国会会議録
 

平成19年10月30日- - 厚生労働委員会 答弁


○小林正夫君 保険料の流用をやめて税金で事務費を負担するようになった場合に、国民の皆様から見てどのようなメリットがあるのでしょうか。また、民主党案では無駄をチェックする対策があるのかどうか、質問をいたします。

○足立信也君 足立でございます。
 まず、二点御質問があったと思います。メリットに関することと無駄遣いのチェック機能ということだと思います。
 メリットにつきましては、先ほど議員から御指摘がありましたように、まず公的年金制度に対する国民の認識というものは、年金保険料は全額給付に回る、だから有利であるんだ、こういう認識を持っているわけでございます。この原点に立ち返って安心していただきたい、これがまず第一でございます。
 今月行われました民放のある世論調査によりますと、年金保険料は年金給付に限り、事務費などは税金で賄うべきだが五二・四%、年金事務費などに充ててもよいという三一・四%を大きく上回っております。また、御指摘ありましたように、全国紙の世論調査では七六%に上る方々が年金制度を信頼していないと、このように御指摘がございました。著しく低下した国民の公的年金制度に対する信頼が回復されると、これが第二点でございます。
 特に、国民の皆様からお預かりした貴重な年金保険料がグリーンピアやゴルフボール、マッサージ機など保険給付以外に使われたということが年金不信を招いた大きな要素でありますから、保険料は給付以外に一切使わないことを国会が国民の皆様にお約束することが大切だと考えております。今まで年金給付以外に保険料が使われていた項目は、保険事業運営に直接かかわる事務費と福祉施設費です。宿舎、公用車、ゴルフ道具、ミュージカル、マッサージ機、カラオケセットはすべて保険事業運営に直接かかわる事務費で処理されてきました。百六十六国会で成立した改正法では、この経費は恒久的に保険料を使うようになったわけですから、国民にとってはまた使われるのではないかという懸念は払拭されません。
 無駄遣いのことについてですが、事務費を税金で賄うことは一般会計から特別会計への繰入れとなるものであり、概算要求、予算編成、国会での予算審議、さらには決算審議において多角的にチェックされます。
 特別会計のチェックは我々民主党も積極的に取り組んでおりますが、やはり現状では一般会計のチェックより甘いと認めざるを得ません。この法に基づき与野党を問わずしっかり監視していく、このことは言うまでもないことだと思いますし、国民の皆様にとっては大きなメリットになると私たちは考えております。
 以上です。

○西島英利君 さらに、これは余談でございますけれども、平成十六年に成立しました年金福祉施設の売却法案、俗に言う売却法案でございますが、このときに民主党さんは反対をされました。そして、そのときの審議のこれは議事録を今持っていますけれども、山本孝史さん、それから、本日おいででございますけれども、小林正夫先生等々が御質問をされているんです。衆議院でも同様に質問をされておりますけど、かなり、その内容を見ますと、うまくいっているところは残したらいいじゃないかと、地元住民から盛んな要望を私どもは受けているというような等々の実は御質問があっております。そして、最終的には、まあいろんな理由はあるにしろ、これはこの法案には反対をされたわけでございます。
 ですから、そういう意味で、今日の議論と少し差異があるのかなというふうに私自身は感じているんでございますが、この質問については、たしか一番最後の項目で私はこの法に対する民主党の考え方ということで御通告申し上げていますので、その件について少しお触れいただければと思います。

○足立信也君 お答えいたします。
 その前に、今の質問ですが、民主党のこの法案に対する、年金・健康保険福祉施設整理機構法、このことですね、この法案に対する考え方、その中でも、ポイントといいますか、どの点にというのをもう少し明確にしていただけると有り難いかなと思うんですが。

○西島英利君 この法は、すべての福祉施設は売却するということを前提に立った法でございますので、すべての施設にこれはかかわる問題であろうというふうに思うんですね。
 その中で、これは山本孝史さんはこういうことを言われております。今の時点で売却するもの、あるいは機構に渡すもの、機構の中でうまく言わば再生されてくるようなもの、そういう範疇があるんでしたらば、それをきちんと類型を分けて、その上でこの処分計画というものを国会に諮るべきではないかということを言っておられますし、小林正夫議員は、いろいろ私どもにも各自治体始めとして地域から、一生懸命そこに働いている従業員、働いている人の努力によって黒字として採算が取れている施設もある、そのことも踏まえて各自治体から存続をしてほしいという声も私は多くあると思うんですよというようなこと等の実は御質問をされているわけでございます。
 それからもう一つ、これもやはり、大変申し訳ございません、小林先生のことばかり言って申し訳ございませんが、この福祉施設を廃止して、公的な福祉施設として年金福祉施設等の役割は私は引き続きあるんではないかと、今回のお話の中にも、黒字で採算取れている、こういう施設もあるわけですから、本当に一括処分をしちゃっていいのかどうか、この辺についても御見解をというような等々の実は御質問がたくさんあっているんですね。
 これは、余りこれに時間を割くつもりは毛頭ございません。お考えだけで結構です。

