国会会議録
 

平成17年7月28日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。
私は、先ほど山本さんも積み残しがあるというふうにおっしゃいましたが、これはやっぱり政治とは何かという根本にかかわる問題ですし、障害者福祉の理念にかかわっておりますので、最低二回の質問機会はあるだろうという判断をいたしまして、本日は、まず子供を中心にやろうと、次回大人を中心にやらしていただこうと、そのように考えました。
本日は三つポイントがございます。それは、児童デイサービスと、育成医療と小児慢性特定疾患事業の関係、それから、障害度が強くなるに、それに従って自己負担が増えていくんだという逆進性の問題、この三点だけはクリアしたいと思いますので、答弁をなるべく簡潔にお願いしたいと、そのように思います。
では、ここに、全腎協ですね、全国腎臓病協議会の今月の雑誌があります。この中で、要望で、この法案が成立すれば多くの患者が経済的により苦しむんだという患者さん団体の訴えに対して尾辻厚生労働大臣は、私一人の頑張りではどうにもならないほど厳しい状況、患者団体にももっと声を上げてほしいというふうに答えられたというふうに書かれております。
そこで、まず私は、そのままうのみにできるかどうかということで、もちろん全腎協の方にも問い合わせをいたしました。この内容が、これは取りようによっては明らかに大臣の姿勢が見えるわけで、まず事実関係を確認したいと思います。この記事のやり取りは、このまま真実なんでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘いただきました発言は、本年五月の二十六日に全国腎臓病協議会の皆さんとお会いして、その会談の場で申し上げたことであります。正確には記憶いたしておりませんけれども、その場にいた者など役所の者もおりましたので、まあ大体どういうことを申し上げたかということで申し上げますと、更生医療を含め、医療費全体の確保に努めることについては私一人の頑張りではどうにもならないほど厳しい状況にあるので、当事者の皆様にももっと声を上げていただいて、ともに必要な医療費の確保に取り組んでまいりたいと申し上げたものでございます。私の記憶いたしておりますところでも、とにかく御一緒に頑張りましょうということを申し上げた記憶がございます。そういうことであったと思います。

○足立信也君 もちろんそういう大臣のお答えを参考にされて、あるいは自主的に、連日多くの障害を持った方々が行動されているというのは、もう皆さん当然のことながら御存じ。まあ車であの前を移動する方には見えないかもしれませんが、私どもはいつも歩いておりますから目にするわけでございますね。
私の立場から言わせていただくと、この炎天下、障害を持った方は大体水分が足りない状況になっておりますから非常に危険。それから、透析をやられている方々は透析の合間であると水が余っている状況で、これもまた危険だと。ある意味、命を懸けて訴えているところがあるわけですね。
日本の障害者の六百五十万という数をいいますと全人口の大体五%。各国、海外では大体一〇%から一五%。WHOでは一〇%、障害者の数。という中で、認定も非常に少ない。もちろん、先ほど予算の確保も、もっと障害者福祉に掛けるべきではないかという考えがあるわけです。
で、その認定が少ないということは、決して障害者の方々は自分のためだけに動いているんではないと。もっと多く、声を上げられない人もいるし、さらに障害者は一定の頻度で出てくるわけでございますから、その方々のためも思って頑張っておられる。だとしたら、やはり地方へ出向いて公聴会を開いて地方の方の意見を伺うというのは絶対に必要なことだと私は思います。理事の先生方にも是非その点を考慮していただきたいと思います。
私は、先ほどの尾辻大臣のこの答えが、私一人の頑張りではどうにもならないって、これは経済的なことを申し上げたというふうに言いましたが、私は法案そのものに多少疑問は持っているんじゃないかなというふうにとらえました。
その点は先ほどの御答弁、それ以上のものは出てこないと思いますので次に行かせていただきますが、衆議院の修正案では、目的に障害者基本法の理念にのっとりというふうな修正が加えられました。この参議院の厚生労働委員会で障害者基本法の附帯決議、一九九三年の附帯決議で自閉症や難病施策をきめ細かく推進する、これが附帯決議で決められております。そして昨年、また附帯決議でこの「自閉症」という言葉が「発達障害」というふうに明記されて、この施策をきめ細かく推進しなければいけないというふうに、この委員会でそういう附帯決議がなされております。
そこで、大臣は今年の年頭の記者会見で制度の谷間をなくしていくんだと、それが私が一番やりたいことなんだということを話されたわけですね。先ほどの障害者基本法の附帯決議にものっとって、今回、三障害、その中にはもちろん障害児も入っておりますが、三障害を一本化するような法案を作成するに当たって、発達障害や難病患者さんも含んだ、包含したような法案を作ることは私は責務だと思ってますし、大臣もそのつもりだったと思っているんですね。この認識が、この障害者自立支援法を国会提出するに当たって、当初は発達障害や難病の方々を包含したような法案を考えてそれを作ろうと思われていたんでしょうか、それとも最初からそれはもう頭になかったということなんでしょうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) これは、かねて申し上げておりますし、また年頭の記者会見でお聞きをいただきましたので、お答えも申し上げました。
日本の社会保障の中で谷間が幾つかある。その谷間は是非埋めたいというふうに思っておるということを申し上げました。そして、その谷間の一つが障害者の皆さんのことだというふうにそのときも申し上げました。それからまた、その谷間の更に谷間だと思うのが精神障害の皆さんのことだというふうにも認識をいたしております。
したがいまして、申し上げておりますように、こうした谷間をできるだけ埋めていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。そして、そのまず申し上げた障害者の皆さんのことが谷間になっておる、そのことを埋めるために是非今回の障害者自立支援法というものも考えたい、そのための法律にしたいと強く思い、これまでの作業を進めてきたところでございます。
そうした中で、今発達障害のお話もございましたけれども、発達障害の皆さん含めて、この障害者自立支援法の中で対応できる、このことが一番望ましいと思いまして、このことについても検討したといいますか、作業の中で考えたところでございますけれども、精神障害の中で、これは先生も御専門でいらっしゃるんで多分そう申し上げるとあるいはおしかりを受ける部分があるのかもしれませんけれども、まあ発達障害というと精神障害の中にひっくるめることもできるというような話を、私も説明を聞いてまいりましたし、そうした中でできるだけのことを考えたい。
それからまた、特に三年を目途にしてこの障害者等の範囲を含め検討するというふうにされておりますから、そのときにはもう間違いなくこうした問題についてきっちり答えを出したいというふうに思っておるところでございます。

