国会会議録
 

平成27年4月7日- - 参議院法務委員会


○委員長(魚住裕一郎君) 去る三月三十日、予算委員会から、四月七日の一日間、平成二十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 裁判所及び法務省関係予算につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○足立信也君 皆さん、おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 私、十年間、厚生労働委員会に属しておりましたので、なかなか予算も、厚生労働省としては三十兆、二桁違う額の予算の審議ということです。上川大臣も初代の少子化対策・男女共同参画担当大臣と、それから衆議院の厚生労働委員長をやられておりましたので、二桁違いますけれども、私の地元の大分から見ると県の予算よりも多い額でございますので、それはしっかり見ていかなきゃいけないと、そのように思います。ただ、十年間、対決委員会におりましたので、ちょっとこの法務委員会と雰囲気が、トーンが違うかもしれませんけれども、しっかり是々非々で臨みたいと思います。
 資料をお配りいたしました。
 私、いろんな雑誌読んでおりましたり、あるいはかなり売れている本「塀の中の患者様」というのがありますけれども、日向正光医師の投稿とか見ていましても、矯正施設の医療費の伸びというのが極めて大きな問題になっている。赤の線で示しました。矯正施設の収容者数、これは棒グラフです。それから、医療費は今申しました赤の折れ線グラフですね。で、総罹患率。これ、いずれも法務省のデータです。まさに、この収容者数の推移から見ても医療費の伸びぶりというのが一目瞭然、一体何が起きているんだろうということだろうと思います。
 まず、この医療費、これは法務省の予算のどの部分に歳出として書かれているのか、どういう整理をされているのかと、そのことについてまずお聞きしたいと思います。

○政府参考人(小川新二君) お答えいたします。
 平成二十七年度予算案における矯正施設の医療費につきましては、予算書の組織の欄で申し上げますと、矯正官署の下の項の欄の矯正管理業務費及び矯正収容費に含まれております。
 矯正管理業務費の中には、矯正医官が出席する協議会等の旅費であるとか、矯正医官の広報に要する経費等が計上されております。他方、被収容者に係る経費につきましては矯正収容費の中に計上されておりまして、具体的には、被収容者の薬剤等の医療衛生資材費、外部医療機関での通院、入院費等が含まれております。
 以上でございます。

○足立信也君 私も予算書を見ておりましたんですが、なかなか分かりづらい。私、普通の感覚で考えると、矯正施設の医療費となると、それはもう医療において掛かった医療の代金なのかなと、そういうように普通考えますけれども、そこで、教えてほしいのは、今の説明ですと、この医療費というのは人件費や外部医療機関への依頼というのがメーンとなっているわけですが、この受けた医療の代金というような感覚はこの医療費の中には入っていないんですか、その施設で。

○政府参考人(小川新二君) 先ほどお答えしましたように、医療に要する実際の医療費等につきましては、基本的に矯正収容費の中に盛り込まれております。

○足立信也君 今おっしゃったのは、検査の機器であるとか、そういうことをおっしゃいましたよね。僕が言っているのは、普通、我々一般国民が医療費というと、かかったときの代金という感覚ですよね。ということは、行為そのものについての代金というのはこの予算の中には入っていないということなんですね。

○政府参考人(小川新二君) 矯正施設の中で医官等が治療等を行った場合には特段医療費は掛かりませんので、それは含まれておりません。ただ、外部の病院等に移送しまして診察を受けるというふうな場合には、外部病院に対して報酬を支払う必要がありますので、それは医療費の中に含まれております。それから、お薬代だとか、それから衛生資材等を購入してこれを被収容者に使わせる必要もありますので、こういったものも矯正収容費の中に含まれております。

○足立信也君 そこで、この資料一になるんですけど、どれだけ高騰ぶりが激しいかということの説明なんですが、二十四年度は五十三億五千万円です。前年度比の伸び率は七・六六%です。二十五年度は五十七億六千万円、前年度に比べて五・四四%も伸びているんですね。御案内だと思いますが、国民医療費の伸びというのは、二十四年度は同じ年度で比較しますと一・六%です。それから、二十五年度は二・二%です。はるかに高く伸びているということなんですね。
 そこで、今二十六年度は終わったばかりですから、なかなかトータルの額は出ていないかと思いますが、その二十六年度の医療費の推計があればいいんですけど、それと来年度予算ですね、これで医療費をこのトレンドから考えてどのように提出されているんでしょうか。

