国会会議録
 

平成25年3月21日- - 厚生労働委員会


民主党政権の厚生労働行政をどのように評価し、何を変えようとしているのか

○足立信也君 民主党の足立信也でございます。どうもありがとうございます。
 まず、田村大臣始め政務三役の皆さん、御就任おめでとうございます。とは申しましても、政権交代前の舛添元大臣は厚生労働省には大臣が三人必要だとおっしゃっていましたし、私も経験上、副大臣、政務官は三名ずつ必要なんじゃないかと、それぐらいの気持ちでおりましたので、大変だと思いますが、我々が野党のときから田村大臣とはかなり政策面でも詰めさせていただきましたし、御相談に乗っていただきましたし、また立場が逆のときも相談させていただきました。今後ともその姿勢は是非貫いていただきたいと、そのように思います。
 今日は、ちょっと前の質問者とトーンが変わるんですけれども、民主党政権の厚生労働行政を、大臣、所信で述べられたわけですが、それをどう評価して、何を変えようとしているのかという観点で質問したいと、そのように思っています。
 ですが、今の津田さんの丸川政務官に対する質問の中でやっぱりどうしても確認しておきたいなと思うことが二つありました。答えられていなかったので、その点だけ確認したいと思います。
 一つは、先ほど例を挙げられました派遣制度の在り方に関する研究会、ここの部分です、これから労政審に諮るという、ここの部分で、このインタビューは一月十一日ですね。それまでには、津田さんの質問では、日雇派遣の件は一回も議論されていないと。一月十一日の時点までに議論がされたのかどうか、ここの点ですね。
 それから二点目は、先ほど「猫の手」と、私はこれは一番良くないことだと思いますし、これは蔑視している言葉でございます。それは当日初めて知ったということでございましたが、では、この「「猫の手」貸します。」を御覧になってどう抗議されたんですか。
 そのことを、この二点をまずお伺いしたいと思います。

○大臣政務官(丸川珠代君) まず、日雇派遣のことについて議論をしてきたのは、私たちが野党時代にずっと議論してきた中で様々な意見があるということを議論してきたということを踏まえた上で、我々が与党になりましたので、当然そういうことも踏まえた議論が今後行われていくであろうということを前提にお話をさせていただきました。
それから、「猫の手」ということに関しては、私は、大変勉強不足で申し訳ありませんが、猫の手も借りたいというのは、とにかく忙しいという表現で理解をしておりましたので、差別的な意味でこれを使われているというふうに認識をいたしませんでした。

○足立信也君 せっかく前の質問者のことで確認だけと言ったんですが、これは非常に大きな話で、厚生労働省に立ち上げている研究会で議論を進めていますと一月十一日に答えているんですよ。そして、次は労政審で議論する運びになっていると。そのことは議論されたんですかと聞いて、それは野党時代の党の中の話って、そんなこと関係ないんですよ。私が確認したいと申し上げているのは、研究会で日雇派遣の議論は一月十一日までにあったのですかということですね。
それから、ちょっとこれは姿勢の問題ですが、抗議をしていないというのは、やっぱりこれは、私だったら愕然としてどなり込みますよ。こんなことをされたら政務官として仕事できませんよ。それぐらいの問題だと私は思いますよ、これ。
厚生労働省としても抗議はしていないんでしょうか。申し訳ないです、大臣。「「猫の手」貸します。」という表現です。

