国会会議録
 

平成21年4月21日- - 厚生労働委員会 一般質疑


○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。全議員出席というなかなか気持ちのいい中で始めさせていただきたいと思います。
 今日は、四つテーマを用意してきました。
 まず初めに、三月十七日、私、質問したことに対して宿題となっておりますか、この点から行きたいと思います。
 簡単に資料を御覧いただきながら、振り返ります。平成十八年度、十九年度の会計検査において、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が各都道府県にある雇用協会に委託した事業で、四十七都道府県すべてで不正が見付かったと、そして二億二千万円を超える委託費の過払いが指摘されたと。この点でございます。
 どうして今回も取り上げるかといいますと、やっぱりこの前の質問のときに、なぜ私が指摘額や返還額を明示しないんですかと、この説明書にという質問に対して、明示していない省庁、機関もあるんだと、それに倣ったということなんですね。しかしながら、これが説明書ですけれども、決算検査報告に関し国会に対する説明書、八百五十九件あるんですね、すべて。しかし、返還を行ったとしてその額を明示していないもの、ほかに一件もないんですよ。全部金額を書いているんです。ですから、この点については説明不足ではないですかと、国会に対する、その点が一点。それからもう一つは、そのうち六千万円を超える額が返還免除になっていると、この返還免除は本当にその判断は正しいのかという、この二点なんですね。ですから、その二点をただしたいと思います。
 私は、ですから、ほかに一件もないので、この説明書の補足説明という形で国会へ提出することを求めたわけですけれども、その後、皆さん御存じのように、一週間後の三月二十四日に理事会へ説明文が出された。しかし、四月十日に訂正されたと、その説明文が。さらに、先週十三日に再訂正されたと。微妙に返還免除額が増えているんですね。それがこの資料一です。
 結果として、機構と協会では、この1に書いてあります十八年度と2の十九年度で、会計検査院が指摘した額のうち六千九十五万を超える額が返還の必要なしという、自らそういう判断をして、残りの一億五千九百九十二万と加算金二千四百四十六万を返還させたと。
 資料の二枚目を御覧ください。これがその内訳です。不正の内容については(ア)から(カ)まで、一々読み上げませんが、職員の飲食費等の目的外用途とか旅費を過大支給とか。で、(カ)のところにありますのが委託費の残額を年度末に業者に預け金として保有させ、翌年度の物品購入に支出したということになっているわけですね。これ、御覧のように、返還免除額のところを見ますと、これはもう圧倒的にいわゆる預け、この(カ)のところですね、預けという手法が非常に多いわけです。
 これは皆さん御案内のように、業者に架空請求をして代金を支払って納品されたかのように偽装して経理処理を行うと、そして後日、業者から別途契約とは異なる物品などを受け取るという、いわゆるこれが預けですけれども、返還を免除したその理由、機構は、結果として委託した事業に使用される物品を購入したから翌年度に、いいんだというふうに言っているわけです。
 そこで、この預け行為ですね、特にこの(カ)のところです、資料二の。預け行為によって購入した物品が本当に委託事業に必要なものであったかどうか、この判断は一体だれが行ったんでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) お答えいたします。  まず最初に、資料を二回にわたって訂正した点につきましては、おわび申し上げたいと、今後こういうことがないようにしたいというふうに思っております。
 今の御質問の点でございますが、これは会計検査院の実地調査におきましても、預け金、これ全部預け金だったわけじゃなくて、預け金以外の年度越えのものもあるんですが、それらにつきましては、会計検査院も現実に物品が翌年度納入されているかどうか、これを実地に見ておられます。
 そういうような実地調査の結果等も踏まえながら、最終的には独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の方におきまして、それを再度確認し、確定した上で、きちんと翌年度、委託契約の範囲内で支弁すべきものに使っているかどうか、これを確認して、そういったものにつきまして返還は要しないこととすると、こういうふうに承知しております。

○足立信也君 会計検査院も関与してという、今、岡崎部長の発言ですけど、この資料二の一番下を御覧ください。これ、十九年度分のところですけれども、合計額、この額を平成二十年十月末までに返還済みであると、こう書かれているわけです。会計検査院の報告は十一月ですよ。それよりも前にもう返還済みであると、こう書かれているわけです。だったら、会計検査院がその数値のまま、元の数値のまま、なぜ報告するのか。
 それから、三月十七日に私、この質問しようとして質問通告をしました。会計検査院も呼びました。そして、この返還免除について、会計検査院としてはどれぐらい知っているんですかと、どういうことを判断されたんですかという質問をしました。この場で答えてもらうつもりでした。ところが、会計検査院は判断できる立場にないし関与しないと断言されました。なので、私は会計検査院をここに呼んで質問することをやめたんです。この時間的経緯、それから会計検査院の方がそうおっしゃっていることから含めて、私はやっぱり機構と協会の側での、その内部での独自の判断ではなかったのかと、そのように思っております。
 それでは、それについて先ほどちょっと答えられておりましたけれども、この返還免除というのは、やっぱり正しい判断だというふうに思われているかどうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) 委託契約におきまして委託した内容のものにつきましては、委託元であります高齢・障害者雇用支援機構の方で本来支弁すべきものだというふうに考えてございます。
 そういう中で、現実に本当に使ったかどうかというのが一番問題になるだろうと。そこにつきましては、もちろん最終的には会計検査院の判断というよりは、そういう実地調査におきます種々の状況も見ながら高齢・障害者雇用支援機構、委託元であります高齢・障害者支援機構において判断したということであります。
 もちろん、こういう年度契約であるものを、それを越えたような形でやること自体、これは経理として全く不適正でありますし、これは誠に遺憾だというふうに思っておりますが、最終的に翌年度、委託契約として、委託契約の範囲内で使ってあるものでありますから、その部分が確定した上で、かつ翌年度あるいはその年度以降におきまして、その部分をきちんと減額していれば最終的な経済効果としてはそういうことになるんだろうというふうに思いますので、まあ高障機構の判断としては一つあり得るのではないかというふうに考えております。

