国会会議録
 

平成21年6月9日- - 厚生労働委員会「国民年金法」


○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 振り返りますと、五年前に年金の保険料の未納問題、それから二年前に消えた年金、去年は消された年金、今年はほぼ所得代替率を始めとする財政検証がメーンテーマになっていると、そのように思います。今日は、その後半三年分といいますか、二年前からの消えた年金、消された年金そして財政検証と、そういう順番で質問したいと思います。
 私、先週誕生日がありまして、ねんきん定期便がやってまいりました。この中で、ちょっと見てがっくりきたことがありますので、その点について質問したいと思います。
 まず、今までここ一年ぐらいの間、この定期便の意味というものを何度か大臣あるいは部長がおっしゃいましたが、この中で将来の年金受取額の見込額を記載していますということを何度かおっしゃいました。その目的というものは、どういう目的でこの将来の年金見込額を記載するというふうにしたんでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君) これは法律にも、情報をきちんと提示してこの年金制度に対する理解を深めていただくということでありますので、様々なデータ、今、足立さんがおっしゃったそのデータも含めて、将来の見込額含めて出せるデータを出すと、そのことによって、自分がどれだけ今まで負担をして、それに対して給付がこういう見通しがあるということで今の年金制度に対する理解を深め、そしてさらにこの年金の意義というものについて国民の間に周知すると、そういう目的であります。

○足立信也君 おっしゃるとおりだと思うんです。やっぱり端を発したのは記録の問題であって、これをしっかり国民の皆さんに興味を持っていただいて、あるいは責任を持って確認していただきたいということがあったと思います。その一つの手段として将来の年金見込額を書いておけば、当然のことながら皆さん興味を持ってくれるだろうと、しっかりチェックするだろうということがあったんだと私は思います、それがまた安心につながるんだと。
 ですが、皆さん覚えておられるか分かりませんが、まず、去年ですか、私自身の厚生年金が十三年分ぐらい完全に消えていたと。国家公務員になってからと議員になってからの国民年金だけが記載されていたわけです。ところが、今回届いたねんきん定期便は、逆に厚生年金と国民年金のところだけ書かれてあって、空いている期間がありますと書かれているんです。その空いている期間がありますというのは何かというと、国家公務員だった時期なんですね。そして、それがあるがために老齢年金の見込額は記載なしなんです。
 結局、私、今回意外と期待していたんです、私は国民年金、厚生年金、共済年金、全部入っていますから、それがどういうふうに組み合わされて、将来の見込額ってどういうふうに提示されるのかなと。実はかなり多くの人がそういう状況にあると思って期待していたんですが、結局、共済組合の加入期間が、そこが空いていますと、ですから計算できませんと。私としては非常に残念なんですけれどもね。
 そこで、私はちょっと業種のことをこだわるようで申し訳ないんですけれども、我々医療職というのは、元ですね、看護師さんや医師、これはその多くが国家試験通った後、公務員の共済組合や私学共済へ入るんですね。当然大学を中心に初期研修をやられる方が非常に多くて、その後厚生年金や国民年金に加入、まあほとんどが厚生年金でしょう、いろいろ変えますよね。これ、学校の先生もそうだと思うんです。ずっと勤めている人は別ですが、医療職なんというのは最後まで同じところに勤めているというのはもうごく一部なわけですからね。ということは、そういう人たちが今回この共済への加入期間があるということで多分記載されていないんだと僕は思うんですよ、相当多くの人間だと思うんですが。
 確認なんですけど、そういう共済組合、私学、それから公務員、地方合わせて、そこに加入している経歴のある方は今回見込額はやっぱり一切書かれてないんですか。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 そのような取扱いになっている理由も併せて申し上げたいと思いますけれども、御案内のように五十歳未満の方と五十歳以上の方で見込額の計算の方法というのは異なっておりますけれども、そういう場合にありましても、今御指摘ありましたように、共済組合期間につきましては、これ、社会保険庁の方には共済組合から一定の情報が提供されておりますけれども、あくまでも適用とか給付の関係で勧奨とかそういうものに活用するというものとして情報提供を受けておるわけでございまして、実は私どもの方で提供を受けた情報とそれから前後のその厚生年金や国民年金の期間と一部要するに食い違いがある場合などについては、これはそういうことをお伝えした上で共済組合の方にお返しして、共済組合が権限をお持ちですのでそこで補正する、それをバックしてもらう、こういうような仕組みの下で共済組合の記録と厚生年金、国民年金の記録との言わばそのリンケージを図っているわけでございますが、今申し上げたように、そういった一定の補正を要するようなものも含むのでございますが、共済組合と社会保険庁の間において記録整備がなお必要な状態があるというような事情から、今回ねんきん定期便への記載は大変恐縮、残念ながら見送らざるを得ないということになったわけでございます。
 なお、ただ、それだけというわけにはこれは私どもとしてもまいらないというふうに思っておりまして、定期便にリーフレットが同封されておりますけれども、そこには、共済組合員期間を加えることによりまして二十五年を満たす方については御本人に加入状況を正確に確認した上で見込額をこれは計算する必要がありますものですから、その旨社会保険事務所において是非御相談いただきたいということをリーフレット上記載してお伝えしていると、こういう扱いにさせていただいているわけでございます。

