国会会議録
 

平成19年4月26日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党の足立信也でございます。  
  私もかなり田舎の方に住んでおりまして、将来の国民の安心の中で占める割合、特にまた地方に住めるという条件の中に、医療の提供と教育環境だということはもう私自身も感じていますし、その意見は皆さん異論はないと思います。  
  その中で、昨年来あるいはここ数年来続いております医療制度及び消防組織の改革によって医療機関の集約化が進んでおります。事実その方向で進めているとまた思いますし、救急業務、つまり患者搬送も広域化が進んでおります。となるとなれば、医療機関同士の距離、また自宅から医療機関への距離が延びているわけでございます。集約化だけでは果たせない、常にいつも安心して医療機関を受診できるという安心感を満たすためには、集約化だけでは達成できない、車の両輪の一つとして搬送体制、相談体制というものが欠かせないんだと、この認識で私は考えております。  
  そこで、昨年起こりました事案を例に引きながら、今、日本の救急医療体制はどういう問題点を抱えておるかということを明らかにしていきたいなと思います。  
  まず、昨年の八月に奈良県の大淀町立大淀病院の妊婦さん、三十二歳の方が亡くなられました。皆さんよく御存じだと思います。  簡単に話をしますが、八月八日に妊婦さんが意識を失った。で、産科医は陣痛による失神だと判断した。その後、けいれんを起こした。これは妊娠中毒症の中の一つである子癇だと、クランプといいますが、けいれん発作だと判断した。ここから搬送先、まあ町立病院も地域の中核病院ではあるんですが、搬送先を探すと。しかしながら、十九軒の病院から転入を断られ、六時間後に最終的には国立循環器病センター、これ大阪ですが、に搬入されて、八日後に亡くなったということでございます。  
  そこで質問ですが、十九病院に連絡を取り、搬入を依頼したわけですけれども、その依頼は、だれがどのような基準で病院を選んでそこへお願いしたのかということをお聞きしたいと思います。

○副大臣(武見敬三君) 厚生労働省において、奈良県から、この事案が起きた後調査等を行い、聴き取りもいたしました。  
  この町立の大淀病院において、母体搬送をまずこの県立医大附属病院へ要請をいたしております。そして、同病院での受入れが困難であったために、この県立医大附属病院において奈良県内及び大阪府の他の病院への受入先病院を探したということでございました。

○足立信也君 ちょっと質問通告ではこれ抜けていると思いますので、参考人で結構ですが、それは、この妊婦さん、どこで待ったんでしょうか。車の中なんでしょうか、それとも大淀病院にずっといて待ってたんでしょうか。そして、車の中だとしたら、そこには救急救命士は同乗しておったんでしょうか。その点をお願いします。

○政府参考人(松谷有希雄君) 担当の政府参考人ではないのですけれども、待っていたのは、大淀病院で待機をしていたということと伺っております。

○足立信也君 そこで、奈良県立医大へ依頼し、そこからいろいろ探したということなんですが、多分、これは私の予想になると思いますが、奈良県立医大も救命救急センターではあるんですけれども、これは先ほど言いましたように、妊婦さんが子癇発作を起こしたという判断で、恐らくは産婦人科ルートで探したんではないかと思われるんですね。結果的には脳内出血があったわけなんですが、そこで判断が、診断が間違っていた可能性も否定はできないし、これ、奈良県立医大のところで救急専門の医師が状態を聞いていればその後の判断が違ったんではないかという可能性は私はあるとまず思っております。  
  そこで、奈良県立医大から依頼を受けて十九の病院が転院を断ったと、その理由を分かる範囲で教えてください。

○副大臣(武見敬三君) これも厚生労働省におきまして奈良県から事実関係について聞き取りを行っております。  
  奈良県が把握している限りではございますが、この搬送を受け入れることができなかった主な理由につきましては、NICU、さらにはMFICU、母子のICUでございますが、これらが満床であったということがその理由というふうに聞いております。
 厚生労働省としては、一般の産科病院などと高次の医療機関との連携体制を確保する周産期医療ネットワークの整備を進めているところでございまして、この未整備県の奈良県においてこうした事案が起きてしまったということで、大変残念に思っておるところであります。奈良県では、今後奈良県を始めといたしました未整備県、十九年度中の整備に向けて努力していく所存であります。

