国会会議録
 

平成18年5月30日- - 厚生労働委員会



○委員長(山下英利君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、健康保険法等の一部を改正する法律案及び良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立信也でございます。
 昨年の七月以来、十か月ぶりの厚生労働委員会の質問でございます。そこで、ちょっと、しばらくぶりに委員会に出席しました、どうも私気になることがございまして、そこだけちょっと最初に申し上げたいと。
 一つは、昨年は岸宏一委員長の御判断で、女性の委員をお呼びになるときはさん付けで呼ばれておって、私は非常に耳になじみやすく、戦後教育を受けてきた私としてはなかなか女性に君付けで呼ぶのはできない習慣で、ちょっと委員長も御一考されたらいかがかなと、そのように思っています。  もう一点は、故あって先週私は院内テレビで、部屋でこの委員会を見ておりましたが、委員の御質問に対して大臣が御下問をいただきましたという発言が二回あったですね。これは川崎大臣がふだんからよくお使いになる言葉なのか、あるいは特段の意味があるのか。私、衆議院の議事録全部読みましたし、参議院の厚生労働委員会のも見ましたけれども、御下問というのはなかなか使う言葉じゃないなと。これちょっと気になりましたので、この点で御感想がありましたら。実は私、詳細にわたって質問したいと思っておりますので、しばらく大臣に、せっかくお越しいただいているんですけど、しばらく質問内容がございませんので、御感想を伺えたらと思います。
 そして、昨日、川崎大臣は決算委員会、参議院の決算委員会で大変御苦労されていると思うんですが、同時に私、行政監視委員会で厚生労働分野に対する、行政に対する質問も行いました。そこで、どうも二つ、法律違反の疑いが非常に濃いんではないかということを申し上げました。御報告がもう届いているかもしれませんが、そこをかいつまんでちょっとお話しします。
 二つというのは、障害者自立支援法と予防接種法です。
 障害者自立支援法では、だれもが利用する権利があって、国、都道府県、市町村は義務的負担をすると、そういうふうになっている児童デイサービス、これが途中で打ち切られている事態が続いているんですね。どうもその原因の一つが、三月に開かれた厚生労働省の全国主管課長会議で作成した資料、その解釈でどうもそういう事態に陥っているということがあります。これが一点目です。
 それともう一つは、予防接種法、これは四月一日から施行されているわけですけど、政令が改正されているわけですけど、市町村の義務とされている麻疹や風疹、百日ぜき、ジフテリア、破傷風、こういった疾患への予防接種が昨年の七月の政令の、省令の改正によって単品ワクチンが使われていない状況になっておるので、例えば麻疹に罹患した患者さんは風疹ワクチンを打てなくなっている事態が生じているんですね。これは市町村長の義務だと定められていることに対して省令が違反をしているんではないかと私は思いますので、その点を指摘しました。
 この二点が昨日のポイントだと思っております。先ほどの御下問の件と、何か御感想がありましたら、大臣、よろしくお願いしたいんですが。
○国務大臣(川崎二郎君) 私自身余り使わない言葉なものですから、何か言葉のやり取りの中で出たんでしょう。気を付けてまいりたいと思います。
 それから、一点目については、詳細についてはもう少し調べて、答弁する機会があれば答弁させていただきたいと。
 それから、二点目については、これは衆議院の厚生労働委員会で、二月だったでしょうか、御質問いただきまして、再検討を私が指示しまして、今日閣議決定をいたしたところでございます。単味でも使えるということで改正いたしましたので、そこはしっかりやらせていただいたと。
 いずれにせよ、委員会での議論聞きながら、なるべく行政に生かしてまいりたいと、この基本は守っていきたいと思います。
○足立信也君 どうもありがとうございます。早急そして的確な対処をお願いしたいと、そのように思います。
 さて、医療制度改革なんですが、私は、我が国の医療従事者の多くが世界的に見て非常に優れている、最も優れていると評価されている日本の医療制度において、自分たちが提供しているサービスを非常に評価が低くされている、こういう不満がまずあります。そして一方、国民やメディアは、我が国の医療には非効率的な無駄が多く、また質にも問題があると、そういうふうに感じています。多くの国民、八割以上というデータも出ていますが、不満を感じている。この認識のギャップが埋まらない限り、すべての国民が納得する医療改革への議論は進まないと、私はそう思っています。  医療従事者あるいは保険者、医療を受ける者、どの立場で話をするんではなくて、そういう議論はもう通用しないと思っているんですね。すべての立場の人がこの国の医療をどの方向性に持っていくのか、そういった観点で臨まなければいけない事態だと私は思います。
 日本人の平均寿命及び健康寿命は世界一長い、それに達成するために費やされた医療費は、対GDP比で最も低い、先進国中。これは、言わば世界一良好な費用対効果ですよ。これに対して不満を抱く人はないと思います。ただ、このことが知らされていない。これはある意味、情報の非対称、今日質問いたしますけど、情報の非対称の一部であると私は思います。患者さんにとっては、医師や看護師と触れ合う時間、得られる情報、疑問点の解消、いやされたい気持ち、すべてが不満なんです、今。そして、私も医療従事者の一人ですが、患者さんの心をいやすため、納得してもらえる説明をするための人と時間が欲しいんです。これは十分共有できることだと思っています。
 私の今日の質問、それから委員会質疑への私のスタンスをちょっとあらかじめお伝えしたいと思うんです。
 日本の医療制度をどう変えていけばいいのか。その根底にあるものは多分、私、厚生労働省と共有できる部分が相当あると思っています。これ調査室で作成していただいた、いつも大変な御苦労で作成されていると思います、調査室の参考資料、これを読みましても、審議会や検討会の意見は私は納得できる部分が非常に多い、そのようにとらえています。ところが、それが法案になる段階で、優先順位の違いとか、あるいは審議会、検討会でこういうことを言われているその部分部分だけ抜き出して、結局は医療費抑制という筋道に向かってつなげていっている、そういう印象がしてならないんですね。
