国会会議録
 

平成18年11月30日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。
  今日は、まず最初に感染症法そのものの枠組みといいますか、総論的な部分と、それから次に結核について、そして最後に新型インフルエンザ、大体三本立てで行こうと思っています。
  感染症法の審議ですから、内容も、それから単語も非常に難しいと思います。ですが、私、前職から、難しいものを分かりやすくというのをモットーにしてやっておりましたので、できるだけ分かりやすく伝えたいと思いますので、お付き合いのほど、どうかよろしくお願いします。
  まず、現行法のことなんです。感染症のことなんですが、これ現行法では感染症を一類感染症から五類感染症まで、そして指定感染症と新感染症と七種類あるわけですね。そして、その方々、患者さんが入院する、あるいは入院させる医療機関は、一類感染症は特定感染症指定医療機関か第一種感染症指定医療機関、つまり何類感染症と指定しておきながら、その方々が入院する施設は何種感染症指定医療機関となっているわけですね。繰り返しますけど、二類の感染症の方は第二種感染症指定医療機関と、そういうふうになっているわけです、現行はですね。
  そこに今回、生物テロを考えられて、病原体そのものを分類してその対処を決めたと。これがまた、一種、二種、三種、四種になってきたわけですね。ここで、やっぱり感染症は類、その方々が入院するところは種と区切って、また病原体は種と、これが非常に僕は混乱するんじゃないかとやっぱり思うんですね、その名前がですね。
  例えば、二種病原体と二類感染症がたまたま一致するのはコロナウイルスによるSARSだけですね。ほかはみんな違いますね。結核症は御存じのように二類感染症になって、でも結核菌は三種か四種病原体ですね。で、この方々は二種感染症指定医療機関に入院するわけですね。で、急性灰白髄炎、これ二類感染症ですけれども、ポリオですね。ポリオは二類感染症で、ポリオウイルスは四種病原体で、入院するのは二種感染症指定医療機関。
  ちょっとしつこくなるかもしれませんけど、こういうふうに種でやって類で区切られてまた種の病院に入ると、これが非常に僕は混乱を招くと思うんですが、まずその点についていかがでしょう、混乱はないですか。

○政府参考人(外口崇君) 改正前の感染症におきましては、議員御指摘のとおり、感染症の類型については類、感染症指定医療機関については種という表現をしております。また、今回、感染症法に規定する病原体の類型については、これは種という表現を用いているところでございます。その種と類が、種が例えば二回出てくることになって大変分かりにくいんじゃないかという御指摘でございます。
  私どもは、感染症の分類は種と類があると、そのうち感染症自体はこれは類で分類する、そのほかの医療機関と病原体はそれぞれ種で分類するというように説明をしておりますけれども、この規定の内容については、今、関係省庁、関係学会、業界団体等に説明を続けております。
  今のところ一定の理解は得られていると考えておりますけれども、今後更に御指摘のような意見をいただいた場合は、それは丁寧に説明会等を実施するなど、この規定が円滑に施行されるよう努めてまいりたいと考えております。

○足立信也君 混乱あるかもしれないという意味合いだったと思いますね。
  昨日、質問取りのときに話をしたんですが、例えばこれ、行政に関係していられる方あるいは感染症の専門の方は、もうそういう診断が付いてこられるからこれは分かりやすいんですよね。ところが現場は、例えば私ポリオを例に言いますよ。夏風邪みたいな症状で受診しますね。それが、熱が下がるようなころに足や腕がちょっと麻痺してくると。そして、採血したらポリオウイルス抗体価が上がっているから、あっ、ポリオだとなりますね。このポリオウイルスは四種病原体ですよ。あっ、四種病原体かと。この人を第二種感染症指定医療機関に入院させようと思いますかね、現場で。そういうことなんですよ。
  もう専門の医療機関に所属している人、あるいは決まってそこに入院されている方しか見ていない人は分かりやすいですよ。でも、現場は、四種病原体だとなったときに、じゃ、この人を二種感染症指定医療機関に入院させなきゃって思えないと思うんです。少なくとも、うちの党のドクター三人に聞きました。これは分からないよと。実際に見るのは現場ですからね。指定医療機関の人じゃないですから、最初に見るのは。そういう意味なんですね。
  だから、これは、私は混乱はあるかもしれないという話は知っていました。これ、現場で混乱したら、例えば、例えばですよ、これ、今回の法律で、二類から三類感染症になる、赤痢やコレラ、チフスありますね。これ四種病原体ですよ。四種病原体だから、どこに入院させようかと考えたとき四種はどこにも指定がないなと思ったら入院させない、あるいは送らない。これ実際は送らなきゃいけなかったわけですよね、今までは、二類感染症でしたから。
  だから、現場ではまず先に、何類感染症という診断が付く以前に、その病原体が何種かというのが先に来るわけですよ。病原菌が分かる、ウイルスが分かった時点で診断が付くわけですよ。だから、何種病原体というのが先に来るわけですよ。そこで何種、何種と言われていて、じゃ違う種類の名前の付いている指定医療機関に入院させなきゃいけないというふうには思えないと私は思うんです。
  こういう混乱は現場の感覚ではあると思いますし、医師である外口局長、恐らくもう少し理解していただけると思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(外口崇君) まず、恐らく我々説明していく上で大事なことは、感染症に関する規制と、それから病原体に関する規制が違うということをまず現場に知らせていく必要があると思います。
  それで、どの医療機関に入院するかどうかというのは、それは感染症の分類で入院するんであって、病原体の分類というのは、それは病原体の管理の規制なんで、それは病原体そのものの分類というものは、どこへ入院するかということはそれとは別の枠立てだということを、先生すべて御存じで、それが同じ種だから分かりにくいんじゃないかという御指摘だと思いますけども、そこのところをやはり現場が混乱しないように私どもも丁寧に説明していきたいと思っております。

○足立信也君 結論からいきますと、今までは感染症が類で指定医療機関が種でよかったんですよね。それ今回、病原体を種ってやったから、せっかく法改正なのになぜここの名称を変えなかったのかということなんです。それが同じ種だから混乱するということを私が申し上げているんですね。
  ちなみに、ちょっと気になっているのが、二類感染症というのは四疾患か五疾患ですね。ジフテリアが入っていますよね。ジフテリアの原因菌であるジフテリア菌というのは、この特定病原体といいますか、どこにも属していないですよね。それはそれでよろしいんですか。

