国会会議録
 

平成18年11月02日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党の足立信也でございます。柳澤大臣、よろしくお願いします。  
  昨年の四月に第一回社会保障の合同会議が開かれまして、私その現場におりまして、柳澤大臣が、ちょっと間違いのないようにそのまま読みます。  
  民主党の多くの方が言ったように、雇用の形態とか生活の形態というのが全く変わってきたことに対して誠実に年金制度も対応すべきだ。改革である限り相当ドラスチックなことも避けられないと実は思っていると発言されました。  
  私、そこの現場にいて、これは何か変わるかもしれないなとかなり期待感を持ったことを覚えております。その後の経過は皆さん御案内のとおりでございます。そのことだけ申し上げておきたいと思います。  
  本日は、先週、日本の移植医療の実態の報告がありました。ですので、前半は移植問題、後半は今現在全国の医療機関で大変大きな問題となっている医療機関の未収金の問題について、この二点に絞って質問いたします。  
  その前に、懸案事項といいますか、方針の定まっていない事項、あるいは先週の質疑で必ずしも明確に答弁されなかった点、数点だけ先にお伺いしたいと思います。  
  まず初めは、厚生年金病院と保養ホームについてです。  
  これは、昨年の私への答弁で、厚生年金病院の運営をどうするか、これについては十七年度中、つまり今年の三月までに方針を決めると、そのようにはっきり答弁されました。しかし、いまだに決まってはおりません。皆様御案内のとおりです。  
  その後、各地から厚生年金病院及び保養ホームの公的医療機関としての存続を求める運動が大きく起きております。署名は十一万人と聞きました。地元の民間病院からも公的医療機関として存続の希望が出ております。加えて、いまだに方針が決まらないことがある意味風評を呼んで、医師や看護師の退職が続く、また悪いことにもうそろそろ来年度の内定、あるいは募集は始まっておりますから、この方針が決まらないことによって募集ももう滞っていますね。正に悪循環だと思うんです。  
  最初は石田副大臣に、この現実どういうふうに打開するつもりなのか、この点をお伺いしたいと思います。

○副大臣(石田祝稔君) 今、足立委員がお述べになりましたように、本年の三月、いわゆる十七年度末までに決めると、こういうことであったのはそのとおりでございます。しかし、その後、独立行政法人の年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審議過程において、厚生年金病院の整理合理化計画については地域の医療体制を損なうことのないようにと、こういう附帯決議も付されたことは御存じのことだろうと思います。  
  ですから、この整理合理化計画の策定に当たっては、やはり地域の医療体制ということもこれは附帯決議等の趣旨も踏まえて考えていかなければいけないと、こういうことで今大変苦労しているところでございますけれども、これはまあやはり本来でしたら今年の三月ということでもございましたので、鋭意努力をしてまいりたいと思っております。  
  なお、私の地元の高知県も厚生年金のリハビリテーション病院というのがございまして、地元からも存続についての御要望もいただいているところでございます。

○足立信也君 鋭意努力をされると、まあ恐らくそういう答弁であろうと思いました。水面下ではいろいろな動きがあるやに聞いております。公益性を損なうことのない方針を是非決めていただきたい、また議論する機会がございましたら議論したいと、そのように思っております。  
  次の二問は松谷医政局長に、医師不足問題です。  
  その前に、先ほどのちょっと西島委員の答弁で私気になったんですが、西島委員がおっしゃりたかったのは、指示の見直しと実際の医師の直接医療提供とは別物だということをこれ、はっきりおっしゃったわけです。現場にいて診察をして、直接医療提供をしているから見直す必要がなかった人も多いんですよ。それを全く混同してとらえているという指摘を彼はされたんだと私は解釈しています。そこが答弁と食い違っていると思います。  
  医師不足問題ですけど、今年の医療制度改革の論議で、これはもう国民の皆さんも思っておられるように、政府・与党側としては医療従事者が増加すると医療費が増えてしまう。私たちは、医療従事者が増えると患者さんの満足度が上がる、国民の不安が解消されていく、そのようにとらえております。  
  先週、坂本委員が、OECD諸国と比較した日本の医師数について、二〇二二年に需給が均衡するとする根拠を聞いております。それには明快な答えは私はなかったと思っています。OECDのヘルスデータでは、これは医師数を出しているのはプラクティシングフィジシャンズ、つまり医療現場で医療に従事している人の数を出しているわけです。先週の答弁は医籍登録の数ですね。ですから、そこでまたはっきりしたいんです。
 平成十六年、これは医籍登録が二十七万人ですが、医療機関への従事者は二十五万六千六百六十八、そしてこれを人口十万人対で直すと二百一ですね。全体で平成十六年では男千二百人、女二千人増えている。近年、三千五百から四千増えているといいますが、十六年は三千二百ですね。しかしながら、一番問題なのは、二十九歳以下ではこの年、男は百人減少、医師としてですね、百人減少、女性は三百五十人増えている。これは現状の医療機関へ従事するいわゆるプラクティシングですね、従事者としての統計で、これで間違いないですね。

