国会会議録
 

平成25年5月27日- - 参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会


○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 まず、月曜日のお昼休みのこの時間、特に参議院の本会議の関係もあってこの時間になりました。理事としてちょっと多少申し訳ない気もしておりますけれども、どうかよろしくお願いします。
 そもそも、今回のこの法改正は、三月十四日、東京地裁で、成年被後見人である名児耶匠さん、これは報道で名前が出ておりますのでそのまま申し上げますが、選挙権、被選挙権を有しないのは違憲であり、無効であるという判決、この理由として、一律の選挙権剥奪はやむを得ないとは言えないということでございます。
 そこで、私が報道を始めとして拝見するに、この名児耶匠さんを拝見したときに、まず要件として、この方が成年被後見人であることの方がむしろ僕は驚きました。御案内のように、成年被後見人は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある、つまり、しっかりしているときがほとんどないという方でございますが、明らかに拝見するとそういうふうには思えない。それから、当然、それよりも軽いランクとして被保佐人、被補助人というのがあるわけですが、保佐人でも著しく不十分であると。それから、補助人は不十分である。私がその程度を考えると、名児耶さんはせいぜい被補助人かなという感じがしました。
 しかし、この報道にもありますように、お父さんが苦渋の決断と申しますか、将来の財産管理の問題、これが第一で、いろいろ考えた結果、成年被後見人になったと。ただ、その後、選挙権がないということ、御本人も非常に選挙を楽しみにされたということで、これに愕然としたと。これは何とかしなきゃいけないということではあるんですが。
 そこで、逢沢発議人にお聞きしたいんですけれども、私は、そのまず程度が成年被後見人とはちょっと違うんではないかと。しかしながら、財産管理の問題が一番大きいといういろんなことを考えたときに、選択肢はいろいろあったと思うんですね。そのいろいろある選択肢の中で、一律に選挙権、被選挙権を成年被後見人に回復する方法、この方法を選んだわけですが、この方法を選んだ理由ですね、選択肢としてそれを選んだ理由、これをお聞きしたいと思います。

○衆議院議員(逢沢一郎君) 足立先生から大変重要な点について御指摘をいただき、また御質問をいただいたわけであります。
 実は、私も足立先生と同様に、三月十四日の判決、その後、テレビを始め報道で大きく名児耶さんも画面の前に出られましたし、社会的関心を呼ぶ大きな報道になったわけであります。私も画面を通じて名児耶さんの発言ぶり、やり取りを拝見をいたしておりまして、あれっ、被後見人の方というのは、まさに先生が御指摘のように、事理弁識能力がない、つまり日常生活万般において判断をする、正しい選択をするということがもう決定的に欠けておられる、そういう方々が被後見人の立場を選択しておられるものと、非常に結果的には不勉強を自ら恥じることになったわけでありますが、そう思っておりましただけに、大変意外な感じがいたしました。こういった方は当然、選挙権行使をする能力といいますか、判断をしていただく力をお持ちだなという率直な印象を受けたのが事実でございます。
 被後見人の方々、いろんな立場の方がおられますけれども、財産の管理や処分、それに伴う契約にいささか不安や心配がある、生活万般において事理弁識能力が必ずしもないわけではないということも明らかになってきたわけであります。
 そういう問題意識からこの問題に向き合うことになったわけでありますが、さて、御指摘の、なぜ最終的に一律に選挙権を回復する選択になったのかということでありますが、自由民主党の中におきましても、また自公の中におきましても、勉強会、PT等で精力的に勉強してまいりました。諸外国は一体どういうふうにこの問題に向き合っているか、あるいは向き合ってきたか、それぞれ試行錯誤、言ってみれば現在進行形で試行錯誤しておられる、そういう様子もよく分かってまいりました。
 例えば、フランスやドイツといった国々は選挙権を行使する能力を個別に審査をする制度を確かに持っておられる。アメリカも州によってはそういう制度を持っておられるわけでありますけれども、しかし、本当に選挙権を行使するに足る能力がどのようなものであるかについて一義的に定めるということの難しさ、困難性、あるいはその手続ですよね、いかなる手続でいかなる基準によって判断をするのか。率直に裁判所あるいは法務省、関係部局ともやり取りをした。もし、そういう選択をするとすれば、相当程度の時間とエネルギーを要することになる。時間とエネルギーを要したとしても、国民万般が納得するような基準そして手続、そういうものを我々は手にすることができるだろうか。そういう問題に向き合うことになったわけであります。
 最終的には政治の判断と言ってもよろしいんだろうというふうに思いますが、そういったプロセス、経緯を経て十一号一の一を削除をするという選択に立ち至ったということを答弁をさせていただきたいと思います。御理解のほど、よろしくお願いをいたします。

