国会会議録
 

平成19年2月15日- - 厚生労働委員会


民主党の足立信也でございます。
 午前からの会議で度々出ております重点戦略検討会議、二月九日に初会合開かれましたが、これはもう明らかに昨年の新しい少子化対策というものが各省各局の意見をただ並べただけという総花的、いかにも総花的。先ほどうちの山本委員は少子化対策と書けばお金が付くという判断をされておりましたけれども、やっぱり私は、具体性、実効性に欠けているがために今回再構築を図ったと、そのように認識しております。ただ、基本戦略に関してはまだ一向に見えてまいりません。  私は、少子化対策考える場合に、まず、結婚して子供が欲しい方がなぜ子供を授かることができないのか、ゼロから一にするためにはどういう戦略があるか、そして一人お子さんがいる家庭に二人目、三人目を望むことができるような家庭にするためにはどうすればいいのか、一から多へ向かう。そして、その前提として未婚率が、非常に今急速な勢いで生涯未婚率が増えている。これをゼロの状態、結婚する状態まで持っていくにはどうしたらいいのかという、そういう考え方を持っております。その前にもっと大事なことは、今ある命を無にしないという、一からゼロにしてはいけないんだという考え方だと思っております。
 そこで、まず初めに、児童虐待についてお伺いをいたします。
 まず簡単に、被虐待児の年齢分布、特にどの年齢層に多いかということを教えてください。

○政府参考人(大谷泰夫君) 平成十七年度の全国の児童相談所におきます児童虐待の受付件数の分布でありますが、ゼロ歳から六歳未満が最も多く全体の四一・〇%、次いで六歳から十二歳未満が三八・六%というふうになっております。年齢別には、三歳児が最も多くて八・二%、次いで四歳児、これが七・四%、二歳児が七・三%となっております。  それから、死亡事例についても併せて御説明申し上げますと、厚生労働省で把握しました平成十五年七月から十六年十二月までの死亡事例八十三人の中では、ゼロ歳児が四二・二%と最も高く、次いで二歳児一五・七%、一歳児が一二・〇%となっております。

○足立信也君 後半部分は被虐待死の話に絞られておりましたが、警察庁の虐待に関する犯罪ですね、この届出から見ましても、その場合、一歳未満がやはり一番多いんですね。復習みたいになりますけれども、六歳未満が何といっても多い。年齢で単純に言うと、三歳、五歳、四歳という順番で多いわけですね。  そこで、武見副大臣にお伺いしたいんですが、幼児の虫歯の数、齲歯なんですが、これからは虫歯と言います、虫歯の数、そしてまたその虫歯を処置していない、未処置の歯の数と虐待の関連についてどういう認識を持たれておるか、教えてください。

○副大臣(武見敬三君) 平成十五年に東京都が取りまとめました被虐待児童の口腔内状況調査というのがございます。
 これによりますと、六歳から十二歳の虐待を受けた子供の永久歯については永久歯の虫歯所有率が高く、これは七歳児で三八・五%と、八歳児では五八・三%、これは一般児童の二倍以上ということでありますし、また一人平均の永久歯の虫歯数も多いと。十一歳児の場合は四・二本と一般児童一・六本の二・七倍、それから十二歳児は六・九本と一般児童二・二本の三倍以上と。また、その上に永久歯の虫歯治療がなされておらず、治療率は十一歳児で一二・七%と一般児童の二割以下、十二歳児は二四・二%と一般児童の約三割となっておりまして、児童虐待と口腔内の状況について大きな関連があるという調査結果がこの東京都の中では取りまとめられております。
 ただ、国レベルではこうした調査はまだ行われておりません。

○足立信也君 ありがとうございます。
 東京都衛生局は、要するに、今、副大臣がお述べになったそのとおりで、更に強調しますと、じゃ二歳児では虫歯の所有は一般の方の三倍なんですね。やはり同じ二歳児で虫歯の本数は七倍なんですね。
 これから何を言っているかというと、被虐待の早期発見につながる。特にこれネグレクトですね。歯を健診することによって、このデータはどこから得たかというと、一時保護委託を受けた方、あるいは措置入所をされたお子さんですね、そのお子さんを健診したわけですね、歯科健診したんです。そうすると、こういうふうに一般の方に比べて何倍も高かったと、だからこれは早期発見につながる可能性が高いということを言っているわけです。
 ところで、幼児の歯科健診は母子保健法で一歳半と三歳ですね。じゃ、二歳と五歳と四歳、ここに今非常に多い、被虐待が多いということを今数値で出ました。歯科健診をここで行ったら被虐待の早期発見につながるんではないですか。そのことに関してはどう思われますか。