○政府参考人(小川新二君) まず、二十六年度につきまして、予算額で申し上げますと五十九億三千万円でございます。二十五年度と比べますと対前年一億七千百万円の増加ということでございます。また、二十七年度の予算案でございますけれども、五十八億六千三百万円でございまして、二十六年度と比較しますと対前年六千七百万円の減となっております。
 以上でございます。

○足立信也君 そこで、今申し上げたように、二十四年度、二十五年度、七・六六、五・四四、それから二十六年度も相当額伸びていますよね。そこで、二十七年度の予算は六千七百万円の減額なんですね。一体その根拠がどこにあって、何を変えるからこの医療費は今までのトレンドに全く逆に相当削減されるというふうに考えられているんでしょうか。この一年間の、一体何を変えて、そしてその根拠ですね、これがこう変わるからこれだけ減るという根拠はどこにあるんでしょうか。

○政府参考人(小川新二君) 矯正施設の医療費につきましては、年々増加していく一方、変動もあるわけでございますけれども、まず増加する要因としましては、矯正施設での被収容者、数は減っているわけでございますけれども、高齢化等も進んでおりまして、個々の患者がたくさんの複数の病気を持っているということで、医薬品等の経費が増えるという要因がございます。
 また、矯正医官が不足しておる状況がございまして、そのために、外部医療機関に通院とか入院させる必要も増えておりますので、そういった診察経費の増加ということもございますし、また医療の外部委託もだんだん増加しておりますので、こういった増加要因もございます。
 逆に、矯正施設の収容人員は御承知のように減少しておりますので、そういった減少要因もございますので、そういった要因で変動しているというふうに理解しております。

○足立信也君 変動しているのは誰でも考えたら分かることで、でも、今までずっと毎年毎年増えてきているのに、このトレンドがある中で七千万円弱減るというのは、何かを変えないとそれは無理ですよ。一体その根拠はどこにあるんですかと聞いているんです。

○政府参考人(小川新二君) 二十七年度の予算案におきましては、医療費六千七百万円の減となったわけでございますけれども、減額の理由としましては、医師の欠員に伴う医療の民間委託経費等の増加要因、あるいは被収容者の高齢化による医薬品等の経費の増加要因というのが片や存する一方、収容人員の減少に伴う患者数の減少という医療費の減少要因がありまして、この収容人員の減少等に伴う医療費の減少の程度が増加要因による影響を上回ったことにあるというふうに考えております。
 以上でございます。

○足立信也君 先ほど私、名前出しました福島刑務所に勤務経験のある日向先生のお話なんですが、やっぱり民間医療機関への外部委託、これが大きい要素だと。先ほど医療費増加の要因として挙げられましたね、高齢化と外部委託だと。これは増えますと言っていて、それより以上に収容者数が減りますから医療費は下がると、そういう考え方なんですか。収容者数がどんどん更にこれよりも減っていくという考えなんですか。

○政府参考人(小川新二君) これからの収容者数の動向につきましては、予断を許さないところがございますので、これから減り続けると予測しているわけではございませんけれども、二十七年度におきましては減少という状況が影響しまして、若干医療費が減っているというふうに理解をしております。

○足立信也君 理解されるのは勝手ですけれども、説明の根拠にはなっていないと思うんですね。
 今、高齢化のことをまず第一に挙げましたが、先ほど申し上げたように、矯正施設の医療費七・六六、それから五・四四と伸びていますが、これ、国全体の高齢者医療費、高齢者に絞った高齢者医療費の伸びはどれぐらいかというと、二十四年度は三%で、二十五年度は三・七%です。倍ぐらい増えているんですよ、矯正施設の方が。これも一体何なんだろうと思います。
 今、そういうふうに計算しているというふうに言いましたが、根拠としては極めて乏しいということを申し上げて、じゃ、その原因分析、どうして世の中の傾向と懸け離れたようにこの矯正施設の医療費が増え続けているのかという、ちょっと原因分析をしたいと思うんです、私なりに。それがないと、どうやったら七千万円も減らすことができるという根拠にはならないと思うんですよ。収容者数が減るだろうと、そんなことで根拠と言われても、それは予測であって予想であって、根拠じゃないですよ、そんなものは。
 そこで、資料一に出ているんですが、これ、総罹患率というのを最近取り始めたようですけれども、そこ、上で出ています。二十三年度が六四・一、それから六七・二、六五・九と、ほとんど変わらないということですね。ただ、申し上げたいのは、私どもの感覚からいくと、罹患率というのはその一年に新たに発症した数なんですが、この資料は違いますよね、この総罹患率というのは。発症した数じゃないですよね。一般的に医学の分野ではちょっと使わない使われ方をしていますよね。
 この総罹患率という意味はどういう意味ですか。