○足立信也君 逢沢議員の御答弁の前半部分で、やはりこれは現状認識としてはかなり難しい、ほとんど私と問題意識を共有されているんだと思います。
 そんな中で、一言で申しますと、世界の潮流ということもありますけれども、国民の権利を一律に剥奪することはもう日本はしないということに尽きるんだと思うんです。いろいろな個別判断というのは確かに大事になってくるかもしれませんが、一律に剥奪することはやめようと、この一点で、私どもも、提案者、政党としてですね、ですから私はそういう理解で進めたいと思います。
 そこで、次からはこの障害を持たれた方にかかわる選挙の件で、私はもう倫選特はかれこれ七、八年かかわっておりますが、特に委員長時代に、都道府県選管、あるいは市の選管、政令市の選管、いろんな方から要望が毎年毎年上がってきます。これを全部整理をして優先順位を付けて、公職選挙法ですから私は閣法で変えようと思っていたんです。全体の項目を、まだ約三十ぐらいありました、そのうちABCで最優先をAにして七項目ぐらいに絞って、ここでできないかなというような計画を練って、総務省の選挙部の方でもそれは検討会がもう始まっているやに思いますが、そういうことをやっていたんですね。
 その中で、今回はその最優先七項目と私が思っているうちの障害に関連する項目について質問したいと、そのように思います。
 まず一つ目は、これ、同郷の岩屋議員にお聞きしたいんですけれども、言葉の問題です。公職選挙法には、以前は、文盲であるとか身体の故障、後で問題になりますが、身体の故障であるとか、あるいは政令には盲人というような表現があるんですね。今はほとんど使われない、そういう言葉です。ほかの法律である部分もありますけれども、今は使われない、ほとんど。
 改正法第四十八条を始めとして、今回、「身体の故障又は文盲」という言葉を「心身の故障その他の事由」というふうに改正されております。この文盲がなくなったというのは私はいいと、評価したいと思いますが、問題は心身の故障なんですね。これは、故障なのか障害なのかということの考え方によると思うんですが、私はこれは障害であろうというふうに思うんです。
 例えば、例えばといいますか、民法第七条、後見開始の審判には、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」というふうに書かれてあるわけです。これは障害ですね。これから恐らく憲法の話も出てくるかと思いますが、裁判官の心身の故障というのは、以前は裁判官として適格であると認められた方が何らかの事由で変わったという意味合いが故障だと私は思うんです。それに対して障害というのは、時期を問わず、あるいは生まれたときからという感じも全部含まれていると思うんですね。
 と考えれば、私は心身の故障よりも心身の障害の方がよりふさわしいのではないかと思っておりますが、そこの、なぜ故障というふうにそのまま残したのかという点についてお聞きしたいと思います。

○衆議院議員(岩屋毅君) 同郷のよしみで御質問いただいてありがとうございます。
 今足立先生御指摘の点は、実は与党のPTの段階でも随分と議論になりました。いろいろ勉強してみた結果、今回は、御指摘のように、「身体の故障又は文盲」との表現を改めまして、「心身の故障その他の事由」としたところでございます。
 そこで、心身の障害としなかったのはなぜかということなんですけれども、現行の公選法四十八条一項が故障という文言をこれまで使ってきたこと、それから、同じ公選法の他の条文においても心身の故障との表現は用いられておりまして、心身の障害という表現は見当たらないということ、また、心身の故障という文言を用いた法律はほかにも幾つかございまして、心身の故障という用語そのものはこれまでは法律上の用語として広く受け入れられてきているということによるものでございます。
 ただ、その故障という言葉の語感というかニュアンスというか、それがいかがなものかというような議論も検討の段階ではいろいろと出されたことは事実でございます。
 辞書を引いてみますと、広辞苑によりますと、「故障」というのは「事物の正常な働きがそこなわれること。」を意味すると。一方、「障害」とは「身体器官に何らかのさわりがあって機能を果たさないこと。」を意味するとされております。
 したがいまして、心身の故障というのは比較的短期間で回復する病気等も広く含み得る概念ではないかと。心身の障害とした場合は、ある程度、先ほど先生もおっしゃったように、固定した心身の状況を指すものであると解される場合もあるということで、比較的短期間で回復する場合であったとしても、例えばけが等によって自ら候補者の氏名を記載することができないときは代理投票を用いることができるわけでありまして、したがって、代理投票の要件の例示としても、今の段階では心身の故障という文言を用いることが妥当ではないかと判断したところでございます。
 ただ、この法律上の用語の問題については今後引き続いて検討していくべき課題だというふうに認識をしております。