○足立信也君 気持ちの中では発達障害者あるいは難病の方も含んでいるつもりなんだということは理解いたしました。
そこで、昨年、この委員会で東京都の児童相談センターに視察に行きました。そこで、東京都が「児童相談所のしおり」というのを作っております。そこのセンターでの説明で、そこで私は疑問点を言ったわけですが、自閉症相談というのが知的障害相談の中の一つに入れられていると。ですね。で、これは今の発達障害というものに対する認識
が足りないんじゃないかということをその場で指摘したわけです。それに対してその当事者は、これは厚生労働省の決めたことだから私には関係ないみたいな、木で鼻をくくったような答えをされて、こちらに戻ってきて確認したわけですね。
で、厚生労働省の方からは、きちんと東京都に対して、児童相談センターに対して指導をして改訂させますという約束はしていただいたんですが、その後、これは児童相談所を、恐らく東京都はすべて言っているわけですから、その後の改訂の状況、進捗状況を教えてください。当然もう配布されているんだと思いますが。

○政府参考人(塩田幸雄君) 御指摘ありましたように、東京都の児童相談センターの平成十六年度版のパンフレットにおきまして、相談の中身を紹介したパンフレットの中で、知的障害の中に自閉症が含まれるという誤解を与えるような表記になっておったところでございます。
この件につきましては、御指摘がありまして、昨年の十一月、東京都児童相談センターに対して指導を行いました。この指導を受けまして、平成十七年度版のパンフレットにおきましては新たに発達障害相談の区分を設けております。その中で自閉症を整理するなどの改正、修正を行っておられます。ただし、パンフレットについては八月に発行という予定と承知しております。

○足立信也君 十一月に問題点が見付かってまだ改訂版が配布されていないという、大変残念な状況であるということだけにとどめておきます。
   〔資料配付〕
今、資料が皆さんお手元に配付されたと思うんですが、これは昨年改正されました児童福祉法に基づいて、これではその前からですね、十八歳になるまで受けられることになっている児童デイサービスが小学校卒業とともに打ち切られてしまっているという現状についてです。
二〇〇三年四月の支援費制度導入に合わせて、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイを柱とする居宅生活支援は、十八歳未満は児童福祉法、十八歳以上は身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法にそれぞれ規定され、切れ目なく連続して利用できるように法制化されました。一昨年の四月です。
ところが、一昨年の今度六月に障害保健福祉部長名で出された通知です。通知により、児童福祉法に基づく児童デイサービスは、対象が幼児及び小学生(養護学校等の小学部を含む)に限定されました。そのため、全国の市町村では、小学校卒業とともに児童デイサービスに対する支援費の支給が打ち切られるという事態に陥りました。障害児の家庭には小学校卒業とともに期間満了ですという通知が来ます。その通知を見て驚く家庭が数多くある。
先ほども申し上げましたが、制度の谷間、この場合は年齢の谷間、十三歳から十七歳、十八歳になる前まで児童デイサービスが受けられない事態になっている。大臣はこの問題の認識はございましたか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 児童デイサービスにつきましては、心身の発達が著しく、また社会性や情緒の安定等をはぐくむ基礎的な時期である幼児期に療育を行うことが特に効果的であると考えておりますために、支援費制度以前より、積極的に取り組むことが望ましい対象児童の範囲を幼児及び小学生としていたところでございます。
御指摘の平成十五年の通知でございますけれども、支援費制度に移行したことに伴い出したものでございますけれども、これはそれ以前の取扱いと実質的に文言を変えたものではございません。今、先生も資料としてお出しいただいておりますけれども、このお出しいただいたとおりでございまして、文言を変えるものではなかったところでございます。
しかしながら、本通知は小学校卒業後の児童を一律に対象から除外しているものではないんでありますけれども、その取扱いがあいまいな表現であったために、そして、これはたしか先生が質問主意書で御指摘いただいたことがございまして、そのことずっと気になっておりまして、これを、御指摘のことは踏まえなきゃいかぬという思いがございましたので、そのように、御指摘いただいたように疑義が生じるおそれがあることから、今般、小学校卒業後の児童を一律に除外するものではない旨の記述の追加を行ったところでございます。これによりまして、今後は児童サービスがより適切に運用されていくものと考えております。