○政府参考人(小川新二君) ただいま委員の御質問にありましたように、罹患率につきましては一定期間内に新たに発生した患者数の単位人口に対する割合であるというふうに理解をしております。
 矯正施設におきましては、それぞれの被収容者の疾病につきまして、いつ発症したのかという発症時期を把握することが困難でございますので、罹患率については把握をしておりません。
 矯正施設で把握をしておりますのは有病率でありまして、有病率につきましては、一時点における患者数の単位人口に対する割合というふうに理解をしております。この有病率につきましては近年六〇%台で推移しておりまして、委員が御指摘されている資料に記載されているとおりでございます。
 この点、矯正局から以前、委員に対しまして罹患率と表示した資料を提出いたしましたけれども、内容的には有病率の間違いでございますので、おわびをして訂正いたしたいと思います。

○足立信也君 資料を僕も持っているんですが、いただいたものなんですけど、これ、おっしゃるとおり有病率なんですよ。
 ここでもっと大事なことは、後の方で大臣にお聞きしますけど、有病率は変わらないんですよ。収容者数は減っているんですよ。でも医療費はそれ以上にぐっと増えているわけです。収容者数が今後、この一年はもっと減るでしょう、だから医療費は減るでしょうと言われるんですが、今の傾向からいくと、収容者数は減っていて有病率変わらないのに、医療費はどんどん増えているわけです。根拠ないじゃないですか、さっき言っているように。そういうことなんですよ。一体どこに根拠があるんですかということを、まだ答えはいただいていないので、多分そのうち大臣に聞かなきゃいけないんですが。
 そもそも、余り御存じないかもしれないのでそもそもの話になりますけど、医療費というのは。当然のことながら矯正施設の医療費というのは、これ保険診療じゃないですね、無保険でやるわけです。つまり、ストレートに言うと健康保険上は自由診療です。
 自由診療というのはどういうものかというと、これ全額国費で払われるわけですけれども、例えば交通事故もほとんどは保険外診療です、交通事故ですね。病院によって、ですから計算方法が違うわけです。私が以前勤めていたところは、交通事故の場合、レセプトで何点何点と出しますよね。これ一点二十円で計算するんです。普通の保険診療、十円ですよね。二十円で計算する。今、大分の地元の救急病院では、交通事故の場合、自賠責で一点十二円で計算する。労災の場合は一点十一・五円。当然のことながら未収金というのも存在するんですが、自由診療とはそういうものです。
 だとしたら、この矯正施設の医療費の計算方法というのはどういうふうに計算されているんでしょう。施設としては、はっきり言うと自由診療というのは病院によって違うわけですけれども、これ全国共通なのか。どういう計算をしているのか、それをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(小川新二君) 被収容者につきまして外部で医療を行ってもらった場合には、御指摘のように自由診療の扱いになるわけでございます。請求につきましては、原則として保険診療で用いられているレセプトに基づき請求されております。また、矯正施設におきましても医療費の抑制には努力をしているところでございまして、外部医療機関で被収容者を受診させる場合におきましても、診療点数が一点十円の病院を選定をして、なるべく抑制に努めているというところでございます。
 また、そのほか、医療費の中では薬剤だとか衛生資材等の費用もございます。これにつきましては、各矯正施設におきまして入札等の方法で購入調達をした上で診療を実施しているというふうに承知しております。

○足立信也君 後半部分というか、本来自由診療、今外部委託の話をされましたが、これは病院で判断されるものなんですよ。これ全国共通なんですか。保険診療と同じように一点十円という今話を、に基づいてとおっしゃいましたが、これ全国共通で一点十円という計算でやっているということですか。