○足立信也君 大臣、いいですか。先ほどの答弁は、会計検査院等もこの判断に入って、そうやって判断したと、さっきお答えされた。しかし、今私が会計検査院はそのようなことは言っていないという話の中で、最終的には機構が判断したということを今おっしゃったわけです。
 これは、もう最後に、これだけにしますけれども、このやっぱり雇用協会へ流れているお金の原資は、もちろん交付金という部分と、それから障害者雇用納付金という部分が大量に入っているわけですね。この障害者雇用促進法において、大臣は障害者雇用納付金による業務を行うとなっていて、大臣はその業務を機構に行わせるものとすると、そういうふうになっているわけです。
 この原資が障害者雇用納付金であるということも踏まえて、大臣としては、今の部長の答弁にありました、最初は会計検査院も、判断もと言っていたのを、後で、私は今取り消されたんだと思いますけれども、これは内部でやっていたと。そして、それについては、この原資からも考えても大臣もやっぱりこれはしっかり監督しなきゃいけない。中には、やっぱり機構にその雇用協会と契約解除しなさいということも当然言えるんだと思うんですね。そのことを踏まえて、今後の不正経理対策も踏まえて、大臣としてはこの問題をどういうふうに考えるか。
 それから、今回は議事録という形でこの返還されたとされる金額面を国会に議事録という形で載せることはできましたけれども、やはり返還したというからには、その金額をほかは全部明示しているわけですから、これはやるべきだと。こういう方針で臨むということを大臣から言っていただきたいと思うんですが、どうでしょう。

○国務大臣(舛添要一君) まず、後者の方から申し上げますと、それは公開すべきであって、数字で示さないといけないものはきちんとやると。だから、これは次回からは必ず数字を詳細に添付させるようにします。
 最初の、この預けという行為、私は、こういうことがあってはならない。つまり、それは一つの経理の作業として、それは民間企業を含めてですけれども、予算が決まっている、予算執行の期間までに予算が執行できない、それは考えてみたらそれだけの予算が余分だったということだから来年度減らす、それを減らされないためにどうするかの、まあ悪知恵を働かせたんでしょう。そして、例えば来年度どうせ買うんだからというので前もって業者との間でそういう預けという行為を行った。ただ、問題は、例えばコピーの紙を買うという名目にしておきながら来年度買ったものが全く違う物品であって、それでいいのかという問題もあります。
 ですから、こういうことは二度とあってはいけないので、そこのところは、預けは禁止するということを明確にして、お金が不用であれば不用でいいわけですから。だから、要するに、何かお金が天から降ってきたような感覚で、来たものは全部使い切らないと損だと。そうじゃなくて、元々は、足立さんおっしゃったように、本来の目的は何だったのかを考えてみれば、少しでもそれは節約すればいい。節約するか、もっといい用途に使えばいいわけですから。
 そういうことで、これは委託業務についても再検討をきちっとして、次の年度においてこういうことが二度とないようにやりたいと思います。

○足立信也君 委託の再検討と預けは禁止と、これは大臣から明言をいただきました。
 この件については以上で終わりにしたいと思います。
 次は、やっとこのほど話題が国民的議論に近づきつつあります臓器移植についてです。
 まず、昨年の五月にイスタンブール宣言というものが国際移植学会で出されました。
 ちょっとその前に申し上げるんですが、平成九年、一九九七年六月にこの参議院で修正された後、可決成立した法案でございます臓器移植法。その前には衆議院の解散があって政権が交代したという、何やら今年に近いような感じもありますけれども、参議院で修正可決した。その結果、何が修正されたかと。一番大きかったのは、脳死は人の死としないけれども臓器提供者に限って脳死も人の死と認めると、こういう玉虫色、私は玉虫色だと当時思っておりましたけれども、こういうことになったわけですね。それから、附帯決議で、参議院だけ毎年、臓器移植の実施状況が年次報告されています。ですから、この参議院でしっかり議論する必要があると私は思っております。
 そこで、この昨年五月のイスタンブール宣言、これをちょっと簡潔にこの要旨をまず説明していただきたいのと、漏れ伝わるところでは、この五月十八日にもWHOで臓器移植のガイドラインプリンシプルという、指針が出るという予定でございます。その日程的な予定と、それからその内容の概要、予想される概要について説明してください。

○政府参考人(上田博三君) 昨年五月に、世界的な臓器移植の不足からくる国際的問題などの改善に向けて、国際移植学会がトルコのイスタンブールでサミットを開催しました。ここでイスタンブール宣言を取りまとめたところでございます。
 この宣言におきましては、死体、これは脳死あるいは心停止、両方を含みますが、死体ドナーを自国で増やし、自国での臓器移植を増やすよう呼びかけること、そのために国際的協力をすることなどが盛り込まれております。
 また、臓器の商業的な取引についての懸念を受けて、一九九一年に策定された世界保健機関の臓器移植に関する指針については、このイスタンブール宣言を反映した改正案が本年五月の世界保健機関総会で議論をされると聞いておりまして、主な改正点につきましては、指針の対象について現行の臓器及び組織の移植に細胞移植を加える、自国内の死体からの臓器提供者を増やすように努める、臓器売買や移植ツーリズムへの対応を行うなどでございます。