○足立信也君 小学校卒業と同時に打ち切られるという認識がそれまであったのかと、つまり質問主意書を出すまでにそういう認識があったのかということを私はお聞きしたわけで、今の御答弁ですと、そういう問題は分かっていて、これは疑義を生じているから変えなきゃいかぬなと、まるで積極的に自分たちの行政側の方から努力してそう変えていったようなニュアンスにも取られますが、こういうことがありました。
自治体側は何度か十八歳未満まで支援費を支給できるように厚労省側に要請しているんですね。
で、三重県、別に理由があって三重県選んだわけじゃないですけれども、去年の十一月に中高生の児童デイサービスを何とか実施したい、そういう考えで構造改革特区構想として申請した。それに対して厚生労働省は、この提案は新たに中高生に対しても補助金を出してほしいという要望なので受け入れられないと回答しております。
三重県側は、補助金を出してほしいとは言っていない、県単独事業として財源は県が持つので、中高生の児童デイサービスを実施することを認めてほしいんだ、児童福祉法に基づいてと再度要望しております。これに対して厚生労働省は、児童福祉法の枠の外で県単独事業として行ってもよいというふうに答えています。結局、三重県は児童福祉法に基づく中高生の児童デイサービスを行うことはできなかったんです。
この件については、法律の解釈からいくと、どうして小学校卒業と同時にできなくなるのかということがどうしても理解できませんので、内閣府の構造改革特区担当者に問い合わせました。児童デイサービスは児童福祉法で十八歳未満までできることになっているので、中高生の児童デイサービスは法令上何の問題もなく、したがって特区をつくる必要がなかった、そういう趣旨なんですね。という答えが返ってきた。内閣府の担当者はそこまで認識しているわけです。ところが、児童福祉法に基づいて十三歳から十七歳までの児童デイサービスは実現できなかったわけです、今までは。それから先は私が質問主意書出したわけです。
ポイントは、障害者福祉の観点から、一生のうち小学校卒業から十八歳になるまでの期間だけデイサービスが受けられないというのは、児童福祉法の観点から間違っているんではないかということが一点。それから、法律上の観点から、法律では年齢制限が全然ないのに、行政府の通知というその裁量で一律に年齢制限を加えるようなことが果たして可能なのかという点。そして、地方分権の観点から、中央官庁の権限が及んでいない自治事務に対して技術的助言という通知の形で年齢制限を加えてしまうことが果たして正しいのかと出したわけです、質問主意書を。私はこれは相当大きな問題だと思いましたが、速やかに、五日ほどで答弁返ってきまして、現状で特に問題はないということでした。
で、二度目の質問主意書で、今度は法律で定められている年齢、つまり年齢に区切りなくすべての年齢でデイサービスというものは受けられると。ところが、行政府の判断のみで年齢制限を加えることに読み替えることが違法ではないかという点に絞ってもう一度主意書を出したわけですね。その結果が、先ほど皆さん、お手元に配りましたように、卒業してから、小学校卒業してから十八歳になるまでも除外するものではないという通知の変更になったわけです。
私は、ここで取り上げたのは、これで改善されたわけですからこれ以上余りこだわりたくはないですけれども、私は言いたいのは、全国に、障害のあるお子さん本人やあるいは保護者の方、デイサービスを今まで受けておられて、そこが非常に受入れがいい、あるいは非常に有用だというふうに思われた方にとっては、小学校卒業と同時に打ち切られるということはなくなったということを広く知ってもらいたい。それが第一点です。自治体の方は、別に厚労省としては年齢制限を加えているつもりはないというふうにおっしゃいますけれども、自治体は厚労省のそういう技術的助言に従って今まで切ってきたんだという、自治体の方は努力してきたんだということも併せて伝えたかったということなんですね。
一つだけ、やはりどうしても確認しておきたいのは、このデイサービス、生活支援ということの考え方なわけですけれども、厚生労働省の心身障害研究の心身障害児の地域福祉に関する総合研究という結論で、その中の結論で、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ、このようなサービスは、レスパイトサービスという保護者を介護から一時的に解放し休息させるという面だけではなく、あらゆる背景から必要とされるものであり、そのニーズは利用者によって様々であるだけでなく、同じ利用者でもそのときによって変わるものであると。大切なことは、サービスの利用者、障害を持つ本人を含めた家族が必要とする一時的な介護サービスを利用者中心に提供することであるという結論になっております。そこで、このサービスの名前を生活支援というふうに付けたわけです。
確認しておきたいのは、先ほど、基本的にあるいは有効なのは、児童デイサービスは早期療育だけだというような発言も少しありましたが、やはり根本は早期療育だけなんだというような発言、あるいは小学校卒業から十八歳になるまでは例外的に行うんだというような表現は是非取りやめていただきたいと。やはり、すべての年齢にわたってデイサービスは一生を通して続けられるサービスですから、これは是非守っていただきたいと。そのように通知も変わりましたし、それをまた一部変更することのないように、この通知は、障害者自立支援法が成立するかあるいは成立しないにもかかわらず、そのまま続くわけですから、是非とも大臣に、その年齢に区切りを設けないんだという趣旨は是非とも確認しておきたいと、そのように思います。答弁をお願いします。