○足立信也君 満床だということなんですね。  ただ、先ほど私、急な形でちょっとお聞きしたんですけれども、奈良県立医大の先生が搬送先を探したわけですね。それは産婦人科という限定があったんではないかと。そこで、今、母子センターのお話が出て、そこは満床だという話になってきたんですね。でも、本来、この状態を聞いたら、やっぱりこれ救急の専門医が判断していれば違ったんではないかと先ほど申し上げましたが、分かるかどうか分かりませんけれども、実際に奈良県立医大の附属病院で搬送先を探されたのは何科の担当の先生なんでしょうか、分かりますか。分からなければ結構です。

○政府参考人(松谷有希雄君) 産科の先生が探されたというふうに聞いております。
 委員おっしゃるとおり、救急の専門医であればまた別な判断があり得たかと思いますけれども、仮定のあれですので、その方のそのときの病状等を見なければ確定的なことは申し上げられないと思います。

○足立信也君 そうなんですね。状態をそのまま把握するんではなくて、やっぱり強い先入観が全体に働いているんですね。
 先ほど満床のことを言いますが、これは大きく分けると二つ問題点があると思います。
 一つは日本の今、救急医療の現状で、重症度に応じた搬送先になっていないというのは皆さんもう認識ありますが、初期やあるいは二次の医療機関で断られることが多いから最初から三次に行ってしまう、高度のところに行ってしまう。いつも三次のところは満床状態にあるということもありますし、そしてもう一つは、今は入院期間の短縮ということが進んでおりますので、その三次医療を受ける側も、それほど重症じゃない患者さんがいると、ある意味経営上は助かるところがあるんですね、回転が速くなるという意味で、ということもあります。ただ、やっぱり問題としては、三次医療機関、あそこへ行けば安心だという認識がある以上、集中してしまうと。つまり、救急を扱う病院に人的なあるいは物理的な余裕も全然ないという事態がまず考えられます。
 そこで、今回は、奈良県の救命救急センターは三つあります。県立奈良病院と奈良県立医大の附属病院、ここですね、近大奈良病院、このうち二つが拒否しているわけですね、今回、満床だと。これは、ここの時点ではやっぱり救急医が先入観が非常に強過ぎて、本来、先ほど武見副大臣からNICUの話がありましたけれども、実は脳外科もいなければ解決できなかったケースですね、この場合は。更に難しかっただろうと思うんですね。その全体的な症度の把握、トリアージに入ってくると思うんですが、この部分がやっぱり足りないということが一つ指摘しておきたいと思います。
 それから、人的な不足、物理的な不足。私も救急病院に勤めておりましたが、必ず、救急というのは不採算部門ですから、開けておかなきゃいけないんですね、何があるか分からない。でも、現状は、開けておかなければならないということも果たせないでいるということが一つですね。
 もう一つ、三月二十日の読売新聞に出ましたけれども、過去五年間で四百三十二の病院が救急告示医療施設を撤回しているという新聞記事がございました。総務省の調査では、救急告示病院の撤回の実態、どれほど救急告示病院という看板を下ろされているというのがお分かりでしょうか。

○政府参考人(寺村映君) お答え申し上げます。
 消防庁で把握しております救急告示病院は、平成十八四月一日現在で四千百六十九の病院、それと六百五の診療所の合わせて四千七百七十四か所でございます。五年前の状況でございますが、増減傾向につきまして、平成十三四月一日現在では、四千三百四十七の病院、それと、八百五十四の診療所の合わせて五千二百一か所でございました。五年間で四百二十七か所減少したということでございます。詳細で申し上げますと、病院が百七十八か所の減、診療所が二百四十九か所の減でございます。

○足立信也君 四百二十七、トータルですね。
 一般の国民は、救急告示病院、救急指定といいますか、看板がありますね、病院に。しっかり書かれております。これが四百二十七もなくなったらどうなってしまうんだろうと相当に不安感を覚えると私は思います、一般的には。しかし、現実として、これは医療提供体制の構築にかかわってくるんですが、実際に医療提供体制で問題は生じたんでしょうか。いかがですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 今、施設数が話題となりました救急告示医療施設は、昭和三十九年以降消防法に基づきまして、一定の要件を満たして救急隊による救急患者の受入れに協力するとして任意の申出があったものにつきまして都道府県知事が認定しているものでございます。平成元年以降、今答弁がございましたように、その数は特に診療所において減少傾向にございます。
 一方、現在の救急医療体制はこうした枠組みとは別に、昭和五十二年度から各都道府県におきまして、初期、二次、三次の役割分担に基づいて体系的な整備が進められているところでございまして、それぞれの地区数、施設数はこの五年間ほぼ横ばい又は増加傾向にあるという状況でございます。中でも、特に三次の救急医療機関として最も高度な役割を担う救急救命センターにつきましては人口百万に一か所程度の整備目標で整備をいたしておりますが、既に二百か所を超えて整備されているという状況でございます。
 したがいまして、救急告示医療施設の減少が直ちに救急医療体制全体に大きな影響を与えるという状況ではなく、昭和五十二年以降の体系的な整備に基づいて今救急の体制が取られていると、こういう状況にあるという認識でございます。