○政府参考人(松谷有希雄君) 御指摘のとおりでございまして、平成十六年末現在の医師数は二十七万三百七十一名でございますけれども、医療施設に従事する医師で見ますと、医療施設従事医師数は平成十六年末現在で二十五万六千六百六十八名、人口十万対で二百一・〇人となってございます。また、今先生平成十二年から十四年の傾向で数字をおっしゃいましたが、それはそのとおりでございますが、平成十年から十六年、直近までを全体で、多少変動がございますけれども、年平均、単純平均いたしますと、男性でいいますと千七百から千八百名程度の増、女性では千五百名程度の増、合計で三千二百から三千三百名程度の増となってございます。二十九歳以下に限って見ますと、この間、毎年ですが、男性で四百名程度の減、女性が二百から三百名程度の増ということになってございます。

○足立信也君 そこで、二〇二二年に均衡すると、需給が均衡するということのその評価、その根拠の話になるわけです。
 これは今年の医療制度改革の前半部分は平成二十九年に均衡すると。それが、この前の第三回になるんですか、需給の見通しの検討会で五年遅れたわけですね。ということは、ある程度、人口とそれから医師数のもう推計が付いている。この時点で、二〇二二年の時点で人口十万人対医師数の推計は人口十万人で何人、医療従事者として何人という予定なんですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) 二〇二二年時点における人口十万対で見ました医療施設従事医師数で見ますと、一定の仮定を置いた上での粗い推計になりますけれども、約二百五十人となります。

○足立信也君 そこで、OECDの平均という話になります。二十九か国がデータで出ているんだと思いますが、人口十万人当たり二百九十人ですね。今需給が均衡するとおっしゃった時点で二百五十人、つまり十万人当たり四十人日本は少なくて、そこで需給が均衡するとおっしゃっているわけですね。  
  ということは、OECDの今現在の平均医師数というのは多過ぎるという判断、あるいは日本が四十人少なくても十分なんだという考えですか。

○政府参考人(松谷有希雄君) OECDとの比較でございますけれども、これは各国状況が違いまして、国土の規模あるいは医療提供の仕組みが異なっているなど、その事情は様々でございますので、一概に多い少ないと言うことは困難ではないかと思っております。  
  我が国の医師の状況で申しますと、近年、三千五百から四千名程度増加しているということでございまして、それなりの増加にはなってございますけれども、今先生御指摘のとおり、二〇二二年現在での従事者で約、一定の仮定を置いた上での粗い推計で二百五十名ということで、この時点での比較はどうかということでございます。  
  OECDの平均につきましては、単純平均をしますと二百九十人でございますが、各国人口規模は全く違いますので、総医師数、各国の総医師数の合計を各国の総人口の合計で除して、そういった単純平均ではないきちんとした加重平均で見ますと二百六十二名と、こういうことになります。それでも我が国の二百五十というのは若干下回っておりますけれども、これは各国の状況等それぞれあるということじゃないかと承知しております。

○足立信也君 今の単純平均では駄目だと、加重平均が大事だという答弁は次につながっていきますので。  
  次に、今度は、やはり坂本委員の障害者自立支援法に対する中村局長の答弁についてなんですけれども、委員は、たしか法の目的に照らしてしっかりとした施行状況になっているかという質問をされたと思います。それの答弁が二十四日、十月二十四日でしたか、新聞報道に一斉に出ました。現時点で把握している点について報告があったわけですね。  
  つまり、十四府県あるいは百四市町村の定点集計調査、全国へ声掛けて資料が集まっただけでそれを出したという、私はそういう印象を持っているんですが、先ほど質問の趣旨に立ち返って、これは障害者自立支援法を施行した後、この法の目的に照らして、このデータ集積あるいは解析、これが自立支援法の評価に値すると、評価に資するものとした判断なのでしょうか。判断に役立つとされたんでしょうか、調査は十分だと。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  
  調査が十分かと、こういうこと、それから評価、障害者自立支援法の実施状況について、法の目的に沿った状況であるかの評価に資するデータであるかと、こういう二点のお尋ねであるかと思います。  
  まず、委員から御指摘がありましたし、前回の審議を踏まえてのお尋ねでございますので繰り返しませんけれども、今御指摘のとおり、十四府県の調査でございまして、この結果をもって全国的な実態把握が完了したと、こういうふうにはもちろん考えておりません。取り急ぎ入手できるデータを都道府県にお願いし、その時点で得られたデータで、議論の中に利用中止が続出しているというようなお話もございましたので、そういったことについて、また定点市町村についても、大都市から中小市町村まで約二割のものでございますが、非常にデータの収集の今のシステムの制約から、定点でしか早いデータが出ませんので、この時点で入手できるものを入手してお示しをしたということで、これらの実態をもって調査を終わりにしているとか、さらに障害者自立支援法のねらったものについてすべて諸点を網羅した調査であるというふうに考えているわけではございません。  
  今後とも、調査の精度を高め、御指摘もいただいておりますので、できる限り実態把握に早急に努めてまいりたいと考えております。