○足立信也君 一般論はそうなのかもしれません。今気になったのは、一部食い違いがある場合があるから共済の方とすり合わせてちゃんとやるんだということなんですが。
 また自分のことで申し訳ないですけれども、私は元々、共済と国民年金だけ分かっていたんです。厚生年金が飛んでいたわけですよ。去年特別便を契機に、その前なんですが、全部統合終わりましたと来たわけですよ。ですから、今の一部食い違いがある場合があるからそれをすり合わせてというその説明は私には通じません。私の場合は、だから国民年金五年、厚生年金が十三年、共済が十年ということで、先週五十二歳になりましたから五十以上でもあるし、どれにも説明当てはまっていないなという感じがします。
 先ほど申し上げたように、医療職、看護師さん、特に看護師さんは一番多いと思うんですが、いや、医師は共済に入っている方が以前、最初のころは非常に多いんだと。今回そういうことで見込額が出ていないだろうと私は思ったわけですが、じゃ四月、五月の実績で、そういうふうに見込額が記載できないというか、あるいは記載しないというか、そういう方は大体どれぐらいいるんですか。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 四月、五月、大体それぞれ五百五十万通ぐらいずつ出しております。六月も大体同じぐらいだろうというふうに思っておりますけれども、そういう中にありまして、五十歳以上の方で年金受給資格として年金加入期間が二十五年に満たない場合、これは年金見込額を出力しないということになってございます。
 そのように見込額を出力せずに送付したその件数、割合でございますけれども、これは私ども集計してございませんので、大変恐縮でございますが、数値的なものは把握していないというようなことでございます。
 なお、繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、見込額の記載がない方につきましても二十五年を満たすという方は多数いらっしゃるわけでございますので、リーフレットに先ほど申し上げたような記載をさせていただいて、社会保険事務所、年金相談センター、そういったところに御相談いただいて対応させていただくということで御案内を申し上げているというところでございます。

○足立信也君 この問題はこの程度でやめたいと思うんですが、これ、ねんきん定期便の予算が本年度の本予算で二百二十八億円、補正予算で六十一億円付いているわけですね。二十五年に達していない人は未出力だと。二十五年を超えている方、私はそうですけれども、その人には、未出力という条件ではないけれども共済加入期間があるとやっぱり出ていない。相当数の方がやっぱりこれ見込額が書かれていないと私は思いますよ。というならば一番先に戻って、それがあるからこそ皆さんに注意を引いてもらいたい、注意を喚起したいんだということが、ちょっと私は残念な気がするんです、今回。これだけお金を掛けて取り組んでこられて、何度も何度も郵便物が来るという状況の中で、ちょっと残念ですね。そういう気がします。
 大臣に感想を求めてもいいんですけれども、その状況だけちょっと理解してほしいということです。せっかく目的でこれを新たに加えたのに、それが書かれていない人はかなりいるということは残念だと。ちょっとお金の使い方がどうかなという気がしますね。そのことだけ指摘しておきます。
 次に、消された年金について行きます。資料は一番上ですね。これ去年の決算委員会で出したものを最新のデータに書き換えたものです。
 厚生労働大臣直属の年金記録改ざん調査委員会の、野村委員会ですね、そこでも昨年、社会保険庁職員の組織的関与をはっきり認めました。報告書では、社会保険庁本庁及び厚労省の関与の記述はないけれども、我々の党の会合では、彼は、厚生労働省は実務について当事者意識がなく現場に責任を負わせてトカゲのしっぽ切りをしてきた、そしてまた、検討の対象が極めて限定されている、関与はもっと大きいだろうというふうに我々の会合の中では発言されました。
 そこで、この資料に沿って説明したいんですが、年金記録確認第三者委員会において、事業所が全喪後に遡及して標準報酬月額、左側ですね、又は資格喪失日、それらに係る記録訂正を行う等の社会保険事務所の処理が不合理とされた事案、これですね、不合理とされた事案、これは四月十四日現在百七十三件となります。重複がありますから全部合わせると百八十一ということになるんでしょうが、重複がありますので。
 そこで、標準報酬月額の遡及訂正、これ左側ですね、上のところの三十三。ところが、加入期間の訂正というのは百三十二なんですね。つまり、四倍です、四倍。こちらの方が四倍多いんですね。しかし、昨年も指摘しましたけれども、厚生年金記録の改ざんは六万九千件に絞ってというのが非常に独り歩きしている。中でも、それ既に受給者、二万二千人ですか、それで二万人の訪問調査ということをやっているわけですけれども、非常にそこに絞られた印象がある。これは矢印でそこ書きましたけれども、わずか、上でいうと三十三のところを詳しく三条件ということで、この三条件については一々申し上げませんが、そこに書いておりますが、これに該当するものと、六万九千件というふうになっているんですが、じゃその四倍もある加入期間については、なかなかこれが調査が進んでいないような印象を私は持っています。
 加入期間の改ざんとはどういうことかというと、会社が厚生年金の適用事業所でなくなった後に、実はそれ以前に退職していたというふうな形にしちゃうわけですよね。普通は会社が適用事業所でなくなった時点で在職しているかどうかというのはもう自明なことでありますから、私は人為的な関与が非常に疑わしいと、むしろこちらが疑わしいというふうに私は思っています。野村委員会も、この部分の検討はまだなされていないというふうに指摘をしておりました、報告書で。そういうことですね。
 では、件数では百七十三、重複除いて百七十三なんですが、標準報酬月額の遡及訂正、これは三十三件、あるいは全部合わせて四十一件でもいいですが、これ該当する人は何人で、加入期間の改ざんというのは何人なんでしょうか。

○政府参考人(関有一君) 先生今お話しのように、平成二十一年四月十四日現在で事業所の全喪後に遡及して標準報酬月額又は資格喪失日等に係る記録訂正を行うなどの社会保険事務所の処理が不合理であるとして記録訂正の処理が行われたもの百七十三件ございます。そのうち標準報酬月額に係る事案につきましては四十一件、この資料の三十二と一と六と二を足したものでございますけれども、四十一件ございまして、申立人四十一人のほか、同様の処理がなされたと思われる従業員が約三百人おられます。それから、資格喪失日等に係る事案につきましては百四十件ございまして、申立人百四十人のほか、同様の処理がなされたと思われる従業員が約千四百人おられます。
 ちょっと御留意をいただきたいんですけれども、この同様の処理がなされたと思われる従業員につきましては、あくまで年金記録確認第三者委員会が行いました申立人に関します調査の範囲内で具体的に把握した人数であるということでございます。