○国務大臣(尾辻秀久君) 基本的な考え方は先ほどお答え申し上げたとおりでございますけれども、改めて専門でいらっしゃいます先生からのいろんな御指摘もいただいております。そして、その御指摘いただいたことで一部の記述を変えたということは、今先生御自身にもお話しいただきましたし、また申し上げたところでもございます。さらにまた、今日、先生からのいろんなお話ございましたし、御指摘もございましたので、よくこれまた今日のお話を研究をさせていただきたいというふうに存じます。

○足立信也君 いや、確認しておきたいのは、その法の精神にのっとって年齢制限を加えないということ、これは守っていきたいと、少なくともそれぐらいの発言はしていただきたいなと、そのように思います。
そこで、私は、その児童デイサービス、提案したいんですね。
発達障害、非常な数で増えております。これに一番大事なことは、その子供の状態を理解してあげることなんですね。社会的に不適応になっているその子供に対して、周囲にいる人たちがまず把握してあげる、発達障害児に長時間接してあげること、理解してあげること、第三者がその子供たちの成長とともに変化を見続けることが非常に大事だと思うんです。決してそれは医療従事者だけがやることでもないし、学校のように単年度、あるいは複数年度であったにしても、短い期間、担当が替わっていくようなものではないんですね。長時間、成長とともに見ていく、見守っていくということが非常に大事だと私は思っております。
そこで、私の地元のデイサービスを、デイサービスの事業をやっている方に聞きました。実際上、発達障害者の方がかなり多くデイサービスを利用されている、私たちはその子たちの変化が非常によく分かるということを言っております。
学校教育の中で特別支援教育コーディネーターというシステムができまして、小中学校のもう五〇%が指名を済んでいるという事態がありますけれども、本当に、その当事者に聞きました。余り意味がないことをやっているという気がすると、そういうふうに言うんですね。
私の提案としては、今全国で二万五千人近い方が児童デイサービス利用されていると。一人、一人といいますか、その一人の発達障害を持った方を多くの人が長年にわたって見ていると。これが、実は発達障害の支援の起点になるのはこのデイサービスというものじゃないかなと私は思うんです。提案としては、その発達障害に対して、発達障害児に対して児童デイサービスを更に有効に利用できるような施策を講じていただきたいと、このように私は提案いたしたいと、そのように思っております。これは私の意見ですので、次の質問に移ります。
先ほどから、同僚の朝日議員、それから山本理事から、障害認定ですね、障害程度区分判定試行事業やられております、この問題点が上がっておりますが、中に百六項目ございますね。介護給付と訓練等給付に分けられて、それぞれ障害程度区分が必要だと。介護給付に関する障害程度区分の一次判定には百六項目中七十九項目しか反映されないですね。残りの二十七項目、行動関連、精神症状関連、生活関連の二十七項目になるわけですけれども、この二十七項目をどのように扱って、どのように程度区分に反映させるつもりなんでしょうか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 障害程度区分は個々の障害者の福祉サービスの必要度に応じて心身の状態を総合的にアナウンスしようということでありまして、市町村がサービスを決める際には重要な勘案事項の一つということであります。
御指摘がありましたように、介護給付と訓練等給付のそれぞれに障害程度区分を設ける必要があると考えているところでございます。要介護認定基準調査項目七十九項目のほかに、コミュニケーションなどの行動上の問題に関する項目とか、話がまとまらないとか働き掛けに応じることができないとか精神障害特有の項目、あるいは交通手段の利用とか買物とか掃除とか日常生活に関する項目の二十七項目を追加しているわけでありまして、この二十七項目の調査結果をどう生かすかということでありますけれども、これにつきましても、スコア化しまして、この試行事業の状況の分析が必要だと思いますが、何らかの形でスコア化し、二次判定の判断材料にこの二十七項目についてもするという方向で検討しているところでございます。