○足立信也君 私もそういうふうに認識しています。救急告示病院が四百二十七も五年間でなくなっても影響ないんです。国民の皆さんは相当不安を持ったと思うんですが、実際はそうなんです。
 これは、消防法による救急告示病院の指定と医療法に基づく都道府県の医療計画、医療提供体制の構築が全く、二本立て、別建てになっていて、片方は機能しっかりしていて、むしろ充実している、片方はもう有名無実化しているという証左なんですね。私は、この二本立てになぜなっているんだろうというところが問題点のまた大きな部分だと私は思うんです。
 今、救命救急センターについては人口百万に一か所を目指しているというふうにおっしゃいました。
 そこで、今度、消防本部のことなんですが、御案内のように救急業務、搬送業務は消防の機能の中の一つということで規定されたわけですけれども、その消防本部の数、今八百十一だと思いますが、この一つの消防本部がカバーする理想的なエリアといいますか領域といいますか、それと、そこへ住まれておられる人口、どの程度が妥当な、適切だと、そのように判断されているでしょうか。

○政府参考人(寺村映君) 平成十八年度四月一日現在で、全国の消防本部は御指摘のとおり八百十一本部でございます。
 それから、平成十八年六月に消防組織法を改正いたしまして、現在、効果的、効率的な消防体制の整備を図る観点から、おおむね管轄人口三十万人以上の規模を目指しまして消防本部をつくるべく、市町村の消防の広域化を進めております。
 この管轄人口三十万人と申し上げますのは、一般論としては、消防本部の規模が大きいほど災害への対応能力が高い、あるいは組織管理とか財政運営等の観点から望ましいというふうに理解しておりますけれども、現状におきますいろいろ消防本部の実態を踏まえまして三十万人以上というふうに目標を定めたわけでございます。

○足立信也君 消防と救急業務というのを一緒に話すので多少理解難しいと思いますが、要するに今おっしゃったのは三十万以上が望ましいということなんです。その答弁の中でも大きいほどいいだろうと、私もそのとおりだと思っているんですね。
 そこで、先ほどもありました、昨年、消防組織法の改正で広域化が図られるようになった、それから今年度、消防の広域化推進計画というのを立てられる、正にそのとおりなんですね。医療の分野もこれは、まずは保険の部分でも市町村ではとても賄い切れない、県単位という方向性でもありますし、医療計画、健康増進計画、介護の計画も県単位というふうになってきているわけですね。先ほど医政局長が救命救急センターは人口百万に最低一つだろうと、消防としては三十万以上が望ましいと。これはその形が整合性を取るのはもう間近にあると私は思っているんですね。しかも、そうしなければいけないんではないかという感覚でおります。
 そこで、実際に今どの程度やられているかということを順次お聞きしたいと思うんですが、まず救急車の、単年度になりますが、搬送人員と、そのうちの軽傷者の割合、つまり軽傷者というのは病院に来た時点で医学的判断で入院の必要なしという方ですが、軽傷者の割合、それから消防本部の司令室に医師が常駐している消防本部の数を教えてください。

○政府参考人(寺村映君) 平成十七年中の救急出場件数は五百二十八万四百二十八件でございます。そのうち救急自動車により搬送された傷病者は四百九十五万五千九百七十六人でございます。救急車で搬送された傷病者のうち、軽傷者は二百五十七万九千九百十人でございまして、全体の五二・一%を占めております。
 また、司令室に医師が常駐している消防本部の数でございますけれども、現在、私ども把握した限りにおきましては、東京消防庁など四消防本部であるというふうに承知しております。