○足立信也君 三百人と四百人ということですね。件数でいうとさっき四倍でしたが、人数でいうとやっぱり四倍超えているわけです。相当な数がこの加入期間の訂正というところに入っているわけですね。
 資料の二を御覧ください。これを踏まえてだと思うんですけれども、昨年の十二月二十五日に社会保険庁の方から、これは年金記録確認第三者委員会に送付せずに、上から四行目のところですね、社会保険事務所段階において年金記録の訂正を行うこととするとなったわけですね。一番が標準報酬月額の改ざん、二番が、資格喪失日に関することですから、加入期間の改ざんと、こういうことになったわけですね。これを通知したと。
 それでは、この社会保険事務所段階、つまり第三者委員会に送付せずに社会保険事務所段階での訂正というものは、標準報酬月額は何件、何人で、加入期間の訂正はそれぞれ何件、何人なんでしょうか。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今先生の方から御紹介ございました昨年十二月二十五日の通知でございますけれども、まさに両方のケースを念頭に置いての措置ということでございます。御本人が従業員であること、それから給与明細書などによって申立て内容に対応する給与実態が確認できるなど、一定の条件を満たす場合に、迅速救済という観点から、委員会に送付せずに社会保険事務所段階で記録訂正を行うと、こういうものでございますが、件数でございますけれども、本年四月末時点で事務所段階における記録訂正を行った件数は百九十五件ということになってございます。
 その内訳でございますけれども、遡及して標準報酬月額の記録が訂正されていたものが百八十件、それからもう一つ、遡及して資格喪失の記録が訂正されていたものが二十三件、ただし、このうち遡及して標準報酬月額の記録が訂正されているケースと重複しているものが八件ございますけれども、そういうような内訳になっているわけでございます。

○足立信也君 それは私の方も資料を持っていて、件数はうちの部門会議でもやっていますし、ですから件数は分かるんだけれども、先ほどの質問と同じように、先ほど第三者委員会のね、何人がそうなんですかという質問を今したわけです。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 大変恐縮でございますが、人数については手元にちょっと御答弁申し上げる情報を持ち合わせておりませんので、よろしければ後ほど御報告させていただきたいというふうに思います。

○足立信也君 これは、昨日、件数は私は持っているとちゃんと見せたんです、全部。見せて、人数はどうなんですかと聞いたわけです。

○政府参考人(石井博史君) 失礼いたしました。人数についてもお答え申し上げます。
 今、ちょっと手元で確認いたしましたところ御報告できる形になってございますので、大変恐縮でございますが、人数を申し上げますと、標準報酬月額の記録が訂正されているもの、百八十件、これは百八十名、それから遡及して資格喪失日の記録が訂正されているもの、重複を含めて二十三件ですが、これも二十三名と、件数と人員は同様でございます。失礼いたしました。

○足立信也君 ここでちょっと問題点がやっぱり二つあると思うんですね。
 第三者委員会でやっていれば、それと同じような事案というものがやっぱり、まあ芋づる式というと失礼ですけど、ある程度把握できている。ところが、社会保険事務所レベルでやっていると件数と人数が同じ、その人に限定されてしまっていると。同じような教訓というか、やり方というか、それがほかに利用できないようなところがやっぱりあるんではないかと、後でまた大臣に聞きますから、そこを、そういう点が一つ私は気になります。今、人数のことは初めてお聞きしたので、その点をまず一点指摘しておきます。
 もう一つ大きな問題は、先ほど申し上げたように、第三者委員会では標準報酬月額の改ざんは三百人で加入期間の改ざんは千四百人、四倍以上なんです。ところが社会保険事務所レベルでやると、これが標準報酬月額の改ざんが百八十人で加入期間の改ざんは二十三人、九分の一なんです。四倍あったのと九分の一なんですよ。これ普通に考えると、そんなことあり得ないだろうと思うと思うんですね。なので、ちょっとこれからその理由は何なのかということを検討したいと思うんですけれども、まずはこの段階でなぜそんなに割合が違うのか、第三者委員会がやると四倍加入期間が多いのに、社会保険事務所レベルでやると九倍、今度、標準報酬月額の改ざんの方が多いという話ですね。その点は何が違うんだろうというふうにお考えになっておられますか。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 第三者委員会によるあっせん事案の比率と社会保険事務所段階での訂正事案の比率が著しく違う理由、どう考えているかということでございますけれども、それぞれやはりその特性が違うというふうに思っております。
 まず、一般に申し上げれば、資格喪失日の不適正な遡及訂正処理につきましては、これは御本人が例えば事業所を退職した時期でございますけれども、比較的御記憶に残っている、あるいは資料などで残っているという意味で比較的御自身で気付きやすいものではないだろうかというふうに考えられます。
 他方、標準報酬月額の方でございますけれども、こちらは毎月毎月のお届けの内容で、しかも御自身が直接事務所の方にお届けをするのではなくて事業主を介してしておると、しかも生の給与そのものではなくて標準報酬月額という形で、言わば一定の方式で定型化された形で申告されているということで、なかなかこちらの方は、注意して確認すべき部分をお示しするというようなことでもしなければ、なかなか御自身では比較的気付きにくいものではないだろうかというふうに思っております。
 そういう中で、第三者委員会のあっせん事案でございますけれども、これは申立てに至るパターンでございますけれども、これは社会保険事務所への御来訪だとかあるいはねんきん特別便、これを見て、そのことを通じて御本人が相違に自ら気付いて申し立てられたというケースが多いのではないだろうかと。
 他方、社会保険事務所段階で記録訂正を行っている事案の方でございますが、こちらは御案内のようにまずもって昨年の十月半ばから二万件ということで、そういった処理がなされている可能性のある年金受給者の方々に戸別訪問調査という形でアプローチをさせていただいて、御本人に比較的時間を掛けて記録を確認していただいていると、そういうものが中心となっていると、そういうふうな言わば気付きやすさの違いというのがあるのではないかなというふうに思っております。
 そのようなことが背景となって、第三者委員会のあっせん事案については資格喪失日にかかわる事案の割合が相対的に大きいのではないかと。一方、事務所段階で訂正が行われる事案については標準報酬月額にかかわる事案の割合が大きくなっているのではないかというふうに思っておりますけれども、いずれにせよ、既にもう送付しております特別便、それから今送付を始めました定期便などを通じまして、御本人による記録の確認、それからその御指摘を受けての調査を更に進めることによって記録の訂正、とりわけ可能なものについては事務所段階での記録訂正を一層進めていきたいというふうに思っております。