○政府参考人(小川新二君) 先ほど申し上げたように、なるべく抑制には努めておりますけれども、一点十円のところを超える病院もあると承知しております。

○足立信也君 今自由診療の部分の話ですが、矯正施設に入院されていて、そして外部の医療機関に受診する必要がある、そのときに払われる税金ですね、医療費、それは一点十円が原則だけれども、それを超えるものもありますと、そういう話ですね。
 実際はどれぐらいが超えているんだということを聞きたいんですが、その前に、先ほど予算としてそんな減額というのが根拠がないと言いましたが、五十八億六千万の中でこの外部の医療機関にというのはどれぐらいの予算なんですか。

○政府参考人(小川新二君) お答えします。
 外部診療に要した診療費全体という金額は今手元に持ち合わせておりません。
 ただ、病院移送、被収容者を病院に送りまして、そこで医療を受けたことで必要になる予算につきましては手元にございまして、基本的に高額な診療費ということでございますけれども、平成二十七年度の予算案では十二億九千万円を計上してございます。

○足立信也君 十二億九千万ということは、約四十六億は施設内という話ですね、差引き。そういうことになりますね。となると、矯正施設で全額国費というか税金で医療費が払われる、それが病院によって計算の仕方が異なっているということが果たしていいのかどうか。これはかなり問題を含んでいると私は思うんです。
 実際に、今すぐには答えられないでしょうが、一点十円で保険診療と同じようにやられているところと、そうじゃないところ、もっと高い、あるいはもっと低い、むちゃな論理を言いますと、医療費がこれだけ高騰していて、それを下げなきゃいけないとなると、一点九円とか八円とか、乱暴な考え方もできるわけですよね。それを是非資料としていただきたいと思います。それは大丈夫でしょうか。

○政府参考人(小川新二君) 全国施設を調査する必要がございますけれども、時間をいただいて調査して、資料として提出したいと思います。

○足立信也君 そこで、ちょっと大臣、今までの話の中で、収容人員は減っているんです、有病率は変わらないんです。先ほど根拠の中で、老人が増えている可能性がある、増える要素としてですね。でも、老人医療費の伸びよりもはるかに高い伸びをしているんですね。外部委託が増えているといいますが、外部委託よりもはるかに施設内の方が、四十六億対十二億ですから、はるかに大きいんです。そういう状況の中でどうして減額ができるかというのはまだ明確な答えがないんですが、大臣のお考えとして、どこが変わるから二十七年度は医療費が全体として抑えられるというふうに考えられているんでしょうか。僕は、ちょっとはっきり言って分からないんです。

○国務大臣(上川陽子君) 今の医療の供給体制の現状と、供給体制というか、施設の中で医療を提供することと、それから施設の中で医療を提供することができない、あるいは医師の先生が常勤でいらっしゃらない、そうした状況の中で外部の診療所及び病院に搬送をして、そして治療を受けると。患者さんの診療科目もそれぞれの施設で整っているわけではないということでありますので、かなり遠方にも搬送していくというケースもあるというふうなこともありますし、収容人員の皆さんの高齢化が進んでいるということで、罹患している病気の種類もかなりいろいろ複数になっているというような状況もございまして、今先生から御指摘をいただいたように、各病院も、医療刑務所もございますし、それぞれの刑事施設の中での医療体制というのもありますので、少しその辺は精査をして、しっかりと対応していかなければいけないなということを改めて今先生とのやり取りの中で感じた次第でございます。
 なかなか実態が複雑でありまして、通常の診療報酬体系の中での原価計算というか、そういうものと、今実費ベースで国費で対応している、つまり自由診療というところの部分の制度の違いということもありまして、なかなか整理をしていくことが、すっきりと通常のような形で出ていないというのも実は事実でございますので、少しその辺はしっかりと精査をして、そしてまた御議論いただきたいというふうに思います。