○政府参考人(外口崇君) 病原体の区分につきましては、その病原体の適切な取扱いが行われなければ国民に対し健康影響を及ぼす可能性があるものを対象としております。
  病原体の分類に当たりましては、生物テロの観点のみならず、人為的な健康被害の可能性、病原体の適切な取扱いや安全管理の必要性等を考慮し、更に病原体が引き起こす感染症の重篤性等を総合的に勘案して区分したところであります。
  御指摘のジフテリア菌でございますけれども、これは既に予防接種法に基づく定期接種の対象であり、人為的な健康被害の可能性は低く、また国際的にも病原体の規制対象となっていないこと等を踏まえ、今回の病原体等の規制の対象には含まれていないものであります。

○足立信也君 二類感染症というものが総合的な観点から見て危険性が高い感染症だというふうに定義されている中で、その病原体そのものはどこにも指定されていないというのはちょっと違和感ありましたもので、そこはお伺いしたわけです。
  そこで、大臣、今のお話を聞いて、私の説明聞いて、お分かりになったと思うんですけど。今まではよかったんですよ。何類感染、まあ二類で限って言いますと二類感染症、その方は第二種感染症指定医療機関に入るわけですね。そこに病原体の種がまた加わってきたから、なぜ名前変えなかったのかということを言っているわけです。例えば、私は、二種感染症指定医療機関と付いているからおかしいのであって、二種感染症、多分これ厚生労働省の方は二種ポツ感染症指定医療機関という意味だと思うんですよ。指定医療機関に一種、二種、特定を付けて、ランクを付けて、そういう意味だと思うんです。だとしたら、これは感染症指定医療機関一種、二種、特定の方がはるかに分かりやすいと思うんです。類の感染症と一対一対応のように見えてしまうんですね、第二種感染症指定医療機関と言うと。
  ここのところは、私は先ほどから何度も言いますが、現場は混乱すると思うんです。病原体が先に分かりますから、そして診断されるわけですから。ここのところ、大臣、是非とも混乱がないように、そしてさっき私がちらっと言ったのは、病原体の種類で最初に判断してしまったら、届けなきゃいけないのも届けなかった可能性があるわけですよ、今後も。その人に後で、なぜ届けてなかったのかと責任を負わされる可能性もあるわけですよ。
  ここのところの混乱がないように、その手だて、具体的なことよりもどうしようと思うかということを、大臣のお考えを、また私の懸念が御理解していただけるかどうかも含めてちょっとお答え願いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変、日本語のというか紛らわしい面が御指摘いただいている点かと思います。ただ、今これ先生方の、お医者様たちの現場での御意見ということであれば、我々もこれをまた重く受け止めざるを得ないとは思いますけれども、今局長が説明したように、病原体はまずそこが認識されるということが大事だと思いますが、その病人はやっぱり病原体ではないわけで、入院するのは病人でございますから、やっぱりこれはどの病気かということで、感染症の二種、種ですね、種というものがそこで特定されると。しかし、その種になってもまた一対一の関係でないというところは極めて、確かに難しい、紛らわしいところかと思うんですが、ではどうしたらよろしいかと。
  これが恐らく、私はもうその当時別にこの職にあったわけじゃないもんですから相談にもあずからなかったんですが、それではもう第二等の指定医療機関みたいな等級でやるかと。そうすると、重篤の度合い、あるいは病院に課せられる言わば規制の度合いはそれでまた図られるというようなことがひとつ、まあ私もど素人で勝手なことをここで言わせていただいて本当恐縮なんですが、あるいは考えられるかもしれない。しかし、やっぱり等だの級だのというようなことになりますと、何か上等か上等でないかというような変な価値判断もまたそこで出てくるというようなことがおもんぱかられたのではないかということで、多分ここはいろいろ苦吟の果てにこういう結論で、PRでもって、情報提供でもって慣れていただくと、こういうことを解決の道として取ったのではないかと、このように考えまして、専門家の先生にこんなことを申して恐縮ですが、是非御理解をしてやっていただきたいとお願い申し上げる次第でございます。

○足立信也君 よく分かります。
  ちょっと手前みその話で、さっきも私言いましたように、昨日、厚生労働省の方と相談したときに、単語そのものは変えるともう定着しているから変えたくないというのはあるんですけれども、やっぱり順番だと思うんですね。二種感染症指定医療機関ではなくて感染症指定医療機関第二種、その方が僕ははるかにいいと、これは私の思いですけれども。
  先ほど、後半部分で大臣にお願いしたかったことの一つは、病原体が最初に分かってから診断が付く、そしてその方をその感染症の患者さんだと認定する、ですから、これ、指定医療機関の先生だけではなくて、多くのまず現場で、第一線で診るドクターに病原体の種の分類と感染症の分類は違いますよということをまず絶対徹底させるべきです。このことを是非とも努力していただきたい。そしてまた、そこを責任持ってやっていただきたい。そのことをお願いしたいんですね。その点だけちょっと。

○国務大臣(柳澤伯夫君) それはもう本当にそのとおりでございまして、結核をさっきから見ておったんですが、結核菌は第三種病原体、それから感染症は二類と、こういうふうになりまして、数字がやっぱりねじれているというか、そういう状況にありますので、この点はもうしっかりとPRをして認識を徹底していかないといけないと、こういうように考えております。

○足立信也君 それ言いますと、結核菌は三種と四種があるんですよ。感染症は二類なんですよ。難しいですよ。私も分かりません、はっきりは。
  じゃ、病原体の話になりますが、これ四種、一種から四種までありますね。いろんなそこで管理の仕方が書いています。特に、四種病原体に絞ってお聞きしたいんですね。管理の基準の遵守というふうになっているんですよ。これ管理の基準の遵守というのは、遵守しているかどうかと、どうやって届出制もなくチェックできるのかということなんです。
  更に言わせていただくと、災害や事故が起こったことによりこの病原体の感染症が発生した場合、保管場所の変更等の措置をする、そういう監督義務が厚生労働大臣にあるんです。厚生労働大臣にその義務があるんですね。ところが、この四種病原体というのは、届出の義務もないんですよ、基準を遵守しなさいと。じゃ、事故が起こったときに届け出なかったら、病原体が広がっていっても黙っていればいいということになってしまうんですよ。これどうやってチェックするつもりなのか、届出制もなく。ここのところを私、非常に心配するんですが、御説明願いたいと思います。