○国務大臣(田村憲久君) ちょっと確認してみます。これに対して抗議していたかどうかは私は確認いたしておりません。

○足立信也君 まず、今は厚生労働省としての抗議の件については御報告されるということで、理事会の方に是非お願いします。
それから、これは個人の話になりますけれども、抗議をしていないということは認めているということだろうと思います。残念ですけれども、私は、やっぱり労働担当の政務官としてはこれはいかがなものかなと言わざるを得ません。
この後、何問か丸川政務官にも質問を予定していたんですけれども、ちょっと余り質問する気がなくなってきたので申し上げますが、私たちが政権を担っていたときの、平成二十二年の一月二十八日の参議院のこの厚生労働委員会での質疑ですね、雇用保険に補正予算で三千五百億円積み立てるということがございました。当時はリーマン・ショックの後で、完全失業率が我々が担当したときに五・五%でした。何があるか分からないということの中で、大変言いにくいですけど、次の年には東日本大震災もあったわけですね。
そんな中で、丸川政務官は、雇用保険や協会けんぽ、国民健康保険にも国庫負担はあるわけですけど、政務官は、保険制度なのだから、本来、受益者負担の原則から、国費の投入よりも保険料を上げるべきだというふうに発言されて、私、そこに座っておりまして愕然とした記憶がございます。このこちら側に座っている方々もえっという発言があったように思っておりますが、政務官としてその考えは今も同じなのでしょうか。

○大臣政務官(丸川珠代君) 一言先ほどの件で申し上げますが、済みません、日雇派遣に関する議論というのは、第六回の研究会、つまり一月十一日より前の研究会で議論の俎上に上っております。
それから、今の雇用保険制度についてのお話でございますが、これは、国庫負担については本則の復帰ということを民主党がマニフェストで書いておられたという中で、実際は先送りして、代わりにこの三千五百億円を、失業給付に国費を投入したというようなことがあった中で、積立金の残高が四兆円もある中で、我々の意識としてはむしろ手当てが必要なのは二事業、雇用調整助成金の方ではないかという話の流れであったと認識しております。そういう中で、保険料の引上げについて、一つの選択肢として、そこまで残高が、我々は十分だと思っている中で、相手は十分ではないというふうに言っているのであれば、それは保険料率の引上げという選択肢もあるのではないかというようなことで申し上げたものでございます。
一方で、保険制度である以上、受益者負担の原則があるという考えは現在も同様でございますけれども、一方では、雇用保険に一定の国庫負担が入っているというのはこれ当初からでありまして、これも必要なものだともいうふうに考えております。実際に、平成二十三年度の雇用保険法の改正における保険料率の引下げ、それから参議院の厚生労働委員会における、雇用保険の国庫負担の本則復帰を早期に実現すべきと書いてある附則、この決議にも賛成をさせていただいております。

○足立信也君 研究会での話は今、隣から、津田さんからいろいろ聞きましたけれども、ヒアリングであったという話もありますが、この件については集中審議をという先ほど指摘がございましたので、これ以上は申しません。
それから、雇用保険のことについてですけれども、受益者負担の原則からというふうにおっしゃっているわけですから、今のは、私、ここに議事録、会議録持っておりますけれども、あのときかなり体調悪そうでしたのでつい出た言葉かなという気もしますけれども。
いずれにせよ、この広告の問題、それから「「猫の手」貸します。」というこの言葉等々考えると、先ほど厚生労働大臣の責任はという話も津田さんの方からありましたけど、私は、被災地というわけじゃないですけど、今年の大河ドラマの福島県を考えると、これやっぱりならぬものはならぬのだと思いますよ。そのことだけを申し上げて、次の質問に参ります。
雇用対策です。
我々が何を目指してきてどうやってきたことを大臣がどう評価されているかという話を申し上げましたが、これは産業競争力会議の準正社員という話になっていくわけですが、我々はというか、EUを始めとして、同一労働同一賃金、常用雇用を増やすというのは世界の流れだと、そのように思っています。民主党政権時代では、非正規雇用を正規雇用にと取り組んでまいりました。その結果、雇用保険の適用、例えば非正規労働者の方々二百二十一万人分これ雇用保険適用にしたと。それから、このときに、先ほどの話につながりますけど、保険料も一・二%から一%に下げたと。それから、パート労働者二十五万人が厚生年金、健康保険に加入するようにしたと。こういうことをやってきたわけですね。
アベノミクスで賃上げ要求にプラス回答が続いているといいますが、それはやはり正規の社員というか正規労働者が中心の話でありまして、この部分をどうとらえるか。そのときに、三月十五日、産業競争力会議で、報道によりますと準正社員の雇用ルールを作ると、そういうようにあるわけですね、報道によりますとですが。
労働法制上、当然、準正社員という言葉はないというのは御存じのとおりだと思いますが、そこで、恐らく田村大臣は、その今の産業競争力会議の流れにそのまま従う考えではないと私は思いますが、思いますが、そこで、ここ、今テーマとしてとらえられている準正社員というものの範疇を、例えば雇用保険や健康保険の適用範囲と考え合わせながら、これ、多分大臣がこれからその会議で話をしなきゃいけなくなってくると思いますので、どういう範疇の人たちととらえて臨むつもりなのか、それをまずはお聞きしたいと思います。