○足立信也君 東京消防庁など、その後ちょっと聞き逃したんですが。

○政府参考人(寺村映君) 東京消防庁など四消防本部でございます。

○足立信也君 そうなんですね、四つですよね。
 評価からいくと、その四つの消防本部というか消防機能、救急業務も含めて非常に評価が高いですね。これは何といっても、通信を傍受した時点、それから現場に救急隊員が到着した時点での医学的判断が早いということですね。これが確保されているからその救急業務の実績もいいし、救急医療全体のレベルも高いということが言えるんだと思います。
 つまり、これも患者さんをそこで診て、重傷度の判別、そして救急先の選別、どのレベルの病院に搬送するのがいいのか、そして搬送手段も含めて何が一番早く医療機関へ運ぶことが、あるいは医療を提供することができるのか、こういう判断になってくる。つまり、司令のところに医師が存在していて、医学的判断がそこに加わるんだと、最初から、このことが大事だと。もちろん、密接な連携関係があって、司令からいつでも救急の専門医、指導医に相談ができる体制があればいいのかもしれませんが、やはりフランスやスイスの事例を見ていますと、司令の中に二十四時間医師が常駐しているというのがもう当たり前の考え方でございまして、いかに判断を早くするか、次にやるべきことがいかに早く医療を提供するかのことなんですね。判断をいかに早くするかと。この点でまだまだ、八百十一消防本部のうち四つだと。しかも、その四つは非常に高い評価、例えば東京や横浜だと思いますが、高い評価があるということを確認したいと思います。
 そこで、先ほど私は判断を早くと言いました。次に大事なのは医療提供を早く。一番早いのは通報を受けた時点で医師がその場に行くことですね。そこで医療を始めるのが一番早いわけですね。
 全国の救命救急センターでドクターカー、つまりドクターが行く、その配備状況、まず配備状況はどのくらい配備されているでしょうか。数をお答えください。

○政府参考人(松谷有希雄君) 医師とか救急車に同乗して速やかに処置を行うというドクターカーでございますけれども、昭和五十一年度から毎年補助を行ってきておりまして、その結果、平成十七年十二月時点で申しますと、七十三か所の救命救急センターに八十四台のドクターカーが配備されているという状況でございます。

○足立信也君 七十三か所、八十四台。
 救命救急センター、今私の認識では二百一か所だと思います。少なくとも救命救急センターにはドクターカーはあるべきだと私は思っておりますし、先ほど、どれぐらいのエリアという話で、人口三十万以上、広ければ広いほど望ましいと消防に関してはおっしゃいましたが、私は少なくともその管轄するエリアの中に救命救急センターがない消防の管轄、救急業務の管轄のエリアってあり得ないと思っているんですね。救命救急センターもないことはあり得ない。つまり、エリアとしては少なくとも、というか、多くとも二百一よりも少ないはずなんですね、理想的には、そう思っております。
 そこで、例えば船橋市なんかは救命救急センターの中にドクターカー、それから救急車もあって、通報を受けた時点で必要だと判断したらドクターがそのまま乗っていくと。非常に高い救命率、それから後遺障害の軽減率を実際にもう現しております。そのことが、私は少なくとも救命救急センターにドクターカーは必須であろうと、そのように考えております。
 そこで、次はさらに搬送手段の一つとして今度ヘリコプターの話になってくるわけですが、気象条件やあるいは夜間の運航がどうかということがございます。とはいいながらも、車では行けない部分はやっぱりヘリコプターで補うしかないと思っておりますから、現時点のドクターヘリ及び消防防災ヘリの機数と直近の一年間の搬送人員を教えてください。

○政府参考人(松谷有希雄君) 私からはドクターヘリの方について御答弁申し上げますが、ドクターヘリにつきましては、平成十三年度以降、都道府県に対して運営費を補助してきており、その対象となっているヘリコプターは現在十道県に十一て機となってございます。また、平成十七年度の搬送件数は三千八百四十二件でございます。

○政府参考人(寺村映君) 消防防災ヘリでございますけれども、平成十九年一月一日現在、四十五の都道府県におきまして七十機が運航されております。また、平成十七年中の搬送人員につきましては二千三百八十七名となっております。

