国会会議録
 

平成19年4月24日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 恐らく介護福祉士あるいは准介護福祉士に話題が集中するんじゃないかと思って、私は社会福祉士、介護福祉士に共通するこの法案の問題点からいきたいと思います。
 で、社会福祉士と介護福祉士というふうに、そこまで行ければいいかなと思っています。  で、本法案の目的は、近年の介護、福祉ニーズの多様化、高度化に対応し、人材の確保、資質の向上を図る、このことだと、このことに尽きると思うんですね。ところが今までの議論も聞いておりまして、ほとんどがその資質の向上の方にいっていまして、人材の確保という観点がちょっと足りないような気がしております。
  そこで、共通する問題点ですね、社会福祉士と介護福祉士に共通する点としてまずお聞きしたいのは、質問で一緒になったかもしれませんが、ちょっと分けて聞きます。直近の社会福祉士と介護福祉士のその国家試験の合格率を教えてください。

○政府参考人(中村秀一君) お答えをいたします。
 直近の十八年度の、と申しますのは今年の一月に実施されました国家試験においてでございますが、社会福祉士は受験者四万五千二十二人のうち合格者が一万二千三百四十五人で、合格率は二七・四%でございます。
 介護福祉士は、受験者十四万五千九百四十六人のうち、合格者が七万三千六百六人で、合格率は五〇・四%となっております。

○足立信也君 それで、今お聞きしただけで非常に低い合格率だとまずは思います。
 そこで、例えば私が関係していたところでは、医師の国家試験なんかは、まず分野別に合格ラインというのがありますね。で、トータルでも合格ラインがあって、そして禁忌項目というのがあって、これを踏んだら一発でアウトというのがありますね。
 そこで、これだけ低い合格率というのはどういう合格の基準になっているのかなというのが私は疑問に思うんですが、そこを教えてください。

○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 合格基準につきましては、問題の総得点の六〇%程度を基準といたします。ただ、難易度がございますので、難易度で補整した点数になりますけれども、基本は総得点の六〇%程度を基準といたしております。

○足立信也君 参考までに、近いというか、職種が非常に似通っているといいますか、医師や歯科医師や看護師、薬剤師の合格率をちょっとお聞きしたいと思うんですが、その前に、トータルで六〇%ということでした。非常に正答率の低い項目、何というか、問題とかは、通常カットされて、ある程度合格率というのはこちらが想定したラインに持っていけるんですよね。そのことを踏まえて、じゃ、医師、歯科医師、看護師、薬剤師のこれまた直近の合格率、率だけで結構ですから、教えてください。

○政府参考人(松谷有希雄君) 平成十九年二月に実施されました直近の医師国家試験の合格率は八七・九%でございます。また、歯科医師国家試験の合格率は七四・二%、看護師国家試験の合格率は九〇・六%となっております。また、今年の三月に実施されました直近の薬剤師国家試験の合格率は七五・六%となっております。

○足立信也君 というように、社会福祉士に関しては三割に行かないわけですね。それから、介護福祉士は初めて五割超えたんですか、五〇・四%。ほかの資格と比較すると圧倒的に低いわけですね。今回の法案の改正、十八年ぶりということですが、社会のニーズが高まっているというのはもう皆さん自覚しているわけですね。普通、現政府の得意な市場原理でいくと、需要がこれだけ多いのに、なぜそんなに合格率低いんだろうということがまず頭に浮かぶわけですね。  これは、トータルとして六割の合格ラインまで行かないということは、その教育課程に問題があるというふうな認識なんでしょうか。それとも、私はやはりトータルの合格率ってある程度設定できると思っているんですが、そういう何か違う要素があるんでしょうか。

○副大臣(石田祝稔君) 今、医療関係資格と比較をして私も見まして、大変これは低い数字だなと正直実感いたします。
 医療関係資格の場合には、資格の取得を目的として集中的に勉強した後に、国家試験により必要な知識、技能の獲得を確認する仕組みとなっておりますけれども、現在の社会福祉士、介護福祉士の場合にありましては、介護福祉士の実務経験ルートにおいては、理論的、体系的な学習が課されておりません。また、社会福祉士の福祉系大学ルートにおきましては、必ずしも社会福祉士の資格の取得を目的として勉強している者ばかりでない等の状況、こういうものもあろうかと思います。こういった事情も社会福祉士、介護福祉士の国家試験の合格率が医療関係資格の合格率より低くなっている一因ではないかと、このように考えられます。
 また、国家試験の在り方については、社会福祉士、介護福祉士として必要とされる知識、技術を総合的に評価できるような内容となっているかどうかについて検証を行っていく必要があると考えておりまして、今後、専門家、実践者により新たな作業チームを設け、検討を進めていくことといたしたいと思っております。