○政府参考人(外口崇君) まず、今まで管理基準というのがすべて自主的に決められていたわけですけれども、今度、管理基準を作って遵守していただくわけでございます。ただ、どこまで厳しくやるかというのは、実際に行われている医療とか研究活動を阻害しないレベルということになりますので、これも一種、二種、三種、四種の種類別に程度が違ってまいります。
  四種病原体のことでございますけれども、四種病原体等につきましては、通常その所持施設を把握することは困難であります。しかしながら、病原体が盗まれたりとか、それから災害時とか、そういった場合等には厚生労働大臣への通報又は届出により当該施設を把握することとしております。こういった届出が出ないときには、これは罰則が掛かることになります。また、これらの施設に対しまして、必要に応じ報告の徴収や施設の立入検査等を行い、当該施設が施設基準や保管等の基準に適合しているか否かを確認、必要な改善命令等の措置を行うこととしております。
  それで、災害等による感染症の発生時には、これは厚生労働大臣への届出により、このとき当該施設を把握するとともに、感染症の蔓延を防止するため緊急の必要がある場合には、法第五十六条の三十七の規定に基づきまして病原体等の保管場所の変更等の必要な措置を講ずることを命ずることとしております。
  以上のことから、四種病原体等の所持者に対しての監督を行っていくわけでございます。
  したがいまして、その把握は、これは事故とかそれから盗まれたときとか、そういったことが起きたときに把握するわけでございますけれども、これを届け出ないときはそれは罰則が掛かると、事故が起きたときに国の方で適切な必要な措置を講ずることを命ずると、こういう仕組みになっているわけでございます。

○足立信也君 事故や災害が起きたときに初めて通報をする、そしてその義務があると、罰則規定もあると、そういうことでしたね。
  ということは、基準を遵守してきちっと管理しているかどうかという、そういう検査はしないんですか、それまで、事故が起きるまで。

○政府参考人(外口崇君) すべての施設について定期的にやるということはこれは難しいと思うんですけれども、これは必要に応じ報告の徴収や施設の立入検査等行えることになっておりますので、仮に、そういった問題があるというような仮に情報がどこからか入ったときには、もちろん必要な対応はすることになると思います。

○足立信也君 保管している届出制もなくて、届ける必要もなくて、必要に応じて立入検査をするって、一体どういう手段を考えられているか、かなり矛盾があると僕は思いますし、実際上可能かなという、今の答弁聞いて。実際、届け出なくていいわけですから、持ってますよと言うだけで。そう届けもしてないところに、どうやって必要に応じて立入検査をするんでしょう。ちょっと疑問なんですが。

○政府参考人(外口崇君) 一般的には、こういった病原体を持っておるところというのは、医療機関でございますとか研究機関でございますとか、大体範囲は想定できるわけでございます。そういったところに対して必要に応じてやるわけでございます。もちろん、かなり厳しい管理規程を作るということもこれ可能なんでございますけれども、一種、二種、三種につきましては、これはかなり義務等を重くしておりますけれども、この四種に該当する施設というと、これはかなりの数になりますし、それから、それだけじゃなくて、必要以上に措置を厳しくし過ぎると、やっぱり日ごろの医療とか、それから研究に支障を来すこともありますので、ここはある程度性善説ということも含めてやっぱり対応をすることにしたものでございます。

○足立信也君 説明はよく分かります。そして、もうそれほど僕はしつこくは言いたくないんですけれども、ここにはそういう病原体があるだろうと思われる研究所や医療機関、だから分かる、立入りができるって、それだと、生物テロに対する対策じゃないですよ。でしょう。とてもあるとは思えないところにそういうものがある場合にテロ対策になってくるんじゃないですか。だから、ここはやはり少なくとも届出ぐらいはないと、それは立入検査もできないんではないかと私は思います。これ以上はもうちょっと申しません。でも、ここは不足があると、足りない部分があると、私はそう思っています。危険性を感じますので、よろしくお願いします。
  今年の七月に総務省から、感染症対策に関する行政評価・監視がなされて、その結果が出ましたですね。いろいろ指摘されております。いろいろ確かに指摘されていて、これ全部読もうと思ったんですがそれは無理ですので、一点だけ質問します。
  先ほどから問題になっている第一種感染症指定医療機関、これを都道府県知事は指定しなきゃいけない。ところが、現状では四十七都道府県中二十五都道府県しか指定できていない。その二十五都道府県の中で、十五は指定のめども立っていないと。これはゆゆしき事態だということなんですが、これに対する対策を説明してください。

○政府参考人(外口崇君) 第一種感染症指定医療機関の指定については、本年三月の時点で二十二都府県、二十五医療機関の指定にとどまっているところであります。この事態、先生ゆゆしき事態とおっしゃいましたけれども、私ども大変深刻にこれを感じております。
  この指定が進まない理由を分析するなどして、もちろん未指定都道府県に対する指導、支援を行っていくわけでございますけれども、本年七月の勧告を受けてから今まで何をやってきたかということですけれども、第一種感染症指定医療機関が未指定で指定の見込みが立っていない県に対して、その理由等について今個別にヒアリングを行っております。また、本年十月の全国主管課長会議の場においても、各都道府県に対して、指定に向けた対応を講ずるとともに、その指定が行われるまでの間どうするのかと、その体制の確保についても、これを指示を出しております。例えば、どうしても時間が掛かるんであれば、隣の県にこれお願いしなさいと。実際、患者さんが出たらどうするんですかと。じゃ、しっかり体制を組んでくださいというような、これお願いをしているところでございます。
  そして、実際にその第一種感染症指定医療機関の指定事例、指定されているところを、ちゃんとやっているところのいろいろな工夫も収集して未指定道府県に提示する等の、これを支援を行っていきたいと思っております。

○足立信也君 これはもう行政側の指導しか手はないわけですから、何としても確保できるようによろしくお願いします。
  次からは、個別の問題に移りまして、まず結核のことですね。先ほど、清水委員からありましたように、平成十一年に結核緊急事態宣言がありました。その後、これ平成十六年の六月、結核予防法の改正がございました。そして、昨年の四月から施行されております、二年半前ですね。その平成十六年に結核予防法と感染症法との統合は時期尚早であるという中の議論がございまして見送られました、平成十六年に。
  そこに、その時期尚早であるという結論に達した根拠となったデータとしては、十五年、前の年ですね、十五年には新規登録患者数、結核が三万一千六百三十八人なんですね。この十五年と昨年、十七年を比較すると、新規登録患者数は二万八千三百十九人で三千三百人減った。ところが死亡者数は、その平成十五年は、統合は時期尚早だという根拠になった平成十五年は、死亡者数は二千三百三十七人、で、昨年は二千二百九十五人、四十二人しか変わっていないんですね。二年半前と何がそんなに違いがあったのか。これは、今の私の説明で患者数の変化ではない。となると、ほかの理由は何なのかと。先ほど説明がございました。これはやっぱり個人情報保護を始めとする人権に配慮してということが恐らくメーンなんだろうと思いますが、そういう解釈でよろしいですか。