○足立信也君 三千八百がドクターヘリで、二千三百が消防防災ヘリということでございます。
 私は、日本の消防防災ヘリがどの程度の設備を持っているかということをお聞きしたんですけれども、かなり高い機能を持っていることはもう明らかでございまして、また、七十機あるわけで、都道府県でこれがないのは佐賀と沖縄だけ。それだけもう既に消防防災ヘリはあり、例えば高知県などはこの消防防災ヘリを使って年間三百件以上ももう飛んでいるということです。
 昨年の二〇〇六骨太方針の中でもこの消防防災ヘリを救急搬送へ活用すべきだと、こう方針は出ております。まずはやるべきことは、私はこの消防防災ヘリの活用がもっとできるんではないかと、そのように思います。
 これ、高知の先ほど例を私申し上げましたが、そこの熊田先生の話なんですけれども、このヘリコプターを使うというのは、先ほど言いましたように、いかに早く医療を提供するかにもう懸かっているわけです。いかに早く提供するためには、その目的は何かというと、防ぎ得る死を、時間だけの問題で防げたはずの命を防ぐ、防ぎ得る死ですね、プリベント・オブ・デス、これを少なくすることが目的なんだと。彼ら高知は、必要な器具をリュックサックに背負ってヘリコプターに乗って飛んでいくと。これがもう年間三百件を超えている。この活用の仕方がまず大事なんだろうと私は思っております。
 次に、問題点としては、先ほど消防白書からのデータで五二・一%が入院の必要のない患者さんであったと、搬送したけれども、という話がありました。それとともに、やっぱり一一九番通報でよく聞かれるものの中に、今日はどの病院がやっていますかという問い合わせ、あるいは病院は分かるんだけれども行く手段がないという、まあタクシー代わりの利用ということ、どうやって行けばいいでしょうかと、そういう問い合わせ業務というのももう非常に多いというふうに聞いております。
 その中で、救急医療情報システムというものが整備されていると思うんですが、消防本部あるいは都道府県単位でその救急医療情報システムというものはどの程度今整備されているんでしょうか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘の救急医療情報システムにつきましては、救急患者さんの適切な搬送を支援するため、消防機関等へ空きベッドや対応疾患などの情報の提供を行っているというものでございまして、厚生労働省といたしましてもその導入に対する補助を行っているところでございます。現在、四十二都道府県において導入されております。
 また、未導入の県におきましては、導入に向けて検討しているところもあると聞いておりますけれども、現状におきましては、当日対応可能な医療機関をあらかじめ消防機関に登録をする、あるいは救急搬送先となる医療機関が限られていることから、消防機関が事例ごとに電話で空床状況を確認するなど、地域の実情に応じて対応しているというふうに承知をしております。

○足立信也君 四十二ということで、五、これ都は入らないですから五県でしょうか、五県がないと。
 私は、やはり患者さんの安心というものは、例えば市報とかで今日はどこの病院が輪番、当番ですというのはありますけれども、それを何か起きたときに一々探す人ってそうはいない。また、そのやっている病院をどこに問い合わせればいいのかも、すぐにそういう資料を見ながら判断できる人ってそうはいない。大体、ですから一一九番とか、あるいはあの病院だったらいつも大丈夫だという聞きづて、人づてで判断しているんだと思うんです。そこに、情報はやっぱり一元的にここへ聞けば必ず分かるというのが非常に強い安心感につながると思うんですね。そういった意味では、五県整備されていないということですが、この救急医療情報システムというものは必ず整備して、そして、そこで問い合わせたら必ず答えが返ってくるということの安心感が非常に大事なんだろうと私は思っております。そして、そこには正確な情報が常に伝えられるような形にしていただきたいと思っています。
 時間の関係で先ほどちょっと飛ばしたんですが、まだ手持ちの時間が大丈夫ですので、大臣に先ほどの関係でお聞きしたいと思います。  先ほどドクターカーの配備のことが出ました。これで私は、七十三か所ですね、二百一救命救急センターのうち七十三か所だけだと、これはやっぱり全国配備が必要性が高いと先ほど申し上げましたが、大臣は、この救命救急センターとドクターカーということに関する考えはいかがでしょうか、全国配備については。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど医政局長の方から御答弁させていただきました十七年十二月時点での数字は、七十三か所の救命救急センターに今八十四台ありますと、こういう話でございます。その時点での救命救急センターの数は、先生は今二百一と仰せられましたけれども、百八十九ということで、百八十九のうち七十三センターに配備が行われていると、こういう状況でございます。
 これを掌握しておりますのは、私どもがこのドクターカーの配備について、昭和五十一年と申しますのでかなり古い時点から補助を行っておるわけですけれども、そのことの重要性と申しますか、必要性というものについてまだ十分認識が徹底しておらないのか、あるいはいろいろな財政上の問題があるのか、現在のところはこういう状況になっておりますが、今後、今委員が御指摘のとおり、ドクターカーというのは、やはり患者さんが救急車に乗って当該の医療提供の機関に来るのよりも、更にまたその少なくとも片道分は時間が節約できるということで非常に重要だと思っておりますので、この点については今後とも配備が拡充するように勤めてまいりたいと考えます。