○足立信也君 自民党のPTの方でもやっぱりここは検討課題になったということで、今後引き続き検討していただきたいなという気がします。
 二点だけ申し上げたいのは、これ先ほど私言いましたけれども、民法七条で後見の開始の審判のところに、「精神上の障害により」というふうに書かれているのが一点。それから、先ほど私、今質問している内容は、都道府県やあるいは市町村や政令市で各選管が要望として毎年毎年出されている、その中で私が最優先項目だと思われるところにこれが入っているということも是非意識していただきたいなと、そのように思います。
 二つ目は、先ほど最優先の中の障害にかかわる件ということで、二つ目は、同じ党の泉議員にお聞きしたいんですが、郵便投票というのが認められております。要介護五のほとんど動けない方々になるわけですが、これ郵便等投票が認められております。介護保険法の要介護五の人には認められているんですが、実は、今も厚生労働委員会等で審議されています生活保護ですね、生活保護法に基づく、これは介護扶助というのが医療扶助や介護扶助という形で付きますけれども、その介護扶助で要介護五と認められた人には郵便投票は認められていない。同じ要介護五でほとんど動けない状況であるのに、介護保険上の要介護五は郵便等投票が認められて、生活保護法は認められていない。これも最優先課題の中で、これは内閣としてしっかり統一しなければいけないという強い気持ちを持っておりましたが、これは泉議員としては改正すべきだと思われないでしょうか、どうでしょうか。

○衆議院議員(泉健太君) 御質問ありがとうございます。
 足立先生が、まず、七年、八年にわたって倫選特の分野を専門的に問題を検討されてきたということにも心から敬意を表したいというふうに思います。その中での特に優先順位の高いものということでありますので、一方では、内情を言いますと、衆議院のこの質問の答弁打合せの中でこの項目を拝見させていただいたときに、かなり我々、全体として驚きを持って実は問題点をそこで認識をしたというような状況でありまして、同じ要介護度五でありながら、介護保険法では郵便投票が認められ、そして生活保護法では残念ながら郵便投票が認められないというのは、それが事実であるわけですけれども、なぜそうなってしまったのかというのは多くの議員の皆さんが同じ思いを持たれるんじゃないかなと思います。
 少し調べてみましたら、平成十五年に郵便投票の対象者になったわけですけれども、このときに衆議院の倫選特の委員長提案ということで公選法改正がなされております。ここで各派の協議が行われて、このときには郵便投票を一層緩和をしていくというか活用していくために初めて介護保険の要介護度五の方を対象に入れるというような考え方で行っていたものと推察をされるわけですね。
 ですから、いわゆる生活保護法に基づく方々を排除しようという目的ではなくて、より一層郵便投票の範囲を広げていこうという過程の中で、書きぶりとして、身体障害者手帳又は戦傷病者手帳又は介護保険の被保険者証を持つ者が郵便投票ができるというような形になってしまったということでありまして、郵便等投票証明書の交付申請にこの被保険者証が必要になってくると。一方で、御指摘のとおり生活保護法ではこの被保険証が交付されないということで、事実上これが抜け落ちてしまっているということであります。
 そういった意味では、大変重要な問題意識というふうに認識をいたしまして、これは前回が委員長提案ということもございますので、まさに院の中で重要な今後の検討項目に値するのではないかというふうに私個人としても思っておりますので、是非、今後とも更なる選挙人の投票の機会の確保ですとか、あるいは選挙の公正の確保というような点を考えて各党各会派で協議をしていくべきではないかというふうに考えております。