○足立信也君 そこで、非常に狭い門ながら、資格は取ったけれどもという話になってくるわけですね。
 そこで、資料一をごらんいただきたいと思うんですが、ここに大体まとめてあるんです。これは後でまた話をしますが、要はどれだけの方が就労されていて、その不就労率というのがどれだけなのかということをお伺いしたいと思います。
 それと一緒に、先ほどちょっと話がございましたが、福祉分野あるいは介護の分野の有効求人倍率ですね、この有効求人倍率と今現在の資格を持ちながらも就労されていない不就労率ですね、これを教えてください。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 社会福祉士及び介護福祉士の国家資格をお持ちになって実際に就労していない人についてでございますが、介護福祉士につきまして、平成十六年九月末の介護福祉士資格取得者四十一万人に対し、約四割の十八万人が実際に就労していないと、こういう状況でございます。
 社会福祉士にあっては、十七年九月末の社会福祉士資格取得者七万人のうち、介護保険サービスや障害福祉サービス等の分野において一・八万人が従事されておりますが、このほか正確な数は把握できていない状況におります。ただ、社会福祉協議会などに就職されている方、また、非常に少ないわけではございますが、独立して社会福祉事務所を営んでおられる方もございます。
 有効求人倍率でございますが、全職種、これは全産業平均一・〇二でございますが、介護関連職種の有効求人倍率はそれより高く、常用一・六八になっております。それから、パートタイムの方については、全職種平均が一・三五でございますが、介護関連職種については三・〇二になっております。先ほど常用と申し上げましたけれども、パートを除きます常用という概念がございまして、それでございますと、全職種〇・九一に対して一・一六でございます。いずれも全産業の平均として比較的高い水準でございますし、特にパートにつきましては三・〇二ということで非常に有効求人倍率が高くなっているという状況でございます。

○足立信也君 簡単に言いますと、非常に需要は多いわけですね。有効求人倍率がどちらも高いわけですよ。非常に求人はある、需要は多い。で、国家試験の合格率は非常に低い、物すごく狭き門を通ってきている。でも、働く人は非常に少ないと。非常に論理的に矛盾しているんですよね。
 今の話ですと、介護福祉士は約四割が働いていないということですよね。それから、いろいろ、統一したある期日のデータがないのでおっしゃりにくいような感じでしたが、社会福祉士に関しては約七割が働いていないんですよね、今の数値からいきますと。そういう事態になるんですよ。
 去年の医療制度改革でも、看護師さん、資格を持った方が百七十七万、で、潜在看護師が五十五万、約三割が潜在看護師として働いていない。大問題だと。これをどうしようかと言われましたよね。でも、それ以上の人が社会福祉士、介護福祉士の中では働いていないんですよ。明らかにおかしいことだと私は思うんですけれども。
 そこで、看護師あるいは医師のように、年度を置いて定期的に需給見通しをしていますね。これは、介護の職員あるいは介護福祉士とかに関しては需給見通しというのはやられないんですか、あるいはやられておられるんですか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 まず、介護関係につきましては、この委員会でしばしば各委員の御質問の中にも出てまいっておりますように、医療と違いまして、こういう職種の人でなければこの仕事ができないと、こういうことではないものでございますので、そういった意味で、社会福祉士あるいは介護福祉士の需給というような形のものはございません。
 ただ、当然、例えば介護の事業所も増加しておりますし、六十五歳以上人口も増えている。また、要介護認定、その中で一定の割合の方が要介護認定で該当するというようなことを考えますと、当然、介護職員として将来的にどのくらいのものが必要かというような見通しについては計算されております。現在、百万人でございますが、二〇一四年の介護職員数は百四十万から百五十五万人の程度であり、今後十年間で年間四万人から五・五万人程度の増加が見込まれるのではないかと考えております。