 八百兆円の負債があるといいながら、セーフティーネットは大事だと、しっかり張っていくんだと、そうおっしゃる割には、それを担う人材が診療報酬だけで支えられるシステムでいいのかということが大きな疑問として私は残っております。何より、衆議院の審議を終えて、国民の多くは十分な審議を期待しています。衆議院本会議で賛成討論をする議員がいなかったと、そういった法案です。そして、何より十分な議論がなされれば国民にとってより良い法案ができると国民は期待しているんですね。このことを私は強調しておきたいと、まずそう思います。
 本日、我が党から、我が会派からは三人質問が予定でございます。私以外の二委員は主に健康保険法の改正、これを担当することになっていますので、私は医療法の改正部分を今日は分担してやりたいと思います。
 その内容は、まずリハビリテーションについて、そして物議を醸していますメタボリックシンドロームについて、そして医療を高めるため、医療の質を高めるためにはどういった方策が必要なのかと、我が党が提示した案と対比させながら質問していきたいと、そのように思います。  まず、リハビリテーションです。
 医療改革というのは、もちろん法の改正だけではなくて、診療報酬の改定も大きな役割を果たしているんです。私は、この委員会で今まで度々、高齢社会を迎えて活力ある老後のためにリハビリの重要性、このことをずっと訴えてきました。閉じこもりにならないために、寝たきりにならないために、これからこそリハビリが大事なんだということを申し上げてきました。
 皆さんも御存じだと思いますが、四月八日の朝日新聞、まあ私どもにとってはもう雲の上の人、免疫学の世界的権威ですね、多田富雄先生の投稿がございました。その中は、多田先生のことは、文章で書かれているから話してもいいと思うんですが、脳梗塞の後遺症で、重度の半身麻痺の状態、言語障害、嚥下障害がある、四年もう経過している。
 その彼の投稿の中で、別な病気で三週間リハビリを休んだら立ち上がることもできないという、四年たってそういう状況ですね。障害が百八十日で回復しなかったら死ねということかということを書かれている。「リハビリは単なる機能回復ではない。社会復帰を含めた、人間の尊厳の回復である。」、そのように結ばれております。同じような経験をされて、同じような思いを持っておられる方が傍聴席にもいらっしゃいます。
 要点は、リハビリについての要点は、まず算定日数の上限について、それから回復期リハビリテーションの対象について、そして介護との関係、この三点に、順に伺っていきます。
 まず資料をごらんください。上半分がリハビリテーション、告示の内容です。一ですね。この告示の内容によりますと、今回は新たに四つの疾患別リハビリテーション料を新設すると。その中で、対象疾患のところですね、脳血管疾患等リハビリテーション、対象疾患として高次脳機能障害と、背景を赤にしました。
 で、その下の部分ですね。この対象疾患というのは当然、そこに表に書かれている算定日数の上限百八十日、該当する疾患という意味だと思いますが、算定日数上限規定の対象から除外される疾患として、やはり告示で二番目に高次脳機能障害と。同じことが、対象疾患と除外される疾患と、両方の告示に書かれている。
 まずこのことについて、これはどういうふうに解釈するのか、そのことと、重度の頸髄損傷とありますけれども、この重度という定義は一体どうなっているのか、このことをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の診療報酬改定におきまして、リハビリテーションにつきましては、これまで理学療法あるいは作業療法等の療法別の診療報酬体系でございましたけれども、これを新たに疾患別の体系に再編成するというのが一点。それから、疾患の特性に応じまして、標準的な治療期間を踏まえて算定日数に上限を設けるという改正を行ったところでございます。この上限の適用に当たりましては、失語症など、長期にわたって継続的にリハビリテーションを行うことが医学的に有用であると認められる疾患等を除外したところでございます。
 御指摘の点でございますけれども、まず初めに、この表の上の方でございますけれども、高次脳機能障害につきまして、これは脳血管疾患等リハビリテーション料の算定対象患者の一つの種類でありますよということを示しているわけでありまして、この二百五十点又は百点と、こういった診療報酬を受けられる疾患であるということをまず示しているわけであります。
 その上で、下の方につきましては、この当該リハビリテーションに関しましては、その百八十日の算定日数上限の適用除外とする患者でありますよということを示しているわけでありまして、物事を、まず上の方では点数のレベルを示し、下の方では、それが百八十日という日数が適用除外にされると、このように構成されているわけでございます。多少、そういう意味では二段階になっているので分かりにくいかもしれませんけれども、いずれにしましても、高次脳機能障害の患者は算定日数上限の除外対象とされているものでございます。
 それからもう一点、重度の頸髄損傷についてでございますけれども、これも適用除外になっているわけでありますが、この重度の頸髄損傷に該当するか否かについてでございますけれど、これは関係学会の診断基準等に基づく医学的判断によるということとしてございます。
○足立信也君 まず前半部分、同じ表の中で、該当するところと該当しないところを同じ表で出したと、そういうことですね。これはやはり誤解を生むし、分からないと思いますよ。普通は分かりませんよ、これ。
 それから、関係学会での診断基準によるということがございました。重度というのは、今現在もう診断基準があるということですね。
○政府参考人(水田邦雄君) 関係学会の診断基準等に基づくと申し上げましたのは、例えば高次脳機能障害につきましては診断基準があるわけでございますけれども、この重度の頸髄損傷につきましては、診断基準と申しますよりは、一般的な医学上の判断ということになろうかと思います。 ○足立信也君 重要なポイントですよ。一般的な医学的判断、医師の判断ということですね。医師の判断で重度だと判断すればいいと。これは、リハビリ関係者、かなりの方が今日ごらんになっていますから、そのように今お答えだったと思います。