○足立信也君 よくそんなことを言うなという気がしますね。
 気付きやすいから第三者委員会が多いって理屈がやっぱり合わないですよ。おかしいなと思ったら、我々国民が行くのは最初、社会保険事務所ですよね。そこで処理できるもの、気付きやすかったらそこで処理できるものの方がやっぱり多くなって当たり前じゃないですか。それが、そこではできないから第三者委員会に送るんであって、むしろ事業主が関与している割合が多いって、さっき標準報酬月額の訂正の方が多いという理由に挙げましたけど、事業主が絡んでいてそれが今どこにどうなっているか分からないからという事案はむしろ第三者委員会が多くなるのが当然じゃないですか、普通の考え方で。
 それが気付きやすいからといったら、じゃ聞きますけれども、今、社会保険事務所への申立てで標準報酬月額がおかしい、あるいは加入期間がおかしいというのは、加入期間がおかしいの方が圧倒的に多いんですか、申立てとしては。数を教えてください。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、社会保険事務所において今取り組んでいる事務所段階での訂正でございますけれども、これは何しろ、元々は三条件に合致する六・九万件のうち受給者の分二万件ですね、これについての戸別訪問調査を行って、そこから要するに浮かび上がってきたもののうちの処理がほとんどを占めているという状況なんですね。
 ですから、元々の要するに不備な記録の状態というのが標準報酬月額のところにあるものに着眼して作業を始めているものですから、数字的にどうなっているのかというお尋ねもございましたけれども、そういう要するに視点でこれは取り扱っているものではないので、大変恐縮でございますけれども、数字的にちょっと今申し上げることは困難でございます。

○足立信也君 今、二点ありますね。申立ての数について、その理由についてはじゃ後で教えてください。今日は準備はないでしょうから後で教えてください。
 二点目は、次の資料三になるわけです。今のおっしゃり方からいくと、意図的に標準報酬月額の改ざんの方から重点的にやってきたからという話で、結局それが五月一日のこの資料に表れているんですが、これはまたこの後言いますけど。大臣は、私が今言った、非常に差があると、第三者委員会の取扱いと社会保険事務所、四倍と九分の一ですから三十六倍の差があるということですね。それは、気付きやすいんだというのは、先ほど私が申し上げた理由からそれは理由としては成り立たないと。事業主の関与がある可能性が高いから社会保険事務所でというのもまた無理がある説明だということを、今の議論をお聞きになって、この違いは一体何だろうというふうに大臣は今の時点でどうお考えになりますか。

○国務大臣(舛添要一君) 一つは、我々が例えば特別便を受け取る、それで、見たときに、今、石井の方から答えましたように、標準報酬が幾らであったかというのはめちゃくちゃ低いようなことが、そもそも請求しないと書いていない状況なのでこれは分かりにくいだろうと。ただ、何年何月から何月まで加入していたというのは、どちらが気付きやすいかといったら、やっぱりその期間の方が気付きやすい、データを目の前に置いたときに、それは一つは言えないことではないと思います。
 ただ、なぜ社会保険事務所における訂正事案でこういうようになっているのかということは、これはもうちょっと精査をしてみないといけないというふうに思いますけれども、今基本的な方針は、社会保険事務所のレベルで解決できるやつはできるだけ解決をするようにということを指示を出していますので、具体的にじゃなぜこういうふうになっているかと、本当これは精査をしてみないと分からないというのが、正確に言うとそういう答えだと思います。
 まあ若干先ほど言ったように、標準報酬月額は本当にこれは相当調査しないと全く知らないところでやられている。資格喪失や加入月間も全く知らないところでやられている可能性があるけれども、送られてくる特別便からは期間をいじった方が比較的分かりやすいと、それぐらいですね。そこから先は分かりません。

○足立信也君 率直なところ分からないんだと思います。ただ、その気付きやすさの点については、先ほど私申し上げたように、じゃ、申立て件数のその理由を見れば一目瞭然なのでこのデータは後で下さいと、そういうふうに今言ったわけですね。

○国務大臣(舛添要一君) それともう一つは、例の戸別訪問二万件とにかくそこからやっていこうということをやったので、それを重点的に急げと言っているので、それが特に標準報酬についてやれということを言っているので、ひょっとしたらそこの反映で社会保険事務所が挙がっているかもしれません、もう一つ理由を探すとすればですね。