○足立信也君 ありがとうございます。
 まさに今議員がおっしゃったように書きぶりなんですね。議員立法、私も何度かかかわっておりますし、それはもう大事な立法府の務めではありますが、そういう書きぶりで抜けるところが出てくるというのは、やはり私は内閣が責任持って、私、先ほど閣法として出そうとしたということを申し上げましたが、そこが大事なんだろうなと。
 本当に書きぶりで、被保険者証を有すると、そのことだけで抜けてしまったところが出てきてしまったと、そういうことなんですね。これはもう委員も当然御案内ですが、この介護保険法であれ、生活保護の介護扶助であれ、同じ介護認定審査会を通っているわけで、そこで認められたのにこういう違いがあるというのは、やっぱりまさにこれは正していかなきゃいけない、直していかなきゃいけないところだと、そういうふうに思います。是非、協力してやっていきたいと思います。
 次は、まあアンケートと申しますか要望に基づく質問は以上で終わりにしまして、次は、この委員会でも次の大きなテーマになると思われます一票の較差問題について、政府参考人の方にお聞きしたいと思います。
 今、衆参共に一票の較差が懸案になっていると。これは皆さん御案内のように国勢調査に基づいた投票価値の平等性の問題、投票価値の平等性の問題。そうなってくると、国勢調査による人口というのは一体何を表しているのかなということになってきます。それと投票価値の平等性というのがどう合っているのか、符合しているのかどうかが問題になってきます。
 ということで、基本的なところからスタートしたいんですが、まず国勢調査における人口、国民という、人口というものはどういう対象の人が入っているんでしょうか。

○政府参考人(須江雅彦君)お答え申し上げます。
 国勢調査は、我が国統計の中で極めて重要な役割を有しておりまして、国政運営上、様々な分野で基礎資料になるとともに、これをベンチマークとして様々な統計調査の標本設計を正確に行うための不可欠な情報となっているものでございます。
 先生お話しの、国勢調査で我が国の人口というのを調べておりますが、我が国の人口、世帯について、実際に人々が住んでいらっしゃる場所、すなわち常住実態に即して把握し、職業や教育などの属性とともにその状況を明らかにするための調査でございます。
 したがいまして、国勢調査におきます人口は、一時的な旅行者などを除き、調査時点において常住実態に即するということで、三か月以上我が国に住んでいる全ての者及び三か月以上にわたって国内に住むことになっている者の合計でございます。
 念のため申し上げますと、日本人についてと同様に、外国人につきましても三か月以上住んでいる場合などは対象になっております。また、生まれたばかりの乳児などにつきましては、いまだ三か月以上住んでいるわけではございませんが、三か月以上国内に住むことが予定されているということであれば調査対象ということになります。
 以上でございます。

○足立信也君 確認いたしますが、外国人が相当数この国勢調査の人口という中に入っていると。それは、三か月以上常住しているという条件です。それから、三か月未満のお子さんについても常住ということで、世帯を通じて調べていくわけですけど、念のためにお聞きしたいんですが、熊本県にあるこうのとりのゆりかご、ここに預けられた三か月未満のお子さんというのも人口に入っているんですね。

○政府参考人(須江雅彦君)入っております。

○足立信也君 ということでございます。
 私がこれからお聞きしたいのは、人口ということに、これをベースに一票の較差というのを議論するわけですが、当然のことながら未成年者も多くの外国人の方も入って議論している。それが投票価値の平等とどう符合するのか、整合性があるのかということをお聞きしたいと思っています。
 ちなみに、国勢調査、前回は平成二十二年ですが、これは皆さん御案内だと思いますが、歯舞、色丹、国後、択捉、竹島は調査に入っておりません。
 そこで、一票の較差は、今申し上げましたように、議員一人当たりの選挙人名簿数、これで決めているわけですが、そのベースになるのは議員一人当たりの選挙人名簿数ですから、投票価値の平等、これはよく分かります。でも、そのベースは人口である。当然、未成年者も外国人もいっぱい入っている。
 ここで、この議論、つまり人口を、議員一人当たりの有権者数、名簿数で議論している投票価値の平等の中に、人口でそれを判断するということは、どういう根拠で今までの議論の中でこれでいいんだというふうになっているんでしょうか。