○足立信也君 ではお答えいたしますが、先ほどうちの大塚議員からも答弁でありましたように、福祉施設とそれから直接かかわる事務経費のこと、これはいずれも私たちは過去のデータに基づき過去のことを言っておるわけでございまして、百六十六通常国会で七十四条を廃止、改正されるということがあったわけですけれども、事務経費についても明確にこれは国庫負担すべきものということで今回改正法としてポジティブリストとして出したという趣旨をまずお答え申し上げておきます。
 それから、先ほどの年金・健康保険福祉施設整理機構法のことですが、これは御案内のように平成十七年十月一日に五年間という期限で発足したわけです。
 私どもが当時反対した概念的なものをまず申し上げますと、当然のことながら、年金や健康保険の保険料を使って建設や運営を支えてきた福祉施設等に対してこれ以上保険料から資金を投入しないというのは、これは当然の措置だと思います。しかし、そのことと厚生年金病院などの各種の福祉施設等を廃止、売却するということは、これは別次元の話ではないのかなという趣旨だったんだと思いますね。
 そこで、先ほど山本孝史議員のことが言われておりましたが、彼が反対理由として反対討論された内容の主な点は、保険料で設置された国民の財産がどのような施設に変わるのかが現時点では不明である点、それから雇用への配慮の点、健康増進や皆健診体制の確立のために施設をいかに活用するかという視点が欠けているのではないか、そして施設の廃止、売却のために新たな独立行政法人を設置する必要性ということが明確に示されていないのではないかということを反対の理由として挙げておったわけでございまして、その後、現時点で、新聞報道等によりますと、今、譲渡三百二施設のうち百十三施設が総額五百四十三億円で売却されると認識しております。
 病院については、これは平成十七年三月三十一日に整理合理化計画が出されましたけれども、病院についてはいまだに整理合理化計画というものが明示されていないと、ここを早く決定していただかなければ、地域住民、それから従事者にとって非常な不安を招いているという認識でございます。

○坂本由紀子君 
 次に、この法案の提案理由として、国民の信頼を回復して持続可能な公的年金制度の再構築を図ると言っておられます。年金に対する国民の信頼の回復、そして年金制度が持続可能性を高めるということは、これは与野党を通じて大事な課題だと思っておりますので、このために党派を超えてしっかりと力を合わせて努力をするということは大事なことであろうと思うのであります。
 そういう点で更にお伺いをしたいのでございますが、年金についての信頼が損なわれたというので挙げていらっしゃいますのが、ずさんな記録管理の問題であるとか、あるいは年金保険料等の横領などでございます。これは、実は制度そのものというより制度を運用している側の問題でございますので、こういうことがあってはならないということはもとよりなんでございますが、今回の法案がそのようなものについて何か改善ができるようなことを盛り込んでいらっしゃるんでしょうか。その点について提案者の御見解をお伺いしたいと思います。

○足立信也君 お答えいたします。
 おっしゃるとおり、これは運用の部分が非常に大きな問題だというのは、私もそのように認識しておりますし、私ども皆その思いでございます。その点はおっしゃるとおりだと思います。
 そこで、国民の間に、特に先ほどから六兆八千億というお金の問題が出まして、国民からの信頼を得られないところまで不信感が募っている。じゃ、どういう手段でそれを、信頼を取り戻すとか、その議論の手段の取り方の問題だと私は思うんですね。坂本議員は長年行政に携わっておられてその点は非常によくお分かりだと思うんですが、今までなぜこういう使われ方をしてしまったのかと。
 恐らく、百六十六国会の中では、今まで運用の基準となる法案の条文ですね、特に国民年金法と厚生年金保険法のこの条文が、例えば今問題になっております国民年金法でいいますと七十四条関係の福祉施設についてですけれども、これは国民年金法も厚生年金保険法も、わずか改正前は五十文字程度しかない非常に短いものでした。それに対して、国家公務員共済組合法では事業について八号にわたる事業を書かれている、それから地方公務員等共済組合法では事業について六号にわたって書かれております。百六十六国会の改正では、年金事業の円滑な実施を図るための事業として、恐らく、この今挙げました法案に類似する形で事業の内容を明示されたんだと、そのように解釈しております。
 それに対して私どもはどういう手段を取るかということに対して、今回の改正では、国民年金法でいいますと七十四条、それから八十五条、どちらにもかかわる福祉施設の問題、それから事務費を恒久的に保険料から使うということに改正されたこの問題、これをどちらも保険料は給付以外には使わないんだということが、先ほどのいかにしっかりした運用に行くかということにたどり着く手段だと考えてこのことを挙げたわけでございます。そして、国庫負担とするものは六項目、私どもはポジティブリストの形で挙げたわけでございます。
 もう何度も言いますが、おっしゃるように、運用の問題は、これはもう与野党を問わずしっかり監視していくしかないと、そのように申し上げておきたいと思います。