○副大臣(武見敬三君) 確かにそうした考え方もあろうかと思います。
 ただ、現状でこの母子保健法において、市町村では満一歳六か月を超え満二歳に達しない幼児、及び満三歳を超え満四歳に達しない幼児に対して歯科健診を行うことを義務付けております。そして、これに加えて、市町村は必要に応じて幼児に対して歯科健診を行うこととしておりまして、地域の実情に応じて実施されているというふうに認識をしております。
 なお、その御指摘の二歳、四歳、五歳児において歯科健診を義務付けることについてはまだ、現段階では医学的な見地からまだその意義が、費用対効果について十分その議論が熟しているという状況ではございません。また、同時に、こうした虫歯であるというところから早期発見に幼児虐待についてつながるというところまでのまだしっかりとした議論がなされておらないものでございますから、現状ではもうしばらくその議論の中身を見ていきたいと、こういう状況にございます。

○足立信也君 副大臣になられて大分ニュアンスが変わられたような気がしてなりませんが、じゃ国として、この問題に取り組んで、調査をするというつもりがあるのかということです。
 私は、先ほど言いましたように、具体的実効性のあるものを提案したいと思っているんです。これは私は実効性あると思っています。
 そこで、児童虐待防止法第五条、これは学校やあるいは病院、医師は虐待の発見に努めなければいけないんですね、そういう決まりになっているんです。私たちもそういう通知も得たこともございます。
 ところで、今、市町村、地方の判断で二歳、四歳、五歳にもできるんだということがございました。それを私は国として義務付けることの方が被虐待の早期発見につながるんじゃないかという提案しているわけです。
 そこで、それでは、この児童虐待防止法に基づいて、第五条に基づいて歯科医師に対してどのような要請あるいは通知を今まで出されているんですか、虐待に対して。

○政府参考人(大谷泰夫君) この児童虐待防止法の第五条でありますが、これにおきましては、その児童の福祉に業務上関係のある者について、児童虐待の早期発見等の努力義務というものを規定しているところでございます。この対象者には当然、歯科医師も含まれているというふうにまず考えております。
 そのために、地域において児童虐待の早期発見、早期対応を進めるための要保護児童対策地域協議会、いわゆるネットワークでありますが、ここには歯科医師を始めとした関係者の参加を求めているところではありますけれども、特にこの歯科医師を含め、個別の職種の方に対して通知等で特段措置をしているというところは現在ございません。

○足立信也君 そうなんですね、具体的に参加されてないんですね。虐待の予防、防止のネットワークというものがございますけれども、そこに歯科医師の参加はないんですね。是非、この点、検討してください。
 次に、先ほど私言いました、まず結婚という形を取る、その無からゼロへという話なんですが、これはちょっと時間がもうほとんどありませんので、私の方で言います。
 これは、厚生労働省の労働経済の分析でもう明らかなように、二〇〇二年のデータですが、正規従業員の二十五歳から二十九歳までの配偶者を持っている男性の割合、三四・四%。ところが、非正規従業員は一四・八%ですね、七人に一人。正規の場合は三人に一人。パート、アルバイトは一〇・二%、十人に一人。これはもう明らかに、その就業形態によって配偶者を持つ男性の率が明らかに減っているということです。なおかつ、これが十年前に比べると、約一〇%程度下がってきているということですね。
 そして、今、就業形態が明らかに非正規雇用が増えていると、これはもう皆さん常識ですから、全体の数が増え、非正規雇用のですよ、なおかつ配偶者を持つ率が十年前に比べて減っているわけですから、これは明らかに結婚される男性が減っているということです。それは私は就業形態に大きく関連しているんだと思います。このこれから先のことは今国会のメーンテーマでございますから、また後日やらせていただきたいと思います。
 次に、じゃ結婚していてお子さんが欲しいのにできない、ゼロから一へどうやって持っていくかと。私はこれは不妊治療だと思っています。現在、二〇〇二年で不妊治療を受けた患者さんの数は四十七万人です。治療中は三十万組です。結婚しているカップルの七組に一組が受けている、一四%ですよ。
 そこで、この中で、まあ原因はいろいろあります、いろんな段階がありますから。男性の異常、つまり精子の異常ですね、少ないとか機能が弱いとか、これが五八・五%、原因が。これは重複しますから、卵巣の異常が五〇%、子宮の異常が七一%、これが重複するわけです。ですから、トータルが一〇〇になるわけではないんですが、男性は少なくとも五八%あるということです、原因が、不妊のですね。
 そこで、不妊の治療というのはステップアップ治療といいまして、まず排卵を調節する。その次の段階で、妊娠に至らなければ人工授精というふうになっていくわけですが、じゃ、今卵巣機能に原因がある不妊治療において排卵誘発剤の投与をします。これは保険適用になっていますね。ところが、それに男性が原因の不妊が加わって人工授精が必要になったという場合は、これは全部保険外診療になるんですよ。これはおかしくはないですか。卵巣機能に異常があって排卵誘発剤を使っているときは保険診療であって、そこに男性の異常が加わったから人工授精が必要だというふうになったら全部が保険外診療です。矛盾がないですか。