○足立信也君 ありがとうございます。いつもに増して簡潔で明快に答弁していただきまして、ありがとうございます。  
  私たちもヒアリングしまして、これは別に評価に資するというつもりで出したものではないという厚生労働省の見解は既に得ておりまして、そういうコメントも党として出させていただいております。  
  それでは、本題になります。実態報告のなされました臓器移植の問題について、これはもう皆さんデータをごらんになってもう半分嘆きのようなつもりでごらんになったと思います。極度に低迷していると、これがもう実態だと思います。更に問題なのは、やはりある意味美談として報じられる小児の移植が、いわゆる渡航移植が国際摩擦を起こしていると、この現状もやっぱり事実として挙げられます。  
  先週お示しいただいた実態調査、それから過去のものも含めて、お手元に資料ありますけれども、ごらんになりながら、副大臣は日本の移植技術あるいは脳死移植技術、それは、またその成績は欧米諸国と比較してどうなんだと、どのように判断されているか、まず伺いたいと思います。

○副大臣(石田祝稔君) まず、事実の数字を最初にお示しをいたしたいと思います。  
  心臓移植につきましては、一年経過後及び五年経過後の生存率につきましては、日本が一年後は九七%、五年後が八九%と、米国がそれぞれ八七%、七一%、英国が八〇%、七〇%と。また、肝移植につきましても、日本が一年後の生存率が八〇%、そして五年後が七二%と、同じく米国につきましては八二%、六五%、英国が八〇%、六七%と。ですから、この数字だけを見ると、日本の移植技術は欧米と比較して遜色のないものではないかと、こういうふうに思います。

○足立信也君 私もそのように思っています。  
  そこで、柳澤大臣は、その報告を受けて、今後とも移植医療の推進に努めたいと、そのように述べられました。それは、生体移植のことを指しておられるのか、あるいは脳死移植のことを指しておられるのか、あるいはその両者であるのか、そこを明快にしていただきたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 移植医療は、移植を受けなければ病気を克服できないと、そういう患者さんにとっては非常に重要な医療行為であると、このように思っております。  
  そこで、それでは、それは生体移植であるべきか、あるいはそうでない脳死下あるいは心停止下の移植であるべきかということについては、やはりWHOの指針、これは移植用の臓器は望ましくは死亡者から摘出すべきということがございますし、また、日本移植学会の指針におきましても、健常であるドナーに侵襲を及ぼすような医療行為は本来望ましくないというふうにされておるところでございます。  
  私どもといたしましては、そのような意味で、移植は臓器移植法に基づき、できる限り多くの方々が脳死を含む死体からの移植を受けられるように取り組んでまいるべきものだと、このように考えております。

○足立信也君 お考えはよく分かりました。  
  これは移植の項目の中の最後に私述べますが、私もかなり当事者として携わっておりましたので、その点のことは最後に述べさせていただきたい。大臣のお考えはよく分かりました。  
  資料をごらんください。資料に沿って質問いたします。  
  これは、先ほど午前中に山本委員から簡単な御紹介がありましたけれども、移植ネットワークに医療機関やあるいは遺族から連絡のあった、意思表示カードを所持していたということが判明して連絡があった人の総数ですね、すべてです、千百二十一件。その中で、脳死下での臓器提供の意思のあった方は、ここに、一番上にあります七百十三名、六三・六%ですね。    
〔委員長退席、理事阿部正俊君着席〕  
  そして、この七百十三名中、臓器摘出の可能な四類型の病院、右の下の方に書き出しました四類型の病院に搬送された方が三百五十二人、半分以下なんですね。四類型の病院とそこに書いていますように、この四項目に該当するのは四百七十五施設あるんですが、実際は三百十施設が認められていると。  
  そこで、まず最初なんですが、明らかに脳死下での臓器提供の意思がある人の半分以下しか臓器摘出が可能な病院に搬送されないと。ここをどうやって解決するおつもりですか。それをまず伺いたいと思います。

○政府参考人(外口崇君) 臓器提供意思表示カードの所持者を臓器提供施設に、このお示しの図にありますように、どのように搬送するかということでございますけれども、ここで一つ難しいと考えている点は、まず、こういった施設に搬送するときには救命措置を中心に搬送されるわけでございますので、むしろ臓器提供意思表示カードの所持の有無というよりは、救命措置のためにどこにまず運ぶかということが多分優先されているんだと思います。それを変えるのはこれはなかなか難しいわけでございまして、意思表示カード所持者が臓器提供施設以外の施設に搬送される事例もこれあるのはやむを得ない。であるならば、じゃ臓器提供施設の方を、受皿の方をどうやって増やしていくかということになるのではないかと考えております。