○副大臣(石田祝稔君) 今委員からも御指摘ありましたが、十六年に改正をして、そして、今回なぜこのような形になったかと、こういうことでありますけれども、感染症法に規定されている手続が結核予防法においては規定されていないと、こうした不備についても、過去の厚生労働科学審議会においても御指摘を受けておりまして、また感染症法制定時の国会の附帯決議や、また日弁連の意見書と、こういうことで、特に特定の感染症の名前を付けているという法律、これは差別や偏見の温床になると、こういう御指摘もあったわけであります。
  そして、平成十六年改正時においても、こういう御指摘はもう既にいただいてはもちろんおったわけでありますが、一つは、結核対策の独自性と、こういうものをどうしても確保しなきゃならない、こういう観点から、感染症法への統合を見送ったわけでありますけれども、今回、新たに感染症法を改正をすると、こういう時期に当たりまして、病原体等の規制、特に多剤耐性結核菌についても所要の規制を講じる必要があると。こういうことと、先ほど申し上げましたように、既にいろいろと御指摘をいただいておったもの、こういうものについても含めて、感染症法全体に共通する規定を適用すると、こういう形にしたわけであります。
  ですから、平成十一年にいただいておったいろいろな御意見等も当然今回には入っておりますし、先生が御疑問に、十六年になぜできなかったかと、なぜそれが十八年でやるようになったかと、こういう御疑問も、私はある意味ではもっともな御疑問であろうかと思いますけれども、今回の感染症法の大きな見直しに合わせてこれをとにかく取り込んで、さらに、以前の特別なその結核に対しての措置についても漏れなく移行してきたと、こういうことで今回入れたということでございます。

○足立信也君 そのときの議論の話をしますね。
  今日もこの法案が成立したときには、いろいろ附帯決議の案が出されているようであります。
  平成十六年のそのときの審議ですね、四月二十二日、参議院の厚生労働委員会です。私が出馬表明する直前の話ですが、附帯決議のその四に、非正規労働者が増加している状況にかんがみ、結核に関する知識の普及・啓発、健康診断の実施を図る方策を検討することとあります。
  施行されて一年八か月になりますか、これで結核患者さんの、登録患者さんのその職業、正規か非正規か、あるいは非正規労働者への啓発や健康診断、これ附帯決議でやることとなっているんですが、実施状況を教えてください。そして分析を教えてください。

○政府参考人(外口崇君) まず、保健所の管轄する結核登録票においては、これは、患者の職業は、これは記録されておりますけれども、この労働が正規か否かについては、これは把握はしておりません。で、これを非正規労働者の方に対して、じゃどうするのかということでございますけれども、この基本指針というのがございまして、基本指針では、職場での健康管理が十分ではない労働者など、結核の発症率が高い住民層については、地域の実情に即して定期の健康診断その他の結核対策を総合的に講じることとされております。
  すなわち、この非正規労働者と申しましても、その非正規の度合いが大分違うということもあります。で、非正規労働者の方の中でも、まあ特に極端な場合は、今都市部でいろいろ問題となっておりますホームレスの方とか外国人の方とか、あるいは何と申すんですか、いわゆる日雇の方でございますか、そういった方おられるわけでございますけれども、こういった方も広くあまねく必要な措置を講じるということが重要でございますので、そういったことに着目して、今職場でしっかりと健診を受けられる方以外の方について、幅広く知識の普及啓発とか、健診の実施とか、そういった取組をなされるよう、今自治体の方でもいろいろ取り組んでおるところでございます。

○足立信也君 二年八か月前の附帯決議、読みますよ。「なお、近年、企業の健康診断の対象外とされがちな非正規労働者等が増加している状況にかんがみ、これらの者への結核に関する知識の普及・啓発に努めるとともに、健康診断の実施等が図られるような方策を検討すること。」。
  正規か非正規かの把握もしていないと。これ行政として、この立法府が決定した法案と、それに対する附帯決議、二年八か月前、何もやっていないということですね。まず最初の段階である非正規か正規かも分からないと。これでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) この附帯決議については、当然、厚生労働省としても重く受け止めているわけでございます。
  私は、このお話を承ったときに、これはもう労働安全衛生の問題だろうと、こういうふうに思ったわけでございます。で、ちょっとただしましたところ、労働安全衛生法でどうなっているかと申しますと、これは一つは、一年以上引き続き使用される者は、当然健康診断をやらなきゃいけないと。短時間労働者の中でも、一日一日が短時間労働者であっても、所定労働時間の四分の三以上である場合には、これは一週間単位で考えるわけですけれども、これはもう当然労働安全衛生法上、健康診断の対象にしなければいけないと、こういうことになっております。したがって、一年以上であって一週間四分の三以上である労働者は、短時間労働者といえども、いわゆる非正規雇用者でありますけれども、それらについてはこれはもうちゃんと健康診断の対象にしなければいけないということが今の法律の運用でございます。
  加えまして、これらの二つの要件を満たさない者でありましても、通常の労働者の一週間の所定労働時間のおおむね二分の一以上である者については健康診断を実施することが望ましいということで、言わば労働管理、雇用管理の面から健康診断の義務というものは非正規と言われる労働者の中にもかなり広くとらえられていると、こういうことが一つございます。
  そういうことで、それ以外の者についてはどうなるかということが今、外口局長の答えたものでございまして、これらについては、むしろその生活の実態の方からとらえて知識の普及啓発を図っていき、それをまた健康診断につなげていくという考え方が取られているということであります。

○足立信也君 私なりに解釈すると、先ほどの附帯決議に合わせると、実施はできていないけれども方策は検討しているということだと思いますね。これはもう現状がそうなんですからやむを得ないとは思うし、努力しなければいけないことだと私は思います。この附帯決議にあることが実施されてもいないのに、その法案は廃止されてしまうんだという現実を受け止めて、先ほど清水委員の発言にもございましたように、決して結核対策がおろそかになることのないように、これはもう行政としてお願いするしかないと思いますから、これ以上は申しません。是非ともお願いします。
  そこで、先ほど石田副大臣から答弁がありました、差別や偏見の温床になると、人権侵害の面もあるかもしれないという発言に関連してお聞きします。
  私は、これ結核症というのは、当然皆さん御存じのように結核登録票があって、これは法が変わりましても今後も継続されてきちんとフォローされるわけですね。登録制度なんです。法が変わってもそのまま引き続く。私が関連した今年の法案、今年に行われた法案で、例えばアスベストによる中皮腫、あるいは私は良性石綿疾患も含めたいと思っているんですが、あるいはがん対策基本法において、これ、本当に分析をして治療の効果があったのか、あるいは健診の効果があったのか本当に分かるためには登録制度が必要だというのをその都度私は申し上げてきました。
  そこで、いろいろ理由はありましたが、その中で一番多かったのは、できない理由の多かったのは、個人情報保護法との関連で人権の問題であるということを主に言われました。それで登録制度はなかなかできないんだと。ということは、今回、感染症に結核予防法が統合されて、しかし結核に対する登録制度はそのまま残る。で、フォローをすると。ここの問題、それは先ほど副大臣がお答えになったように、人権に配慮してあるいは個人情報のことにも配慮してこういう法案に変えたんだと。そこでも登録制度は残す、やるべきだと。ということは、登録制度と直接個人情報の保護や人権の問題は関係ないということをおっしゃっていると私は思うんですが、その理解でよろしいですか。まず局長で結構ですよ。