○国務大臣(田村憲久君) 今、足立委員おっしゃられましたとおり、準正社員という言葉は厚生労働省は使っておりません。
それから、十五日の産業競争力会議も、事実上はこの準正社員の議論はなかったわけでございまして、そういう意味からすると、ちょっとまあ報道の中でうまく真意が伝わっていなかったのかも分かりませんが、基本的に、非正規と正規という二つに分かれている二極化、これに問題があるという認識は我々は持っておりますし、これは産業競争力会議のメンバーの方々もお持ちなんだと思います。そこで、非正規の方々、こういう働き方の方々を、御本人が望まれてそこで働いておられる方々はいいんですが、本人自身はもうちょっと安定したそういう雇用環境の中で働きたいというような方々に関してはやはり正規化をするべきであろうと。ただ、正規化といった場合、今現状は、正規もいろんな考え方がありますけれども、その労務管理が非常に企業において制約される、そういう働き方になっている。例えば、転勤それから職務の変更、いろんなものに関して、残業もそうなんでありましょう、一定の制約を受けるわけであります。
そういうような働き方ですと、ワーク・ライフ・バランスの問題もあって、御本人は例えばAという地点でAという働き方、職務をやりたい、そして残業はしたくないと、こういうような方々に関しては、正規でありますけれども、しかし、今までよりかは働き方として御本人の思いというものをより的確に表している、そういう働き方として位置付けていく必要があるのではないかと。
でありますから、今言われたような各種保険等々も、当然のごとく正規でございますから、これは加入するというような念頭に立って我々は議論をさせていただいております。

