今回の法律案はできるだけ施設内で対処できるようにしたいんですよね、矯正医官の数を増やしたいんですよね。なぜ予算減らすんですか。

○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員の方の前提として、被収容者数が減少に転じた十九年度以降も医療費が増加傾向にあるということで、その原因につきまして、今外部と内部ということの中で、外部につきましては、前回も高齢受刑者の数、あるいは矯正医官の不足によりまして施設内の診療が弱体化をしていると、こういうことが外部医療費の増加ということで回答したところでございます。

 また、ウイルス肝炎とか統合失調症等の患者の数というのも増加をしているということでありまして、そこも医療費増加の原因の一つになっているというふうに考えているところでございます。

 外部医療費につきましては、外部医療機関との調整ということでございますので、費用についてできるだけ抑制をしてまいりたいと思いますし、また矯正医官の欠員の解消を今回お願いしているところでございますが、それに伴って施設内の診療の強化を図ってまいりたいというふうに思っております。

 先ほどの御指摘になりましたジェネリックの使用ということについても、更に積極的に取り組んでいくということでございまして、この削減に向けましての努力につきましては全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。(発言する者あり)

○足立信也君 質問に答えていないというのは、まさにそのとおりなんですね。

 ジェネリックはこれ以上恐らく無理でしょうというのがまず一点あった後で、矯正医官を増やして施設内でやりたいということは、薬、医療機器を今までよりも使うということですよ。なのに、どうして予算が減額できるんですかと。どうやって減額、なぜ減額するんですかということを聞いているんです。

○政府参考人(小川新二君) 委員の御指摘の予算の減額というのは、平成二十七年度予算におきまして約七千万円、医療費が減額になったという点だというふうに承知しております。

 これにつきましては、基本的に被収容者の数が減少しているという状況がありまして、それによって矯正収容費の中での医療費が減額する要因もございますので、それがそのほかの増加の要因を上回ったことによりまして、平成二十七年度におきましてはその程度の予算の減額になったということでございます。

○足立信也君 収容者数は減り続けているけれども医療費が一般よりもはるかに増えていますよと言っているじゃないですか、ずっと。これが物すごく減るから医療費は削減できると今言っているわけですね。無理がありますよ。まあ、これ予算成立しましたので、実際にそのように取り組まなきゃいけないんですよ、行政としては。先週の議論では、それは無理ですよと言っているんだけれども、どうやってやるかという手段も示されなかったので、今日、もう予算成立した後ですから、これしっかり取り組んでくださいよ。できるとは僕は思えませんが、取り組んでください。

 そこで、質問の内容で、先週も紹介したんですが、「塀の中の患者様」という、僕これ、著者のお名前、この前、私は大分で隣の日向藩で、てっきりヒュウガだと思ったらヒナタさんでしたので、まず訂正しておきたいと、そういうことを申し上げて。

 ところで、先ほど三宅議員の質問にもありました、矯正医官の定員を、そうはいいながら、二十六年、昨年度は定員減らしていますよね。この説明してください。

○政府参考人(小川新二君) 御指摘のとおり、平成二十六年度におきましては矯正医官の定員が五人削減となっておりまして、それによりまして全体の矯正医官の定員が三百二十七人となっております。

 具体的には、少年鑑別所の矯正医官の定員が削減となったものでございます。少年鑑別所の職員定員につきましては、行政需要の変化に対応しためり張りある定員配置を実現するという観点から、平成二十二年度から平成二十六年度までの五年間に平成二十一年度末定員の一〇%以上を合理化するという国家公務員全体の定員管理の方針に沿って、平成二十六年度には十五人を合理化するということとされていたところでございます。

 少年鑑別所におきましては、比較的健康な若者を収容しているということ、またその収容期間も比較的短いということ、また迅速な医療上の対応を必要とする在所者の数が必ずしも多くはないという状況にありましたことから、非常勤医師の確保の状況であるとか、他の矯正施設で勤務する矯正医官や外部医療機関の医師による支援体制整備等の状況を勘案した上で、少年鑑別所の医療の低下を招かないように配慮しながら、少年鑑別所の医師の定員を削減することとしたものでございます。