○足立信也君 その中で細胞移植の件と、それから国内で、言葉を換えれば自給自足といいますか、国内でできるだけ望まれる移植ができるようにしよう。これは国内法の整備ということもあるわけですが、この宣言に基づいた指針が出た場合、これは国として、それは対処しなければいけないんだろうと思います。
 今、議員立法が衆議院に三案出ておりますが、これはそれとは別に、WHOのガイドラインプリンシプルというのが出たとしたならば、国としてあるいは厚生労働大臣としてどういうふうに対処しなければいけないとお考えであるか、その点をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) WHOの指針は基本的にイスタンブール宣言に基づくと思いますから、オーガントランフィッキングという臓器取引、これはやめさせないといけないし、トランスプラントツーリズムですね、まさにアジア諸国に行って臓器移植のための旅行をやると。それから、トランスプラントコマーシャリズムという、とにかくこれを、腎臓なら腎臓、これをもう商売の対象にする、中国なんかで例はありますけれども、こういうことはやっぱり国としてもきちんと対応して、そういうことがないようにしないといけない。
 ないようにした場合に、これは臓器移植法案、国会の場で議論をされ、それが法律になれば更に強力な武器ができるというふうに思っていますけれども、例えばどうしても海外に行かないと移植できないというお子さんなんかがおられて、こういう方、今臓器移植のレベルが非常に医学的水準も上がっていますから、助けられる命がたくさんあると思います。
 ですから、まずドナーの方をいかに増やすかということを国内でやる。それで、ドナーについて調整、コーディネーターがいますから、これはもうコーディネーターがしっかりしていてハブの役割を果たしてもらってドナーを見付ける。ドナーが見付かれば、だれがどこの病院でどういうふうに移植を待っているか。現実に、大阪の循環器センターでしたか、あそこで見てきて、本当に皆さん、私が病室を訪ねると、何とかしてくださいと、もう私、ここで一年待っていますよ、もうその切実な悩みというか訴えというのは、その後お手紙いただいたりして、これは何とかせぬといかぬなと思いながら日々がたってしまいましたけれども、ドナーサイド、それからレシピエント、受ける人の方、それのコーディネート、様々な体制整備ということを厚生労働省としては更に強力に進めていく必要があろうと思っていますので、その方向で努力をしたいと思います。

○足立信也君 臓器移植法のこの理念にのっとって、例えば第一条、移植医療の適正な実施に資すること、それから第二条、生存中の自己の意思は尊重されなければならない、移植術を受ける機会は公平に与えるよう配慮されなければいけない。もしWHOのガイドラインプリンシプルができた後には、まず大臣が今おっしゃったのは、移植ツーリズムの法的規制、これをやらなければいけない、それからドナーを増やす努力をしなければいけない、それからコーディネーターも含めた体制整備をしっかりやると、これが行政のやることだということだと今おっしゃったわけです。
 中にありましたように、救える命は救わなければいけない、これはもうだれもが考えることだと思います。それから、行政としてできることは最大限やらなきゃいけない。そして、それで足りない部分はやっぱり立法府として務めを果たさなきゃいけない、私はそのように考えております。
 そこで、資料三御覧ください。これは、私、四年前にも同じような質問をしたんですが、それから二回、これ内閣府の臓器移植に関する世論調査が二回、その後やられておりますので、これを基に質問いたします。
 行政として最大限できることはやってきたかという話です。二重線の上の五つについては、これは一般的にいえば周知度だと思います。まず、脳死での臓器提供において本人意思表示と家族の承諾が必要なことについての周知度、それから心臓停止後の臓器移植についての周知度、臓器提供についてのですね、それから臓器提供意思カード・シール、医療保険の被保険者証に付けられるということの周知度、そして、下の二つは臓器提供意思表示カードなどの所持状況と記入状況と、こうあるわけです。だんだん年代を追って時系列でこう書いておりますが、二十年九月、昨年九月の調査は、これ私、下に矢印書いておりますが、ピーク時に比べていずれも下がっているということなんですね、ピーク時に比べて。
 これは、国民の周知についてはやっぱりひところよりも周知が進んでいない点、これはもう明らかに言えること。さらに、別の項目でいうと、八二・九%、八二・九%の人が臓器移植に関する情報を十分受けていないと、そのように回答しているんです。
 この上の五項目、これ国民全体に知れ渡っていないし、カードの所持、記入も増えていない。これ、臓器移植表示カードなどの所持状況が八・四%で記入しているのが五〇%ですから、四%ちょっとしかという話になるわけですね。
 この周知状況、この上五項目御覧になって、大臣としては、行政として、国民に臓器移植に関することの周知の状況が行政としてちゃんとできてきたかということに関しては、どうお考えになります。

○国務大臣(舛添要一君) この数字を見ますと、ピークのときに比べて上の五項目が下がっているんで、それだけやっぱりこれは行政も反省してもう少し周知の努力をせぬといかぬというふうに思います。
 特にこれからは、各地の医師会含め医療関係者、この協力もいただきながら、しかも今まさに臓器移植に関する法律が国会で審議されるところなんで、この機会を特に活用して更なる周知を努力したいと思いますけど、この数字を見ると、これまでの周知努力は十分でなかったということは反省せざるを得ないと思います。