○足立信也君 本日の新聞等でも、やはり解雇しやすい社員をどうつくっていくかというような議論の方向性であるような指摘がございました。これは、これからいろいろ問題点が出てくると思いますし、我々民主党としましてはかなり重要なといいますか、肝の部分の話になりますので、今日をキックオフとして、この準正社員、十五日の会議ではそのことは触れられなかったとおっしゃいましたけれども、そう新聞報道されている以上、これから、今日からしっかり議論していきたいと、そのように思います。
次は、先ほど話題になっておりました、高階さんのときだと思いますが、医学部新設の話です。
我々の政権ではどういうことをやってきたかと申しますと、ここ三年ほど、あれほど新聞紙上あるいはテレビで言われた医療崩壊という言葉はもう使われなくなっていると私は思っております。それは、その原因として、従事者をできるだけ絞り込んで医療費を抑え込むんだといった姿勢が一つ、それから提供する側とその医療を受ける側の情報、そして理解の格差、この二点が大きな問題だろうということで、分けて取り組んでまいりました。 その人材の不足ということに関しては、それによって医療費を下げるということもあったわけですが、二回の診療報酬改定でプラスにしましたし、医療、介護、福祉の分野で八十五万人雇用が増えました、こういったことですね。その中で、医師不足については、これも昔、自公政権時代は医師不足は存在しないんだと、偏在なんだということをずっと主張されておって、舛添大臣の時代に絶対的不足は存在するということになって、それから定員増を図っていったわけですね。
我々の政権は、絶対的不足に偏在が加わっているという認識で取り組んできました。それぞれに対処するということです。その結果、二〇〇八年から来年度入学の九千四十一人の定員まで千四百十六人増えているわけです。これは先ほど板東局長がおっしゃっていました。つまり、医学部に換算すると十四増えていると。その中でも東北三県、ここでは百三十五人増えて、医学部一つ以上増えている計算になるわけですね。それと同時に、我々は、医行為をチーム医療として他職種に分担することで実質的に医師数を増やしていこうと、こういう取組をやりました。それから、偏在解消のため、先ほど大臣おっしゃっていました地域医療支援センターをつくってあっせん、派遣等をやっている。これ現在、昨年の十一月末までに七百二十三名、地域の不足しているところに派遣できているわけですね。
そして、今まで初めて、厚生労働省として初めて実態調査というのもやったわけです。どの地域にどの科の医師がどれだけいて、それは足りないのか足りているのか、足りないとしたらどれだけ足りないのかということを調べて、その調査は先ほど申し上げました地域医療支援センターで継続することになっています。これ自公政権でも理解されていて、来年度予算ではこれを三十道府県に拡大すると。これは是非そうしていただきたいと私は思います。
そんな中で、自民党の東北地方に医学部新設を推進する会は東北地方に医学部新設を決議された。ここで、先ほど大臣はいろいろな理由をおっしゃっていました。特に教える側の話のことをかなり取り上げられておりましたけれども、私は、今、医学部というのはできるだけ学際的であって、イノベーションに資するものであって、そして世界を見ていかなきゃいけない。ここに地域医療を担う人だけのと申しますか、それを中心にした学部の創設というのはかなり難しい話だろうと私は思いますよ。
そんな中で、まず大臣は、今私が指摘された点についても含んでどう考えられているのかと。そこで気になっているのが、先ほどの政務官としてどうなのかという議論がありました。秋葉副大臣がその自民党の議員連盟に入っておられて、この決議に賛成しておられる。
ちょっとこれ、文化の違いと申しますか、我々は政務三役に就いたら議連は全部辞めろという指示でやってまいりました。自民党さんはそうじゃないんだろうと思っておりますが、これは、私どもも政権時代に文科省と厚労省がずっと話合いをしながら、どれだけ定員を増やせますかということをずっとやってきたわけですね。やってきた中で、今度、副大臣が、田村大臣はこれからどう答えられるかちょっと分かりませんけれども、それに対して、秋葉副大臣としての、東北地方に医学部新設を決議された副大臣としての御意見も伺いたいと思います。
まず、大臣から、医学部新設について、先ほど、いろいろ問題はあると思いますが、党は党の決議として、これから厚生労働省としてはどう検討していくのかと、新設についてですね、どういう意見を言っていくのかということをまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(田村憲久君) 先ほども高階委員の御質問にお答えをさせていただいたんですが、いろんな意見が東北でもあるというのも承知をいたしております。一方で、党の方では、とにかくこれをつくってほしいというような、そんな強い要望があるのも分かっております。
どういう意味で必要かという中に、中長期的な医師等々の供給という意味と、もう一つは、復興に向かってのやはり象徴的なそういう意味合いがあるんではないかと。こういう御意見もお聞きするとそうだなと思うわけでありますけれども、ただ、いずれにいたしましても、心配しておられる理由は心配しておられる理由で、それもある程度理解できる部分もありますので、とにかく厚生労働省といたしましては、直接的には文科省のこれは権限の問題でございますから、文科省がどう判断されるかということを見守りつつ、やはり党がこれからどのようなお動きをされてくるか、ここも勘案して、最終的にはそれに対して、決まった方向に対しては、いずれにいたしましても東北を支援していくというような形でございますので、あえてここで我が省がこれに対してどうだというコメントは差し控えさせていただきます。

○足立信也君 そこで、秋葉副大臣になんですが、先ほどから出ておりますように、四大臣合意の話がございました。定員増でやっていくということの中で、副大臣になられた後のこの自民党内の決議ですね、これを副大臣御本人として、省の方針に従ってやっていかれるのか、あくまでも医学部新設をずっと訴えられていくのか、その点についていかがですか。