○足立信也君 そうなんですよ。その変化なんですよ、一つはね。
 今、資料三を御覧くださいって言いましたけれども、これ五月一日に公表されているわけですけど、恐らく通知はもうちょっと前かもしれません。これは、やはり社会保険事務所段階での訂正は、標準報酬月額の訂正に係る六万九千件の記録に係る者というふうに書かれているわけですね。一枚返っていただいて、昨年の十二月は、先ほど申し上げたように、標準報酬月額の記録が訂正されている方を一として、二番目に加入期間の訂正があったわけですが、今回は、通知はやっぱりこちらの方にずっとこうシフトしてきているんですよ。
 恐らく、私は理由の最も大きなのはそこだと思います。これは、やっていて、社会保険事務所レベルではやりやすいのはこっちだろうというふうになったのかもしれませんが、善意にばかり解釈できないところもあって、じゃ、なぜ加入期間の訂正がそう簡単にできないのかということをこれからちょっと議論したいと、そのように思っています。
 ところで、この五月一日で、これ、ほとんど標準報酬月額の記録訂正の方にほぼ限定するような形で出ていますけれども、今でも、どちらも、もちろん、先ほど十二月の通知を示しましたように、加入期間のことも、当然どちらも社会保険事務所でやると、この方針には変わりはないわけですね。そこを確認しておきたいと思います。

○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 その点についての方針の変更は一切ございません。

○足立信也君 そうしたら、標準報酬月額に疑いのある、これ、六万九千件が三条件ですが、百四十四万ですね、一つずつの条件足し合わせると。百四十四万件はオレンジ封筒ですよね。分かりやすくしたと。
 そうしたらば、なぜ、その全喪後に加入期間の訂正をされた方というのは、もう少しまた分かりやすい封筒にしなかったんでしょうか。この定期便の対応も、やっぱり変わってきているような気がするんですよ。オレンジ色の封筒にわざわざした、ほかは皆同じ、この先ほどの私がお見せしたやつ。これは、全喪後に加入期間の遡及訂正がされたものもやっぱり分かりやすく、記録見ればすぐ分かっているわけですから、可能性は、やっぱり封筒として分かりやすくすべきだったと私は思いますよ。
 その点についてはどうなんでしょうか。その部分が、私は比重の掛かり方がちょっとバランス悪いなという気がしているんですね、先ほどのあっせん事案の数からいって四倍あるわけですから。そこら辺をちょっとどうまずは考えるか。

○国務大臣(舛添要一君) それは、色を青にするかオレンジにするかを議論したときに、先ほどの議論に戻るんですけれども、やっぱり標準報酬の改ざんの問題があってやってきていて、特に額、もちろん全喪を含めて加入期間をいじくっている例ももちろんありますけれども、その中で、先ほどの、戻りますけれども、見れば比較的分かるだろうと、期間について言うと。額は非常に分かりにくいので、あえて注意を喚起するとするとどうかと。全部やるかどうかで、最終的にはむしろオレンジの方を月額の改ざんの方に限ったという、議論の過程でそういうふうになったということです。だから、これは委員の意見はよく分かりますが、プロセス的にはそういう議論をしたことでございます。

○足立信也君 分かりました。
 一つは、先ほどから言っているように、なぜこういう違い、三十六倍の違いがあるかということについては、関心とそれからやりやすさの面で、そちらにどうもシフトしてきたんではないかと、一点。
 もう一つ、これは私の考えです。関与の度合いといいますか、私の考えをちょっとこれから述べさせていただきたいと思います。
 社会保険事務所レベルで全喪後の加入期間の改ざん、これを訂正しないのは、むしろ訂正してしまうと、その間、事業主の滞納というのが明らかになっていくわけですね、明白になってしまう。と同時に、納付率がさかのぼってぐっと下がるわけですね、ぐっと下がる。納付勧奨をしなければいけない、訂正したら。でも、保険料は払えない。要するに、保険料納付は増えないわけで、保険料納付はそれほど増えないけれども、年金の給付は増えるわけですよ。これは、国にとっては持ち出しになるというような、ちょっと誤った認識がまずあるんではないか、そういうふうに私は考えます。
 資料四を御覧ください。
 今のことをちょっともう少し分かりやすく説明しますと、つまり、厚生年金保険法七十五条で、社会保険庁が保険料を徴収できずに二年の時効が成立した場合でも、二十七条にある事業主の届出や三十一条にある被保険者の確認請求があれば、その間払ったものとして年金額を計算するようになっているんです。事業主が払っていなくても納付していることにするわけですね。これは、被保険者が保険料を天引きされて負担しているにもかかわらず、事業主の滞納によって年金給付額が減額という不利益を被るのを避けるために七十五条、それがあるわけですね。さらに、二年前に特例法でこの二十七条にある届出や三十一条にある確認請求がなくても天引きの確認ができれば年金は給付されるようになった。これが二年前ですね。
 被保険者は救われたわけですよ。被保険者は救われる、それで。我々も賛成しましたしね。そして、事業者主には納付勧奨をする。繰り返します。納付勧奨をする。でも、保険料は払ってもらえない。大概そういうケースが多いです。記録訂正をすれば、先ほど言いましたように滞納率が上がって納付率が下がる。訂正したくても、国にとってうまみはないという感じが私はするんですよ。
 そこで、二点指摘したいんですけれども、私はそういう感覚なんだろうなと思っています。二点指摘したいのは、まずは、納められた年金保険料が、これは国の金だという誤った、錯覚ですね、誤った認識がまずある。それが過去の膨大な無駄遣いにもつながったと私は思っていますし、やっぱりその誤った認識があるというのが一点。
 それから、中小企業にとっては厚生年金の制度の事業主負担というのはやっぱり非常に重いですよ。だからこそ、この七十五条で滞納していても被保険者は給付が認められる、加入期間に入るというふうになっているわけですけれども、やっぱり負担は非常に重い。これは、医療保険でいうと組合健保と市町村国保の間に旧政管健保、今のけんぽ協会あるように、やっぱり中小企業の事業主に対しては何らかの形で、同額じゃなくて、国の関与をしていかないと中小企業の事業主は非常に苦しいんだと思いますよ。これが、制度設計上二種類にしてしまったということが私は一つの問題だと思っています。本来、その中間のものがやっぱりないと無理だったのか、あるいは、ある学者の説では、国民年金の一号と二号の間に一・五号ぐらいの感覚のものを作った方がいいんではないかという議論もある。やっぱり私は中小企業は特にそれは厳しいんだと思いますよ。これが二点目の指摘。
 それらを解決するためにはどうすればいいかと。私は、やり方としては、所得比例年金をベースに事業主負担を軽減する仕組みですね、この仕組みを入れたものをセットで作り直すということが必要なんだろうなと、私はそう考えています。
 そこで、今指摘した二点、保険料は国の金だという誤った認識、それから中小企業の事業主に特に厳し過ぎる事業主負担、それを解決するための手段として、そのことについて大臣のお考えをちょっとお聞かせください。