○政府参考人(外口崇君) がん登録と結核の登録制度の違いということがあるかと思いますけれども、まあ私もがん登録、できるだけ早く進めたいと思っているんですけれども、やはり結核登録のようにいかないということの一つの理由は、やはり結核の場合は人から人への感染をする疾病であると。がんの方は感染する病気ではないということで、そこがまず大きく違うと思います。
  それから、がんの場合は、やはり一番難しいのは、日本の特性かもしれませんけれども、患者さんの同意を得て登録するといった場合に、その患者さんへの告知の問題ということがまだ確実にコンセンサスが得られていないということもあります。
  そういった中で、がんの場合は結核の場合と違う中で、やはり個人情報という問題の扱い方についても少し違ってきているのかなと。そういったところで、結核の登録とそれからがん登録の場合でプロセスが違ってきているんではないかというふうに私は考えております。

○足立信也君 告知の話もございました。ところが、これは結核の場合はまあ感染するしないという大きな違いがあるとおっしゃった、そこに理由があるかもしれませんが、措置入院もあるわけですね。必ずしも告知ではないわけですね。この点は明らかにしていると。
  となると、私が石田副大臣に最終的にお答え願いたいのは、今、外口局長がおっしゃられた理由の中には、やっぱり個人情報の保護、あるいは人権に配慮して、だから登録制度はできない。あるいは、それを配慮した結果、結核の場合は登録でいいんだというその話の中には、直接的には登録制度と個人情報の保護というのはダイレクトには関係ないという意味なんだと思うんですよ、今の要点を抜き出すと。その理解でよろしいですかね、副大臣。

○副大臣(石田祝稔君) 今、外口局長がいろいろと御説明をいたしましたけれども、私も、がんにつきましては、これはどうしても、その個人情報ということはもちろんありますけれども、その個人情報ということと御自分のかかっているということ、まあ告知された後ということになると思いますけれども、やはりがん治療のために役立てたいという方も私はいると思うんですね。そういうときに、やはり先生がおっしゃるように、登録をして一つの基準にのっとって情報を集めていかないと、これはばらばらの情報になってしまいますから、これは役に立たないことも出てくるんじゃないか、こういうふうに思います。
  しかし、最近、どうしてもその個人情報というものに関しては、これはもうどうしても最大限の配慮をしていかないと、これはなかなか行政上も有効な政策についてはかえって阻害要因になると、こういうことも私はあるのではないかというふうに思います。
  ですから、そういう個人情報の尊重ということと病気を治していくと、このバランスというんでしょうか、これはやはりこれから大きな私は解決をすべき課題だと、こういうふうに思っております。

○足立信也君 じゃ、要点だけ抜き出します。
  今の現在のがんよりも、五十年前あるいは四十年前の結核の方がはるかに差別的であったと、これはそう思いますね。事実だと思います。そして、配慮をすれば、個人情報に関して配慮をすれば登録制度への妨げにはならないということを今おっしゃったわけですよね。配慮が必要だと。それでよろしいですね。

○副大臣(石田祝稔君) ですから、私が申し上げたのは、個人情報に対するそれぞれ各個人の情報というのはもう自分のものだというこの意識が、もう最近私は特に顕著に強くなっていると。そういう中で、この結核が、先生がおっしゃったように、四十年、五十年前はもう今のがん以上の大変な、まあ結核というのは衝撃的な病気だと、こういう受け止め方はもちろんあったわけですけれども、現在、やはり薬とか療養によっては結核というのはこれは不治の病ではないと。
  しかし、療養の仕方によっては現実に二千人以上の方が亡くなっているわけですから、これはそういう点ももちろんこれはあるわけですけれども、その個人情報のそのものと先ほど申し上げた件につきましては、私が再度答弁を先ほども申し上げたとおりでございますので、御了解をお願いしたいと思います。

○足立信也君 私は、登録制そのものには直接に結び付く問題ではないと、そのようにとらえます。
  次に、疑似症のことをちょっとお伺いします。
  指定感染症、特に一類、二類感染症には疑似症患者への適用というのが決められております。これは、先日のうちの櫻井理事の質問に関連する非定型抗酸菌症のことなんですね。現実に微熱があって肺に影があるという患者さんが入院しておられる、それが細菌学的検査で結核かあるいは非定型抗酸菌症か、そこで診断が付くわけですね。これは、結核は二類ですから、疑似症と認められているあるいは認定されても当然いいんじゃないかと思うんです、非定型抗酸菌症は。
  現時点では、疑似症というのはどれぐらいそういう認定というかされているんでしょうか。一類、二類。

○政府参考人(外口崇君) 疑似症患者の段階で届出の対象となる感染症に関しまして、届出のあった疑似症患者は平成十八年四月から昨日までに三十二件でありました。

○足立信也君 先ほど経過を説明しましたように、やはり細菌学的な診断が付いてやっと確定診断になるという現状を踏まえると、疑似症の適用はもう少し広がってもいいのかな、特に結核に関してはですね、という私の意見を述べさせていただきたい、そのように思います。
  次に、結核症の入院期間です。これ、昔はサナトリウムを含めてかなり長いものがございましたが、これは法律を見ると、そもそも結核の入院がどういうふうにされているかはっきり分からないのでお聞きしたいんですが、第二十六条の二に、三十日以内の延長可となっているんですね、結核の場合。そして、感染症法そのものではそもそも十日以内の入院だと。しかしながら、十日以内の延長は可となっているんですね。
  つまり、結核症で入院する場合、その入院できる期間というのは四十日以内ということですか、それとも五十日以内、そこで、その後どうされるんですか、そこを教えてください。