○足立信也君 二次判定の段階、つまり市町村審査会の段階で、そのチェックされている二十七項目を程度区分の判定に利用しようということなわけですよね。
となりますと、先ほど大臣の方から、発達障害を当然含んだ、概念的に含んだ法案であるということがありました。この百六項目、特に追加された二十七項目を見ますと、その発達障害を、まあ発達障害に気付くといいますか、見付けるという表現はちょっと良くないかもしれませんが、発達障害あるんではないかと気付かせるような項目が私の判断ではないんですね。これから程度区分を分析してまとめて報告されるわけですけれども、一次判定に利用されない項目であるならば、なぜここに発達障害を発見あるいは指摘できるような項目を追加しなかったのかという疑問が私はあるんです。
例えば、その一つの例として、自閉症協会が出されているPARS、例えばこれなんかは、子供、幼児期あるいは児童期、そして成人に、年齢を問わず、項目のチェックで発達障害があると思われる方とそうではない方がかなり区分よく見分けられることがあるわけですね。幼児期のデータで目立つものとしては、視線が合わないとか、言葉の遅れだとか、会話が続かない、自分の言いたいことだけ言う、友達とごっこ遊びをしない、オウム返しの返答が目立つというような項目に近いものがないんですね、二十七項目の中に。どうしてそこに入れられなかったのかなというのが、ある意味、せっかくこういう事業をやったのに残念でならない。
また、これから発達障害を、三年を目途に障害者の範囲を検討するということであれば、また同じような事業を恐らくやるんでしょう。だとしたら、やはりどうしてここで加えなかったのかなと、それからその分析にきちんと基づいて法案作成に臨まなかったのかなというのが思われてならないんですね。
ということで、まず一点だけ、なぜ、発達障害と気付かせる、気付くことができるような項目をなぜ入れられなかったのかなという点に関してお答えください。

○政府参考人(塩田幸雄君) 御指摘があった発達障害への取組が今後の重要課題であるという点については、厚生労働省も同じ思いでございますが、今回の障害程度区分について発達障害を設けていない、取り込んでいないわけですけれども、それについては発達途上にあって時間の経過とともに刻々と障害の状態が変化することとか、乳幼児についての育児上のケアとの区別が難しいこととか、現段階では直ちに可能な指標がなかったとか、いろんな事情があって設けていないわけでありますが、御指摘のあった問題点、そういうものを評価項目に組み入れるべきだという問題提起は大変重要な問題提起でありますし、その必要性は私自身も強く認識をしているところでございます。
昨年の二月から、先生がおっしゃった、指標を開発された先生方と厚生労働省、これは文科省も含めていろんな勉強会をしておりまして、そういう議論の中から議員立法で発達障害者支援法を作っていただいたという経緯もありますので、専門の先生の御意見も聞いて、どういう対応ができるかについては検討させていただきたいと思います。

○足立信也君 検討すると言われたら、いつまでにどういう項目についてちゃんとその結論を出してくれるのかということを必ず聞くようにはとは思うんですが、恐らく三年を目途にとかいう話になるんではないかと思って、ちょっとそれは聞かないでおきます。
二点目の、二点目のポイントで公費負担医療です。育成医療と小児慢性特定疾患について伺います。
昨年、児童福祉法が改正されまして、小児慢性特定疾患に五百十四疾患になりました。法制化されるけれども医療費の自己負担が生じてきたわけですけれども、その最高額は入院で一万一千五百円、最高額というのは収入が多い場合になるわけですけれども、外来が五千七百五十円、これ月々ですね。
その中で、先ほどの障害程度区分の問題と絡んでくるわけですけれども、今までの小児慢性特定疾患の概念の中には、例えば慢性心疾患、慢性心疾患に関しては内科的治療のみという規定があったわけですね。実際には、私も患者さんの御両親にお聞きしました、実際に医療費はどういう区分で払われているんですかと。それは病院の判断で、この部分は小児慢性特定疾患、この部分は育成医療ということで、極力負担が掛からないように病院側が配慮してくれていると。
今までは慢性心疾患に関しては、内科的治療は小児慢性、小慢と略させていただきますけれども、外科的治療に関しては育成医療と、そういうふうになっていたわけですね。ところが、今回、育成医療に関しては、原則一割負担の導入と負担上限額の設定と、それから一定所得以上、これは所得税で三十万以上になるわけです。これはもう全く普通の、重度かつ継続以外は普通の医療保険と同じ扱いになるわけですね。
ということで、非常に問題になってきたわけですけれども、今年の二月十日、厚生労働大臣の告示によって慢性疾患、小児慢性特定疾患の慢性疾患名と疾患の状態の程度が定められました。大臣告示で出ました。さらに、二月二十一日、雇用均等・児童家庭局長の通知でそれまでの通知が廃止されました。これによって、その大臣告示及び家庭局長の通知では治療法の制限がなくなったんですね。今まで慢性心疾患に関しては内科的治療のみという文言があったわけですけれども、今回の告示と局長通知からは治療法の制限は、そういう文言はございません。
私はいろんな患者さんあるいは保護者の方から聞かれるわけですね。今までは内科的治療は小慢、外科的治療は育成医療というふうになっていましたが、今回、治療法によって制限がなくなったので、小児慢性特定疾患事業で、慢性心疾患の子供たちは手術をしようが、その手術の必要がない方であろうが、すべて小慢でいけるんじゃないのと、そういうふうに法的には解釈して間違いないんじゃないかというふうに、私は現在もそう答えています。
当然、五百十四疾患になって、その程度が小児慢性特定疾患に該当するというふうになれば、その児童福祉法に基づいてあらゆる治療が受けられるということで間違いないと私は思うんですが、この解釈でよろしいでしょうか。