○副大臣(秋葉賢也君) 今委員御指摘がありました件につきましては、この議連は昨年の九月に、まだ私どもが当時野党でございましたけれども、東北地方の衆参の議員が全て参加をする形でできた議連でございます。その背景には、まず東北市長会あるいは宮城県知事から医学部の新設を御要望いただいたという背景がございます。そんな中で私もメンバーの一人として参加をさせていただいてきたわけでございます。 震災の前から東北地方でのやはり医師不足というのは非常に顕在化をしておりました。西高東低と言われておりますとおり、大変全国ベースで見ても東北地方の医師不足が深刻な状況にある、そういう中で、あの震災後、そういった現状に拍車が掛かったというところがありますので、多くの議員がその趣旨に賛同して議連を立ち上げました。そこで、先般、私は出席はできなかったんですけれども、議連として正式に東北地方への誘致を決議したといういきさつがございます。
先ほど田村大臣からの御答弁でもございましたとおり、医学部をつくるかどうかの第一義的な主体者は文科省でございます。厚労省として、委員御指摘のとおり、定員の増という形で随分と定員は増加をさせてまいりましたけれども、基本的に大事なことは、この医師不足によって地域医療というものが疲弊しないようにしっかりと供給の体制に責任を持っていくということだと思っておりますので、議連での趣旨というのは、医学部をつくるかどうかという以前に、この医師不足の問題を早期に解決をするということで私は理解をしているところでございます。

○足立信也君 先ほどから政務官、副大臣の答弁聞いておりますと、野党時代の党ではこうだったということが多いんですが、もういいかげん切り替えてもらわないと、やはり厚生労働省の政務三役なんですから。それから、じゃ、私の資料が間違っているのか、報道では秋葉賢也厚労副大臣ら十五人が出席して十四人は代理が出席したと書かれてあるんですが、御本人は欠席されたと、そこだけはどうなんでしょうか。どっちが本当なんでしょう。

○副大臣(秋葉賢也君) これは、これまで何回議論をしたか、正確に私覚えておりませんけれども、要するに、いろんなヒアリングを関係者からやってまいってきておりまして、私が出席したのは東北市長会からの意見のヒアリングのときに出席をさせていただいたということでありまして、決議をさせていただいたときの委員会には出席できませんでした。

○足立信也君 是非、少なくとも省内は一致して行動していただきたいと、そのように思います。
次は、これも私は、良質な医療や介護、福祉とは何かということについては多くの職種の人がかかわって十分な説明と納得が得られるものだと、それが良質なものなんだという認識でこれまでやってまいりました。
先ほど、これも質問がありましたチーム医療の推進の件です。推進会議をつくって五月でもう三年になります。いろいろ検討されておりますが、特定看護師の件が最初にハードルになっているのか、なかなか進むようで進まないような感じがありますが、この三月に結論を出されるということです。中には、もう既に結論が出ているものもかなりあります。じゃ、法案提出は今通常国会中にやられると、三月に結論が得られればという方針でよろしいでしょうか。

○国務大臣(田村憲久君) 今、足立委員おっしゃられましたとおり、診療放射線技師の業務範囲の拡大でありますとか歯科衛生士の業務実施体制の見直し等々、もう既に結論が出ているものも幾つかあるわけでありますが、一方で、看護師に関しては特定行為に対する新しい研修の在り方等々の創設に関して今議論をしておる最中でございます。これが結論が出てまいりますれば、法制化に向かって準備を進めていくということでございます。あとは、国会の日程との一応兼ね合いということになってこようと思います。