 確認ですが、この多田先生の投稿の中にも、口唇裂や口蓋裂、特に口蓋裂、この子たちは相当長い年月を掛けて、あるいはずっとリハビリを受けなきゃいけない、こういう事態、これに対して打ち切られるのかということをおっしゃっています。
 この口唇裂、口蓋裂に関する算定上限、算定日数の上限はあるのかという点と、それからもう一つ、構音障害。構音障害というのは、もちろん脳血管疾患でも起きますし、これも長い年月を掛けないとなかなか正常な発声にならない。あるいは、嚥下障害を起こす、そして誤嚥を起こしてしまう、そういう予防にはならないわけですね。
 この構音障害というのは、この除外規定に入っているんでしょうか、それとも失語症の中に含めるということでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 まず、口唇口蓋裂の患者さんについてでございますけれども、これにつきましては、算定日数上限の除外対象となります障害児・者リハビリテーション料の対象患者ということでございますので、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合には、リハビリテーション料に係る算定日数上限の適用除外となるものでございます。
 もう一方で、構音障害というふうに申されましたけれども、これは失語症に該当するものとそうでないものがあろうかと思います。これはケースによって違うかと思いますけれども、失語症に該当する場合もあると、このように考えてございます。
○足立信也君 同じ構音障害、同じというか、病態としては構音障害と一くくりにされるわけです。
 算定日数上限に算定されてしまって切られる人とそうじゃない人がいるという今、回答だったと思いますが、その判断でよろしいんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) それぞれのケースにより判断が分かれる場合があるということでございます。
○足立信也君 それは、この子にとって、あるいは構音障害を併発してしまった高齢者も含めて、個別の判断で、医師の判断で、この人はやればいい、やったら回復する見込みがあると、そういうことがあれば上限で切られることはないという判断でよろしいですか。
○政府参考人(水田邦雄君) これは通常の診療報酬請求あるいは審査の問題と同様でございますけれども、それにつきまして、その医学的判断が妥当であったかどうか、これは審査をして、その上で支払をするという手続を踏むことになります。
○足立信也君 その問題は後でまた触れようかと思ったんですが、それをいつ判断するんですか。月に一回レセプトを出す、その時点。そのレセプトが出た後、審査会の方で判断されて、これは査定ということになるんでしょうか。それとも、一回一回受診するごとに、これはやはり医療機関としてはその診療行為に対してきちんとお金はやっぱりいただきます。その時点ではお金をいただく行為をしていて、レセプトが出た時点で判断されるということなんでしょうか。
 それから、そこで打ち切られるということですか。その判断は医療機関には前もって知らされないということですか。やってしまった行為に対して後で査定して、これはいけないことだということを判断するという意味ですか。いつやればいいんですか、医療機関は。
○政府参考人(水田邦雄君) これも一般的な診療報酬の審査、支払と同じルールが適用になります。通常の場合と申しますと、やはり形の上ではそれは事後的なものになろうかと思います。その上で、その前に疑義解釈等を通じて明らかにされるケースもあろうかと思います。
 したがいまして、疑いがある場合には、やはりそういったまず疑義解釈なりを通じて一般化することが妥当であろうかと思っております。それ以外につきましては、これは通常のルールが適用されて事後的に判断をするということになろうかと思います。
○足立信也君 矛盾が一杯あるというのはもう皆さん分かっておられると思うんですが、あと、引き続いてまた繰り返してお話をします。医師として、それは、この患者さんにはこのリハビリテーションが必要なんだという意思表示をどこですればいいかということです。
 次に行きます。
 また別の例で、脳血管障害や脊髄損傷の患者さん、私の例を出して申し訳ないんですが、胃がんの手術後、退院された後に頸椎の椎間板の炎症を起こして四肢麻痺になってしまった。この方は一年掛けてリハビリを入院してやられて、すっかり元の状態で戻られました。こういう方は実際にいらっしゃるんですよ。そのような方、これも上限で切られる、そういう事態になっているんだと思います。
 私は頸椎の今話をしましたけれども、やはり重度の判断というのは、そのときの状態が重度だというまた判断と、そしてこの人にはリハビリテーションを行ったら可能性があるという表示を、医師の判断、それをいつ出せばいいんですか。レセプトのときに、今の現在の症状詳記のように文章に書いて、この人は必要性があるんだということを出さなければいけないという意味ですか。
○政府参考人(水田邦雄君) まずその判断の時点でございますけれども、これは算定日数上限の日数の達したところでの医学的判断になろうかと思います。その上で、正にこの治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断可能な除外疾病に該当するかどうかという判断がそこで問題になり、そこで、先ほど申しましたように、基本的にはこれは診療報酬請求でございますので事後的判断になりますが、その前に疑義解釈等で明らかになれるものは一般的にはそれはした方がいいということになろうかと思います。
○足立信也君 じゃ、もっと一般的に、皆さん分かりやすいお話をします。
 ヤンキースの松井選手、御存じですよね。残念ながら左の橈骨骨折ですね。しかし、あのときのテレビで皆さんもお分かりのように、これ橈骨と尺骨が同時に折れて、しかも粉砕骨折のように骨片になっていたら、どんなに体力のある人でも最低六か月は掛かるとまずニュースで報じられましたね。彼の場合は運よく橈骨の単純な骨折だったので早ければ三か月という話がありましたね。ああいう骨折、仮に粉砕骨折だった場合は、やはり最低でも半年掛かると言われたのが百八十日、あるいは運動疾患ですと百五十日ですか、打切りですか。