○足立信也君 理由はよく分かりますが、今回こういう法案出しているわけですから、矯正医官を増やす努力をした後で、充足率が上がってきて、でもこれ以上はもう充足できない、そこで定員削減というのが筋じゃないかなと僕は思いますね。充足率は、この前出した私の資料で、どんどんどんどん下がり続けていて、これ定員が前のままだったらこの充足率七七・一%ってもっと下がっているはずなんですね。そこにある意味理由があるのかなという気がしないでもないです。

 法案の中身に行きますけど、まず第四条の、先ほども出ておりましたが、矯正医官の正規の勤務時間というのをまず教えてください。

○政府参考人(小川新二君) 本法案第四条の正規の勤務時間といいますのは、一般職の職員の勤務時間及び休暇に関する法律という法律がございまして、その十三条一項に規定する正規の勤務時間のことでございます。

 具体的に申し上げますと、矯正医官の勤務時間は、現在その勤務の法律に基づきまして一週間当たり三十八時間四十五分とされておりまして、月曜日から金曜日までの五日間におきまして、一日につき七時間四十五分の勤務時間が割り振られるものとされておりまして、通常、午前八時三十分から午後五時までの間で休憩時間を除いた七時間四十五分が勤務時間として割り振られております。

 また、本法案の施行後におきましても原則として同様に割り振られるわけでございますけれども、本法案第五条のフレックスタイム制の適用がある場合には、矯正医官から申告を経て、四週間ごとの期間につき矯正医官の勤務時間を割り振ることができることとなりますけれども、これも正規の勤務時間ということになります。この場合、人事院規則が定める基準の範囲内で矯正医官の申告を考慮しまして、四週間当たり百五十五時間の勤務時間が割り振られることとなります。

 以上でございます。

○足立信也君 そこでこの日向先生の話なんですが、彼が福島刑務所に勤めていた時代に、こういうふうに書かれているんです。週三日勤務、年収約一千万円、残り二日は他施設での研修という扱いで週五日勤務ができる、非常にいいんです、皆さん来てくださいと。これは今は違うということですか。

○政府参考人(小川新二君) 勤務時間としましては、先ほど申し上げましたように一週間当たり三十八時間四十五分ということでございます。その間で、例えばほかの病院とかあるいは大学の医局等で調査研究に当たるというふうなことはあろうかと思いますし、施設外で勤務をするということはあり得ることでございますけれども、勤務時間としてはあくまで一週間当たり三十八時間四十五分ということでございます。

○足立信也君 ということは、さっき私読み上げましたよね、質問取りに来た人はもう少し違う答えをしましたが、週三日勤務、年収約一千万、残り二日は他施設での研修が可能と。これは、今でもオーケーなんですか、今は駄目なんですかと聞いたんです。

○政府参考人(小川新二君) 研修として要件を満たすものであれば当然可能なわけでございますので、現在でも可能でございます。

○足立信也君 兼業を可能にすることとフレックスタイムが売りだと言っていて、今と変わらないじゃないですか。週三日勤務で週二日外で研修、今でも可能だと。どういうことなのかなと、不思議でしようがないですね。

 じゃ、説明資料で、民間と比較して硬直的な勤務時間管理になっていると。今の説明でどこが硬直的なのかちょっと分かりませんが、そういうふうに説明されました、硬直的な勤務時間管理なんだと。でも、さっきの日向先生はこういうことも言っているんです。刑務所との交渉次第では、午前中に刑務所勤務、午後に他施設研修も可能であると。

 これ、どこが硬直的なんですかね。説明できますか。

○政府参考人(小川新二君) 三十八時間四十五分の時間の中でありましても、研修として意味があることにつきましては外部機関等におきまして研修を受けることは可能ではございますけれども、やはり研修と言う以上は、研修指導者であるとかあるいは研修場所、あるいは研修時間等につきましても厳格な勤務管理が求められるところでございまして、そういった要件を満たすことは必要でございます。

 従来の矯正医官が行っている研修につきましてはそういった管理が十分でなかったという実情もございまして、これにつきまして改善も図ってきたところでございまして、そういった意味で、そういった厳格な要件のある研修につきましては現在でも可能でございますけれども、なかなかそれらの実施が困難になっているという実情がございます。