○足立信也君 できれば提出したいというふうにとらえてよろしいでしょうか。──ありがとうございます。
先ほど、医療崩壊という言葉はここ三年使われていないということの後半部分の説明ですけれども、できるだけ提供者側と受ける側の共同作業でやると。情報の共有、そして理解していただいて納得していただくということの中で、医療事故の届出総数がやはり以前から、以前の二百五十件程度から二〇一〇年では百四十一件というふうに届出の数もかなり減ってきたということも崩壊を食い止めたということに私関係しているんだと思うんです。 その大きな内容は、医師法二十一条の解釈が元に戻ったと、このことが大きいと思っているんです。これはどういうことかと申しますと、これに私自身は三年掛かってやっとここまで来たと思っているんですけれどもね。つまり、医師が死体の外表を見て検案し、異状を認めた場合に警察署に届け出る、これは診療関連死であるか否かにかかわらないということを昨年、田原課長の方からきちっと検討会で言っていただいて、これは広尾病院事件の最高裁判決に沿った正しい解釈だと私は思っています。ここまで三年掛かったと私は思います。
ところが、やっぱり問題は、なぜじゃ届出件数が今まで増えたかというと、医療者側がこれは届け出ないと二十一条違反で訴えられる、あるいは罰せられるんじゃないかという気持ちがあったんですね。それはなぜかと申しますと、厚生労働省作成の死亡診断書記入マニュアルです。その記入マニュアルに、じゃ異状とは何かということの中で、病理学的異状ではなくて法医学的異状を指すと書いてあるんですね。じゃ、法医学的異状とは何かというと、このガイドライン、日本法医学会が定めるガイドライン等を参考にしてくださいと書いてあるわけです、マニュアルに。じゃ、法医学的異状とは何かといいますと、そこから調べていくと、確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外の全ての死体、また別のところに、診療行為に関連した予期しない死亡及びその疑いのあるものとあるわけです。
これを参考にしなさいと言われている以上、医療者側からの届出がずっと増えていったわけですね。何でも届けないとこれは危ないんではなかろうかと。しかし、最高裁の判決はそうじゃなかったわけですね。
で、元に戻ったと申しますか、私は正しい解釈に戻ったと思っておりますが、ならば、この死亡診断書記入マニュアルの特にただし書のところですね、今私申し上げた、これはなぜ変更しないのかということが気になるわけですけれども、その点について、原さん、どうでしょう。

○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
足立先生から御指摘のありましたように、医師法の二十一条の解釈について、従来から同様の解釈をしているということでございます。したがって、今回変更したということではございませんけれども、そういう意味において、この死亡診断書あるいは死体検案書記入マニュアルについての記載を直ちに見直す必要はないと考えているところでございます。
ただ、検討部会、私どもでやっております医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会において、この医師法二十一条の在り方も含めてこの医療事故に係る調査の仕組みの在り方が検討されておりますので、この議論の行方についても、行方を待って、必要があればこのマニュアルの改正等についても検討していきたいと考えております。

○足立信也君 木で鼻をくくったような言い方ではなくて、今までと何にも変わっていないんだと、でも現場では変わったようにとらえられているというところに、問題はどこにあったのかというと、解釈は変えていないんですよ、ずっと。ところが、この法医学会が定める異状死ガイドラインを参考にしなさいと書いてあるから、そこを引っ張ってくると今までの解釈と違うようになってきていたということなんですよ。もう極めてシンプルです、問題は。
だから、そこ、異状とは法医学的異状を指して、法医学会が定める異状死ガイドラインを参考にしてくださいということは言い過ぎなんですよ。そこまで言う必要がないんです、解釈が変わっていないんだったら。これは、だって九五年ぐらいからスタートしたことですよね、それまでなかったわけですから。ということを指摘しているんであって、これは厚生労働省作成のものですから、私は、検討会やら審議会の話が今ございましたけど、その話ではないと思いますが、もう一度いかがですか。

○政府参考人(原徳壽君) 再度お答えを申し上げますが、この医師法二十一条の在り方も含めて現在その調査の仕組みの在り方を検討していただいておりますので、それらの全体の議論がまとまり次第、この記載の見直しの必要性も含めて私どもでも検討を進めたいと考えております。