○足立信也君 そうなんですね。やっぱり足りなかった。一時期よりも周知度は下がってきたということをやっぱり認識していただきたい。
 それから、この二重線よりも下の二つを言いますと、脳死判定後の臓器提供に対する本人意思は、これはやっぱり提供したいという人が増えているんですね、一貫して増えている。それから、心臓停止後の臓器提供に対する本人意思も増えている。しかも、これはほとんど同じなんですね。つまり、臓器提供したいという人にとっては、脳死の判定あるいは心臓死であっても、提供したいという割合は同じなんですね。ということは、ひとえに、脳死判定そのものも、国民としては、そう判定されるんであれば受け入れるという形になっているんだと私は思います。
 ところが、この四三・五%の人が脳死判定後の臓器提供に提供したいと言っているにもかかわらず、先ほども申し上げましたけれども、カードを所持している人が八%で記入している人が五〇%ですね。提供したいという人が四三%。極めて少ない人しか提供したいという意思を表示できていないということなんですね。しかも、今まで何度も私も言ってまいりましたが、提供する意思があっても、いわゆる四類型の病院、附属病院とか救命救急センターとか、その四類型の病院に搬送される人は半分いないんですね。もう最初の段階からその提供の道を絶たれているわけですよ。
 先週、NHKテレビであったんですけど、救急医療情報キットというのを自分で、どこにかかっていますとか意思はどうですかとかいうキットにして冷蔵庫に入れていると。そうすると、冷蔵庫に行けばだれもが分かるというのを流れておりましたけど。そういったことも、いかに自分の意思を皆さんに分かってもらえるかということが足りないということなんですね。
 先ほど言いましたように、脳死であれ心臓死であれ、提供したいという人はほとんどいつも一緒で、しかも増えている。そのことについて、これは脳死の診断基準がはっきりしていればむしろいいんだというふうにも受け取れると。
 そこで、今まで八十一ですか、八十六ですか、脳死下での臓器提供がありますけれども、臓器移植法施行後の訴訟、臓器提供、臓器の摘出に関しての、脳死下での摘出に関しての訴訟提起というのは今まであったんでしょうか。
○政府参考人(上田博三君) 臓器移植法が平成九年十月に施行されて以降、脳死下での臓器提供事例は八十一例となっておりますが、これまでに訴訟が提起された事例はないものと承知しております。

○足立信也君 訴訟はゼロなんですね。
 それでは、もう一つ、臓器移植後の検証委員会というのがございますね、検証している、すべて。脳死下での臓器提供事例に係る検証会議というのがあります。これ公開されているのは今三十四例でしょうか。三十四例検証結果の分析があります。これは、救命治療の臨床経過及び臨床的脳死診断、そして法的な脳死診断並びに臓器摘出後の家族の方への支援はどのようにやられて、どこかに問題がなかったかというのを検証している会議ですね。
 この検証会議で、救命治療のその経過並びに臓器摘出後の家族への支援、その一連の経過の中で問題点の指摘は今まであったでしょうか。

○政府参考人(上田博三君) 脳死下での臓器提供事例に係る検証会議では、臓器移植法の制定により、脳死下での臓器提供の手続が適正に行われたかどうかについて第三者の立場から検証を行っているものでございます。これまで三十四事例について公表がなされており、そのうち一事例において脳波記録が紛失されたものと承知しておりますが、検証会議においても検討がされた結果、法的に脳死状態であったと判断されているところでございまして、このようにこれまで問題となった事例はなかったものと承知をしております。

○足立信也君 今まで申し上げたように、訴訟提起はゼロであると、検証会議での問題点の指摘もゼロであるということは、現行法制下での脳死下での臓器移植、臓器提供は結果として問題点が少なく行われているということだと思うんです。
 先ほど大臣が今後はドナーを増やさなきゃいけないんだというお話がありました。そこで、資料三のまた一番下のところを御覧ください。十五歳未満の者からの臓器提供ができないことについてどう思うか。できるようにすべきだというのが、これまた一貫して上昇しております。六九%の方ができるようにすべきだというふうに答えております。
 そこで、仮に十五歳未満を子供というふうにいいますと、定義上は十八歳未満でしょうが、十五歳未満のところになりますと、先ほど、現行の脳死判定についてはほぼ問題がないと、検証会議でもそうだと。では、これを十五歳未満までに拡大していった場合にどのような問題点があるであろうか、あるいは何を検討しなければいけないかということについては、今厚生労働省としてはどのように考えておられますか。

○政府参考人(上田博三君) まず、十五歳以下の方について脳死判定が的確に行われる必要があるというふうに考えております。それで、小児の脳死判定に関しましては、その判定基準について平成十一年度の厚生科学特別研究におきまして、小児の脳死の病態は基本的に成人のそれと変わるところなく、判定基準も厚生省基準と同じ考え方で作成できると判断される。ただし、第一次判定と第二次判定の間隔については、小児の特性を踏まえ、二十四時間とするのが適当であると考えられると、このような結果が公表されております。
 また、この研究結果については、その後、平成十八年度の厚生労働科学特別研究として、小児脳死判定基準の再検討という課題で研究がされました。その結果、平成十一年度の研究班の取りまとめた脳死の判定基準については基本的考え方を変える必要はないとの研究報告がされております。
 なお、小児科学会などから小児の脳死判定は難しいなどとの意見もございます。
 実際の運用に当たっては実務上の課題も若干残されているものと考えておりますが、諸外国でも小児の脳死判定については同様の考え方に基づいておりまして、小児の脳死判定の考え方についてはおおむね集約されてきているものと考えております。