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。今回が当選以来初めての質問になります。どうかよろしくお願いいたします。
 我が国の年金制度は二十歳以上のすべての国民が加入対象となる国民皆年金制度であります。よって、国民の年金制度に対する信頼が何よりも大切です。信頼を回復するためには、年金記録問題の解決や制度運営の改革を始め、不断の努力を断行しなくてはなりません。
 今回議題となっております法案では、保険料は給付以外には使わないとする民主党案と、年金給付と密接不可分な経費には保険料を充てるとするさきの通常国会で成立した社会保険庁改革法との考え方が真っ向からぶつかっております。
 この違いを明らかにするために何点かお聞きしたいと思います。まず、提案者にお伺いいたします。
 この法案では、年金保険料を年金事業の運営費には一切使わず税で負担をするという仕組みになっておりますが、保険料でなく税負担にするのはなぜでしょうか。根本的な考え方、理念を教えていただきたいと思います。

○足立信也君 非常に本質的といいますか、非常に広い概念の御質問でございますので、多少時間掛かるかもしれませんが、答弁させていただきます。
 そもそも、午前中の議論で度々出ておりますが、昭和三十四年、国民皆年金、公的年金制度を導入すると、それに当たって国民の認識は、先ほど坂田元大臣の答弁もございましたように、国民の認識は年金保険料は全額給付に回り有利であるということが認識されておったわけです。そして、これも先ほど来何度か出ました全国紙の世論調査では、国の年金制度を信頼していないとする人が七六%に上っていると。この何としても信頼を回復しなければならない、これはもう議員おっしゃるとおりでございます。
 そこで、我々がその手段として選んだ方法は、貴重な年金保険料が、先ほど来これも何度も出ていることでございますが、保険給付以外に使われたということが年金不信を招いた大きな要素であるという認識に立って、保険料は給付以外に一切使わないことを国会が国民の皆さんにお約束することがまず何より大事だという結論に至ったわけでございます。
 これも先ほどデータで申し上げましたが、ある民放の世論調査によりますと、年金保険料は年金給付に限り、事務費などは税金で賄うべきだが過半数、五二・四%を占めております。そして、年金事務費などに充ててもよいというのは三一%でございます。これも、先日行われました参議院選挙の結果もある意味これに近い民意を表しているんではないかと私はとらえております。
 そこで、ちょっと条文の、今回、百六十六国会で改正されてまだ施行されておりませんが、それに関連して条文の構成を少し説明しておきたいと思います。
 まず、これ国民年金法それから厚生年金保険法、ほとんど同じ条文でございますので、国民年金法で説明します。八十七条で年金事業に要する費用に充てるため保険料を徴収すると、そのようになっております。そして、八十五条で年金事業の事務の執行に要する費用は年金事業に要する費用から除外されているんです。これは八十五条で、「国民年金事業に要する費用(次項に規定する費用を除く。以下同じ。)」ということで、年金事業の事務の執行に要する費用は年金事業に要する費用から除外されていると、これがあるわけです。そこで、七十四条にこれは福祉の必要な施設をすることができるという規定を設け、そして前通常国会ではこの八十五条の部分、「以下同じ。」を削除することによって、年金にかかわる事務費は保険料を恒久的に使い得るという改正がなされたわけでございます。
 そこで、例といたしましてグリーンピアを、今まで年金給付以外に保険料が使われていたという項目は、年金事業運営に直接かかわる事務費と福祉施設費、この二つでございます。グリーンピアを始めとする福祉施設費については、さきの通常国会で、先ほどから申し上げております国民年金法の第七十四条及び厚生年金保険法第七十九条の福祉施設の規定を削除する代わりに、教育及び広報等への保険料充当が可能とする改正を行いました。