○足立信也君 まあごく僅かな前進ですけど、記載の見直しも含めてと、そこまで出たということで、今日はこの程度にしたいと思います。
そこで、今関連したことなんですが、昨年議員立法で死因究明の二法案というのが成立いたしました。私も実務者メンバーでしたので、この二法案についてはかなり思いがございます。
今日、資料をそこにお持ちしたんですけど、簡単に申しますと、二法案とは、死因究明推進法、そこにあるものと、警察が扱う死体の死因と身元調査に関する法律、この二本です。
死因究明推進法というのは、これは自公の方々を中心にまず作られていったわけですが、今までの、そこの資料にありますように、刑事訴訟法の枠組み、これ自民党の古川さんも指摘しておりますけれども、この枠組みで、犯罪死体と、犯罪の可能性があると申しますか変死体ですね、検視が必要なもの、それから明らかに犯罪とは関係のないそれ以外の死体ということで死体見分と、こういうふうに分けられていて、この枠組みにとらわれずに横断的かつ包括的に検討するというのが死因究明推進法の趣旨でございます。
推進会議では、法制度全体について、今私が申し上げた、刑事訴訟法の枠組みにとらわれない、法制度全体について最も良い形を追求するというのがこの法案の審議のときの答弁にもあります。まさにそのとおりだと思うんですね。
ところが、この資料なんですが、刑事訴訟法において変死者及び変死の疑いのある死体は検視、これ真ん中ですね。犯罪に起因するものでないことが明らかな死体は見分、この右側です。先ほど申し上げたように、この薄いブルー、日本には百二十五万の死亡者数がいる。その八割は医療機関で亡くなっている。これを、全体を、医療機関で亡くなっているとはいいながら、本当に犯罪は隠れていないのか、死因がはっきり分かっているのかどうか、この国はそれの究明が不十分であると。だから、これを枠組みにとらわれずにしっかり究明するようにしようじゃないかというのがこの法律の趣旨なわけです、何度も繰り返しますが。
しかし、今の会議の会議録を見ておりますと、この濃いブルーですね、警察が取り扱う死体のみ、まずはここからやりましょうというふうになっていて、これ二年間の時限立法で、二年間はこの濃いブルーのところをやりましょうという、議事録にそうなっているんですね。これは、死因究明推進法全体の趣旨とは、これ当然医療関連死も入ってくる話です。これ除外していますが、考え方としてはこれも含めて考えていかないと解決しない話ですからね。ということは、私は極めて限定的な対象に会議のそのものが限定されていっているという非常に危惧を覚えるんですが、この点については、この立法者そして国会の意思を私は余り反映されていないのではないかと心配しているんですが、その点についていかがですか。

○政府参考人(安森智司君) お答えいたします。
死因究明等推進会議、委員指摘のように、法律に基づいて設置されまして、現在の衆参委員会でなされた提案者の答弁、当該法が策定された経緯及び法第六条に定められている重点の規定のされ方等を全て踏まえまして、推進会議としては、まず警察などが取り扱うことになる死体、先ほどのブルーの濃い部分でございますが、そこの部分の検討を進めているところでございまして、そこを今、人材の育成、施設、体制の整備などと順々に進めているところでございます。

○足立信也君 その話は聞きました。
まずとおっしゃいましたが、そこには三段階あって、二年間でそこまでやろうという話になっているじゃないですか。まずはと言いながら、二年間ではそこまでよと、これ二年間の時限立法で。私は、全体のことを考えていかないとなかなか全体の死因究明を進めるというふうに進んでいけないんだと思いますよ、今警察が扱うところだけに限定して話をしていると。
どういうことかといいますと、例えば人材育成で法医の人を増やそうと努力されていますね。しかし、ほとんどの医学部に進む学生は、亡くなった死体の究明のために自分は医学部に行こうと思った人はほとんどいないです。やはり、何とか助けたい、生きている方々が対象なんですね。しかし、そんな中で画像診断やオートプシーイメージング等々を見ていくと、どうもこれはもっとしっかり亡くなった原因を突き詰めないとこの国の科学としては駄目なんじゃなかろうかと、そう思ってくる方々がだんだん変わっていくんですね。最初から法医になる人をいかに増やしていくかの議論ではなくて、その周辺のことにいかに興味を持ってもらうかなんです。そこに人材が必要だなと思わせることが大事なんですよ。
そのためには、この国の百二十五万、今亡くなる方々のうち、かなりの方が私は死因も分からずにやみからやみへという感じがあるんだと思います。そのことのためにも、警察が扱う死体のところだけ二年間でまず議論すればということではないということを是非、立法者の趣旨、私も実務者でやっていましたので、そこを体現できるような議論に進めていってもらいたい。これ、お願いしておきます。いかがでしょう。