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。
 まず、現在の一票の較差と申しますか、私どもで区割りをする際に人口を使っておるわけでございますけれども、その根拠について申し上げたいと思います。
 まず、直近でございますけれども、各党各派の御議論を経て、立法府において制定されましたいわゆるあの〇増五減による緊急是正法でございますけれども、この今次の改定案の作成の基準といたしまして、平成二十二年国勢調査人口を用いることと法律上しているわけでございます。
 また、従来から、衆議院小選挙区の改定については国勢調査人口を用いてきております。これは区割り審議会法等で決めているところでございますけれども、その理由でございますけれども、これまで三点の理由が挙げられてきております。
 まず第一は、国勢調査人口は、人口の把握そのものを目的として、法令、統計法でございますけれども、法令に基づき全国一斉に行われる実地調査による人口であり、確度が非常に高いということ、第二点目といたしまして、衆議院議員の定数配分については、大正十四年の衆議院議員選挙法以来一貫して国勢調査人口を基準として行われてきていること、第三といたしまして、議員の定数配分はある程度の安定性を要すること等の理由が挙げられてきたものと承知をしております。
 以上です。

○足立信也君 選挙区の画定審議会設置法にそう書いてあるからと、それは直近の話はよく分かりますが、過去からの流れで今理由を三つ挙げられましたが、要は、ほぼ選挙人名簿数、これが人口とある一定の比率でみなされるということだろうと思うんですね。みなしてもいいんだろうと、そういう判断でやっていると思うんです。しかし、直近のを申し上げますと、平成二十二年が国勢調査は直近ですが、十七年、五年前と比較して、日本人は一億二千五百三十六万人で三十七万人減少している。外国人は百六十五万人で九万人増えている。今は全体の一・二八%です。
 これが、私がこれから聞きたいのは、過去はそうやってみなしてきた、有権者数というのと未成年者、そして外国人を含めた人口というものはほぼ一定だろうという感覚できましたけれども、本当にこの流れでこのまま踏襲していいのかどうかというのがちょっと疑問を持っているもので、お聞きしたいと思うんです。
 まず、私、国勢調査の概要というのを、これをずっと調べていますが、概要ですので、十四歳までと、それから十五から六十五歳までと、それよりも上という三つの区割りでしか書かれていないので、よく分からないのは、じゃ、未成年者の人口はどうなっているんだろう、選挙権を有しないという意味でですね、これの過去三回ぐらいの値を教えてほしいんです、パーセンテージも含めて。

○政府参考人(須江雅彦君)お答え申し上げます。
 国勢調査の結果によりますと、未成年者、十九歳以下の人口ということで整理いたしてみますと、平成十二年は約二千五百九十六万人、平成十七年は約二千四百九万人、平成二十二年は約二千二百八十七万人と減少傾向となっております。また、総人口に占める割合で見ましても、平成十二年は二〇・五%、平成十七年は一八・九%、平成二十二年は一八・〇%となっており、減少傾向が続いております。
 以上でございます。

○足立信也君 それを併せますと、先ほど、有権者数というのは人口とのある一定の比率でみなせるということが大きな根拠だと思いますが、この三回で有権者と人口のその割合というのはどういうふうに変化してきたんですか。

○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。
 平成十二年から三回の割合を申し上げたいと存じます。
 まず、平成十二年では、選挙人名簿の登録者数が一億八十六万人、国調人口が一億二千六百九十三万人でございますので、割りますと〇・七九ということになります。平成十七年は、同じく選挙人名簿の登録者数が一億三百三十六万人、国調人口が一億二千七百七十七万人ということでございますので、〇・八一ということになります。平成二十二年になりますと、同じく選挙人名簿の登録者数が一億四百三十八万人、国調人口が一億二千八百六万人でございまして、この比率は〇・八二という数字になっております。