○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
育成医療と小児慢性特定疾患治療研究事業につきましては、従来から、御指摘のように、外科的な治療を育成医療、それから内科的治療を小児慢性特定疾患治療研究事業というふうに整理して対応してまいりました。今回の小児慢性特定疾患治療研究事業の制度改正に伴いまして、それまでの関係通知を廃止、簡素化し、本年二月二十一日に現行の通知を発出いたしました。
その際に、先生御指摘のとおり、この通知には両事業間のこうした整理について記載はいたしておりませんが、同日付けで発出いたしましたQアンドAにおきまして両事業にかかわる取扱いについては従来どおりであるという旨を示しまして、自治体の方に通知をいたしたところでございます。
したがいまして、育成医療と小児慢性特定疾患治療研究事業につきましては、制度改正前後において従来の取扱いを変更するものではないということでございますので、御理解を賜りたいと存じます。

○足立信也君 大臣告示があって、局長通知で今までは治療法の制限があったけれども、この新しい通知で治療法の制限の文言がなくなった、そういう法が出たわけですね。それに対してQアンドAで答えているってどういう意味ですか。──よろしいですか。QアンドAというのは何ですか。

○政府参考人(伍藤忠春君) いろいろな正式の通知のほかに、いろんな疑義解釈でありますとかいろんな事務の執行上留意すべき点をQアンドAといったような形で示す場合がございますが、今回の私どもが示した通知もそういう形で、正式通知と同日付けで事務連絡と、正式のは、正式といいますか、表題は事務連絡となっておりますが、そういう形で、一問一答方式で今言ったそういう取扱いについて示したものでございます。

○足立信也君 一問一答形式かどうかは別として、そのQアンドAなるものが、大臣告示あるいは通知で今までの治療法、制限があったものを廃止したという通知に勝るものなんですか。

○政府参考人(伍藤忠春君) 形式的には通知、正式の通知に比べればそれに勝るとは言えないと思いますが、従来からそういう取扱いをしていたものを確認的にお示しをするということで、こういう事務連絡という形で、いろいろ今回、疾病の見直し等いろいろ作業ございましたので、そういったものも含めて、いろんな自治体からの問い合わせ、その時点でたくさんございましたので、そういったものを一括をして、できるだけ事務が混乱を来さないようにということで、この点については従来からの取扱いは何ら変更するものではありませんが、あくまでこれも含めて事務連絡という形でお示しをしたものでございます。

○足立信也君 従来からの取扱い、それは従来からの通知に基づいてやってきたことを廃止したんじゃないですか、この通知で。大臣告示で疾患名とその程度が指定されて、それに該当する方々は小児慢性特定疾患事業で治療費を公費で見ていただける、重症の方であれば自己負担はなしです。そういう法律ができている。それに対して、電話に対する応答で答えているんですか。今までどおりやってくれって言っているんですか。今まで通知に基づいてやられてきたことは廃止したんじゃないんですか。どういう法的な根拠がそこにあるんですか。
電話応対をするのが、恐らくこういう問い合わせがきっと一杯あったんでしょう。それが余りに多いからQアンドA、QアンドAというのが私はどれだけの効力があるか分かりませんが、それで答えたから今までどおりやってくれというのは、大臣告示それから今までの通知を変えて今度新しく出したと。一体、それよりも応答が、電話応答に代わるようなものがそれに勝ると言えるんですか。私の解釈が間違っているとは思いませんが。

○政府参考人(伍藤忠春君) 正式通知で出すべきであったと、ではないかと言われれば、そういった面もあったかと思いますが、現場においてその後、四月以降、この点についての特別の混乱が生じておるといったようなことは聞いておりませんが、さらに自治体に対してこの取扱いを明確にすべきだという趣旨ではないかと思いますので、そういった点で、事務連絡以上の、従来型、従来のような通知レベルでこういうことをお示しをするという必要があるかどうかについては、関係部局ともよく相談をして検討していきたいと思います。