○政府参考人(安森智司君) お答えします。
委員のおっしゃるように、この死因究明等推進会議の対象とする死体は、医療提供に関連したものを除けば全て対象になります。ですから、委員の言われる、そこは当然検討する対象に入ってまいります。ただ、順番といたしまして、長くなりますけど、警察官が外表から見ただけというものとお医者さんが一応見てくれた遺体というものと緊急性がどちらが高いんですかとなったときに、まずは警察官が見た部分、ここのところを最初に議論しようじゃないかというふうになって、今議論が続いているところでございます。
会議の方には、全てのところが対象になりますよ、そして先ほど古川委員の御指摘の点も出ましたけれども、そこの点も踏まえまして、制度のところでしっかり検討していただきたいということは会議の方に申しております。
以上でございます。

○足立信也君 もう繰り返しませんが、まずはと言うからには、そこまで二年と思わずに、まずは半年ないし一年以内でそこを片付けて全体に広げる議論をという趣旨で言っておりますので、是非お願いしたいと思います。
最後は、これは大臣に、私の要望というような形になると思うんですけど、我々が取り組んできたのは、先ほどから何度も申し上げているように、医療や介護や福祉の分野は提供者と受ける側の共同作業という信念でずっと取り組んできました。先ほどいらした梅村さんも、予算委員会でリビングウイルの話をやられていましたね。あるいは臓器提供にしても、十分な説明と理解、納得が何より必要なんです。
ややもすれば、専門職というのは、この言葉は当然分かってくれるだろうというような感覚で、ほとんど理解されていないのにもかかわらず、専門的な言葉を羅列していって、結局は理解されなかったということが意外と多い、自己満足になっているところが多いんです、幾ら説明してもですね。 ということで、例えば、私、この前、知的障害を持っている家族の方々との意見交換をしていたんですが、障害者総合支援法の附則第三条の検討規定に、意思決定支援に、意思決定への支援ですね、やはり当事者あるいは家族の方々がどういう意思決定をしていくかに対する支援、例えば言葉の問題であったり、その専門用語はどういうことを意味しているのか、この方々の存在が私は極めて大きいと思うんです。それは、後見人がいるからいいという話ではなくて、自分のことは自分の意思で決めたいんだけれども、しっかりした理解につながる、資する方々の存在がまだ実は余り位置付けられていない。
そこで、我々が進めてきた中で、医療メディエーター、医療対話推進者の養成研修の受講者数がもう一万二千人になったということをこの前お聞きしました。私は先ほど、紛争を未然に防ぐ、あるいは争い事の仲介になる、それだけではなくて、意思決定や、これは終末期とか臓器提供もそうです。そんな中で、障害を持った方々の意思決定もそうだし、自分がどのような介護を受けていくというような決定についても、そういう対話の仲介に資する方々が是非とも必要だと思っていまして、今一万二千人まで増えていったと、この方々の活用を是非考えていただきたいというのが私の要望で、大臣の御意見を伺いたいと思います。

○国務大臣(田村憲久君) 確かにおっしゃられますとおり、医療も非常に用語が難しゅうございますし、障害者施策も制度が結構複雑であります。介護に関しましても、確かにケアマネジャーやいろんな方々が介在されておられますけれども、言われるとおり分かったつもりで話しておるという部分があるわけでありますから、そういう意味でそこのうまく意思疎通をする、ここにも医療対話推進者、これは医療メディエーターの方でありますけれども、こういう名前が付いておりますが、それぞれの分野でより平易な言葉を使いながら、それぞれ患者やサービス利用者の方々が何を求めておられるのか、そしてその方々にはどういうようなメニューの中でどういうサービスが適しているのか、その仲介役みたいな方々が必要なんだろうと思います。
そういう意味で、今委員おっしゃられましたとおり、業務指針及び研修プログラムの作成指針等々、これを作成し普及を始めておられるところでありますけれども、やはりこういう方々が活躍できるような環境を整備していくことが重要でありまして、関係部局と協力しながら、委員がおっしゃられたとおりこの分野は進めてまいりたいというふうに思っております。

○足立信也君 ありがとうございました。

以上で終わります。

(平成25年3月21日 厚生労働委員会会議録より)


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