○足立信也君 非常に、質問に対しては直接に答えるのは難しいと思うんです。というか、これやっぱり根拠がないからだと思うんです。
 前半部分で大臣が今お答えになったのは、高齢化が進んでいる、外部委託が増えている、いずれも医療費が増える方向の話をしていて、でも予算は減額なんですね。その根拠はと聞くと、私、答えられないと思います、それは。なので、私なりにもやっぱり分析をして、どんどんどんどん増えていっていいわけではないですから、その辺ははっきり原因を予測することができればそれに対する対処も可能なんだろうと思います。私も考えてみたいと思います。
 そこで、外部の医療機関に委託した場合に、これは当然のことながら刑務官が付き添いますよね。これで、入院した場合等々は交代勤務でずっと張り付かなきゃいけないですよね。そうなった場合に、付き添う刑務官の人数、通院やあるいは入院した場合は一日どれぐらいの方が付き添うんですか。

○政府参考人(小川新二君) 通院の場合でもやはり刑務官が三名、一名の被収容者につきまして刑務官が三名付き添って監視に当たるということになりますので、入院をした場合には交代要員が必要になりますから、六名必要になるという状況でございます。

○足立信也君 そうなんですね。その方々というのは、当然のことながら矯正施設内で働いている以外に急遽行かされるわけですよね。そういう方々というのは時間外割増し賃金という形で対応されるんですか。あるいは、もう急遽ですよね、元々そこに夜勤だとか決まっている人が患者さんと一緒に付添いで行くわけにいかないですよね、所内の方が今度手薄になりますから。その人たちというのは特別に割増し賃金みたいな形になるんでしょうか。そうすると人件費が相当増えるということになりますけど、そこはいかがなんですか。

○政府参考人(小川新二君) ケース・バイ・ケースのところもあるかもしれませんけれども、各矯正施設におきまして二十四時間勤務する夜勤勤務の者もおりますので、基本的には外部移送の場合にも交代制で担当させているというふうに承知しております。

○足立信也君 その方々がそれに担当して付いていくという形になるということですね。外部医療機関、これ受診の必要性が恐らく今後もそれほど変わらないと思うんですよ、今の状況から見ますと。この前、宮城刑務所も見させていただきましたけど、多分変わらないと思うんです。
 そうなると、今度、矯正医官の話になってくるんですが、資料二番目、次の委員会の質問につながると思って出させていただきました。これは、ブルーの折れ線グラフが矯正医官の定員充足率です。どんどん下がっていると、だけれども医療費は増えていると。総罹患率って、これは有病率だということを先ほどおっしゃいましたが、変わらないということで、矯正医官もどんどん減っている。
 ちょっと残りはもうあと二分ぐらいですけど、一九八三年一月に、当時厚生省の吉村さんという局長が医療費亡国論というのを出したんですね。医療費がどんどん増えていくと国が滅びてしまうという、ストレートに言うと。だから、保険診療部分はできるだけ抑えなきゃいけないし、その要因として医療者の数、あの一県一医大制ができてほんの僅かのときに、このまま増やし続けたら医療費はどんどん増えていく、だから減らしていこうということで定員削減が始まって、二〇〇〇年代の医師不足というふうになっていったわけです。
 これ、矯正医官がこれだけ減っているのになぜ医療費が増えていくのかという話なんですね。しかも、外部委託がどんどん増えているというわけではなくて、先ほどの比率からいくと、やっぱり施設内の医療費が増えていっているというところが、その亡国論の根拠、医療者が増えれば医療費は増えていくんだというのとも反するし、また先ほどの話に戻りますが、全体のトレンドからいって、働く人も減っているのにどうして医療費が増えていくんだ、どんどんどんどん外部委託が増えているわけでもないというのが、やっぱり依然として疑問が残るんですよ。説明が付かないんですね。
 矯正医官についてはこの後の議論になりますが、一つだけお聞きしたいのは、今矯正医官が一人もいないという施設、どれぐらいあるんでしょう、全国で。そこだけお聞きして、次回の委員会に回したいと思いますが、分かりますか。

○政府参考人(小川新二君) 矯正施設で医師の定員配置があって、かつ定員割れということで医師が不在という庁につきましては、刑事施設、刑務所、拘置所で九十庁のうち十九庁ございます。少年院につきましては四十九庁のうち十三庁、それから、少年鑑別所につきましては十九庁のうち二庁という状況でございます。
 以上でございます。

○足立信也君 分かりました。それでは、次回の質問にこれを回したいと思います。
 どうもありがとうございました。


(平成27年4月7日参議院厚生労働委員会会議録より)


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