○政府参考人(水田邦雄君) ちょっと松井選手の場合のリハビリの必要な期間というのが、日常生活上の機能を回復するために必要なものであるのか、あるいは運動選手としてのレベルまで回復するまでの期間なのか、そこはよく分かりません。
 したがいまして、一般的には、私ども関係学会等と協議の上、それぞれの疾患別に算定上限を示したところでございます。
○足立信也君 その人の到達地点によって個別に判断すると。実現可能性のあるお話をしているとお思いですか。
 もう一つ、それに関連して、今は粉砕骨折の話をしましたけど、例えば多発外傷ですね。これまた私の経験で申し訳ないですけど、私、工事現場五階から転落したという方、全身十七か所骨折で、内臓出血、肝破裂でショック状態で、手術中に心臓一回止まりました。で、一命は取り留めましたし、その後整形外科の手術もやり、これまた一年ぐらい掛けて今は仕事をされておられる方がいらっしゃいます。こういう方は、多発外傷がある場合は、もうベッドの上からリハビリは始まるんですよね。簡単に百五十日なんか過ぎてしまっているんですね。
 個別判断で個別判断でとまたおっしゃるかもしれませんが、明らかに除外疾患の中には入っていないわけですよ。そして、善かれと思ってやる、患者さんもそれに期待してリハビリをやる、ところが、後で査定されてもうこれは駄目ですということがあると、そういう解釈でよろしいでしょうか。 ○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘の事例について申し上げますと、これ多部位外傷の患者のことかと思いますけれども、この場合には、治療を継続することによって状態の改善が期待できると医学的に判断される場合には、算定日数上限の適用除外となるものでございます。
○足立信也君 ここの頭部外傷又は多部位外傷というのは、そういう意味ですべての外傷を含んで、医学的判断でこれはいいと思ったら除外になるということですね。そうすると、除外日程ですか、上限を設けた意味はどこにあるんですか。善かれと思って、回復すると思ってすべての外傷なんか今までもやっていますよ。これ、上限日数定めた意味が一体どこにあるのかと。
 私、ちょっと心配なのは、自分で言うのもなんですけど、結構医療機関、医療従事者って皆さんまじめなんですよ。こういうのが出ると、これ以上やっちゃいけないんだってまず反応するんですよ。そして、それを外来の患者さんへ、こうこうこういう理由でこれからはできないんですといったんみんな説明しているんですよ、全部。それなのに、例えば外傷の例を取ったら、すべての部位はオーケーだと、あとは医学的判断でいいと思えばいいんだと、でも途中で打切りがありますよというのは、これは告示を真剣に見て、正直者がばかを見るんじゃないかという気がしてならない、ちょっと悪い言い方かもしれませんけれども。やはり、これは何のために上限日数を設けたのかということが揺らいできているんですね、今の御答弁で。私はそう思います。
 もう一つは、あと日数の問題も当然あるんですけれども、今度、言語聴覚士のことをちょっと行きます、先ほど構音障害、嚥下障害の話もありましたけれども。
 言語聴覚士の役割がこれ重視されて、例えば失語症、高次脳機能障害、除外疾患になったのは私はいいと思うんですが、例えばこれに、脳血管疾患で失語症もあり運動障害もあると。除外されたのは失語症ですから、失語症は日数に関係なくリハビリ受けられる。ところが、同じ医療機関に行って、運動器のリハビリは百五十日でおしまいですという事態もあり得る。この点については、同じ医療機関で片や認められるリハビリがあれば、運動器のリハビリも同時にやっていいんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 失語症につきましては、これは適用除外疾患でございますので、これは算定日数上限は課せられないということでございます。
○足立信也君 いや、失語症につきましてはとそれはおっしゃった、それはそうですよ。ですから、脳血管疾患という発症原因が同じで運動機能障害が残っていると、運動器のリハビリが必要だと。それは失語症に関してはオーケーだけれども、運動器は百五十日で終わりですというふうになるんですかと聞いたんです。
○政府参考人(水田邦雄君) 失礼いたしました。
 御指摘の失語症の場合で運動器のリハビリが必要だという方でございますけれども、この患者さんにつきましては、当該患者に行われたリハビリテーションが言語聴覚療法であるか理学療法、作業療法であるか否かにかかわらず、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合には算定日数上限の適用除外となるものでございます。
○足立信也君 非常に私は有り難い除外ですね、これも。算定日数の上限を決めた意味がどこにあるんでしょうね。
 先ほどの話に戻りますよ。さっき具体的におっしゃったんでしょうか、やっぱり月に一回のレセプト請求のときに医師が理由付けをちゃんと書く。そこから医学的判断が正しいかどうかの、あるいは違う言い方ですと査定を受けるかどうかの判断が始まる。その月に一回出すと、そこからスタートなんだと。それはオーケーですか、そのとおりですか。
○政府参考人(水田邦雄君) スタートに立つというのがどういう意味かよく分かりませんけれども、診療報酬請求があった時点でそのレセプトに基づいて審査をするということでございます。
○足立信也君 私は、算定日数を超えたときの医学的判断のことを言っているんですよ。どうぞ。
○政府参考人(水田邦雄君) 失礼いたしました。
 算定日数上限に到達した時点での医学的判断によるわけでございます。
○足立信也君 ですから、例えば、今日、五月三十日ですか、実は算定日数が五月一日で百五十日になったんだと。でも、この三十日間に何回かリハビリ、医師の判断でいいと思ってずっとやってきたんだと。そのことを示すのは月に一回の月末のレセプトで、この方はこうこうこういう理由でリハビリテーションを続けた方がいいと思うことを出すわけですね。その時点まで待てということですか。つまり、その判断、医学的判断でやってもいいかどうかの判断、医師に対して、医療機関に対して、どこでやればいいんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 診療報酬上の決めの中におきましては、医学的判断は、先ほど申したとおり算定日数上限に達した段階で行われるものでありますけれども、その後においても、治療を継続することにより先ほどの状態の改善が期待できるかどうかにつきまして日々適切に医学的判断がなされる必要があると、このようにしてございます。