○足立信也君 いや、いろいろ考えられると僕は思っていまして、どういうことが考えられるかなということをお聞きしたので、これもこれも考えられるということが出てきたらうれしいなと思ったんです。
 まず考えられるのは、これ改善策いろいろ講じていられますが、保険証の問題ですね。これは搬送されるとなると、救急車を呼ぶ場合、あるいは何も知らないところで事故が起きたような場合が多いわけですね。ですから、可能性としては保険証のことですね。それから免許証のことですね。
 私は、実は余り言われていないけれども、一番大きなのは、これは病院前救護体制の指令の問題なんです。その連絡があったときに、ドナーカード、意思表示カードを持っていますかと、この一言で大分違うんですよ。状態の把握も、実は今、救急隊のどこに行きなさい、搬送しなさいと指令出している人、医療関係者じゃないですよね。救命救急士でもないですよ。順番で指令に当たっている人ですよ。だから、現場の状況が伝わらないんです、指令に。もしそこに一言、意思表示カードを持っていますかと、そうすると大分搬送先がもう限定されるんですね。やっぱりこれは私は指令のところが必要だと思いますよ。(発言する者あり)いや、違いますよ、それは。患者情報ですよ。必要なのは患者情報です。必ずそこでも名前を確認する。免許証があれば免許証を見るんですよね。その同じ作業の中で当然あるんだと僕は、出てきます、思います。だから、保険証、免許証が大事だと私は考えております。  次の段に行きますね。ここでさらに六割ぐらいの方が、四類型の施設に運ばれたとしても、さらに六割ぐらいの方しか心停止前の連絡がないということですね。心停止後に連絡か、あるいは後ですね、亡くなったもう相当後にという話もありますね。この心停止前の連絡を増やすためにはどういう手だてがありますか。

○政府参考人(外口崇君) 御指摘のとおり、脳死下での臓器提供の意思表示が確認された方であって、心停止前にネットワークに連絡することができない事例、これを少なくしていくための努力というのは、これは必要だと思っています。もちろん、病態の経過からやむを得ない場合もあるでしょうけれども、やはりせっかく表示カードを持っているという、そういう提供意思はできるだけ尊重すべきだと思います。
 その点で、臓器の移植に関する法律の運用に関する指針におきましては、主治医以外の者、これはコーディネーターのことですけれども、主治医以外の者による説明を聞くことについて家族の承諾が得られた場合には直ちに臓器移植ネットワークに連絡することとしているところでありますので、引き続き、これは医療機関に対する普及啓発、それから家族、すなわち一般の国民の方に対する普及啓発ということになると思いますけれども、そういった御理解を得ていくことが重要だと思っております。

○足立信也君 私もそう思います。この点、この時点の解決策は、もう医療従事者がいかにその問題点を意識しているかに懸かっていると思います。是非これは医療機関に対してそのようなことを啓蒙をしていただきたいと、私はそう思います。
 その次の段階。心停止前連絡二百十二のうち法的に脳死判定に至ったのは四十八名だと。判定に至らずの原因は、重複回答ですけれども、以下に挙げておりますね。ここの改善策なんですが、この法的脳死判定の率を上げる手だてというのは何か、場合によっては判定基準のこともあるかもしれませんが、手だてとしては何か考えられていますか。

○政府参考人(外口崇君) この法的脳死判定のこの率を上げることですけれども、まず、そのために判定に至らずの中身でございますけれども、法的脳死判定の前提条件を満たしてないというケースもかなりあります。例えば、血圧が低下したりとかいう循環動態が不安定な場合とか、脳波がフラットにならない場合とか、それから鼓膜が損傷していると前庭反射が確認できませんので、そういったこともあると思いますし、それからそもそも医学的に対応が難しいというものもあるかもしれません。
 ただ、一つ改善の余地があるんじゃないかなと思うのは、家族の承諾が得られずというその項目だと思います。もちろんこれはお一人お一人の家族の御意見も大変重要なんでございますけれども、現状をどうかと申し上げれば、平成十六年の世論調査におきますと、仮に、家族のだれかが脳死と判定され、その者が書面で意思表示を得ていた場合において、脳死判定後の家族の臓器提供の意思を尊重し提供を認めるかと、家族のだれかが脳死になったとき、カードを持っていたときに御家族としてそれを認めますかと、こういう質問ですけれども、これに対して、そのときになってみないと分からないとされた方が二四%、認めないとされた方が八・八%となっております。    
〔理事阿部正俊君退席、委員長着席〕
 こうした状況を踏まえますと、やはり臓器提供についての更なる御理解、それから、特に臓器提供の意思のカードを持っておられる方が日ごろから御家族と十分にここを話し合っていただいておくということが重要ではないかと考えられますので、こういった点も普及啓発の点では重視していきたいと思っています。