○足立信也君 余り彼に責任を負わせるわけにはいかないので。

 じゃ、お聞きしますけれども、施設内と施設外の労働時間というのはきちんと分かっているんですか。週平均労働時間というのは何時間なんでしょう、施設内と施設外で。

○政府参考人(小川新二君) 矯正医官は、先ほども申し上げましたように、正規の勤務時間としまして一週間三十八時間四十五分の勤務時間が割り振られているところでございますけれども、平成二十六年度の実績として、矯正医官につき、一週間当たり平均一時間三十六分の時間外勤務が行われています。

 また、矯正医官の中には、地域医療に貢献することなどを目的としまして、勤務時間外に外部医療機関における兼業等を行っている者もおりまして、平成二十六年度中に許可を受けて兼業した者につきましての勤務先での勤務時間を調査しましたところ、矯正医官一人につきまして一週間当たり平均三時間十四分というふうに推計されます。

 これらを合計しますと、あくまで一人当たりの単純平均でございますけれども、矯正医官は一週間当たり平均四十三時間三十五分勤務しているという計算になると承知しております。

○足立信也君 今、四十三時間三十五分ということですね。

 実は、独立行政法人の労働政策研究・研修機構、これに調査報告があります。全国の勤務医の主たる勤務先の労働時間は平均四十六・六時間、その施設ですよ。ほかの勤務先を加えると五十三・二時間、六十時間以上の勤務が約四〇%。勤務医の四割が六十時間以上働いているということなんです。

 となると、このフレックス制あるいは兼業ですね、これ立法事実として、今全部入れて四十三時間だと。全国の勤務医は六十時間以上が四割で、平均五十三時間だと。ここに立法事実があるのかなという気がします。気がするというか、そうですよね。

 もっと言うと、後で収入の話、先ほどちらっと出ましたが、申し上げたいんですが、この方々というのは、正規の勤務時間以外は、私は、夜ほかの施設で当直したり、土日も当直、日直したりしていると思いますよ。そこは把握されているんでしょうか。してないでしょうね。

○政府参考人(小川新二君) 申し訳ございません。

 矯正医官の当直、日直につきましては、今手元に資料がございませんので、今すぐお答えすることはできませんので。申し訳ございません。

○足立信也君 だろうと思いますが、分かっていても言えないのかもしれません。

 次は、だんだんむなしくなるんですけど、矯正施設の医療の在り方に関する報告書からちょっと、特に先ほどから出ていますフレックスタイム制の意味が私はよく分からないんです。

 通常業務に差し支えないようにというふうに先ほどから答弁されていますが、例えばフレックスタイムというのはいつまでに申告すればフレックスタイムで働けるのか、あるいは四週間で百五十五時間ということですが、これ通常の業務を看護師さんやほかの医療関係者は通常の時間帯で働くわけで、そこだけ医師がフレックスタイムで働いていて、いないと。これ、通常の業務にどうやって差し支えないようにできるんだろう。

 先ほど示しました報告で、今、御存じだと思いますが、勤務医は宿直の次の日、八六%以上が通常勤務をしているんですね。これはほかの職種の方々と医師がいなければ通常の業務ができないんですよね。だから、当直の後もほとんどの方が通常業務をやるんですよ。これを考えると、フレックスタイムって、医師だけがぽんとフレックスタイムですといっても、本当にほかの業務の方々、業種の方々と共同してやるチーム医療等々ができるんだろうか。

 そもそも、フレックスタイムっていつ頃までに申告すればいいんですか。もう直前でいいんですか、あるいは一か月前。

○政府参考人(小川新二君) フレックスタイム制によります勤務時間の割り振りは、既にフレックスタイム制が認められております研究職の職員等について言いますと、四週間ごとの期間が始まる日の前日から起算しまして、一週間前の日までに割り振りを行うということとされております。したがって、それ以前に申告をする必要があることになりますので、本法案におけるフレックスタイム制におきましても同様の仕組みとすることを想定しております。

○足立信也君 ということは、曜日ごとに時間を変えるとかいうことも可能なんですか。

○政府参考人(小川新二君) それも必要な場合には可能でございます。

○足立信也君 そうすると、先ほど私質問しました、ほかの業種の方々との連携とかいうのはどうなるんですか。

○政府参考人(小川新二君) 具体的な勤務の割り振りにつきましては人事院規則で定めることになりますけれども、当然、矯正施設における医療に支障を生じさせるような割り振りを認めるものではございません。具体的には、矯正施設の中での被収容者の診察・診療時間が十分に確保できますように、平日昼間の一定時間をいわゆるコアタイムとして勤務時間を割り振らなければならないとすることなどを想定しております。