○足立信也君 私は新しい通知を出し直すべきだったとは全然言ってませんよ。これはある意味一つの事業、小児の難病に対する事業として、一つの制度で全部見ていけるんだという判断が十分加わった、その概念を生かした通知あるいは大臣告示であろうと、私はそう思ってるんです。だからこそ、患者さんにも、患者さんの御両親にも、こういうふうに法律は変わったんじゃないですかと、これは使えることなんじゃないですかというふうに私は説明してきてるんですよ。それが、通知は変わったけれども電話応対に該当するようなQアンドAで言っているから今までどおりやってくれと。しかも、その今までどおりという育成医療には、これから自己負担が加わって限度額まで払う人が多分多いでしょう。現場としては、同じ治療を受けられるのであれば、やはり費用負担は少ない方に流れていくのは当たり前じゃないですか。私は、その救済の意味もあるんじゃないかと実は善意に解釈してたんです。通知を出し直すべきだなんて私は一言も言っていません。
今の大臣告示それから通知で疾患名が付いた、そしてその程度が該当すると認められた小児慢性特定疾患の、難病の患者さん方はこの制度の中で医療が受けられると、それで正しいんじゃないですか。なぜ今までどおりやってくれという簡単な、そんな言葉で済まされるんですか。大臣、どうですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私もどういう事情であったのかということを聞いておるところでございますけれども、私は、今聞いておりますところでは、新しい通知に大きく変えた、新しい通知に大きく変えたので従来のものを廃止した形になったと、こういうことで、その後の措置をどうするかという、あとは事務的な話で、確かにQアンドAみたいな形でいいのかどうかというのはあろうかと思いますが、経緯はそういうことであったというふうに今承知をいたしております。
その上で申し上げますと、では通知を変えたねらいが何であったのか、今先生がおっしゃるようなことを意図したのかどうかということがあろうかと思いますので、そのことについては改めて事務的に答えさせます。

○足立信也君 ちょっと待ってください。

○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。何か、足立信也君。

○足立信也君 ねらいは何であったのかということを事務的に答えるんですか。それは考え方じゃないですか。よく注意して答えてください。

○国務大臣(尾辻秀久君) 言葉が不適切であれば、そのように変えさせていただきます。

○委員長(岸宏一君) それでいいですか。伍藤局長に答弁を求めていいですか。

○政府参考人(伍藤忠春君) この点は少し、正式通知でもう少し明確に従来どおりのような形で示すべきであったのかもしれませんが、従来の経緯を申し上げますと、この小児慢性疾患の見直しの議論、ずっと専門家あるいは患者団体の皆さんと一緒に議論をしてまいりまして、今回疾患群を一つ追加し、それからそのほかの疾病も削除するものと新たに追加するものといろいろ議論を長い間積み重ねてきたわけでありますが、その中で今回新しい形でスタートをするということになったわけでありますが、この、今御指摘のありますこの新疾患、こういったものについて、外科的な対応の部分と内科的な部分について従来適用する制度が異なっておったということでありますが、これを、今回の見直しを機にこれを一方の制度に統一をしようというような議論は全くなかったわけでありまして、これは従来どおりこれからも小慢の中で実施をしていくと。
それから、外科的な部分については育成医療と、これは、そういう従来からのその経緯がありまして、主として外形的なものについては育成医療ということで対応してきてるものでありますからそういう取扱いになっておりますし、今後もそういうことでいくということで関係者は認識をしておったものでございますが、それを明確な、同じレベルの明確な形で自治体に通知をするということにおいては、事務連絡というような形で少し格落ちのあれで、何というんですか、その明示したのがまずかったんではないかという指摘はそのとおりかと思いますが、実態を変えるという議論はなかったわけでございますから、私どもは今そういうふうに取扱いをお願いをしておるし、現場でもそのように取り扱っていただいておるというふうに考えております。