○足立信也君 私は、資質の向上とそれから人材確保という、特に人材確保の面が足りないと冒頭申し上げました。資質の向上を図って国家資格も統一してという考えを持たれているわけですから、職員として全体としては把握しているけれども、それ以上にやはり国家資格を持った人の需給見通しというのは必ず私はやるべきだと思うんですね。この改正を契機にやっていくべきだと。このことについては大臣の所見も後で伺いたいと思いますが。
 うがった見方をしますと、なぜ合格率が低いのかという話に戻るんですが、就労率が低いから合格率を下げているんじゃないかという見方も仮にできなくもないんですね。
 そこで、人材の確保という話に行きます。
 不就労の理由ですね、これは大臣は本会議の答弁で、仕事のやりがい、職場の人間関係そして給与水準と考えられるというふうにおっしゃいました。ただ私は、仕事のやりがいについては、やはり教育を受けて、あるいは実務コースもあるわけですから分かっていられる、大分私は理解されているはずだと思っているんですよ。職場の人間関係というのは、これは何も介護や社会福祉特有のものでもないわけですね。となると、残りは給与水準になるんですね、理由としては。
 もう一つ、現場の社会に出て、例えば看護師さんも一年目に九%が辞められるということがございました。実際に自分が学んだことと現場とのギャップですね、これを感じられる。でもこれは、今回の改正のように実習時間を増やしていけばある程度私は解消される方向に働くんだと思いますし、当然、実習の中でやりがいも見付けられるんだと私は思います。
 そこで、実習と現場に出たときの一番の違いは何かというと、私は責任感と給与だと思います。実際に自分が責任を持ってやらなきゃいけなくなったというのが、机上の空論ではない責任感がどれだけ重くのし掛かってきているかということだと思います。
 そこで、不就労の理由、今私は大臣答弁を踏まえて申し上げましたが、その理由に関して更に踏み込んだ理由を考えられるでしょうか、お答え願いたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) 先ほど来議論させていただいておりますように、やや医療と介護の方の制度的な構造が、だれでも入れる介護という部分と、医療は医師でなければ診断、治療ができないというようなこと。したがって、医師になろうとすると必ず国家試験に合格しなければならない、またそのために医学校があると。こういうようなところと、何と申しますか、社会福祉士さんにしても、文化系の大学でいろんな進路がある中で教育されているのとやや状況も違うような感じがします。
 一つだけ申し上げさせていただきますと、例えば福祉系大学でも合格率、百を超える大学があるわけですが、合格率が〇%から八〇%まで分布しておりまして、福祉系大学で平均合格率は二四%でございますが、合格率五〇%を超えるのは大学の中で全体の一四%というような形で、かなり大学間に格差があるということも事実でございまして、今回の改革の中で、実は大学の教育内容についても、文科省だけじゃなく厚生労働省も関与させていただくというのはそういうことでございます。
 それで、不就労の理由でございますが、我々、逆に転職の理由なども問いますと、やはり仕事にやりがいがない、先ほど委員からいろいろ御指摘がございましたけれども、それがございますし、社会福祉士についても、調査をいたしますと、賃金や各種手当、人材育成や研修機会、施設運営やサービスの方針等が挙げられているというふうに承知いたしております。

○足立信也君 先ほど私なりに集約したのは、恐らく実習とは違う責任感と給与だろうというふうに、まあ私なりの集約ですけどね。
 例えば介護に限って言うと、全産業の平均時給額が千八百三十円、施設介護は千二百十円、ホームヘルパーは千百四十二円と。給与の面からいくとやっぱり低いですね。それと、ホームヘルパーの五割の方が腰痛を訴えている、で三割弱が更にコルセットを使用しているという実態。それから、これ夜間勤務がございますから、施設の場合は、九割弱が夜間勤務のときに強いストレスを感じているということが、私はそこが更に突っ込んだ不就労の理由としてはあり得るのかなということは感じております。
 そこで、責任感と給与というものに絞ってお伺いしたいと思うんですね。給与に関して、やはりこれは今日の議論でもそれほど表面には出てきませんが、明らかにここに問題があると私は思っていまして、この解決の方策というものは何か考えられているんでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 給与について委員から御指摘がございました。
 我々も、先ほど申し上げましたとおり、審議会でも人材確保について検討しているところで、様々なデータもお出ししております。介護の労働の現場では女性がかなり高い比率を占めているというようなこと、それから、各産業と比べる場合に、平均勤続年数などが短いと、こういうことなども想定する必要はありますけれども、確かに並べてみますと、全産業の労働者に比べて、施設介護職員は中では高いものの、それでも全産業に比べまして低いというような状況にございますので、賃金の問題は大きな問題ではないかと思っております。
 また、比較する場合に、ヒアリングなどで承っている意見としては、産業規模、事業所規模ということも考える必要があるんではないかということがございますが、いずれにしても、そういった意味で賃金水準が高いとは言えないという状況でございます。
 そういったことについて我々が考えておりますのは、やはり介護で働いている人の資質の向上を図るとともに、そういうふうに良い介護をしている事業所に対しては適切な、例えば介護保険でいえば介護報酬等を設定していくという形が基本ではないかと考えております。