 具体的には、先ほど申し上げましたように人事院規則で定めることになりますけれども、勤務時間は少なくとも一日二時間以上とするとか、かつ、この二時間につきましては午前九時から午後四時までの時間帯に割り振らなければならないという基準を定めることを想定しております。

 以上でございます。

○足立信也君 一日二時間以上はきちっといるんだと。そうすると、さっき、冒頭言っているような外の施設での研修とこれまた矛盾します。コアタイムはきちっと確保するんだということは、ほかの職種で医師がいなければなかなかやれないようなことはそのコアタイムに集中させるということをおっしゃっているんでしょうね。かなり無理がある話だと思います。

 報告書にちょっと続いて行きます。

 定年年齢の延長はしないのか。これは宮城刑務所をこの前視察に伺ったときもおっしゃっていました。定年年齢、なるほどなと思います。特に、こういう職種の方々はそうなのかなと。しかし、今回は見送られた。それはそれで私も理解できるところはありますが、その根拠、どうして見送ったのかということを、副大臣、よろしいですか。

○副大臣(葉梨康弘君) お答えします。

 それと、今の議論、矯正局長ともお話あったんですが、なかなか局長からはお話も難しいかも分からないんですが、かつて、確かにその本に書いてあるように非常にアバウトな時代というのはあったようなことを私も聞いたことはございます。ただ、今現在、矯正医療の現状において、このような形での制度を導入しないと、なかなかフレックスタイムというか外での研修というのが難しいというような意見も、また現在の矯正医官の方からも聞いているということを私からも申し上げたいと思います。

 そして、今の定年のお話ですが、六十五歳、今現在矯正医官の定年でございます。これは、新たな欠員発生の抑制、欠員補充の機会を増やす、そういう効果があるという意味で重要な提言であるというふうに私どもも考えております。ただ、一般職の国家公務員の場合、ほかの医官ですと、やはり六十五歳というのがもうマックス、リミットの定年であるということが片一方では一つ事実としてございます。

 それから、先ほど来も議論がありましたけれども、期限付職員の採用というのを、これ民間を定年退職したお医者さんを六十五歳以上であっても期限付で雇用するということも可能であるということ、これもやはり活用していったらいいんじゃないかと。さらには、今六十五歳の定年ですけれども、人事院の許可を得ますと三年間延長できる。当面、そのような現行法における措置をまずしっかり活用をしていこうという、この法案の立案段階ではそういう形の整理になったということでございます。

 ただ、やはり、しかも新しい血を入れるということも非常に大切なことでございますので、今回の法案において、兼業の緩和ですとか、あるいは今も御議論ありましたフレックスタイム制の導入というようなことで、できるだけ若いお医者さんも採用できるような、そういうような啓発もしっかり我々としてもやっていかなければいけないと思います。

 その上で、法務省として、人事院などの関係省庁とも引き続きこの定年年齢の引上げについては検討していきたいというふうに考えています。

○足立信也君 葉梨副大臣、この定年年齢の延長という総合的な結論としては、私は納得します。いろいろ、延ばすべきだ、いや、ほかとの見合いというのは、総合的に考えると私は納得できます。

 次に、もう一つ報告書であったのは、新たな手当、これは年収確保ということだろうと思いますが、新たな手当、これは取りやめられたみたいですが、であるならば、平均収入と申しますか、矯正医官の方々、これはどれぐらいなんですか。

○大臣政務官(大塚拓君) お答え申し上げます。

 矯正医官と民間医療機関の医師との給与水準は、これは格差があって、それが矯正医官不足の原因の一つになっているということは、今般の矯正施設の医療の在り方に関する報告書でも指摘をされているところでございます。

 一方で、一般職の国家公務員の給与の改定については、通常八月、人事院勧告がございまして、それに基づいて一般職給与法という俸給法を改定していくということが通例でございますので、矯正医官についてもこの八月の人事院勧告というものを目指して要望をしていくという方針で今回整理をしているところでございます。