○政府参考人(水田邦雄君) 不妊治療に対します保険適用についてでございますけれども、まず不妊治療のうち、お話のありました排卵誘発剤投与につきましては、これはホルモン異常等に対するものでございまして、治療と疾病の関係が明確であると、それからもう一つは、治療の有効性、安全性が確立しているということから保険適用の対象としているところでございます。一方、人工授精につきましては、その不妊の原因となる疾病そのものの治療を目的とするものではないということがございますし、またその成功率も高いとは言えないということから保険適用の対象外としているところでございます。
 この排卵誘発剤投与と人工授精を一連の診療行為として組み合わせた場合についてどうかということでございますけれども、これは保険診療と保険外診療との併用、いわゆる混合診療に当たりますので、保険診療部分を含めて全額自己負担となると、こういった整理になるわけでございます。

○足立信也君 やはりちょっと見方を変えれば、おっしゃる意味はよく分かるんですね。今まで、女性は卵巣の機能が不十分で病気だ、それは保険診療であった。そこに男性の精子に関して異常が見付かったから人工授精、今度は保険が使えないんだと。何か男性と女性で別に扱っているような印象も受けるんですよ。そのことだけ申し上げておきます。私は保険適用にすべきだと思っています。
 それから、じゃ次の段階、体外受精になっていくわけですけど、今現在、体外受精あるいは顕微授精で一万八千人生まれているわけですね。全出生の一・五%です。確認なんですが、これ来年度から、今まで特定不妊治療費助成事業というのは、今年までは毎年度最高十万で五年、つまり五十万が限度、それが年度当たり十万掛け二、掛け五年で、今度は百万円が限度になると、こういう解釈でよろしいですか。

○政府参考人(大谷泰夫君) 平成十九年度予算案をお願いしておりますが、その中でそういった充実を図ることとしております。

○足立信也君 不妊に関する悩み、不妊治療を受けている方の悩みのトップが治療費がかさむということです。そして二番目が、不妊治療のゴールが見えないということです。いつまでやっていいのか分からないし、切りがない。周囲の期待はどんどん広がっていくわけですね。経済的理由により治療を中断したいと思っている人は五六%に上る。
 これ実際に掛かっている原価というのは、私が見ましたら、平均五、六万で終わるのを、治療費としては三十万、四十万掛かっているんです。最低でその治療費を取っているところが九万、最高が六十三万、体外受精。物すごくばらつきがあるんですね。自分が住んでいるところによって、その違いによって、受けている、同じ子供が欲しいという望みの同じ方が違う負担を強いられている、物すごい差があると。私は、ここは保険導入をして、そしてある期間を区切る、無駄な期待をいつまでも抱かせない、何回までと、あるいは何歳までと、そういう保険導入が私はやるべきだと思っています。じゃないと苦しいですよ、周りから期待されるだけで。お金がつらいからもうおまえはやめたのかと言われたらどうすればいいんですか。私は、是非ともそういう保険導入、条件付きの保険導入をやるべきだと思っています。
 これはもう終わりますから、あと一言で終わらせていただきます。
 私は、女性を産む機械と言うのは言語道断でありますが、私が一番気になっているのは、一人頭で頑張ってもらうしかないという発言なんですよ。そういう社会にしたのはだれなのか。日本では女性が頑張らなきゃ子供もできないんですか。女性の頑張りに期待するしか子供をつくることができないんですか。そういう社会にだれがしたんですか。その先頭に立ってそれを改善しなきゃいけないという立場にあるのが厚生労働大臣じゃないんですか。
 私は、ですから今日、質問、私たちは、厚生労働大臣はそういう考えを持っている以上、少子化対策を先頭に立ってできない、だから辞任を要求している。それで、私は今日は大臣には質問をしませんでした。
 以上で終わります。

070215厚生労働委員会会議録より
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