○国務大臣(舛添要一君) 不正をやっちゃいけないんですけれども、恐らく普通の社会保険庁の現場の職員の感覚からいうと、泣き付かれて、このままだと会社つぶれるので何とかしてくれないかと言われて、ある意味で善意で、何とか中小企業を助けたいということで、いや、こういう手がありますよってやった部分もあるだろうというふうに思います。中小企業にしても、いや、会社つぶれて、この社会保険料の負担でやっていけない、そうすると従業員も路頭に迷う、何とかしないといけないということがこういう結果になったので、根源を言えば足立さんおっしゃるとおりなので。
 ただ、したがって、むしろ、国の金だとか何とかよりも、だれも傷つかないなという感覚だったんだろうと思うんです、ある意味で。ただ、じゃ、だれが傷ついたんだろうというと、まじめに払ってきた人の拠出が使われていることになるのと、例えば今回の法案だと基礎年金については半分そこにお金が、税金が入っているわけですから全体の負担になっている面がある。
 ただ、そこから先は、制度設計の仕組みとして、大企業と中小企業にどういう税制上、社会保険という観点からの差を付けるのかと。だから、一律に課しておいて何らかの形の支援金を後で渡すのか、それか逆に、消費税に変えたら、昨日の連合審査でもありましたけれども、消費税に全部変えてしまったら事業主負担はゼロになるんじゃないかと、これをどうするかという、負担のときに、事業主から一定のお金を取ってそれを基金にして様々な格差の是正に使うという手はあるんです。
 だから、これは制度設計上そういうことを考えないといけないのと、それと、元々は厳しくなかったですから、零細企業なんかは厚生年金に入らないで国民年金で従業員やらしていたんですよ。目をつぶっていた。それを目をつぶらなくて厳しくした瞬間にこれが起こってきたので、やはりそういうことも含めて大きな制度設計は考える必要があると思う。
 やり方はいろいろありますよということですが、問題意識は共有したいと思います。

○足立信也君 そうですね。大胆に言ってしまうと、何とか助けたいという、社会保険事務所の職員も思っておられたんですよね、きっと。何とか助けたいというのを、事務所レベルでそれを解決することはできないんですよ。だから、第三者委員会にそれをお任せしたという、それが三十六倍の差になって表れているんだと私は思います。
 ついでに今の議論で言わせていただくと、私が最後に提案した部分。大臣は、年金制度は所得再配分機能が非常に大きいと何度かおっしゃいました。でも、これは私は、年金が賦課方式である以上、おかしいんだと思います。賦課方式である以上はね、おかしいことだと思います。本来、所得再配分機能は私はやっぱり税が負うべきものだと、そのように思っていて、我が国の税に関しては所得再配分機能が非常に弱いというのは昨日、峰崎さんのデータでも示されました。社会保障は本来やっぱり個人単位で、それから何らかのインセンティブがないといけないと思うんです。個人単位でインセンティブがあるということが自助であり、その上の共助であり、公助の補完システムになるんだと、私はそういうふうに考えています。
 社会民主主義の話が何度か出ていますけれども、社会民主主義はやっぱりベースは自助ですよ。ベースは自助で、足らざるは共助ですよ。ですから、それを考えると、やっぱり所得比例年金というのがベースで一階ですよ。そして、最低保障というのが二階部分に加わるんだと。所得の多い、給付の多い方はそれは軽減していくんだと、この考え方、手前みそな説明で申し訳ないけれども、我々の考え方です。それが社会民主主義の私はベースだと、そういうふうに思っています。この件は質問時間が終わるころにまた大臣の感想をお聞きしたいと、そういうふうに思います。
 次は、財政検証の方に入っていきたいと思います。
 労働市場への参加が進むケースということを前提にして財政検証をされていて所得代替率五〇・一というのは出ているわけですけれども。蓮舫さんの質問でもありました。労働市場への参加が進むケースというのは、ちょっとピックアップすると、二〇三〇年に六十五歳まで雇用をしている企業が九五%ということ。それから、保育所幼稚園在所児童比率が今の四八・六%から六四・四%になる、男性の家事分担割合が今の一二・二%から三七・二%になる、こういうのがあるわけですね。その結果、労働力率、労働人口に占める職に就いている方あるいは職を求めて探している方、労働力率は、女性の三十歳から三十四歳の労働力率が今は六二・七%です。それが二〇三〇年には八〇%を超えるというふうになっているわけです。これが労働市場への参加が進むケースということになっているわけですね。三十歳から三十四歳までの女性は八〇・四%、労働力率。現在よりも、これによって被用者年金の被保険者が三、四%増加する、国民年金第三号が二、三%増加する、第一号被保険者が六から七%減少するというふうになっている。さらに、パート労働者の厚生年金の適用拡大ということを考えておられる。そういうことですよね、まあそういうこと。
 いわゆるモデル世帯の話が、これ何度も出ておりますが、この割合はなかなか言及できない。夫一人が四十年間働いて妻が専業主婦と。それはなかなか割合はできないと。ただ、今私が申し上げたいろんな条件、労働市場への参加が進む場合、これは、モデル世帯の割合というのは相当減るんじゃないでしょうか。
 その点だけまずお答えください。どう思われるか。