 ちなみに、お尋ねのございました矯正医官の平均年収ということでございますけれども、国から支給された俸給及び全ての手当、勤勉手当とか期末手当、こうしたもの全てを合計すると、矯正医官一人当たり平成二十六年の平均で約千三百万円となっております。また、矯正医官の中には、地域医療への貢献などを目的として勤務時間外に外部医療機関における兼業等を行っている者もおるわけでございます。今、葉梨副大臣からもありましたけれども、最近はその運用が非常に諸事情で厳格になっておりまして勤務時間外ということが多いわけでございますけれども、この兼業に関わる収入額の推計、二十六年中のことでございますが、矯正医官一人当たり平均約百十八万円ということになっております。これらを合計すると、矯正医官一人当たりの平均年収は約千四百十八万円となるものと考えております。

○足立信也君 今の数値を皆さんがどう考えられるかということで、私は新たな手当を取りやめたのは正解だろうと思っています。ちなみに申し上げます。私も国立大学に勤めておりましたから、講師で年収七百万です。助教授で八百万です。教授で一千万です、平均が。今、一千四百万という話が出ましたね。それをどう考えられるかは参考にしていただきたいと思います。

 もう一つ、私は大学で教えていたこともあって、今は学生の四割が女性ですよね、女子学生ですね。私の同級生も少年院で矯正医官をしています。女性です。やっぱり、自分のワーク・ライフ・バランスあるいはお子さんのこと等々を考えると、さっき管理された勤務時間というような話もありましたが、私は女性にとっては比較的働きやすい、ワーク・ライフ・バランスのためにもいい職場だと実は思っています。危険じゃないかとか怖いんじゃないかとかいう話ありますが、そこはしっかり刑務官付かれているわけで、安全、安心だと思うんですね。

 そこで、上川大臣、国の責務として今回啓発が含まれていて、そして矯正医官の重要性、そこを含めてもっと働くようになってもらいたいというようなことを国が責任を持ってやるわけですが、今まで挙げてきたようなことでは、私は、さほど変わらないし職場も混乱するだろうし、余り得策はないのかなと思いながらも、もっと女性のところはしっかり取り組んでもらってもいいんじゃないかと、そのように思っているんですが、大臣の思いといいますか、そこの女性医師についてはどのように考えられているかをお答え願いたいと思いますが。

○国務大臣(上川陽子君) 国の矯正施設において女性医師の現在の割合というのも二百五十二人中四十二人ということでございまして、約一七%ということでございます。全国平均が約二割ということでありますのでそれよりは低いわけでありますが、先生御指摘のとおり、医学部に入学される方の四割が女性になっているということを考えてみましても、これから、そうした大変責務の重いわけでありますが、大きな仕事に女性がもっともっと活躍していただきたいというふうに思うところでございます。

 矯正施設の中には、男子の施設と、女性施設ということで女性刑務所がございまして、そちらにつきましては女性医師にできるだけ勤務していただきたいというふうに思うわけでございますし、また男子の施設につきましても、様々な先ほど来のお話のとおり、勤務状況を十分に勘案しながらも、女性が子育てをしている状況の中でも働くことができるように、あるいは子育て後にもまた戻っていただくことができるような環境をつくっていくというのは非常に大事なことではないかというふうに思っております。

 収容されている方が高齢になっていらっしゃる、あるいは女性の受刑者の方も増えていらっしゃる、そしてその中には妊娠していらっしゃる方もいらっしゃるというような状況でございますので、女性医師の活躍につきまして、様々な形で環境整備につきましても配慮をしていきながら、さらに女性医師のある意味ではリクルートということについては積極的に啓蒙啓発をしながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○足立信也君 これで終わりますが、基本的にこれは反対できる法案ではないと思っておりますので附帯決議しっかり付けさせていただきたいと思いますし、今日、海渡弁護士いらっしゃっていますが、これ新法で作るからには、やっぱり患者としての権利擁護とか刑事施設で医療を提供することが本当にそのままでいいのか、あるいはもっと大きな範囲で厚生労働省としっかり協力しながら、あるいはそこで診るようなことも含めて、新法でやるならばそこまで踏み込んでもらいたかったなというのが私の考えでございます。

 以上で終わります。


(平成27年4月16日参議院厚生労働委員会会議録より)


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