○政府参考人(外口崇君) 今回の改正におきまして規定する感染症法上の結核患者に係る入院に関する特例でございますけれども、まず、通常は七十二時間の応急措置の規定がありますけれども、その後に、普通は十日以内の期間を定めて延長することができる原則に対し、結核に関しては三十日以内の期間を定めて延長することができるという規定がございます。治療の必要に応じて入院期間を再延長することは、これはあり得ることでございます。で、協議会の意見を聴いた上で、結核に関しては三十日以内の期間を定めて再延長することができることとなっております。もちろん、極端に言えば三十日ごとに延長するということも可能であります。

○足立信也君 はい、分かりました。そこで切られるというわけではないということですね。はい、分かりました。
  じゃ、次に三番目の、今日の項目である新型インフルエンザについて御質問いたします。
  先ほど清水委員が剛腕大臣とおっしゃっていましたが、柳澤大臣がですね、これは衆議院の委員会質疑だったと思いますが、就任後いろいろ説明を受けた中で最も恐ろしい話だったと、そのようにおっしゃっています。そのとおりだと私は思います。多分それはWHOの事務総長の、もはや新型インフルエンザの出現は避けられない、もしもではなく時間の問題であると、この発言にすべて集約されていると。非常に恐ろしいという話だと思います。
  ただ、うちの末松議員も言っているように、私も、大臣も先ほどおっしゃいましたが、決してオオカミ少年になるつもりはないんですね、オオカミ青年かもしれませんけれども。ただ、私は、やっぱり備えあれば憂いなしということで、どれだけ現実に理解していてその対処ができているかと、ここに尽きるんだと思っていますので、その観点から御質問をしたいと思います。
  これは今年の三月の参議院の予算委員会で澤先生、それから十一月の衆議院の厚生労働委員会、そして、我が党の末松議員が、質問主意書とそれに対する答弁書がございますので、それをベースに私質問させていただきたいと思います。
  まず、簡単にそのH5N1インフルエンザのことをちょっとだけ触れておきますけど、まあ皆さんもう御案内かもしれませんが、これはもう高齢者ではなくて小児、若年者に重症例、死亡例が多い、患者さんも多い。これが一番の特徴で、潜伏期は二日から四日で、平均三日であると。大事なのは、潜伏期から感染する危険性があるということですね。感染の経路は空気感染あるいは口からの感染もあって、ウイルスを排せつする期間、つまり感染しやすい期間は潜伏期から発症後二週間まである、非常に長いと。何も症状がないときから人にうつしてしまう、こういう疾患ですね。
  よく間違えられるSARS、重症急性呼吸器症候群ですね、鎮静しましたけれども、これと一番の違いは全身性疾患だということですね、H5N1はですね。これは、別のSIRSって私たちは使っていますが、システミック・インフラマトリー・レスポンス・シンドローム、全身炎症反応性症候群というんですか、全身疾患で、これの救命率は非常に低い。というのは、日本でもそうですね、いまだに。中には、これの治療をするためには、CHDFといって一日じゅう持続的に血液ろ過透析をやらないと無理だというような治療法もありますね。非常に厳しい状況だと、これが前提で質問したいと思います。
  去年から今年になって初めて感染が認められた地域がある。あるいは、急激に今年になって増加した地域がある。それは、例えばアゼルバイジャン、エジプト、中国、カンボジア、インドネシア、イラク、トルコです。ベトナムは今年は発症していませんね。それだけ減っていると、鎮静化したという、ベトナムはですね。
  そこで、一つ最初に聞きたいのは、インドネシアで家族内発生があった。つまり、現時点では鳥―人感染だと言われているけれども、この家族内発生は人―人感染の始まりじゃないかと言われている。家族の中で八人が感染して、七人が死亡している、ですね。人―人感染かもしれない。
  これに対して、WHOからの発表で、この家族の中、八人が感染したということに対して、これには遺伝的に非常に近いところがあった場合に感染するんじゃないか。つまり、この家族の中で八人が感染して七人が死亡したけれども、配偶者には感染していないんですね。あるいは近所の人には感染していないんですね。だから、何らかの遺伝的な類似性がある人に感染しやすいんじゃないかということがWHOから出されましたが、この情報の評価ですね。どの程度、その後、この遺伝的類似性が人―人感染には必須条件かどうかという点について、ちょっとお聞かせください。

○政府参考人(外口崇君) インドネシアのカロ地区で発生した家族内感染事例において、配偶者やそのほかの人に広く感染を広げる機会があったにもかかわらず感染者が血縁関係者のみに限られていたということから、これは、WHOの方で、本年九月にワーキンググループを開催して、人と動物の接点におけるインフルエンザの研究という報告書を出しております。そのリポートの中で、感染者が血縁関係者のみに限られていたことから、遺伝的な要因が人の感染しやすさに影響を与えている可能性があると考察をされております。
  実際にまだどういう遺伝子が、あるいはウイルスがどのリセプターに付着するかということと関連するかどうかとか、そういったところまでの分析はされておりませんので、まだそれは仮説にすぎないとは思いますけれども、こういう可能性については今後とも十分注意していきたいと思っております。

○足立信也君 ありがとうございました。
  私が得ている情報とまだ同じ段階ですので、新しい情報が分かったら是非知らせてください。お願いします。
  次に、これ日本ではこれWHOの世界インフルエンザ事前対策計画二〇〇五に準じて、恐らく罹患率二五%、人口の二五%、そして病院へ受診する人は、これは米国疾患管理センターの推計モデル、CDCモデルに基づいて、二千五百万人という今想定で対策を考えられていますよね。これをまず確認したいんですよ。二五%で、病院受診は二千五百万じゃないかと。それはそれでよろしいんですね。

○政府参考人(外口崇君) 新型インフルエンザ対策行動計画においては、全人口の二五%、すなわち、三千二百万人が罹患すると想定した上で、CDCの推計モデルを使って外来患者数を推計し、千三百万人から二千五百万人、二千五百万人が医療機関を受診すると推計されているところであります。