○足立信也君 そこをきちっとやっぱり整理が必要だということを私申し上げているんですよ。今までリハビリを受けてきて、多分改善して良くなってきていると。もっと続けたらきっともっと良くなるだろうとだれもが思うわけですよ、受けている方は。そして、その途中で百五十日が今来たと。でも、もっと続けてほしいなと。医療者側ももっと続けたら更に良くなるんじゃないかと判断する。それで続ける。その月のレセプト請求で説明を書くんですかと聞いているんです。もしそこで査定された場合は、そこで、私は善かれと思ってやったんだけれども、駄目だという判断なんです、もうできませんということになるわけですよね。その継続していいか悪いかの判断は、これは最初の段階では医療機関あるいは医師はもう自分の判断だけで、結果が出るまでは自分の判断でやらざるを得ないと、そういうことですよね。
○政府参考人(水田邦雄君) 先ほどから申し上げておりますとおり、やはりレセプトに医学的判断、必要があればその判断の基になった根拠を書いていただきまして、審査上の判断が下されると。それに不満があるときにはそれについて返戻をすると、こういったプロセスを経るものと思っております。
○足立信也君 一つだけ明らかになったのは、レセプト請求のときにきちんと医師が医学的判断を書くと。結果は、その後は分からないということですね。
 資料の下半分のところをごらんください。
 これは、病院完結型というのは、これ、いわゆる札幌方式と言われている型です。これ、地域との連携、医療の連携のシステムですね。地域完結型というのは熊本方式。そこに名前を書いておりますが、橋本洋一郎先生。これの、病院完結型と地域完結型、こういうふうに私出さしていただきました。
 例えば変形性の膝関節症とかございますね、加齢によって変化してくる。これは同じ病名でも、いったんそこで人工ひざ関節とかした場合は定期的な整形外科医でのチェックが必要ですよね。当然そうだと思うんです。この地域完結型のところを見てください。リハビリ専門病院で回復期リハビリテーション病棟に一か月から五か月、そこで入院してリハビリをする。五か月というと百五十日ですよね。あるいは急性期病院からスタートしたら、この途中でもう上限が来ているわけですね。そしてその後、矢印はこれ、かかりつけ医に行く、あるいは介護施設へ行くのがあるわけですけれども。  何を聞きたいかというと、これ、上限日数算定されて介護へ回りなさいよという方向性であれば、じゃ定期的な、例えば先ほど人工ひざ関節の話しましたけど、手術をした整形外科の病院に行く、そこで診察してもらって、どうも今介護でやっていただいているリハビリは余りうまくないなと、こういうリハビリやったらどうかって指導が加わる。そのリハビリテーションというのは医療機関でやってはいけないんですか、介護で既にリハビリを受けている場合。介護保険と医療保険で同じリハビリテーションをやることはできないわけですね、現状では。定期的に自分が手術をしていただいた整形外科の病院に行って診察してもらって、こういうリハビリやりましょうよって、やってはいけないんですか。おかしくないですか、地域と連携できますか、それで。
○政府参考人(水田邦雄君) まず、制度全体の組立てでございますけれども、今回の改定におきましては、限られた医療保険財源を、リハビリテーションにつきましては発症後早期の時点、集中的かつ専門的なところに重点配分をすると。一方で、介護保険との役割分担を明確化するという観点から、症状が固定した後の機能の維持を目的とするリハビリテーションに移行すべきものにつきましては算定日数の制限を設ける、その後、介護保険の認定を受けて維持期のリハビリテーションを受けていただくと、こういう役割分担をしようというものでございます。
 したがいまして、個々のケースについて、例えば急性増悪した場合にはまたこれは医療に戻れるということはございますけれども、やはり大きな整理といたしましては、この維持期のリハビリテーションにつきましては介護保険の方にお任せをするということになろうかと思います。
 一つの医療機関で全体的に診られないかということでございますけれども、通所リハビリテーションは病院、診療所において行われることが多いわけでございますので、そこが介護サービスの事業者としての認定も受けるということになりますと、発症後早期のリハビリは医療保険から受け、その後の維持を目的としたリハビリテーションは介護保険からそれぞれ受けるということが、一連のものとして行うことが可能であると考えてございます。
○足立信也君 答弁内容が大分ずれていると思うんですよ。私が言っているのは、リハビリテーションという治療を受けるのが介護保険で、今、日数が来たら、まあ一定の回復まで得られたら後は介護保険でというお話がございました。介護保険でリハビリテーションを受けている場合に、今度、医療保険でリハビリテーションは受けられないわけですよね。これは確かですよね。だとしたら、六十四歳以下のリハビリテーションが必要な人はどこに行けばいいんですか。介護保険のリハビリテーションは受けられませんよ。それから、今言ったように、定期的な通院で医療機関に行って、そこでリハビリ指導があると、その指導も受けられませんよ。
 絵にかいたように机の上ではきれいに、ここから先は介護保険って、それはできるかもしれないけれども、やっぱり患者さんにとっては定期的に、例えば手術をした後なんかは定期的に通院するのが当たり前じゃないですか。そこでリハビリの指導は受けられないということになっているわけですよ。
○政府参考人(水田邦雄君) 六十五歳未満、介護保険の適用でない方についての扱いがどうなるのかということでございますけれども、そういった介護保険の適用にならない若い方で機能の維持も目的としたリハビリテーションが必要のある場合といたしましては、難病患者でありますとか障害児者の例が考えられるわけであります。そういう方々につきましてはそれぞれ算定日数上限が設けてございませんので、そういった多くの場合、類型につきましてはこういった対応が可能であるということでございます。(発言する者あり)