○足立信也君 私もほとんど同じ意見です。
 先ほど例として少しだけ言いました判定基準の再検討、これは医学の進歩に合わせてということももちろんありますが、私は現時点では判定基準の見直しに関しては反対です。
 この表というか絵をもう一度見ていただいて、二百十二人の心停止前連絡があった方のうち四八%が脳死と判定に至ったわけですね。二二・六%です。こういう脳死下で臓器提供の意思のある人がすべて、すべてですね、これは難しいかもしれませんが、すべて臓器摘出可能な病院へ搬送され、さらに心臓が停止する前に連絡されれば、理論的には七百十三人の意思のある方の二二・六%、つまり百六十一人可能なんですね。これは四倍近い数です。これは現状の法制下で、努力すればこれに近づけることは十分可能だと私は思っているんです。まず、ここをやるべきだというふうに思っております。
 昨年の三月のやはりこの委員会で私質問したことではあるんですが、二年ごとに内閣府が脳死での臓器移植に関するアンケート、世論調査やられておりますが、その時点で私が説明したのは、脳死での臓器提供に本人の署名による意思と家族の承諾が必要なことについてどれだけ知っているかと。去年の時点では七八%が知っているんですが、これが実は前回の調査よりも五%も下がっているんです。それともう一つ、心臓停止後、家族の承諾があれば腎臓と角膜について臓器提供できる、このことを知っている人が、二年前は二七%しかいなかったんですね。これもその二年前に比べると三%も下がっているんです。
 つまり、先ほど、国民的合意というか議論といいますか、それが是非必要だとは言いながらも、世論調査では明らかに関心が下がっているということを申し上げたんですね。
 というようなことをすべて含めて、そして先ほどから段階的に私が質問しましたけれども、この段階を含めて、このテーマの終わりとして大臣に、じゃ、今何が不足しているかというふうに考えておられるのか、あるいは行政側として現行法制下で努力が十分されているのかどうか、足りない部分があるのではないか、その辺について大臣の御意見を伺いたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 足立委員が御提示いただいたこの非常に分かりやすい図表、これを見まして、私もなるほどと、こういう状況でそれぞれに理由があって、その理由の中には我々の努力で克服できるものもあるという御指摘は、誠に有意義なものであるというふうにお受け止めさせていただきました。
 そこで、同時にまた、この臓器移植に関する認知の度合いが二年前に比べてむしろ最近下がっているという状況も御指摘いただいたわけですが、これにつきまして何が不足していると考えるか。やはり、何と申しますか、一番こういった問題についてホットな議論が行われたときにはやはり国民の関心が非常に高く、認知度も上がっていたんだろうと、このように思います。
 そういう論議の段階ではやや安定期に入っているとあえて言わせていただきますけれども、そういうことになりますと、やはりメディア等を通じたいろんな知見に接する度合いも少なくなって国民の認知度も下がってしまったのではないかと、このように考えて、これはこれで非常に重要な問題だと、こういうように思います。
 厚労省としても、中学三年生向きにパンフレットを作成して、毎年全国のすべての中学校、教育委員会に対してそのパンフレットを配付するなど、年齢的にこういった問題について理解が可能な若い頭脳に対してこのPRをしているということを行っているわけでございます。
 また、同時に、公共広告機構等を利用することによって、これは日本臓器移植ネットワークの方々とも連携しながら、各種のパンフレットを作成配付して普及啓発に取り組んできたというようなことで、私どもなりの努力をいたしてきたとあえて言わせていただきたいと思いますけれども、これからも今先生の御指摘にあるようないろんな問題をめぐってPRに努めていきたいと、このように思っております。
 どういうふうに、まあお医者さんの中でも非常にこの問題についてはいろんな御論議がありまして、なかなかこれを一つの立場から徹底的にPRするということにもやや難しさがあるのではないかと、私は個人的にそんなふうに思っております。