○足立信也君 三千二百万人が罹患して、医療機関を受診するのは二千五百万人。七百万人はどうするんですか。

○政府参考人(外口崇君) この七百万人の場合は、医療機関を受診しないで、恐らく在宅ということになると思います。
  実際にどういった仮定を置くかということでは、今もこれは議論が続いているわけでございますけれども、まだ国際的には全人口の二五%が罹患という推計が大体国際的にコンセンサスとして、仮定として置かれ、それから外来患者数についてはそれは各国ともCDCモデルを参考にしてやっております。ただ、先生御指摘の点、多分、実際に本当にそれでいいのかどうかということだと思いますけれども、これはこれをベースにしながら応用問題を考えていくことになると思います。
  実際に、このほかにも、じゃ死亡率が、今までのアジア風邪とかスペイン風邪をベースにして〇・五%から二%ということで各国やっておりますけれども、今までの状況から見て本当にこれでいいのかどうかとか、それから感染率についても、これもまだ定説なかなか定まっておりません。どのぐらいの感染力があるかというのが、まだ実際の例が少ないということもあるし、感染の発生したところが結構ローカルな場所であったということもあるんで、大分ばらつきがありますので、そういったことも踏まえて、今後いろいろとこういったモデルは改定されていくことになると思いますけれども、現時点ではこういう計算式にやっていくのが国際的な標準のようになっておりますので、まずはこれで推計しているということでございます。

○足立信也君 先ほどの備えあれば憂いなしと、大臣もうなずいてくださいました。それは今、外口局長がおっしゃったことと全く逆の話ですよ。現時点ではこう想定しているから、それに対してこういう備えがあるから安心できるんであって、この推計は今はこうしていますけど、これは当てにはしていませんでは何にもならないんですよ、ですね。
  だから、最初に私が聞いたのは、二五%が罹患する、でも病院に受診する人は二千五百万人だろうと、だとしたら罹患して病院を受診しない七百万人というのはどう考えているんですかと。そういう前提で話ししていると今おっしゃいましたんで、在宅だろうと。これ在宅で亡くなるってことですか。
  つまり、今現在、私が集めている情報の中で、H5N1に罹患して発症しなかった人っていないんですね。そういうデータありますか。だとすると、発症して、罹患率と発症率がほぼ同じ、でも七百万人は病院に受診しないだろう、ということはどこかで亡くなっているんじゃないかと、致死率の関係ありますけど。致死率のことはこれから言いますけど、今現在五九%ですね、発症者のうちの五九%が亡くなっている。で、罹患した人がほとんど発症するとすると、その七百万人はどう考えているんですか。合わないですよね、話が。
  もう少し言いますと、つまり最新の、先ほどの清水議員とはちょっと違いますが、二〇〇三年十一月以降、今年の十一月十四日までのデータで、二百五十六人発症していて百五十二人が亡くなっていますね、五九・四%。もう少し増えているかもしれません。で、一九九七年の香港風邪でも、H5N1ですけど、香港風邪でも死亡率は三三%ですよ。で、なぜ日本の死亡率の予測が二千五百万人、あるいは罹患から考えると三千二百万人中の六十四万人、二・五%で済むのかと。香港が三三%亡くなって、日本が二・五%だろうと。そんなに医療レベルの違いは私ないと思っていますが、どこに根拠があるのかと。つまり、さっき消えた七百万人、この七百万人の方は罹患している、ほとんど発症するだろうと。七百万人はどうなると考えてお話しされているんですか、今。

○政府参考人(外口崇君) まず、新型インフルエンザというか今の鳥のH5N1の鳥―人感染例について、今いろいろなデータが積み上げられているわけでございますけれども、まだ実際にその感染力がどの程度か、それから実際に潜在的な、潜在的なというか症状の出ないあるいは軽く済むような感染者が実際どのぐらいいるかとか、そういった情報についてはまだ確定したデータがありません。
  実際に、ベトナムあるいはほかの国におきましても、かなり重症になってから運び込まれているという、そういう事実がありますので、一方でもっと周辺に重くない患者さんがいるんじゃないかという意見もあるものの、他方トルコの事例のように、実際には罹患すると発症する人が多いんじゃないかというような、そういう例もあるわけでございます。
  そういった中で、まだ感染率と実際の発症率等についての定型的な国際的なコンセンサスというのが得られておりませんので、現状では、私が先ほど申しましたような二五%罹患、それから死亡率については、これはアメリカとかイギリスとか、それは各国共通でございますけれども、一応スペイン風邪を前提にしてやっていると。
  それから、じゃ実際の死亡率が、どのぐらいのもので実際発症してくるかということについても、これもまだいろいろ意見が分かれておりまして、まだそこは定説となっておりませんので、いろいろな仮定を置いた上のことでございますけれども、私どもが示しているのはスペイン風邪の死亡率ということを用いて計算しているわけでございます。
  それから、七百万人の差でございますけれども、これも軽症ということを仮定してのことでございます。それももちろん、そういう仮定に立っての数字でございますけれども。

○足立信也君 推計に基づいた話はもう僕はこれでやめようと思います。筋の通った推計であるべきだと。それを使うと決めたからにはそれに合ったように対処しなきゃ、計画を考えなきゃいけないということは間違いない事実だと思いますから。
  現実的な話を、じゃ、させていただきますね。
  先ほど説明しましたように、これ潜伏期に日本に帰国して、つまり入国して日本で発症することは今でもあり得るんですね。今すぐにでもあり得るわけです。そうした場合に、これはどうやって診断するかということをちょっとお聞きしたいんです。
  高熱が出る、で、病院受診しますね。これ恐らく今のインフルエンザと同じように、インフルエンザの判定キットで多分最初に見ますね。A型インフルエンザは全部陽性に出ますね。その段階から、私は、当然のことながら、H5N1よりも普通の、通常のA型インフルエンザの方がはるかに多く出ると思うんですが、じゃH5N1の確定までにはどれぐらいの時間が掛かるんでしょう、今。

○政府参考人(外口崇君) 今、H5N1の同定でございますけれども、国立感染症研究所においてリアルタイムPCRという検査法を用いると、通常六時間程度で確認検査ができます。
  確かに、先生御指摘のように、いかに早くH5N1を確定するかということが課題でございますので、今一、二時間程度で一般医療機関でも判定可能な新しい簡易キットを開発しております。これが開発されれば、更に短時間でH5N1の診断が可能になるものと考えております。

○足立信也君 そこで、高熱を伴う患者さんは病院受診するということは、昨日から急に熱が出始めたという患者は大体病院に来ますね。ということは、もう既に、最初に来た時点で大体十二時間か二十四時間はもう既にたっているわけですね、発症から。そして、キットで調べてインフルエンザだと診断される。さらに、H5N1かどうかというのは現状では、搬送の問題もありますけど、六時間以上は掛かるわけですね。その間、この前、中原委員の質問に対して局長は、H5N1以外の、人―人感染が起きたときの話ですけれども、H5N1以外のインフルエンザではタミフルの使用は控えさせるというふうな説明がありました。
  現状、病院へ来て、A型インフルエンザという診断が付いて、じゃ、H5N1かどうかが確定するまで待ってくださいというふうにするということなんでしょうか。