○足立信也君 個別の事案で、やはり長期生存例とか、明らかに報告されているのがあります。それから、集約されつつあると今おっしゃいましたけれども、やはりまだ検討課題であるというのは一部あるんだと思います。検討すべきだと私は思います、積極的に、むしろ。
 そこで、臓器移植法に基づいては、これ、行政は適正な移植の実施に資するように努めなければならないわけです。しかし、先ほど資料で私、お示ししたように、国民にとっては情報が少なくて周知度が低いと。ですから、今から十四、五年前に比べて、やっぱり国民的議論になっていないわけですね。ここはやっぱり国会で議論することによって国民議論にしていくんだという考え方がなきゃいけないと私は思いますね。国会の役割の一つはそこにあると思うんです。そして、なおかつ、参議院は前回成立のときに修正を加えた院です。そして、毎年その移植の実績が報告されているんですね。
 このことから見ても、参議院で、今仮にA、B、C案が衆議院にあるとしても、参議院ではやっぱり積極的に議論すべきだと私は思いますので、これ、是非、委員長、集中審議あるいは参考人質疑も含めて、是非ともこの委員会で臓器移植に関する審議を行ってもらいたいと、そのように思いますが、取り計らいよろしくお願いします。

○委員長(辻泰弘君) 御提起の件につきましては、後刻理事会で協議させていただきます。

○足立信也君 ところで、先ほど、WHOのガイドラインプリンシプルが出た後に大臣はどうしますかと、法整備もやらなければいけないというお話がありました。これ、仮に十二年前と同じように、解散になって、廃案になって、自社さ政権に前回政権が替わって、そして新しく出し直したという事態があったわけですね。
 これ、国として法整備をしなきゃいけないんだという認識があるのであれば、もし仮にそうなった場合に、これを閣法としてその修正を行うという意図はあるんでしょうか。可能性があるんでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君) 国会の委員会運営や本会議について、行政の方からどうするということは言えませんので、基本的には、特にこれは生命倫理にかかわることで、党議拘束のない、やはり議員立法にふさわしいと思いますんで、その点について私が今どうするということは申し上げないようにしますが、しかし、やはり参議院議員として申し上げれば、やっぱりこれは、こういうテーマこそ参議院にふさわしい。我々は解散ないわけですから六年間じっくり腰を据えて議論できるんで、是非参議院主導で、仮に、それはもう当然九月までには解散・総選挙があり、そのことはだれも分からないわけですけれども、しかし新しく当選なさる衆議院の議員にしても、九月、解散以降ですよ、やはりこれは国民的な議論をすべき時期だし、国際的に様々な批判があります、臓器のコマーシャリズム含めて。
 だから、私は、何があってもできるだけ早くこれは国権の最高機関として法律を作るんだと、そういう思いで、一参議院議員としては全力を挙げたいと思っております。

○足立信也君 私が今回この移植に関して申し上げたかったのは、やはり今こそ国会でしっかり取り上げて議論すると、特に参議院がやらなきゃいかぬという一点。それから、個人的な意見で申し訳ないですが、A案、B案、C案共に問題点があるという認識でおります。もし先ほど仮定したような事態になった場合は、我々としてもこれは積極的に改正に向けて動いていきたいと、そのように思っております。そのことを申し上げたいと思います。
 では次に、三つ目のテーマで、昨年末から今年の初めにかけて起きたいわゆる骨髄フィルター問題、この点です。
 ちょっと概略を申し上げます。
 アメリカに端を発した経済危機がこれは発端です。シカゴのバクスター本社が骨髄移植の際に使用する骨髄フィルター事業から撤退したと。引き継いだ投資会社が新会社を設立して経費節減のため工場をドミニカ共和国に移転したと。審査当局の承認を新たに取得するまでに一年掛かると。で、供給停止になってしまうだろうと。日本では恐らく三月下旬にも欠品するだろうという事態が昨年暮れに起きたわけです。御案内のように、この骨髄フィルターは骨髄移植の際に使います。骨髄移植は今、大体月に百五十人、年間で二千人程度が受けております。
 そこで、資料の四をちょっと御覧いただきながら、網掛けしてあるのは重要なポイントになったときかなということで網掛けをしております。
 その後、急遽、アメリカのバイオアクセス社が製造していた後発医療機器を承認して保険適用し、形の上では事なきを得たというような結果になりました。これは舛添大臣がかなり懸命に努力をされて危機的な事態は回避されたと、それを私、評価いたします。しかし、そのプロセスの中には、やっぱり私は法的に見ても不適切な部分があったのではないかと思っておりまして、また今回は多分に幸運な面もあった。しかし、また問題点も発生しております。
 例えば、二月の骨髄移植件数が例年に比べると二割も減ったと。これはやっぱり品がなくなるというのがそのときにわっと流れたことがあると。それから、四月十七日、先週ですね、国立がんセンター中央病院で新しいバイオアクセス社の骨髄フィルターを使ったところ、予定採取量九百ミリリットルに対して五百ミリリットルも多く採取してしまったと、こういうアクシデントが起きたわけですね。今後、このような事態に直面したときに、やっぱり危機管理のためにも適切、迅速な行政府の対応で乗り切れるような体制をつくらなきゃいけないと、これはもうだれもが考えるところです。
 そこで、ちょっと今回の法的に不適切なところがあるんじゃないかという話について言います。
 この資料四を御覧ください。事の発端は昨年の十二月十五日ですね。そして、この次の網掛けのところです、バイオアクセス社が骨髄移植キットの承認申請を提出したのが一月二十八日ですね、承認申請が。そして、二月四日と二月十四日にその製品が輸入されたと、こういうふうになっているわけです。この承認申請と輸入のタイミングのことなんですね。
 我が国では、薬事法に承認されていない医薬品、医療機器を販売してはならないと、そういうふうに定められています。承認されていないものを輸入する場合は、販売されることがないということを示すために関税法の趣旨にのっとって各地方厚生局に薬監証明という書類を発行してもらい、それを税関に提出する必要があると。
 その販売されることがないという証明の薬監証明ですが、これは類型としては三つあります。個人が一定数量以上を輸入して自分で使う場合、二番目が医師、歯科医師が自分の患者さんに使う場合、三番目がメーカーが厚生労働省への承認申請に必要な試験研究、つまり人には使わない、試験研究に用いる場合、この三つがあるわけですね。今回、このバイオアクセス社が骨髄フィルターを輸入するときの薬監証明上の理由はこの三つのうちのどれなんでしょう。