○足立信也君 この移植に関するまとめの話になるかと思います。
 十年ちょっとぐらい前ですか、実際の法の制定は九七年ですけど、移植関係者、学会を始めとしてもろ手を挙げてこの法案に賛成したというふうに、振り返ればそういうふうになっておりますが、実は、現実は、世界の移植の先駆者たちは、私の上司も日本で初めて死体腎移植をやった人間だったですけど、亡くなった人からの善意で行われるのが移植医療だと。先ほどの大臣のお考えと同じですね。ですから、これは本道ではないという意見があったです、かなりありました。ただ、私は、それでは救えるのに救われない人がやっぱり出てくるということで、これはある意味、日本的解決といいますか、脳死を人の死とはできないけれども、臓器提供の希望があれば移植をしてもいいと、極めてあいまいな玉虫色な態度が実は日本の移植医療の進展を妨げてきたんだと私は思います。
 来年、十年迎えますね。WHOの勧告の中の一部にも、本人の意思が不明の場合は臓器摘出を拒否しているととらえる理由はないという項目もあります。私は、やっぱり十年を迎えるに当たって、これはしっかりとした議論、すぐに結論を出すというのではなく、しっかりとした議論が今正に必要になっていると、ちょうどこれから始めるのがいいタイミングではないのかと、そのように考えております。
 では、次のもう一つのテーマ、未収金問題です。
 私がこの問題を取り上げる意味は、先週のうちの櫻井筆頭理事と同じように、この国の公的医療保険の制度、国民皆保険を守りたいという観点から、是非問題として取り上げたいんです。
 その前に、これまで私、この委員会審議で何度か高額療養費の償還払い制度をすべての医療保険で受領委任払い制度に改めるべきだと主張してきました。我が党の医療制度改革案、これにも明記しました。このたび、政令案として、すべて受領委任払い制度にするという政令案をまとめたという報道が二日前ですか、なされました。このことはやはり私は未収金問題の一助になると思っていますし、このことに対しては、まあ感謝というと言い過ぎですけれども、私の同意するところでございますので、お礼申し上げたいと、是非これを速やかに施行していただきたいと、そのように思っています。
 皆さん御存じのように、全国の医療機関で相当な自己負担金の未払、いわゆる未収金がありますね。ちょっと話が長くなりますけど、やっぱり共通認識のために申し述べます。
 これは四病院団体協議会、四病協ですね、四病協のデータです。これは全国五千五百七十施設に郵送して、回収率は五八・八%、三千二百七十三病院です。その病院の総ベッド数は七十三万ですから、相当な範囲にわたってこのアンケートが取られているということをまず言っておきます。
 これは平成十六年四月から十七年三月までの一年間ですね。未収金のある施設は三千五十八施設ありまして、何と九三・五%です、九三・五%。一年間ですね。総額は二百十八億九千万円。一施設の平均は七百十六万円です。平成十四年四月からの三年間の累計では、トータル四百二十五億九千万円。一施設平均が千六百二十万円です。これ、保険別の内訳、この議論をすると、それは市町村国保の問題だろうと必ず逃げられる面がありますので、保険別の内訳です。これ、入院だけに限って言いますと、国民健康保険は、未収金のある施設は二千五百九十九施設、七九・四%、八割です。そして、社会保険ですね、健康保険では未収金のある施設は二千十五施設、六一・六%、六割を超えております。そういう現実をまず知っておいていただいて。
 これもちょっと長くなって申し訳ないんですが、実はこの問題への対応策というのは、国民皆保険を導入する際、健康保険制度が作られる中で解決しなきゃ、国民皆保険なんかできなかったんですね。それは、未収金が出たらどうするんだと、医療機関は当然疑問がありました。ですから、詳細にその検討がされて、整備されているんですね、もう既に。
 まず、国民健康保険法第四十四条及び健康保険法第七十五条の二において、保険者は支払が困難な者へ対する自己負担金の減免措置ができる旨規定されております。その場合、減免した額は保険者が肩代わりして医療機関へ支払うことになっています。
 そして、今度は自己負担金の話ですね。患者の義務である一部負担金を支払わない場合は、国民健康保険法では第四十二条第二項、健康保険法では第七十四条第二項において、医療機関が善管注意義務を果たしたにもかかわらず自己負担金の支払を受けられない場合は、その請求に基づき保険者は強制的に徴収することができる旨規定されております。
 善管注意義務というものの説明を少しだけします。当然御存じだと思いますが、善良なる管理者の注意を払う義務の略です。その意味は、その職業、その立場などにおいて一般的に要求される相当程度の注意義務というもので、この場合、医療機関が患者さんに対し、口頭での請求だけでなく、書面で督促状、催促状を送ることなどを意味しています。これが注意善管義務。
 この規定が置かれた理由ですね、今私が減免措置とそれから強制徴収に関して述べてきたこの理由を述べます。
 医療機関がどんなに努力して自己負担金を徴収しようと思っても受け取れない場合、強制徴収が必要となった場合は、これは医療機関側から見れば裁判所に申し立てるか、あるいは保険者に請求するか、二つの方法しかないんですね。ところが、医療機関が裁判所に申立てをした場合は、当然のことながら相当な労力、費用、時間を要します。保険者の場合は法によって強制徴収権限を与えられているんですね。このため、自分でその権限を行使することができる。このように、医療機関と保険者の持つ権限には決定的な違いがあるんですね。決定的な違いがあるんです。だから、医療機関に代わって保険者が徴収するものと定められているわけですね。
 これらの法律の定めを円滑に実施するために、国民健康保険に関しては、昭和三十四年三月三十日付け厚生省保険局長通知で、保険者に対し、減免措置や強制徴収について被保険者に周知徹底を図り、医療機関との連絡を保ち、適正な実施をするよう局長通知で求められております。そして、保険者は、請求を受けたときは審査をし、速やかに処分を行った上、医療機関に自己負担金を交付するものと定められています。
 さらに、昭和三十五年二月二十四日付け厚生省保険局国民保険課長通知で、保険者は被保険者に自己負担金の支払義務を履行することを徹底させ、支払が行われるよう配慮することとした上で、自己負担金の支払が困難な者の場合は保険者が肩代わりをし、支払が可能な者の場合には、医療機関が善管注意義務に努めなかった場合を除いて、強制徴収をして医療機関に交付すると定められています。
 このように、二重三重にその徹底が実は自己負担金の未払に対しては注意が払われている、つくられているんですね。
 また、今は国民健康保険を中心に言いましたけれども、組合健保や政管健保、つまり社会保険についても、昭和五十六年二月二十五日付け厚生省保険局保険課長及び社会保険庁医療保険部健康保険課長通知においてほぼ同様の内容が示されております。
 先ほど言いましたように、保険に関係なく、国民健康保険では入院患者で見た場合八割が未収金があるんですね、未払がある。社会保険でも六二%があるんですね、施設で見ますと六二%がある。ですから、これから先は保険局それから社会保険庁、政管健保の所管である社会保険庁、この両者の方々に私は質問したいと思います。
 まず最初は、国民健康保険法第四十四条によって自己負担金の減免措置を受けている人がどれぐらいいて、その金額はどれぐらいなんですか、教えてください。