○政府参考人(外口崇君) 実際、タミフルの使い方の基準で、新型インフルエンザの疑い患者以外の通常のインフルエンザにおいての使用を控えるということになっているわけでございますけれども、もちろん先ほど申し上げましたような迅速キットが普及した段階ではそういったことは可能でありますけど、じゃ、今すぐ出てきたらどうするかという御指摘だと思います。
  その場合は、やはり、例えば流行の初期段階に疫学的な判断とか、それから、これはB型だからとかいうふうなことはあると思いますけれども、そうじゃない場合には、例えば現行の簡易キットでA型になって、それからあと臨床症状等を見て、そこでその段階で治療するということは、これはもう今の段階ではそういうことになると思います。

○足立信也君 はい、分かりました。今の段階では当然使うだろうということですね。はい、分かりました。
  先ほど、潜伏期で日本に帰ってきた場合に日本で発症した、十分あり得る話ですね。そこで、H5N1のウイルス、まあ株が、株というかそのもとが入手できたわけですね。それからワクチン精製というのはどれぐらいの期間でできる予定なんですか。

○政府参考人(高橋直人君) ちょっと一般論から申し上げれば、ワクチンは、そもそも防御の対象となります病原体が出現しまして、それで特定されてから製造できるというものでございますので、新しい疾病の発生後直ちに生産できるといったものではないわけでございます。
  新型インフルエンザの場合には、人から人への感染が発生した場合に、そのウイルス株を特定を、あらかじめワクチン製造に必要な鶏の卵などのその試材の確保ができていれば、約六か月掛けて生産できるであろうというふうに見ております。

○足立信也君 六か月ですね。
  ちょっと一問飛ばしますね。もうお昼過ぎましたので飛ばします。
  ですが、私、先ほど一番最初に申し上げましたように、潜伏期も感染力があるわけですね。今、現実の問題として、日本に潜伏期の状態で帰ってきて日本で発症するということはもうあると、それはもうお認めになりました。ということは、その間に接した人、空港や乗り物の中で接した人、この人たち、もう既に感染している可能性があるわけですね。この人たちへの対応はどうする予定なんですか。

○政府参考人(外口崇君) 新型インフルエンザウイルスは、発症直前に人から人へ感染する可能性について、これは否定できないと考えられております。
  新型インフルエンザ対策行動計画では、現時点では、人―人感染が始まった段階で、当該患者を診察した医療従事者、若しくは患者と濃厚接触があった社会機能維持者に対しまして抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を行うということになっております。
  ただ、先生御指摘の、その当該患者の発症直前に接触した人に対する抗インフルエンザウイルス薬の投与をどうするかということについては、これは実際なかなか、その確認をし、そして事前に対応することができるかどうかということも含めて、これはなかなか難しい課題だと思っておりまして、専門家会議で検討を進めることとなると思いますけれども、これが恐らく今一番難しい課題ではないかと思っています。

○足立信也君 難しい課題だと思います。でも、これが蔓延を呼んでくると思いますので、抗インフルエンザ薬ってタミフルのことだと恐らく思うんですけど、それは発症前投与ってできるものじゃないと思いますし、やっぱりワクチンの開発が可能であればそこしかないと思うんですね。この点を十分にこれから検討していただきたいと思います。
  そのタミフルの話なんですけれども、既にタミフルに対する耐性株が出始めているという話も情報が入ってまいりました。ロイター通信で九月三十日に、ペラミビルという新薬が鳥インフルエンザに対して有効とアメリカの企業が発表しておりますが、このペラミビルについて簡単に有効性のことなんかについて教えていただければと思うんですが。

○政府参考人(外口崇君) ペラミビルは、アメリカの企業が開発中の抗インフルエンザ薬でございまして、これは注射で用いる薬になります。それで、まだ動物実験段階ですけども、H5N1を含む各種のインフルエンザウイルスに対し、マウスとかフェレットを用いた動物実験で効果を発揮することが確認されたと報道されておりまして、そのことは私どもも承知しております。
  実際に、このH5N1ウイルスに感染した場合に、人の場合にも効果を発揮するかどうかというのは、これは実際に実験することできませんので、なかなか難しいんでございますけども、今開発が進んでいるわけでございまして、それで、アメリカにおきましても、これを最優先評価薬として位置付けて承認のための迅速評価を行う方針だと聞いておりますので、注目していきたいと思っております。

○足立信也君 ありがとうございます。
  これ、くれぐれも、今問題になっておりますがんに対する未承認薬と同じように、開発はアメリカに任せる、そこで承認されたものを日本で速やかに使えるようにしていこうという方策を取らないように、できるだけ早期に使えるような形に持っていっていただきたいと、もし有効性が確認されればですね、と思います。
  最後に、H5N1は検疫感染症に規定されました。この検疫感染症というのは、例えば隔離をするとかあるいは停留ですね、そこにとどめると、いろんな検疫感染症の中でもコレラや黄熱、デング熱あるいは一類感染症でやり方が違うんですけれども、このH5N1は今どう考えておられるんですか。

○政府参考人(外口崇君) H5N1の場合、世界的な発生拡大に対応して、事前予防の観点から法的体制を整備しておくために、平成十八年の六月二日に、インフルエンザH5N1を検疫感染症に政令指定したところであります。この六月というのは、その前にインドネシアの事例とかトルコの事例とかがありまして、それを踏まえたものでございます。
  この検疫感染症に政令指定したことによりまして、検疫官がインフルエンザH5N1の患者発生国等から入国した者に対し質問、診察、検査等の措置を行うことが可能となるなど、検疫体制が強化できることになります。
  またさらに、患者さんを発見した場合には、感染症法に基づく措置等に効果的につなげられるよう都道府県知事へ通知することとするなど、自治体との連携も強化しているところであります。

○足立信也君 もうこれで終わりにしますけれども、やはり先ほど、一番最初に言いましたように、備えあれば憂いなしだと思うんです。そして、一度この推計値を利用すると決めたら、それに合った対処を考えていかないと、この推計が途中であてにならないものじゃないかってまた言い始めたら、何のための行動計画か分からなくなるんですね。
  例えば、アメリカは人口の二五%が罹患するとしたら、アメリカの場合は六千万人ですね。その六千万人を超える八千百万人分のタミフルを備蓄する予定にしてあるわけです。ところが、日本はそれよりも更に少ないという形になってくるんですね、四分の一よりも、二五%よりも。ここはやっぱり、せっかくの推計があるんであれば、それを採用すると決めたらそこに向かって計画を立てる、それが備えだと思っておりますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。
  以上で終わります。ありがとうございました。

061130厚生労働委員会会議録より
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