○足立信也君 聞いている人が、何あさっての方向を向いてしゃべっているんだという感じになるんですよね。
 私は、併用ができないじゃないかということを言っている。実際できないんですよ、今。でも、患者さんとしては、手術をしたところに行ってきちんとこういうリハビリをしてもらいたいって、教えていただきたいでしょう。それを告示で禁止しているんですよ。そういうことが許されるのかと。  あとは、当然、お年寄りの方も在宅へという方向は私は賛成ですよ。でも、それができるためには、一年のうちに二回とか三回とか、一年に一回とか、短期集中的に病院でリハビリテーションを受ける、このことによって在宅が維持できている人というのは一杯いるんですよ。厚生年金病院の、私、大分ですけど、湯布院厚生年金病院の関係者の方もいらっしゃいますけれども、リピーター率が非常に高い。一年のうち何か月か、あるいは何週間かやることによって在宅が維持できている。この人たちは算定日数の上限で全部切られますよ。在宅の方向に行かないじゃないですか。話、答弁がずれていると思いませんか。併用ができないんですよ。
○委員長(山下英利君) じゃ、もう一度答弁してください。
○政府参考人(水田邦雄君) ですから、そのリハビリテーションを受けるという点で、併用はこれはできないわけでありますけれども、受皿として、高齢者の方であれば介護保険の受皿、それから若い方であれば難病なり身障児者のリハビリテーションという受皿があるので、それで対応していただきたいと。
 一つのところで受けられないじゃないかという点については、病院、診療所において、介護保険、医療保険、両方ともできるところであれば、そこがきびすを接して、医療保険のリハビリ、急性期にはリハビリから維持期のリハビリに移るということはできるんではないでしょうかということを申し上げているわけでございまして、患者さんの便宜という点から考えてどうかと言われると、それは欠けるところはあるかもしれませんけれども、制度の組立てとしてはやはりそういうものをしているわけでございます。
○足立信也君 私の言っていること、それから現状がやっぱりお分かりじゃない。
 例えば先ほど人工ひざ関節のことを言いましたが、そのまま続けますが……(発言する者あり)難しい。ある病院に行って、その手術をしますね。それから、自宅の近くの介護施設で維持リハビリテーションをやるとしますよね。でも、定期的に手術していただいた病院に行ってやっぱり指導を受けたいじゃないですか。それを禁止していますよと言っているんですよ。それから、若い人は難病や障害児であればできるとおっしゃいますけど、先ほど、私、松井選手の話をしたからこれ誤解されたかなと思うんですけど、スポーツで外傷を負った場合は同じことなんですよ、若い人が。
 だから、決まり上そうなっているということを私は言っているんですよ。特別なケースはできますよという話をしているんじゃないんですよ。しかも、同じ施設でやれるようになんか、だれも言っていませんよ。私は一言も言っていない、そんなことは。介護と医療のリハビリテーションが併用できないから困ると言っているんですよ。
 一つ提案したいのは、やっぱり日数を上限で切るというのは、これは間違っているんですよ。せめて、年のうち何週間はオーケーだとか月に何回はオーケーだとか、その日にちを超えた段階で、ある一定レベルまで達したら月に何回は認めますという形じゃないと無理なんですよ。大臣、どう思われますか。突然で申し訳ないんですけど。
○国務大臣(川崎二郎君) お聞きしていまして、かなり込み入った話をされているなと、一つ一つのケースをお尋ねになっているんだろうと思うんですけれども。
 要は、若い人たちが介護施設には入れない、だからそれが百五十日超えていった場合はどうであろうかという御質問ですね、今されているのは。それは、もうちょっと局長、しっかり答弁をさせます。そういうふうに私には聞こえましたので。百五十日以上若者が身体回復のためにリハビリをする必要があるという場合にやれないのかと。それはやれる方法があるんだろうと思いますので、それは答弁させます。
○政府参考人(水田邦雄君) ですから、若年者の場合には、それはリハビリが継続的に必要だと、医学的リハビリが継続的に必要なケースというのはやはり身体障害児者でありますとか難病患者でありますので、それは医療保険の方からサービスが提供されますということを申し上げているわけでございます。
 それから、先ほど短期集中的リハビリというものが必要になるというふうに御指摘ございましたけれども、これは、短期集中的リハビリは介護保険では可能であると、このように聞いてございます。
○足立信也君 お分かりじゃないと言ったのは、介護保険でのリハビリテーションと医療保険でのリハビリテーションが併用できないと。ここがある以上は、先ほど、医学的判断で認められればそれはできるんですと言っても、介護保険でリハビリテーションを受けているときにはできない決まりになっているわけですよ。そこを言っているんですよ。前向きに改善しましょう。それしかないと私は思いますよ。
 こればかりにそんなに時間掛けても、ですが、あと私、リハビリテーションで二つ言いましたね。回復期リハビリテーション病院の入院対象、これやっぱり下腿とか足の外傷が除外されていると。これは高齢者の方が松葉づえを使うほど腕力もない、ということは、ギプスを巻いて車いすで通所リハビリテーションに通えということだと思うんですけれども、これは足といってもばかにはできませんよ。正に寝たきりに近い状態、閉じこもりになりますよ。ここは是非回復期リハビリテーション病棟入院対象疾患に足や下腿も入れてもらいたい。じゃないと、先ほど言いましたように、お年寄りの活力ある老後、自立というのは難しいですよ。答弁は求めません。
 それから、介護保険のことなんですが、話を聞いていて、日数制限を加えて、それから先はお年寄り、六十五歳以上の方は介護保険へ行ってくれという趣旨だと思います。
 では、現状で介護保険施設のリハビリテーションに携わるPT、OT、十分いらっしゃるとお思いですか。その点だけをちょっとお答え願いたいと思います。