○足立信也君 今、触れられそうになって、もう少し長く答えられるかなと思ったのは女性の問題なんですね、給与にこれ関連して。
 潜在看護師も五十五万人で約三一%ですね。それから、この委員会でも何度か言っていますが、小児科の女性医師が三十代になってくると、結婚、妊娠、出産、育児で約半分が辞められると。この前も出しましたが、今度、産婦人科の女性医師が、大体五五%が十一年目で辞めていると、出産を取り扱わなくなってきていると。
 これやっぱり就労率が非常に低いというのは、介護もそうですし、社会福祉士も、それから看護師もやはり女性が働きやすい環境になっていないということが、給与に関連してもう少しおっしゃられるかなと思ったんですが、ここをやらなきゃ駄目だということだと私は思いますよ。共通しているのは女性が多いということです。その点を、もうこれは何度も言っていることですから、辞めなくて済む環境ですよ。再チャレンジじゃないんですよ、辞めなくて済む環境が大事なんですよ。その点を申し上げたい。
 それから、二番目が、責任感のことを先ほど申しましたが、これ資料二をごらんください。
 本法案の第四章、義務、第四十四条の二に誠実義務というのがあるんですね。社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、その有する能力及び適性に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、常にその立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。私は、常に、誠実にというこの義務規定というのがちょっと極めて異質な気がするんですね。そこで、ほかの資格法で常に、誠実にという義務規定がある資格法ってあるんでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 今類似の義務規定が設けられているものは、今他の類似例というお話でございましたので、介護保険法に規定する介護支援専門員が私ども類似の規定ではないかというふうに考えております。

○足立信也君 そこはこれから資料をごらんになってください。詳しく言います。
 よく、この常に、誠実にで思い浮かべられるのが医師法の応招義務のところだと皆さん思われるんですが、これはでも、診察治療の求めがあった場合なんですね。そういう条件付きなわけですよ。それから、今、中村局長から介護支援専門員、いわゆるケアマネですね、ケアマネのことがありましたが、これ二段目に書いております。でもこれは、この問題はどこから生じたかというと、ケアマネジャーの場合に所属する介護事業所等の利益を優先してしまう、要介護者に必要のない、あるいは適していないサービスを受けさせていたという問題があって、問題があって、この常にのところは「常に当該要介護者等の立場に立って、」、後に続くわけですね、「特定の種類又は特定の事業者若しくは施設に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」。つまり、自分がやるわけじゃないんですよ。その事業者のことに偏って考えてはいけないと、そういう意味なんですね。ところが、社会福祉士、介護福祉士は、常にその立場に立って誠実にその業務を行わなければならないということなんですよ。
 これ、例えば先ほど私挙げたのは夜勤時のストレスのことを言ったんですが、当然のことながら、介護をしているときに行かないでと言われますね。相手の立場に立ったら、これはその場を離れられないですよ。自分の勤務時間が終わってもまた来てねと必ず言われますね。そういうのが、常に誠実に相手の立場に立ってやらなきゃいけないという規定をされてしまうと、これはどの時点で切れば、自分の職業と、あるいは業務時間として終わりになるのかと、非常に私はこれ縛りが強いんだと思うんですよ。これほど強い仕事の縛りを法律に求める必要があるのかなという気が私はしているんです。
 一つその解釈として、この四十四条の二、常にその立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない、これは時間制限を考えているんですか、あるいは職場にいるときだけということはどこかで担保されているんですか。

○政府参考人(中村秀一君) この誠実義務でございますが、今回の規定をしたところでございますが、これは社会福祉士、介護福祉士が私どもは業務を行う上での規定であるというふうに考えておりますので、そういった意味では業務上の任務だというふうに考えております。したがって、誠実にその業務を行わなければならないというふうに規定しているというふうに理解しております。