○足立信也君 今の答弁で前向きな姿勢だと受け止めました。
 救命救急センター、今二百一ですよね、全部で、まあそれは後で結構です。
 そこで、さらに一つ、今回の大淀病院のことも含めまして、私はそのメディカルコントロール、これは狭義には救急救命士が行う医療活動については医師の指示が必要だということで、もちろん、それを直接的な、あるいはオンラインメディカルコントロールというわけですけれども、メディカルコントロールは全体に一つ一つの救急事案が何が問題があったか、あるいは良かったか、そういう一つ一つの事後検証というのが非常に大事だと私は思っております。
 そこで、メディカルコントロール協議会というものも設置されていると思いますが、この協議会のその後の検討事案といいますか、活動状況、そういったものを教えてください。

○政府参考人(松谷有希雄君) メディカルコントロールと申しますのは、今委員御指摘のとおりでございますけれども、平成十六年度の厚生科学研究で全国二百六十地域のメディカルコントロールの協議会を対象とした調査をいたしてございますが、その結果、十五年中に協議会を開催をしていなかったところが三十八か所、一四・六%ほどあった、あるいは救急搬送と救急医療機関、救急医療間の連携方法など各種手順をまだ定めていない地域が二十一か所、一〇%ほどある、また事後検証を実施していない地域が十二か所、五%ほどあるといったような状況であるという調査結果が出ておりまして、すべての地域のメディカルコントロール協議会が十分に機能しているというふうにはまだ言い難いのではないかと思っております。
 病院前救急医療体制の確保のためには、地域のメディカルコントロールというのは大変大事でございまして、この協議会の充実が不可欠であるというふうに考えておりまして、厚生労働省といたしましても、総務省、消防庁とともに今後ともその活動状況の実態を把握するとともに、新たに全国メディカルセンター協議会連絡会を実施いたしまして、各協議会間での情報交換、あるいは好事例の紹介等の対応によりましてその活動の底上げをいたしたいと思っております。

○足立信也君 救命センターの数は。

○政府参考人(松谷有希雄君) 救命救急センターの数でございますが、現時点では二百一でございます。先ほど大臣が答弁申し上げましたのは、その時点での、十七年度時点での数字でございます。