○政府参考人(磯部文雄君) 現在の理学療法士あるいは作業療法士の従事者数につきましては、介護老人保健施設及び医療施設も含めまして、理学療法士の場合に約八千名、作業療法士約五千名、言語聴覚士千名弱ということでございまして、実際にも通所リハビリテーションとしては六千か所弱でやっております。こうした体制でリハビリテーションを実施しているものというふうに理解しております。
○足立信也君 足りてないという認識はもうお持ちなんだろうと思いますし、私、そこで必要なのは、やはり医療機関の専門のドクターとの交流ですね、介護保険施設においても。どういうリハビリがいいのかと、これを是非やっていただきたい。そうすると、医療保険と介護保険でリハビリテーションを同時にできないんだという先ほどの問題にまたぶつかってくるわけです。この連携は是非とも必要だと私は思います。
○政府参考人(磯部文雄君) 今御指摘の点に関連いたしまして、今回の介護報酬におきましては、介護保険サービスを担う多職種が協働をして利用者ごとの課題の把握あるいは改善に係る目標あるいは計画の作成を一連のプロセスとしてやるということで、そうしたものを評価するリハビリテーションマネジメント加算というものを創設いたしました。
 ここにおきましては、先ほどからちょっと御議論がありますけれども、前の病院で実際に治療されていた状況等もスタッフが入手いたしまして、それに基づいてその後の介護保険によるリハビリテーションのマネジメントを考えていくというようなことを評価する方策を取ったところでございます。
○足立信也君 連携が強まっている、連携を強めていく方向である、これはもう大賛成です。だとしたら、先ほどの保険上の問題は是非とも解決すべきだと、そのように思います。
 次に、医療法のことなんですけれども、ちょっとだけ内臓脂肪症候群、メタボリックシンドローム、このことだけ少しだけ言わせていただきます。  今まで私の前職柄、医学界あるいは医療の世界でこれは常識的だろうと思われることがなかなか政策に反映されない、こういう例は物すごく数多く見てきました。ところが、今回は全く逆。なぜこんなにも早く、まだ医学界で判断も定まっていないメタボリックシンドロームの診断基準、これをなぜこのようにマスコミも取り上げて大騒ぎしているんだと。これはもう全く意外な感じがします。
 先週の日本糖尿病学会でも疾患概念としてはまだ定まっていないんだと。それから、招待講演でもあったブリストル大学のゲール博士なんかはメタボリックシンドロームの概念自体に疑問を抱いているというのもあります。これ、何が問題なのかというと、資料では昨年に発表されたメタボリックシンドロームの診断基準という三つ、日本版と、これは国際糖尿病連合IDF、それからアメリカの、右側ですね、コレステロール教育プログラムによるガイドライン、この三つ出しましたけれども、何が問題かというと、疾患という概念の診断基準なのか、将来の予測、予防のための判断の基準なのかがまだ定まってないんですよ、これは。
 その例が日本とIDF、これ国際ですね、これは腹位が必須なんですね、これがなきゃいけない。ところが、アメリカはそれ必要ないわけです。これ、なぜかというと、日本は内臓脂肪蓄積型というものの診断基準なんですよ。内臓脂肪蓄積型というためにはCTで百平方センチメートル以上の脂肪がある、それを腹位に換算したら男性が八十五、女性が九十になると、そういう診断基準なんです。これ、予防にも何にも関係ないんですよ、この時点では。ところが、アメリカは将来心血管疾患を発症するための危険要素としてこれだけ挙げているわけですね。これに該当する方は将来発症リスクが高い、そういう予防の概念を含んでいるのはアメリカの方なんです。日本は、これお分かりのように、日本だけ、なぜじゃ女性の腹位が九十センチで男性が八十五センチだと。ほかは全部女性の方が少ないですよね。これは当然、誤解しないで聞いてほしいんですが、女性は皮下脂肪型が多いですね。内臓脂肪蓄積型と診断したら、当然その方は皮下脂肪も厚いから女性の方が五センチ多くなっているんですよ。ですから、内臓脂肪蓄積型という診断基準にすぎないわけですよ。
 でも、本来、予防医療というのは私は大賛成ですし、この要素が一つ一つあればやっぱりリスクは高いんですよ。ただ、この診断基準というのは将来の予後予測といいますか、将来の発症予測のための判断基準ではないと、そういう作り方をしているんじゃないんだということはしっかり認識して利用していただきたいと、そのように思います。ですから、先週の糖尿病学会でもこの辺はずっと議論されましたし、四月の内科学会でも我が国の診断基準は、心血管疾患の発症の予測因子にはならなかった、診断基準を満たした人と満たさない人の有意差がなかったという結論が出ているわけですね。だからそれ、使い方ですよ。先ほど言いましたように、審議会や検討会でいろんなデータが出てきて正しいものが一杯ある、でも使い方を誤っているということを私言いたいんですよ。その点だけ指摘しておきたいと思います。
 本題に入ります。
 良質な医療を提供するため、これは世界的には、高福祉の時代から医療費抑制の時代を超えて、今は評価と説明責任の時代に入っています。これは実際そのとおりです。効果が得られて納得が得られれば資金の投入はすべきだという判断だと私は思っています。しかしながら、なぜ今医療費抑制策が喫緊の課題になるのか、この点がどうも納得いかない。国民が日本の医療に持つ不満の原因の一つ一つを解決していく過程で明らかになった予測、将来、医療費抑制できる部分を抑制していけばいいじゃないかという考え方なんですね。
 そこで、川崎大臣、衆議院の厚生労働委員会で、日本は対GDP比で見て医療費は世界的に見ても非常に低いんだと、OECD三十国のうちの二十七番ですか、二十六番ですか、それからG7では最低だと、これは発言されている。しかしながら、一人当たりの医療費が高いとおっしゃっている。ところが、これは物価の違いとか医療費そのものをどういうふうに判断するかということで、一般的には今購買力平価というのを使っています。これに換算しております。それで調べると、OECD三十か国中、日本は十八番目なんですね、一人当たり医療費です。G7で最低なんです。この点は正確に理解しておいていただきたいと私は思います。