○足立信也君 いいですか、医師法で「診療に従事する医師は、」というのは、診療時間のことだけじゃないんですよ。それから、保助看法で「業務に従事する助産師は、」というのは、勤務時間だけの話じゃないんですよ。だとしたら、社会福祉士、介護福祉士は業務時間だけであるということは読めないですよ、この文章では。いつも考えていなきゃいけないということですよ。求めがあったら、あるいは要求されたら、いつもそのとおり行動しなきゃいけないと。これ、そういうことになっていますよ。
 例えば、今問題点絞りますが、保助看法の業務に従事する助産師だと、業務に従事するというのは、これは時間が決まっているということですか。勤務時間だけということですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 保助看法の助産師に関する業務に従事する助産師というのは、常にその時点において業務に、その時間を限って業務に従事するという意味ではなくて、常日ごろから助産の業務を行っている助産師はと、そういう意味でございます。

○足立信也君 そうですね、私もそう思いますよ。そのとおりです。
 だとしたら、この社会福祉士、介護福祉士が誠実に業務を行わなければならないんです。それはいつかというと、常にその立場に立ってなんですよ。時間制限はどこにもないんですよ。これは物すごい責任感を生むことになりますし、すごく僕は制約が強いと思っていますから、ケアマネジャーのこの二段目にある常に当該要介護者等の立場に立ってと全然意味が違うんですよ。立場に立って、それは偏ったサービス提供をしてはいけないという、計画を立ててはいけないという意味ですからね。私はこれ強過ぎると思います。
 で、これは先ほどの解釈からいくと、やはり医師法、保助看法に並んでそうならざるを得ないんだと私は思いますが、その解釈についていかがですか。

○政府参考人(中村秀一君) 委員の御指摘でございますが、例えば医師なり保健師なりは一種のこれ応召義務でございまして、正当な事由がなければ拒んではならないと、そういう医師なりそういった医療職種としての義務を書いているというふうに私は理解しております。これに対しまして、社会福祉士、介護福祉士は、自分の任務を行う際に言わば利用者本位という立場に立って、施設の都合とか自分たち供給者側の立場ではなく、常にその立場に立って業務を誠実に行わなければならないと、それが言わば個人の尊厳を保持することにつながるという形で規定をしているものでございます。  例えば、介護保険法の指定介護老人福祉施設の開設者等に対しても、常に指定介護福祉サービスを受ける者の立場に立ってこれを提供するように努めなければならないと、こうされておりますので、この点、これらの点は近年の介護あるいは福祉立法の一つのパターンではないかと私どもは考えております。

○足立信也君 近年のパターンという、でも、医師法との違い、先ほど応召義務のことを言われましたが、これは法律的に見ますと、本法案と医師法を比べますと、本法案は、第四章、義務等なんですね。医師法は、第四章、業務。そして、その後の条文で、本法案は誠実義務、医師法は診療義務、どこが違うんだということになるわけですよ。
 ですから、ここに至りましては、やはり私はその勤務時間内において、労働基準法を当然守りながらこれはしっかり周知徹底していただきたいと、そう思っております。その点はいかがでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) この規定は、そういった意味で、介護している方々に対して言わば労働時間を超えてとか、そういったことを慫慂するために置いている規定ではございませんので、そういったことの誤解は、そうでなくても、今御指摘ございましたように、労働条件の問題とか、そういった点で改善すべき余地が多いと、こういうふうに指摘されているわけでございますので、ゆめゆめそういったふうに誤用されることがないようにきちんとやってまいりたいと思います。