○足立信也君 皆さんお聞きになってお分かりのように、人口に対して有権者の比率は高まっている。むしろこれはいいのかなと思いますが、実際に選挙権を有しない方、先ほどお答えありましたように、未成年者は減っている、外国人は増えている、なんですね。ですから、都道府県あるいは選挙区ごとにその割合というものが、有権者の人口に対する割合というのが物すごく差があるところがあるんです。これが私は本当にみなしていいのかなという意味なんですね。
 そこで申し上げますと、この二十二年の国勢調査で調べますと、外国人人口が占める割合を都道府県別に見ると、最も高いのが東京で二・五%、最も低いのが、これ一道四県ありまして〇・三%、八倍以上の差があるんですね、人口に対する割合。そして、私、未成年者の割合というのが今初めて知ったもので、十四歳以下の人口比率を見ると、市町村別に見ますと、最も高いのが富山県舟橋村の二一・八%、最も低いのが群馬県南牧村の四・三%、五倍以上の開きがあるんです。
 外国人の比率が八倍以上、この場合は十四歳以下ですが、五倍以上、それが組み合わさると、もし組み合わさると、非常に有権者率の高いところと非常に有権者率の低いところが出てくるんです。これで人口で判断していていいのかなというのが私の問題意識なんですね。ですから、これを解決するためには、本当に国勢調査ごとに見直さなきゃいけない、選挙区の画定審議会で見直さなきゃいけないようになるのかもしれませんが、そこは安定性という問題もまた出てくる。
 そこで、改めてお聞きしたいのは、外国人、未成年者を含む人口を、一票の較差問題の議員一人当たりの有権者名簿数、投票価値の平等という論点に立った場合に、その人口を有権者数と代用して議論するという今の変化、トレンドを見て、改めてそのみなし方でいいと判断されるかどうかをお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○政府参考人(米田耕一郎君) 区割りの際の基準が主になると思いますけれども、人口をもってすればいいのか、若しくは有権者をもってすればいいのかという点につきましては、実は従来から国会の場におきましても議論をされてきた課題というふうに理解をしております。
 そこで、今有権者数とそれから国調人口との比率につきまして三回に分けまして全国レベルの数字を申し上げましたけれども、御参考までに最も、各県別で数字がどう推移しているかということを申し上げますと、平成十二年、十七年、二十二年、いずれも有権者名簿に載った有権者数が人口の中で高い割合を占めますのは秋田県でございまして、平成十二年から言いますと、〇・八一六、〇・八四〇、〇・八五五というさっきの数字になっております。一方で、最もこれが小さいのはこれはいずれも沖縄県になっておりまして、今数字を申し上げますと、〇・七三七、〇・七六二、〇・七七五という数字になっております。恐らく、年少の人口、未成年者の人口の割合が非常に大きく利いているのではないかというふうに見られるわけですけれども。
 いずれにいたしましても、このような推移はございますけれども、先ほど私が申し上げましたとおり、これまでから国勢調査人口を用いてきているこの理由は、いまだにやはり維持をすべき問題ではないかというふうに私どもとしては今考えているところでございます。ただ、今後どのような数字を用いるべきかという点につきましては、立法府においてよく御議論をいただきたいというふうに思います。
 以上です。

○足立信也君 私がこの問題を質問したのは、いろんな議員に私なりに聞いてみたら、国勢調査に外国人が入っているとは知らなかったという議員がほとんどなんです。ですから、国勢調査の中には外国人が入っているんですよ、それが一定レベルでずっと増加しているんですよ、そこで一票の較差等々を議論するにはそのこともやっぱり意識しながらやらなきゃいけないんではないか、参政権の問題を含めてですね、という意識があるから皆さんの前でこの質問をしたわけです。
 ただ、私がそこで自分なりに得心しているのは、今までの理由でおっしゃってくださいませんでしたが、やはり憲法十四条での全て国民は法の下に平等であるというところからここを解釈するしかないのかなと、私自身はそう思っておりますけれども、やはり、比率が大きく変わる中でこれは脇に置いてはおけない意識として共有していただければと、そのように思っております。
 今回の法改正は、成年被後見人に選挙権を一律剥奪をやめるという、私は画期的で重要な決断だと思っておりますが、まだまだ足りない部分がある、特に今回は障害を持つ方々にとっても足りない部分がかなりあるということを共有していただいて、前向きにまた改正、進めていけばと、そのように思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。


(平成25年5月27日 参議院倫選特委員会議事録より)


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