○政府参考人(高井康行君) 今回、骨髄移植用のボーンマロウコレクションシステムでございますけれども、薬監証明の際の輸入目的につきましては試験研究用とされていたところでございます。

○足立信也君 この資料五を御覧ください。これが薬監証明の現物です。
 先ほど申しましたように、薬事法では承認されていない医薬品、医療機器を販売してはならないとなっているわけです。そして、人には使わないという条件で試験研究のためにこれを、この薬監証明を付けて税関に提出するんですね。ところが、先ほどの経過を御覧ください。承認申請をしてその後にこの薬監証明が出されているわけです、二月三日。この薬監証明、試験研究用というのはどういうことかというと、これから試験研究してそれを承認するための資料にすると、承認申請をするための資料にするために輸入して試験の研究に使うんだと、そういう証明なわけです。ところが、もう承認申請は出ているんですよ。承認申請が出ていて、その後に試験研究用という薬監証明を付けてこれで税関に提出すると、これ全く矛盾ですよ。こういうことを行ったわけです。
 今回は非常に厳しいやむを得ない状況だったというのは察しますよ。察しますけれども、やり方としてはおかしいですよ、これ。証明の内容、人に使っちゃいけないんですから、この薬監証明上、輸入したものは。それなのに、承認申請が先に出ている。承認するために輸入するものなんです。承認申請をするためにね、そのための薬監証明なんです。
 そこで、結果として、またその資料四の流れに戻ってほしいんですが、今回は何が問題だったのかなということを考えると、結局、十二月から承認が下りるまで、一月、二月の終わりですから、丸々二か月以上掛かったわけです。そういう形になってしまったわけですね。そこに薬監証明という承認申請の段階でどうも矛盾があると。じゃ、法的にはどうなのかという話です。今回のような緊急事態に対応するために、迅速に承認できるように薬事法第十四条の三に特例承認という制度が定められています。今回はその特例承認というのを使っていないですよね。なぜ使わなかったんでしょう。

○国務大臣(舛添要一君) この問題、ずっと私が最初からかかわってきていますんでちょっと説明させていただきますと、とにかく骨髄の移植をやれない人が、医療機器がないためにやれない人がいて、一人でもそれで命を失うということがない、絶対それだけは避けるということであらゆる手を使って、今委員が御説明したような若干法的にはいかがかなというようなことも、それは今指摘されればあるというふうに思いますが。
 いずれにしましても、こういうことなんですね。結論から言うと、その前にちょっと今説明させていただきますと、バクスター社のものが各病院に散らばっている、これを上手に融通すれば何とかぎりぎり三月まではなるかなということですけれども、しかし、それであっても一人でもこの機器がないと駄目だというので、探しまくったらバイオアクセス社がやっていた。バイオアクセス社にも直接我が厚生労働省の役人を派遣してそこでも交渉をさせる。インターネットなどを使ったりしてのやり取りもやる。それで、一応危機管理的にバイオアクセス社のものをそろえておく必要があるだろう。ただ、法的には、先ほどのように薬監証明がないといけないですから、そういう手を使わざるを得ない。
 じゃ、なぜ特例承認というのがあるのに使わないかというのは、特例承認というのは、例えば新型インフルエンザのようなのが感染、こういうのがはやったとき、具体的な法律でいうと、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれのある疾病の蔓延その他健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品や医療機器を対象とした制度で、これは、私はこれを使おうと思ったんだけれども、どう見ても今回の骨髄の採取キットについてはちょっと使えないなということで、じゃどうするかということで、とにかく二段階で、まず国内のバクスター社は何とかそろえる、それからバイオアクセス社のものを入れて、何としても遺漏なきようにしたいと。
 そういうことでこういう結果になりましたけれども、今後の課題としては、こういうことが起こったときの危機管理をどうするか。私は相当厳しく、バクスター社に対しても、それから日本の製薬・医療機器メーカーで何やっているんだこんなことをと言ったら、それはもうどの会社の連中もバクスター社許せないということであったんだけれども、しかし、許せないと言ったって現実にそういうことが起こっちゃったわけですから。
 この危機管理体制、法的な整備を含めて、これはまた足立さんの知恵もお借りしながら、どういう形にするか検討し早急に手だてをしないと同じようなことが起こる可能性がある。本来は医療デバイスメーカーがこういうことを少し、あれ、私、キットを見たときに、こんなものあなた、日本の技術だったら簡単にできるだろうと思ったんだけれども、それ聞くと、数少ないから、ペイしないからやれないというのは、ペイしなくても社会的責任でデバイスメーカーやってくれないかというようなことまで申し上げたんですが、いずれにしてもここは、委員が御指摘のように、薬事法十四条三を使えないと思います。使えない以上は、じゃ危機管理どうするか、これは課題だと思っています。