○国務大臣(舛添要一君) いや、それはもうおっしゃるとおり、一人が働いて専業主婦で、子供二人みたいなという、こういう税制上もそれを標準家庭にしていますけれども、それは減ると思います。だから、その標準とかモデルという言葉はもう言い換えた方がいいなという感じはあります。

○足立信也君 我々は、モデル世帯という表現は使わないように我が党はなっております。
 資料五を御覧ください。
 これ私も一回出したことあると思うんですが、生涯未婚率と初婚年齢です。男性の生涯未婚率は一六%ですね。女性は七%。一九七〇年に比べると、男性は九倍、女性は二・五倍ぐらいと。こういうふうになっているわけですが、そこの注意にありますように、生涯未婚率というのは、四十五歳から四十九歳までの未婚率と五十歳から五十四歳までの未婚率の平均値で、つまり五十歳時点での未婚率というふうになっているわけですね。女性が七・二五。
 しかし、生涯未婚率の推計というのは、人口統計資料集によりますと、その中のコーホート分析というのがありますね。ある年代に生まれた方がその後どうなっていくかと。これは、一九九〇年生まれの女性、ということは今十八歳か十九歳、生涯未婚率は二三・六%ですよ。四分の一は結婚しないという状況になっている。
 そして、初婚年齢はそこへ書いておきましたが、労働力率八〇%を目指す三十歳から三十四歳の女性、これははっきり言って出産年齢ですね。初婚年齢は二十九・四歳、平均。及び第一子出産年齢は二十九・五歳です。まさに三十歳前半というのがそういう年齢にあるわけですね。
 今まで何度か議論がありました、周産期医療あるいは小児医療の問題で。今、日本が低出生体重児が十年間で一割以上も増えている。超低出生体重児は一・五倍ですよ。これは何が原因かというと、やっぱり高齢出産と、考えられるのは働き方の問題だと私は思います。なのでこの話をするわけですけれども、三十歳から三十四歳、労働力率八〇%という仮定の年齢がまさにその年齢なんですね。
 三月十七日の委員会で、今、後ろにおられます村木局長が、出産後の継続就業率は約三八%で二十年間変わっていない、そして育児休業取得率は八九・七%、単純に掛け合わせると、出産前に仕事をしていた人がどれだけ育児休業を取ったかというと、大体三人に一人、三四%だろうと。アルバイト、パート、派遣、契約等の非正規労働者の継続就業の希望は、出産した後も仕事を続けるという方が二一%、五人に一人。そのうち出産後も六二・五%の方が同一の就業を継続、二五%が転職。掛け合わせると一八%が出産の前後も働いている。
 これを勘案しますと、恐らく二五%程度が働き続けているんですよ、出産後もですね。とすれば、八〇%の労働力率から考えると、二五%は働いているだろう、五五%はハローワークで職探ししているということですよ。この結婚、出産の一番今ピークにある年齢層が、五五%がハローワークで職探しをしているという設定なんですよ。こんなことあり得ないでしょう。
 先ほどの日本の小児医療、周産期医療の問題点の中で低出生体重児の話しましたけれども、これは働き方の問題もやっぱり検討しなきゃいけないんですよ。高齢出産という、一生懸命仕事をして、もうそろそろ子供を産まなきゃと思ったときにはなかなかその年齢ではなくて不妊治療に行ってしまうしかないという、ちょっと人間の生理上誤った行動になりつつある。ここも考え方として国民が共有しなきゃいけないと私は思っています。
 ここの、女性の三十歳から三十四歳の方々の労働力率八〇%という前提、これはいかがなものでしょうか。局長じゃないですか、大臣ですかね、どちらでもいいです。

○国務大臣(舛添要一君) 大きな理想を求めていくということで、二〇三〇年の日本のあるべき雇用・労働社会の姿というのは雇用政策研究会によって研究されたものの取りまとめで、例えば三十から三十四歳の労働力率、一九九五年で五三・七%、二〇〇六年で六二・八%、それをそのまま同じタンジェントで行った場合にこの二〇三〇年には八二・七という数字が出ているとか、それから、今の雇用政策研究会では、様々なM字カーブを解消する、それからワーク・ライフ・バランスをやると、今のいろんな政策をやった暁に七八・七%まで上がると、そういう数字を基にしてやっている。ただ、いろんな障害がある、問題があるということはありますから、まさにそういうことを変えていく施策を今からやっていくということにもつながってくるわけです。