○足立信也君 それでは、社会福祉士に移ります。
 資料の三をごらんください。
 私は、これ非常に理解が難しかったんです、今回の法案を見ましてですね。左下に書いてありますが、点線の矢印部分と網掛け部分が本法案による改正箇所です。ちょっとじっくり言いますね。都道府県並びに市町村には社会福祉主事という方がいらっしゃいます。実務経験二年たつと、社会福祉士ですね、児童福祉司、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司になるわけですね、なれるわけですね。今回の法改正で、社会福祉士が身体障害者福祉司あるいは知的障害者福祉司の任用資格になったという点々々なんですが、この児童福祉司、身体・知的障害者福祉司が実務経験四年と六か月の養成課程を修了すれば国家試験、社会福祉士になるための国家試験を受験することができるわけですね。ぐるぐるぐるぐる回っているわけですね。
 一体、その児童福祉司あるいは身体・知的障害者福祉司を持った方が四年経験して、なおかつ養成課程を修了して国家試験の受験資格が、やっと社会福祉士の国家試験の受験資格が得られて、合格率は非常に低いわけですよね。となった人が身体障害者福祉司あるいは知的障害者福祉司の任用資格を得るという、一体どっちが指導的あるいは立場になっていくのかと、全く分からないんですよ。
 はっきり言って、社会福祉主事と司の児童、身体障害者、知的障害者の司の福祉司とこの社会福祉士、士の福祉士ですね、この関係がひどくコンフュージングですよね、間違いなく。この点はどういう方向性を今後持っておられるのかということをまずはお聞きしたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 この図自体は本当にこういう構造になっておりまして、従来、行政で福祉の仕事をする方、例えば福祉事務所のケースワーカー、生活保護現業担当員のことでございます、あるいはスーパーバイザー、査察指導員は社会福祉主事であることを要請しておりますので、まず現行制度ではこの社会福祉主事というものが基本になっております。同じ行政のポストでございます司、司はそういった社会福祉主事さんが更に実務経験を積んでなると。ここのところが、旧来のと申し上げますか、社会福祉士が出てくる前の秩序でございます。
 こういうことで、言わば行政の相談支援業務の担い手は社会福祉主事、それから司と、こういうことで行われていたと。こういう状況の中で相談支援全般にわたる専門職として昭和六十三年から社会福祉士がつくられてきたわけでございまして、こういう秩序の中から、既存の行政の世界に対しまして社会福祉士は民間の世界、行政の世界通じる国家資格でございますので、次元は、そういった意味で整理の次元は違いますが、言わば専門資格としては私どもは社会福祉士が最もそういった意味で一つの目指すべきものだと、こういうふうに考えているわけでございます。
 社会福祉士の問題としては、なかなか相談支援業務、いろんなところで行われており、社会福祉士さんがそういったところで重要な仕事を担っているわけですが、なかなか見えにくいということで、近年、介護保険の方で包括支援センターとかそういったところでようやく社会福祉士さんの活躍の場が定められてまいりましたけれども、まだまだ見えにくい状態にある。従来、司についても、児童福祉司の言わば任用資格として社会福祉士さんがなれますよということが明記されておりましたけれども、今回、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司についてもそのことを明確にするというのが一点でございます。
 ただ、逆の言い方をしますと、従来、社会福祉主事ルートで児童福祉司や司の仕事就かれていた方がおられますので、そういった言わば行政の場で相談援助されている方々も、言わば質の向上を目指して社会福祉士になるということを考えられた場合について、ここの委員の方で網掛けにしていただいたような道を創設したというのが今回の改正の趣旨でございます。
 一番の問題点は、例えば行政機関、社会福祉士会のデータでは会員のうち行政機関で就労されている方はその会員の八%というようなこと、福祉事務所の職員の方でケースワーカーやスーパーバイザーで社会福祉士の資格を持っておられる方は三%ということで、極めて低い状況にあるということが挙げられておりますので、そういう社会福祉士の方々が行政機関等でも活躍できるようにしていくことが今回の社会福祉士制度の見直しの大きな目的の一つでございます。

○足立信也君 提案ですが、社会福祉士がやはりかなり資質の高い統一した国家資格として位置付けられる、ただし合格率は非常に低いし、不就労の方も非常に多いと。やっぱりこの社会福祉士をいかに活用していくかということについては、やっぱり行政の任用資格としてこの社会福祉主事のところが、どうもこれは私の感覚では社会福祉士になるべき方向性なのかなという気がしますし、現時点ではその社会福祉主事はいわゆる三科目主事、大学で社会福祉系の科目を三科目修めた方でもなれるわけで、そこに社会福祉士を活用するということに関しては、そこにまず一つの取り掛かりになるべきかなと思っておるんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○副大臣(石田祝稔君) 近年、サービスの利用支援とか成年後見、権利擁護等の新しい相談援助の業務が拡大しておりますけれども、社会福祉士に求められる役割が必ずしも明確になっていないと。こういうことのために、現場で求められる高い実践力を有する社会福祉士の養成が進んでいない状況にあると考えております。
 今回の改正におきましては、新たに社会福祉士が担っていくことが期待される地域を基盤とした相談援助やサービスの利用支援などの役割も踏まえた教育カリキュラムの見直しを行い、実践力の高い社会福祉士を養成することとしております。
 これに合わせて、社会福祉士の任用、活用を一層進めるため、福祉行政や福祉現場における任用要件の見直しについても検討してまいりたいと考えております。