○足立信也君 今後の対策までおっしゃっていただきましたけど、正直に言うと、これ、薬事法第十四条の三、特例承認は、政令でその医療機器を定める必要があると、そこまで理解が得られないと思ったんだろうと思うんですよ。時間が掛かると判断されたわけですよね。けど、これは、大臣今おっしゃったように、ほかに代わる機器がなくて、外国で販売されている医療機器であれば、これを政令で定めれば大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて承認を与えることができちゃうんですね、できるんですよ。これ、つまり政令でこの医療機器が必要であるという、政令で定めればクリアできたんだと私は思うんです。それはやっぱり、そこまでの理解が得られないんだろうなと大臣が判断されたんじゃないかと。総理にと言ったら言い過ぎですけれども、政令で出すことに対して、だと思います。
 その一つの理由として、やっぱり十二月に情報が分かって、正確な今個数がどれだけあって、どの医療機関にどれだけあるという情報公開が遅れましたよね、二か月。そのことも、ああ、これは大変なんだと、今何とかしなきゃいけないんだという、そういう危機意識を共有するのにはちょっと情報公開も遅過ぎた。
 それから、やっぱりこういう事態は起こり得るんですね。起こり得るということは、やっぱり供給確保を主導する体制、これはどうしても必要です。今、日本にはどれだけあって、それを代替できるものがどれだけあるんだと、どの国にどれだけあるんだということ、情報はPMDA中心に私は把握しておく、そのための整備が必要だと、この点は大臣と認識を共有したいと、そのように思います。
 最後に、ちょっと時間がもう余り、少なくなりましたが、先日、梅村議員が指摘した時間外労働か当直かという話をちょっと。
 これも実は二年前に私、資料を出して説明してあるんですが、どういう経過かと。資料六を御覧ください。
 平成十八年の三月に労働基準局から、宿日直許可を受けている医療機関に関する監督結果というのが出ました。これはどういうことかというと、先日、梅村議員が出された宿日直勤務許可基準というのが平成十四年にありますね。この監督は、平成十六年一月から六月まで監督を実施しているんです、一月から六月まで。この資料六のデータはその平成十六年の十一月のこの結果なんですね、結果なんです。そして、平成十八年にその結果として出されたんです。是正がどれだけ行われたかということを含めて出されたんです。このとき、十八年というと、もう常会は医師不足一色でした。しかし、この労働状況ということは余り取り上げられなかった。これ、簡単に言いますと、宿日直許可を与えられている全国六千六百の医療機関を調査した、そのうち二千七百に改善指導をした、悪質な五百九十六医療機関に監督を実施したということです。
 左から行きます。四百三十が労働基準法違反であるということですね。そして、宿日直時に通常の労働を行ったのに割増し賃金の不払が百一、それから宿日直時に通常の労働を行い、その時間外労働時間を延長させることができる時間を超えているが十七と、そういうふうになっているわけです。右の方は、許可のある医師の、これ医師です、医師に限った場合の宿日直三百四十八の許可のうち、その許可基準違反が二百四十九、こういう事態になっていたわけですね。これだけの労働時間あるいは労働基準法違反ということが起きていたと。
 ちょっと、資料八、一枚飛んでください。
 この結果が、この御覧の日本だけが、週平均六十時間以上働いているのは六十代の前半までがそうなっていて、ほかの国にはどこにもないという事態になっているわけです。こういう事態ですね。
 それから、資料七にお戻りください。
 これ、是正されております。結局、是正したということはどういうことかというと、法定労働時間並びに三六協定を守ったか、あるいは宿日直許可は取り消さないけれども、宿日直の労働状態を昼間の労働状態とは全く違う状態に改めたか、あるいは宿日直をやめて時間外労働として割増し賃金を払ったか、この三つしかないんです。三つしかないんですね。
 そこで、この結果これだけの是正がされ、あるいは改善されている。二百四十九のうち二百二十八が去年の五月までに改善されているということの中で、じゃ、どれだけ人件費、医師、看護師が時間外労働をした賃金が増したか、あるいは医師、看護師がどれだけ増員されたか、そういったようなデータは、あったら教えてください。

○政府参考人(金子順一君) 宿日直の許可基準につきまして、その後、改善指導をいただいた報告を私ども受け取っております。
 内容につきましては、ただいま委員から御説明がございましたように、通常の勤務として割増し賃金を支払うとか、あるいは宿日直の週一回という基準がございますので、これにつきまして院内外から医師を確保するとか、あるいはその宿日直勤務の範囲を見直しまして、診療科、時間を限って宿日直の対応を取るというようなことで改善されている報告というのを、私どもとしては報告を受けているところでございますが、委員御指摘の、具体的にこれでどれだけの追加的なコストを要したかということにつきましては、私ども労働基準行政の方では把握はしておらないところでございます。