○足立信也君 数字がどうかということもあるけれども、やっぱり根本に女性の働き方ということも、それから体の認識ですね、そういうことも含めてワーク・ライフ・バランス、まさにそうですから、その点の検討が、これから一緒にしていけばいい話ですから、私はそう思います。
 じゃ、次は所得代替率です。
 これも何度もありますように、所得代替率は、分母が平均標準報酬掛ける可処分所得割合。今年の水準では〇・八三三、つまり可処分所得ですよね。公租公課を引いた、税金と社会保険料を引いた分ですね。それに対して、分子がモデル世帯の年金給付額と。これだけでもおかしいというのはもう皆さん議論されていましたから。
 ちょっと細かな話を聞きたいんですが、昨年の閣議決定の中期プログラムで、税制抜本改革をやると。やるわけですね、これから。もうはっきり昨日の連合審査でも言っていました、二年後には消費税を上げると。それに合わせて抜本改革をするわけですけれども、その中で、方向性で書いてあるのは、中期プログラムに書いてあるのは、高所得者の税負担を引き上げると書いています。それから、給付付きの税額控除を検討すると書いていますね。もう二年後ですよ。それを加えたらこの所得代替率って一体どうなるのかという話です。
 高額所得者の課税強化をすれば、可処分所得は下がりますね。ということは、代替率は上がる。給付付き税額控除をすると可処分所得は上がる。これも代替率は下がる。ですね。五〇・一から下がれば、もう五割割れは明らかですよ。そういう状況にある。
 我々が主張しているように、可処分所得を二割増やすというふうになれば、年金給付を上げなければ代替率は下がる。ですね。給付を上げる施策も講じなければいけないということですね。それから、分子の年金給付というところを可処分所得にすれば、これ代替率は下がりますね。代替率は下がる。もう五割割れでしょう。
 二年後の税制抜本改革、これ先ほど言いました、高額所得者の税負担を上げる、給付付き税額控除を考える、こういうような税制抜本改革がどう影響するというふうに判断されていますか、所得代替率に。

○政府参考人(渡邉芳樹君) 今の年金制度及びそれに基づいた財政検証におきましては、御承知のとおり、今後そうした課税強化とか減税が行われた場合のことまで織り込んだものとしては作られておりません。
 そうしたことを置いた上で、一般に高所得者の可処分所得割合が減少すればどうかと、こういうようなお話と、逆に、給付税額控除が行われて可処分所得が増えたらどうかというお話でございますが、少なくとも、おっしゃられたように、片方は所得代替率を上げる効果があり片方は下げる効果がある。それから、分子を少しネットの方で見ていけばまたどうなると、こういうことは計算上当然予想されるわけでございます。
 しかしながら、いずれにしても長期にわたる年金制度のルールとして法律に定められているもので申し上げれば、それらの要素を取り込んでいるわけではございません。少なくとも、短期的にはその要素だけを見ればそういう上下の影響を与える関係にあるということは確かでございます。

○足立信也君 新型インフルエンザのことも予定は書いておいたんですが、質問はしません。
 そこで、今、渡邉局長おっしゃったのはそのとおりなんです。私が言いたいのは、二年後に決めている税制抜本改革の考え方を全然織り込んでいないということです。つまり、政権を維持してやっていく気はないと私は思うんですよ。もう今年でいいじゃないかと、今年五〇・一出せればいいじゃないかと。自分たちがやるやると言っている税制抜本改革のその方針すら織り込んでいないんですよ。そういうことなんですよ。是非、国民の皆さんもそこに認識を新たに、新たにというか皆さんそう思っていられるかもしれないけれども、私はそう感じていただきたいと思います。
 そこで、もう最後なので、先ほど社会民主主義の話をしました。やっぱりベースは私は自助だと思っています。ですから、所得比例の年金がまずあるんだと、そして足らざるは共助で補うと。それが最低保障年金で、高額にもらう方々はそこは漸減していくという考え方を取らないと、私はその先の方向性が見えないと思います。この点については、恐らくお答えは選挙の後に十分議論したいという話になると思いますけれども、私もそう思っています。
 やはり、第一党、与党側になった方が胸襟を開いて議論しようと言わなきゃ先に進めないんですね。我々にはその準備があるということを申し上げて、最後に、大臣のその社会民主主義あるいは年金の在り方についての考えをお伺いしたいと、そう思います。

○国務大臣(舛添要一君) 我々参議院議員は選挙の洗礼は三か月以内にはありませんが、政権を維持してやっていく意欲等は十分あるということをまず申し上げた上で、少なくとも私に関する限りは。
 それで、先ほどの所得比例の積立式のようなときには、私は若干心配があるのは、昨日も申し上げましたけれども、公的な年金制度の色彩が薄まるんじゃないか、制度設計が必要ですよ。というのは、それなら何も公的年金制度じゃなくて自分でこつこつためていって銀行でも何でも置いておけばいいんで、やっぱりこれは医療も介護もある意味で同じなんですけれども、今大金持ちであってもどん底に落ちるかもしれない、人生何が起こるか分かりません。そういう中において、やっぱり老後もちゃんと生活できますよと。そのときは、やっぱり相当の所得再配分の機能を働かす必要があるんですね。物すごい高額のサラリー、所得ある人はばかばかしくて、こんなに稼いでいるのに年金スズメの涙かっておっしゃる方おられるかもしれない、しかしそれでもやるということがあるんで、そこは、これはもうよく胸襟を開いて議論をいたしますけれども、私は、足立さんの方がレッセフェールに近くて私の方がやっぱり国家が介入して貧しい人を守っていくという正統社会民主主義者じゃないかなという気もしています。
 以上です。

○足立信也君 最後。
 社会保障の会議が選挙以降つくられましたですよね。やっぱりそこで大前提のスタートは公的年金制度を守るんだということです。これはリーマン・ショックのことで皆さんお分かりのように、個人でやっていたらこれは運用なんかできないで安定した給付は得られないということはみんな分かっているわけです。だから、公的年金制度を守るという前提で今話し合っているわけです。
 是非とも今後、続けたいと思います。
 どうもありがとうございました。



09.06.09 厚生労働委員会会議録より
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