 そして、ここに、良質な医療というのは何をやるべきかということで、これ、私どもの「崖っぷち日本の医療を救う」という本でございますが、その中で医療の安心・納得・安全法案というものを出させていただきました。衆議院でまだ審議の途中だと思います。この正式な名前は、医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案という名称なんですね。  ポイントは、先ほど、情報の非対称が今問題だと。医療従事者側とその医療を受ける側が全く違った認識を持っている、これを解消しなければ同じ方向性を向いて議論ができないんですね。この情報の非対称をできるだけ解消する、そのことが自己決定のために、自己決定に資することになるんだということが一つ。当然、そこには説明の義務が生じてきます。
 それから、患者さんが診療記録の開示や訂正を求めた場合にはそれに応じなければいけない。そして、相談支援センター。これは、患者さんが相談が必要だと思ったときには自分が掛かっている病院以外の医療機関で相談ができるシステムをつくらなきゃいけない。
 そして、医療事故。福島県立大野病院のことはありましたけれども、医療事故に対する調査制度をこれは確立しておかなければ問題は解決しないと思っています。不幸にして亡くなった人、亡くなった人に対する最大の生命の尊厳は私は死因の究明だと思っています。
 そして、日本で足りないこと、医療機能評価機構というのがありますが、これはどちらかといえばハードの問題で、医療の内容そのものを第三者が評価するシステムがないんですね。これがなければ、この国の標準医療の確立は難しいし、全体的な医療の均てん化あるいは発展というのは非常に難しい問題だと私は思います。
 そこで、時間に合わせてやりますと、まず、ちょっと飛ばしていきますね。今回、政府案でも後発医薬品を推進するという立場に立っておられますね。そこで、医師が処方せんを商品名で書く、後発医薬品に変更してもよいというチェックをする。実際に、調剤薬局、保険薬局に行った場合に後発医薬品に変わる、その変わった医薬品の情報というものはどのような形で処方した医師あるいは医療機関に返るようになっているんでしょうか。その仕組みをお願いします。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の診療報酬改定によりまして、ただいま委員御指摘のとおり、後発医薬品の処方せん様式を変更しまして、後発医薬品に変更して差し支えない旨の意思表示を行いやすくするために備考欄に後発医薬品への変更可のチェック欄を設けたところでございます。
 調剤報酬におきまして、幾つか要件がございますけれども、患者の同意を得て後発医薬品を調剤した場合に後発医薬品情報提供料を算定できることとしたところでございますが、この算定に当たりまして、保険薬局には調剤した後発医薬品の銘柄等につきまして当該処方せんを発行した保険医療機関に情報提供することを求めておりまして、実際に調剤した後発医薬品に係る情報がその処方せんを交付した医師との間で共有されるよう促しをしているところでございます。
○足立信也君 そのフィードバックの機構をちゃんと指示していることは了解いたしました。
 その処方歴というものは、今保存期間は三年ですか、この処方歴というものは診療録と同じように、そこで処方内容が変わるわけですから、同じような重要な役割、意義を持っていると思います。となれば、診療録の保存期間と同程度、同じ期間の処方歴の保存が必要だと私は考えます。
 と同時に、薬害エイズ、あるいはC型肝炎のこと、それからアスベストによる中皮腫、肺がんのことを考えると、診療録の保存期間を、五年とありますけど、更に長い期間が必要なのではないかと私は思います。
 その二点、処方歴の保存期間と診療録の保存期間の延長はどうか、その点をお答えください。
○政府参考人(福井和夫君) お答えいたします。
 医師の診療録、それから薬局におきます処方せんの保存につきましては、医師又は薬剤師が行った行為につきまして事後に確認ができますよう、それぞれ一定の保存期間を設定いたしまして保存を義務付けているところでございます。
 具体的に申し上げますと、医師の診療録につきましては、診療に関する事項全般を記載したものでございまして、患者に対しまして行いました、処方した医薬品等、診療内容等を確認できるよう五年間の保存義務を課しているところでございます。
 一方、薬局が保存をいたします処方せんにつきましては、これは保存期間を三年といたしているところでございますが、診療録には、先ほど申し上げましたように、処方した医薬品等も記載をされておりまして、これが五年の保存期間とされているということもございますので、この処方せんにつきまして保存期間を五年に延長するということは、その必要はないものと考えております。
 それから、委員御指摘のように、医薬品につきましては、血液製剤等を対象にいたしまして、一定の潜伏期間にも対応できますよう、平成十四年の薬事法改正によりまして、これを取り扱います薬局や医療機関がその患者の氏名、住所、医薬品の名称、製造番号等の記録を二十年間保存することを義務付けをいたしまして安全確保を図っているところでございます。
 このように、血液製剤等につきましては診療録や処方せんの保存とは別に必要な事項を保存する仕組みを設けているところでございまして、この点からも、処方せんにつきまして、その保存期間が延長するということの必要はないものと考えております。
○足立信也君 最後に、資料の説明だけしておきますね。
 最後の、「費用の心配をあまりせずに診療が受けられること」というのがどんどん不満が多くなっています。「病気の予防や健康相談・指導が容易に受けられること」、これが不満がどんどん増えております。これは国民生活選好度調査、内閣府の行ったものです。医療費を抑制し過ぎると、それにまた自己負担の増加が加われば健康格差を助長します。健康格差に対しては公費をまた負担しなければなりません。結果的に医療費は上がっていきます。これは世界が経験してきた本当の経験則です。この誤った道を日本がたどらないように十分な審議をしていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

060530厚生労働委員会会議録より
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