○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 国民健康保険法第四十四条による一部負担金の減免措置についてのお尋ねでございますけれども、これは市町村の判断によりまして、災害あるいは失業など特別の理由により一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対して行われるものでございまして、厚生労働省として全体の適用人数あるいは金額というものにつきましては把握はしてございません。

○足立信也君 減免措置については把握していないと。
 では、未払に対する強制徴収のことでお聞きします。
 先ほどから何度も言っておりますが、国民健康保険法第四十二条第二項、そして社会保険では健康保険法第七十四条第二項によって出された医療機関から保険者への強制徴収の請求ですね。強制徴収をやっていただきたいという請求はどれぐらい出ていて、その金額はどれぐらい、そしてまた実際に強制徴収が実施され、医療機関に支払われた金額はどれだけか、それぞれ教えてください。

○政府参考人(水田邦雄君) 一部負担金の強制徴収に関するお尋ねでございますけれども、まず、これまでのところ、健康保険組合に対しまして保険医療機関から実際に請求があったという事例は承知してございません。ただ、国民健康保険につきましては、その保険者たる市町村において保険医療機関から相談、請求を受けた事例がございまして、そのうち数件については実際に徴収に至ったものもあるというふうに承知をしております。

○政府参考人(青柳親房君) 私の方から政府管掌健康保険についてお答え申し上げます。
 保険者によりまして一部負担金の強制徴収を行うようなケースにつきましては、通常は社会保険事務局の方から私ども本庁の方に相談がなされるというふうに考えております。現に、少数ではあるものの、医療機関から社会保険事務所にこの件についての照会、相談といったようなものが過去にあったという事例については承っておりますが、このような場合につきまして、社会保険事務所に御相談あれば、医療機関として善良なる管理者と同一の注意をもって必要な徴収努力を果たすということが前提であるというようなことを御説明をしておるようでございます。しかしながら、それを踏まえて医療機関から法律に基づくところの正式な請求があったというようなことや、あるいはこれに引き続き処分を行ったという事例についてはこれまでのところ承知しておりません。

○足立信也君 そうですね。先ほど一年だけの数を言いました。国民健康保険では二千五百九十九施設、八割が未収金があるんですね、実際。それから、社会保険では二千十五施設、六一・六%が実際に未収金があるんですね。これは過去にさかのぼると、年度でいいますと減るかもしれませんが、あることは間違いない。それに対して、国民健康保険でもゼロだと、それから強制徴収は数件あるやに聞いていると、政管健保では相談はないというか強制徴収の事実はないと。これは、これだけ多くの施設が困っているという事態の中で把握していない、あるいはないというのは一体何を意味しているのかということにならざるを得ないんですね、それでいいのかということも含めてですね。
 昭和三十四年、保険局長通知で、保険者に対し、減免措置や強制徴収について被保険者に周知徹底を図り、医療機関との連絡を保ち、適正な実施をするよう求めています。昭和五十六年の先ほど出しました保険課長通知では、強制徴収に関し周知、指導が求められている。これ、徹底やあるいは周知、そしてその指導、これが求められている。実際、今の数値を聞くと全部合わせても数件あるやなしやということだと思いますが、これ、現在、周知徹底がなされているんですか、あるいはなされているとしたらどのように行っているんですか、今。お答えをそれぞれいただきたいと思います。

○政府参考人(水田邦雄君) 一部負担金の減免あるいは強制徴収の件でございますけれども、こういった仕組みが設けられているということは、これは先ほどの通知もございますし、あるいは国会での議論もございますし、正に様々な場面でこういった制度が存在するということは、これは周知をされていると思います。
 ただ、これは御説明の中でちょっと飛ばされたと思いますが、一義的にこの未収金の問題、これは法律問題は余り深く入るつもりございませんけれども、一義的にはこれは医療機関の責務とされているところでございまして、もう既に判例もできていると。ただ、それを先生御指摘のとおり放置すれば、やはり国民皆保険制度、この維持にとってそれは問題であると。こういう認識の下に、保険者としてもその持っている権限を使ってこれを病院を支援するという必要があるだろうということでこの制度が設けられているわけでありまして、ある意味で、そういう意味では保険者の立場というのは二義的なものであるという認識が背景にあったのかもしれません。
 ただ、こういう仕組みは現にあるわけでありますので、正にこういった仕組みがあるということは、これは機会あるごとに周知をしたいと、このように思います。

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険庁として、ただいまの保険局長のお答えに特段付け加えるものはないと承知しております。

○足立信也君 仕組みは確かにありますという答弁ですね、周知徹底。私は今、どれだけやられているんですかということをお聞きしたんですが、やっていきたいと。
 実際、ここ最近の例といいますか、この通知が出た、少なくとも昭和五十六年の保険課長通知以降、どれぐらい周知徹底あるいは周知、指導を図ったんですか。具体的にいつごろ、繰り返して出しましたとかいうようなことがありましたら、教えてください。