○委員長(岩本司君) 簡潔に願います。

○足立信也君 はい、分かりました。
 本法案では、その改正を行わずに、当該規定を削除することにより、教育及び広報等への保険料充当を禁止することといたしたわけでございます。
 つまり、七十四条に規定する部分、そして八十五条に規定する部分、年金給付以外に使われている保険料というものを、先ほど来申し上げておりますように、給付以外には一切使わないという姿勢に立って、その部分を国庫負担とするというふうに改めてしたわけでございます。これが原点に立ち返り給付以外には保険料を使わないんだという姿勢を示している国民に対するメッセージだと、私はそのように解釈しております。

○渡辺孝男君 先ほど、類似の質問の中での答弁で、国民の皆さんも過半数がこういう年金の保険料を事務費に使うことに関しまして税財源を使ってもよろしいのではないかというようなアンケート、ちょっと詳しく覚えておりませんが、そういう調査があったということでありますけれども、調査の仕方によってもいろいろ回答は変わってくると思うんで、事務費を税財源で見ると、ただしその税財源がそれに使われなければほかのもっと大事なことに使うことが可能であるみたいな、前もってそういうことを前提とした回答なのかどうか、そのところをちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども。

○足立信也君 これは、私も取り立ててその件を皆さんにこれを共有していただきたいという意味で申し上げたんではなくて、そういうデータもあったということで、これはまあ、ある先ほど民放と申し上げましたけれども、テレビ局の取材、アンケート調査で千百名だったと思いますが、その質問項目、その内容、それから前提条件等々については詳細には存じ上げておりません。

○小池晃君 ちょっと確認の意味で提案者にお聞きしたいんですけれども、一つは、社会保険病院とか厚生年金病院のことは先ほども議論ありまして、これはある意味、地域医療に欠かせない役割という面もあります。これは今流用は行われていないわけですから今度の法案とは関係はないものというふうに私ども理解しているんですが、確認の意味でお聞きしますが、民主党提案のこの法案の成立によってこうした病院の存続の問題に直接影響を与えることはないという理解でよろしいですね。

○足立信也君 お答えいたします。
 もう小池委員御存じのように、厚生年金病院は今現在十病院、それから社会保険病院は五十三あるわけでございまして、特に年金の福祉施設の整備等に要する経費への保険料からの投入は平成十六年度でもう終了しております。ですから、本法案の成立による影響は御存じのようにありません。
 ただ、一点追加させていただきたいんですが、社会保険病院のことを今おっしゃいましたので、政管健保の保健福祉施設関係への保険料からの投入は、十七年度予算でもそれから現在でも借料としてまだ使われております、これは本法案には直接関係ありませんが。

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 社民党は、この年金流用禁止法案には大賛成です。年金は、国民の信頼を回復するためには年金の保険料はすべて年金に充てるというのが当たり前で、これが保険料がほかのことに使われているのではないかということが年金に対する信頼感やそういうもの、破壊することになるというふうに考えますので、年金流用禁止法案を一刻も早く国会で成立させることが年金の回復のまず一歩になると思います。
 本日、趣旨説明及び法案についての提案者の説明がありました。なぜ税金で負担するのか、なぜ保険料では駄目なのか。私が思うには、税金で負担するとなれば、毎年毎年予算の審議のときにどうなるかという緊張感が非常にあると。保険料であるということであれば、特別会計ではないけれども、保険料が一応たくさんあれば何とかなるみたいになるのではないか。税金で毎年チェックを受けるということが、国会の、非常に緊張感を生むのではないかとも思いますが、改めて提案者の考えを述べてください。

○足立信也君 お答えいたします。
 御賛同いただきまして誠にありがとうございます。
 年金事業の運営経費としてですが、これはもう御案内のように、国費から出ている基礎的行政経費、それから今現在、保険料から使われている年金事務費、保険事業運営に直接かかわる事務費、そして福祉施設費というふうにあったわけでございます。先ほど小池議員の質問でもございました社会保険オンラインシステム費、これはこのどちらも、年金事務費そして福祉施設費のどちらもから出されているわけでございます。
 事務費を保険料で賄うべきか、あるいは税金を使うべきかというのは、正に今までの議論にありますように、政策判断だと私は思います。この目的は何か、公的年金制度の信頼を回復するんだということ。そのための手段としては、まず、今まで議論の中でもございましたが、懸念が広がっていると、この懸念を払拭するためには、保険料は給付以外には使わないんだという強い意思がやはり私は必要なんだと、そのように思っております。
 議員の方から、税金の方が緊張感を持って審議されるという御指摘もございましたが、やはり一般会計、特別会計ともに私ども責任持って慎重に審議しなきゃいけない、これは与野党問わずやるべきことでございますから、その点に関しましては、これからも私ども、そして与野党問わず皆さん真剣に取り組むべき問題だと、そのようにとらえております。




20071030 厚生労働委員会会議録より
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