○足立信也君 じゃ、最後の時間は介護福祉士、特に准介護福祉士のことを聞かざるを得ませんので、そこへ行きます。
 これは経済連携協定の原本ですけれども、介護福祉士のところはどう書かれているかというと、ア サーティファイド ケアワーカー アンダー ジャパニーズ ロウなんですね。これが次からは括弧付きで介護福祉士と呼ぶという形でずっと引用されていくわけですけれども、これはサーティファイドですから、ジャパニーズロー、国の、この場合は法律にしていますが、そこで証明されたケアワーカーさんという意味ですよね。それを介護福祉士と、ローマ字表記で、介護福祉士と呼ぶと。ところが今回の法改正で、その括弧付きの介護福祉士という中に介護福祉士と准介護福祉士があるわけですね。これは、例えば仮にフィリピンの方が、私は介護福祉士だと思って来ていると、ところが日本では、あなたは准が付くんだよということですよね。全体の資格、法律で認められた国家資格を介護福祉士と呼んでいて、なおかつその中に介護福祉士と准介護福祉士があるというこの枠組み、どう考えても困ると私は思うんですけれども、解釈上。これは外務省のことかもしれませんが、私は厚生労働省として非常に困るんじゃないかと思うんですね、はっきり言って。
 その点についてはいかがですか。困りませんか。

○政府参考人(中村秀一君) 協定の解釈を行う権限を有します外務省からは、日比経済連携協定は両国間の国際法上の権利義務関係を規定したものであり、この権利義務関係を変更しない限り、資格の名称までが一言一句同じものである必要はないと考えられ、准介護福祉士が行い得る業務の範囲は介護福祉士と同一であることから、協定上の介護福祉士に相当するものと解釈することができるとの見解が示されております。そういった見解の上に基づきまして、再三御説明申し上げております准介護福祉士について法案化し、御提出申し上げているところでございます。

○足立信也君 そこで、これ党派を超えて、准介護福祉士を何としてもそれが実行される前に何とか見直したいという思いは皆さん同じだと思いますね。
 一つ気になるのが、フィリピンだけではない、修正を私たちも考えておりますが、フィリピンだけではない。現実、今タイでもこの経済連携協定が話合いがされているはずですね。となれば、今回この法案が成立した場合は、フィリピンとの関係上は見直すという強い思いがございますが、ほかの国と成立した場合はこの新しい改正案で、これはそれを前提に、准介護福祉士はその新しい別の国、例えばタイとの間でこれは確固たるものとして残るんだと私は思っているんです。
 そのタイとの経済連携協定の進捗状況と、これはマッサージに関係した、スパ何とかとかいろいろあると思います。これ介護士の話も入っていたと思うんですが、その点についてちょっと教えてください。簡単で結構です。

○政府参考人(中村秀一君) 日本とタイの経済連携協定につきましては、平成十九年四月三日に署名がされ、介護福祉士の取扱いについては協定の発効後一年、遅くとも二年以内に受入れの可能性について交渉を開始すると、こういうふうにされておりまして、いわゆる継続協議とされておりまして、全く介護福祉士の取扱いについて今決まっていることはございません。

○足立信也君 分かりました。
 最後に大臣にお聞きしたいと思います。
 看護師と准看護師の間は、これは看護師は国家資格で准看護師はこれは都道府県が認定するわけですね。それとは全く違う、今回は介護福祉士と准介護福祉士を国家資格、両方とも国家資格にしようという話になっている、これはフィリピンとの関係で。これはやはり大臣としては一本あるいは一元化が望ましいと考えておられるということだと思いますが、その点だけお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 准介護福祉士の問題について、私どもとしても、これは現行の制度を前提にして結ばれた協定と、確かに今委員が御指摘のように、それはわざわざローマ字で介護福祉士と書いてあるところにもいみじくもはっきりしているわけですけれども、そういうようなことを前提にして協定が結ばれたということから、今回、法律改正において、もう本当にぎりぎりの調整の文言ということで准介護福祉士というものを創設した。しかし、これはあくまでも暫定的なものでありますので、もうできるだけ早い機会をとらえてこれを一元化していくという努力を我々は怠ることは許されないと、このように考えております。

○足立信也君 どうもありがとうございました。
 質問を終わります。

070424厚生労働委員会会議録より
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