○政府参考人(水田邦雄君) 特に通知等、改めての通知というものは出してございません。ただ、この状況をどう見るかということはございます。これは検討させていただきたいと思います。

○足立信也君 周知、指導あるいは徹底のどういうふうに具体的にやるかという問題にまたなってくるのかもしれませんが、実際上、こういうことが指導という形でされているということを私聞いたことがないんですよ、やっぱり。最低でも、一番近い過去でも五十六年以降、どうもそういうのを見たこともないということが多いんですね。
 大事なのは、法律の趣旨を実現させるためには、私が聞いたところでは、善管注意義務というのをかなりきつく言われて、その証明が医療機関側でできなくて、それ以降請求までいけないんだという話も聞いております。
 そこで、具体的にお聞きします。善管注意義務がどこまでかという、そういう話なんですね。
 昭和三十四年、保険局長通知では、三十四年ですよ、口頭での請求や催促などでは十分ではない、これはもう当然だと思いますね。昭和五十六年の保険課長通知では、内容証明付郵便により支払請求すること等が善管注意義務の確認の例として挙げられています。これは通知にはっきり書かれております。
 ということで確認なんですが、内容証明付郵便で善管注意義務は果たされている、例に挙げられているぐらいですから果たされている、それでよろしいですか。等という言葉は何を意味しているか、具体的にその等の中身、どういうことがあるか、これを教えてください。

○政府参考人(水田邦雄君) ただいま先生御指摘のとおり、通知におきまして、保険医療機関の未収金の徴収の請求を受けた保険者におきましては、その受理に際しまして、保険医療機関が善良な管理者と同一の注意をもって一部負担金の支払を求めたことを確認すべきということを規定をしてございます。この確認の方法につきましては、客観的事実に基づいて行うこととされておりまして、正にその一例として、お挙げになりました内容証明付郵便により支払請求することが挙げられているところでございます。
 これに類する確認方法としてほかにどんなものがあるのかということでございますけれども、例えば患者本人が支払義務を履行する旨を約した書類の取付け、あるいはこれは少し重くなりますけれども、裁判所の請求などがあれば、これは当然ながら善管注意義務を果たしたと、このように考えております。

○足立信也君 例も少し挙げていただきましたし、やはり内容証明付の郵便というのは、これは具体例として非常に大きいと思いますね。この点ははっきり議事録にも残りましたし、まあ医療機関も恐らくは検討をされることになると思うんです。
 これは、私冒頭にも申し上げましたが、この国に国民皆保険の下での医療保険制度を定着させるためには、どうしても乗り越えなければならなかった一つの懸念要因だったわけですね。ですから、ここ、二重三重にも医療提供側、医療提供機関、医療機関に対してこういうことがなされているんだと思います。当初は、それがやはり市町村国保について非常に心配であった。ですから、国民健康保険法にしっかりそういうふうに書かれていると。社会保険については、自己負担なしのときもありましたし、その後、一割、二割、三割と実際に増えてきて、これが露見してきたといいますか、これも同等の問題点として挙がってきたわけですね。
 これをそのまま周知徹底あるいは指導が今よりなされていかないような事態ですと、これはやっぱり保険そのものが当てにならないというか、医療機関そのものも不安感が募ると思うんですね。やはり、国民皆保険制度を導入する前の時点ではこれは医療機関は相当反対しましたよ。そのときに近いような事態に私はなるんではないかという不安があるんですね。ですから、先ほど、善管注意義務の内容、これもはっきりしていただいて、そして法律の趣旨を実現させるために、国それから保険者、医療機関が一体となって努力しないとやっぱり駄目だと思うんですね。
 これは、そういう保険制度、公的医療保険制度が未払の問題を何も解決できないような状況であれば、本当に保険医療機関として登録していることが自分にとっていいんだろうかという、先ほど不安と申しましたが、そういう考えも出てくる可能性だってあるわけですね。それが健康保険制度の瓦解につながってしまう。ここをやっぱりどうしても食い止めなければいけないと思うんです。そのことが国民皆保険制度をやっぱり守って、この国民皆保険制度を守るというのは、私たちもそれから厚生労働省も全く同じ方向を向いていることは間違いないわけですから、そこにこれが瓦解しないためにもそういう二重三重の手当てといいますか仕組みをつくっている、これをやっぱり利用していただくしかないんじゃないかと私は思うんですね。
 ですから、今全国で本当に多くの、先ほど例を出しました五千を超える病院が未払の問題で苦しんでいるときに、実は法的には、あるいは通知でもこういう方法があるんですよということを、まだ知らないでいる人も多い、これを何とか私は周知していただくことが一つの解決策につながっていくんではないかと、そのように思っております。
 是非とも、この今までの法の精神、今までやってきた、この国に国民皆保険制度を絶対維持するんだという強い姿勢を持って対処していただきたいと、そのように申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

061102厚生労働委員会会議録より
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