○足立信也君 七の特に下のところを御覧くださいね。これは結局ね、平成十八年の段階では二百が指摘されていて、増員したというのが百十五なんです。交代制を導入したところあるんです。実際、割増し賃金を払うようにしたというのもあるんです。しかし、どれだけ払ってどれだけコストが掛かったかという分析はしていない、何人増やしたかという分析もしていないという答えですよ。という答えなんですね。
 結果としては、先ほど言ったように二百の病院のうち、これらの監督されたところは急性期病院を中心に大きな病院ですよ。大きな病院でその半分以上が増員したと。となるならば、今地方は病棟閉鎖や病院閉鎖という事態になってきている。比較的大きな病院の半分以上が増員した、これは地方の病院の人員が減る一因になっている私は大きな要素だと当時から思っておりましたが、これは影響なかったと考えられるのか、その点を指摘したい。
 それから、よく今臨床研修の必修化の見直しというふうになっていますが、平成十六年というのは何が起きたかというと、その必修化もありましたけれども、国立大学が独法化されましたね。そして、この十六年の一月から六月に監督が入ったんですよ。民間の独立行政法人になった場合、労働条件は守らなきゃいけない。だとして半分以上の病院が増員した、その増員の原資はどこにあったか。医師は削減計画でしたから。やっぱり、集まるしかなかったわけです。私は、臨床研修の必修化よりも、独法化された、そして労働基準法違反の指摘があった、それに対して改善しなきゃいけない、このことの方がはるかに大きかったと私はとらえております。
 そこで大事なのは、大事なのは、じゃ労働基準法を守る、許可基準を守るためにはどれぐらいのコストが必要で、どれぐらいの医師が必要で、どれぐらいの看護師が必要なのか。あるいは、医療法に基づいて毎年、医師充足状況を今調べていますね。調べている。わずか三七%しか常勤医で医師が充足されていないという事態です。非常勤合わせても八五%ですよ。ここから換算して、必要な医師数や看護師、コストというのは計算できるはずです。それがPDCAサイクルじゃないですか。これを今やられていないという話なんですよ。ここをやらなければ、今後の解決策なんて私はなかなか立てられないと思います。
 最後、大臣の話を私、聞きたかったんですが、要するに医師数、看護師数の推計もできていない、必要なコストも計算していない。最後は、先日、梅村議員が、これはパンドラの箱かもしれない、しかしそのパンドラの箱というのを開けたためにありとあらゆる災難、苦悩がこの世に出てきたということですよね。でも、やっぱり今開けなければいけないし、この十六年に実は開き始めたんですよ。それであるならば、実際に必要なコストと医師数、看護師数は正確に推計できるはずです。それをやらなければいけない。私は、医療現場の危機打開には医療を提供する側と医療を受ける側の情報共有というのが一番大事だと思うんです。共に考えていかなければいけない。先週ですか、十一日に医療志民の会が発足しましたね。第一歩は、先ほどのフィルターと同じように情報公開ですよ。今は公開しない、情報を覆い隠そうとする、だから良い対策が出てこないということです。
 最後に、大臣の御意見をお伺いしたいんですけれども、やっぱりこの推計はきっちりすべきだと。そして、パンドラの箱を開けてあらゆる災難、苦悩が出てきたけれども、最後に残ったのは大臣御存じだと思いますよ、最後に残ったの、パンドラの箱開けて、希望が残ったんですよ。このことをお伝えして、最後に一言あればお聞きしたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君) たしか梅村さんにも申し上げたけれども、厚生省と労働省が一つになって一人の大臣が所管する、悪いことばかりじゃなくていいことがあるとすれば、こういうことについてきちんと責任を持って統一的に仕事ができることだろうということなんで、やっぱり労働基準法違反の下で働くということは尋常でありません。
 したがって、今いろんな指導をし、監督を強化しているところで、その上で、先ほどの資料の国際比較はありましたけれども、やはりほかの国のお医者さんに比べてめちゃくちゃな条件で働いているんで、これでは、睡眠不足はあればそれこそ手術を受ける側からすりゃ安心して受けられないということになりますから、これは、医療サービスを受益する患者から見ても大変な問題だし、提供側から見てもいつミスするか分からない大変な問題なんで、少しこういうことを本格的に検討したいなと思っております。
 したがって、労働基準法どおりにきちんとやったときにどれぐらいの人が要るのか、どれぐらいのコストが要るのかということとともに、今コストの話をいたしましたけれども、公立病院をどう改革していいものにするかというときに、じゃ、コストの反対の面の病院の収入というのはどうなっているんですかと、この点についてもそう明らかじゃないんです。
 ですから、普通、会社を経営する、組織を動かすときに、収入が幾らあって支出が幾らあって、その差があればどうするかというのを考えないといけないんですけれども、事医療機関に関してはそのことの感覚が非常に薄いというふうに思いますんで、まさに情報公開というのはそういうことのためだと思いますんで、具体的にどういう手段で、ないしプロセスで進めていくかは少し時間をいただいて検討したいと思いますが、せっかくみんなの努力でこの日本の医療制度、崩壊の危機に瀕しているのを再構築しようという方向付けができてきたわけですから、それは二千二百億円の削減の問題も含めてですよ、そういう面で、是非積極的な、そしていい、まさに希望が見えるような第一歩を踏み出したいというふうに思っております。



09.04.21 厚生労働委員会会議録より
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