○足立信也君 分かりました。
 これは、医療というのはやっぱり一つ一つの事例から学ぶことが非常に多いわけですね。ですから、事後検証というものは必ず必要なことだと思っておりますので、今の御答弁のように推進していただきたいと、そのように思います。
 ここからは、私の考えを少しだけというか、述べさせていただいて、最後に、大臣のそれについての感想とかをお聞きできたらと思います。
 一つは、救急救命士、もう一万八千人を超えました。非常に今、もう救急現場では重要な役割を担っていますが、私がちょっと足りないなと思うのは医療現場での研修なんですね。医療現場で実際どういうことが行われていてという、患者さんに接する場面がやっぱり少ないんですね。この点が問題かなと思っております。
 二番目は、これはもう明らかなように、これも、救急医もそうなんですが、救急の専門医もやっぱり病院内にいる人が非常に多くて、実際にその現場へ駆け付ける、あるいは救急業務に精通しているという方は意外と少ないんです。これ、救急救命士も、それから救急の専門医も、研修の仕方をちょっと改めた方がいいんではないかと私は思っています。
 例えば医師なんかは、ある期間集中治療室で集中的に病院の中で研修する、またある期間はもう救急業務、現場へ飛ぶというのを専門的にやると、そういったことが私は必要なんだと思います。実際にドクターヘリに乗っている方、医師の意見で、そういう災害時でも、現場へ行っていろんな患者さんの判断をし、搬送の手段を決めるということをやっておかないと、このドクターヘリに乗っていった救急医は全部一人でやらなきゃいけないんですね、それを。つまり、現場を仕切ることができない医師はドクターヘリに乗ってはいけないと。これは現場のもう既にドクターヘリに乗っている方の意見です。こういう人材の育成ですね、救急救命士も、それから救急医も絶対に必要だと思っております。
 もう一点目は、今、ドクターヘリ、これ病院にあるドクターヘリあるいは救急車も患者さんの転院に使われることが多いんですね。無駄だとある意味私は思います、その間使えないわけですから。この転院、今、医療機関のネットワーク化というのが、これ図られておりますけど、その少なくとも転院の部分はもっと民間を活用していいんじゃないかと私は思います。
 それと、あとは一般国民に、やっぱりバイスタンダー、CPR、現場に一番近い人がまず救急処置をスタートするということが救命の最大の効果ですから、この点の一般国民への啓発がまずもう大事であろうと、そのように思います。
 そして、先ほどから申し上げました、これ最後です、やっぱり救急部門というのは不採算なんです。これ間違いない。しかも余裕がないと。空けておかなきゃいけない事態もあるわけですね。
 ですから、民間の資金の導入というのが私は欠かせないことだと思っておりますし、その場合に、民間の資金、要するに寄附金が必要だということを私は申し上げたいんですけれども、その場合に、ある目的一つに絞るというよりも、今私がいろいろ申し上げましたように、救急現場というのはいろんな足りない部分がある、しかも搬送手段一つについても、ここは救急車がいいのか、ドクターカーがいいのか、消防防災ヘリがいいのか、ドクターヘリがいいのかという判断もあるわけですね。民間の資金を活用するということが大前提で、その使用の仕方については透明性が確保されるべきであると思いますし、限定されない使用の方法というものもあるべきだと。以上、申し上げます。
 以上の私の意見に対する大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 何点かにわたりまして御高見を承りました。
 第一に、救急救命士は、医療の現場において医療と接したという経験が必要なのではないかという点でございました。これにつきましては、救急救命士は、その資格を取得した後、医療機関で実習を行っていると、こういうことがありまして、これを、常にこの感覚を磨いておくということの重要性の御指摘であったかと思いますが、この実習の上に立って、さらに常に感覚を磨いていくという、そういうことは努めなければならないだろうと、このように考えます。
 それから、次には専門医のお話がありましたけれども、私がたまたま、つまらない知識だったとは思いますけれども、テレビで救急の専門医というものがどういうものかということを啓発する番組をたまたま見たことがありますが、正にけがなどをされた、そういう災害での救急救命という場合にはどういう処置をするか、どこが一体悪いんだということについて即座に判断をして的確な診療行為をしなければいけないという意味で、判断と今委員の仰せられる現場を仕切るというか指示するという、そういう専門的な知識が必要だというのは、私はそのとおりであろうと思うわけでございます。これから、そういう意味では専門医を育てていくということも非常に大事なことだということをその番組も啓発しておりましたけれども、今先生の御指摘も同趣旨かと思いまして、この点については念頭に置いて、今後の、例えば標榜の問題等、これから取り組まなきゃなりませんけれども、それらに当たってもいろいろまた考えていく必要があろうかと思います。
 それから、転院の際のロスと申しますか、そこはもう民間の輸送機関による搬送でよろしいのではないか、こういうような御指摘がありまして、これはまあ我々の所掌ではないかもしれませんが、あるいは医療機関の判断かもしれませんけれども、これもまた参考にさせていただきたいと思います。
 国民への啓発ということが常に重要だということについても、そのとおりかと思います。
 また、この救急救命部門というのは不採算であって、なかなかこれは難しい運営が迫られているということと同時に、その一番最適な手段の選択ということは余り固定的に考えないで、取捨選択をする必要があるというお話でございました。これは、私ども、今回ドクターヘリということの議員立法をしていただくということで、これは有り難いと思っておりますけれども、同時に、先ほどドクターカーの点については、装備が非常にまだ行き届いていないということも御指摘で改めて再認識をいたした次第でございまして、それやこれやをいろいろ考えまして、今委員の御指摘のように、余り固定的な先入観でもって何が欲しいということではなくて、一番その地域地域にふさわしいドクターの乗った救急の搬送手段というものを整備していかなければならないと、そのように感じた次第でございます。

○足立信也君 ありがとうございます。私の質問終わります

070426厚生労働委員会会議録より
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