○足立信也君 現場では混乱はなかった、今までと余り変わっていないということですが、私は、まずこの問題の前に、四月から改正された児童福祉法が施行される。で、四月から三か月少したって、現場では自己負担が導入されたことによって受診抑制は起きていないのか。あるいは、今まで外科的治療で育成医療として使われていた方々が小児慢性特定疾患の事業の方でやられているという実態はないんでしょうかと。三か月だけでもいいですから、調査した結果がありましたら教えてほしいということを厚生労働省に頼んだんですね。調べておりませんということでした。現場では何も混乱は起きていないとおっしゃったわけですけれども、私には調べておりませんということでした。
私は、大臣告示と通知は非常に重いんだと、法的な効力がしっかりしたものだということの認識は私は変わりません。これからどのような対応をされるか見守っていきたいと思っています。
私が本来ここで言いたかったことは別のことにあります、ポイントの二点目なんですが。
小児慢性特定疾患、昨年改正するに当たって、これは伍藤局長に答えていただこうと思ったんですけれども、自己負担の額を決めるに当たって、収入とそれからその病気の重症度に応じて、三つ、三通りに決めたはずです。決して収入だけではなかった。重症度に応じて、小慢事業に該当しない方、あるいは自己負担を導入された小慢事業に該当する方、あるいは最も重症の部類に属して自己負担なしの方、こういう重症度に応じた区分ができたんですね。その重症の判定の中には、障害者が必要とする福祉サービスあるいは必要とする医療についてこれから先何が必要になってくるか、治療の、治癒の見通し、症状の重さ、費用の面を考慮して重症度を判定して、先ほど言った三通りに分けたんです。
で、私が今回の障害者自立支援法の中でやっぱり気になるのは、収入に応じた負担を決めていくわけですけれども、なぜ障害者が対象でありながら障害者のその障害の重さ、そこに着目した負担の在り方というものの概念がなかったのかと。それが一番気になるところなんですね。
例えば、私が厚生労働省に要求した資料で、一人の障害者あるいは障害児の方がいると、その人は、その原因となった疾患だけではなくて、そのほか医療費が、多くの医療費が掛かるんですね。結局は、負担の上限があっても医療費としての上限額まで払わざるを得ないというケースが多いわけです。元々、医療機関を受診する、そういうリスクを負っている方が多い。それは、障害の程度が強ければ強いほどやはりそういう傾向にあるんです。
障害を持った方とそうではない方が一年間に利用する医療費、これの比較はできないだろうかという、資料があれば出してほしいということを言いました。昨日の通告ではそういう資料はありませんと言われたんですが、私が調べた範囲では、障害を持った方の医療費の、その他の医療ですよ、その他の医療の自己負担分、大体十万円前後。図書館で調べました。国民一人当たりの自己負担の医療費は約三万七千円。三倍違うんです。ところが、所得税三十万以上の方では全く同じ三割負担になるわけですね。医療と同じですよ。元々リスクが三倍のリスクがある、医療を必要とするそのリスクが三倍あるのに、なぜ同じ負担割合なんだと。そこに障害者が負っている現状の把握が足りないんじゃないかと私は思っております。
その障害の障害名だけではないんですね。それに付随する事柄が多く生じてきて、私どもは、心臓に障害があれば当然風邪は引いたら普通の方よりもケアを十分しなきゃいけないし、肺炎にもなりやすいし、そういうことで医療費も掛かっていく。その積み重ねが普通の方よりも高いリスクとなって表れているんです。そのことをなぜ、普通、健常な方と同じ負担割合からスタートして、それを三割という設定で、そこからスタートして、原則一割、更に減免という考えが生じたわけでしょうけれども、元々のスタートとなる三割という、収入がある程度以上ある人は三割という負担の設定そのものがリスクを負っている方々にとってこれは平等ではないというふうに考えております。
今日は子供に限定してやるつもりでしたので、まだそれでも一項目残っておりますし、この負担に関しては次回に回して私の質問を続けたいと思います。
今日はここで私の質問を終わります。

050728厚生労働委員会会議録より
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平成17年6月16日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。
 参考人質疑を含めて今週三回目の質問になりました。恐らく今日が最後でしょうから、私は、一つ一つの自分の思っている疑問に対して納得をしたいと、そのように思っております。ですから、納得が得られるようにやはり簡単明瞭にお答えいただきたいと、そのように思います。
 まず最初に、二つ、参考人質疑、それから一昨日の質問に対して少し確認ができていないなという点を申し上げ、その後、五つほど今まで時間の関係上触れられなかったことについてお聞きしたいと、そのように思います。
 まず、一昨日の質疑で、局長からは、スクリーニングはポピュレーションアプローチだと、つまり高齢者全体を対象として考えている、それに私は賛同いたしますし、非常に前向きな答弁だと、そのように思いました。
 そこで問題になったのは、保健師、理学療法士、作業療法士が行う介護予防マネジメント及び介護予防事業には法的に問題があるんじゃないかということを私が指摘しました。つまり、保健師は、主治医がある場合にはその指示を受けなければならない。理学療法士、作業療法士は、理学療法、作業療法を行うには医師又は歯科医師の指示の下に行わなければならないと資格法で決められている。
 もう一つ、参考人からは、医師が関与していないケースが確かにある、現実にあるんだと。これから地域支援事業や新予防給付としてサービスを提供するときに、やはりこのサービスが医療上安全なのかという確認がどうしても必要だと。そのための鑑別が実際に必要だと、医師が関与すべきだと、そのように参考人が発言しておりました。
 私は、解決策としては、介護予防マネジメント、これは地域支援事業と新予防給付がございますが、サービスを提供する段階で最低一回はやっぱり医師との関係が設定されるべきだと、そのように思います。法的にもやっぱり誤っているんじゃないかと私は考えます。元々は医師とは関係なくても、サービスを設定するとき、予防という理念で患者さんと接点を持つ必要があると、これから医師も予防という理念で患者さんと接点を持つ必要があると、私はそう思います。医師の関与を明記すべきだということを申し上げました。
 局長は、サービスを始めるときに医師の関与、指示書が必要だと、スイッチをオンにするときにという発言がございました。ですから、政省令において、介護予防マネジメントの段階で医師の関与あるいは指示書の必要性を政省令、これは告示、通知も含むと思いますけれども、政省令に明記すべきだと改めて思います。その点に関していかがでしょうか。確認をしたいと思います。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、私どもの考え方を明確に一点申し上げておきたいと存じます。
 それは、保健師助産師看護師法第三十五条で、先生が再三申しておられるところの規定であります。すなわち、保健師は、療法上の指導を行うに当たって主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければならないというこの規定でございますが、私どもは、介護予防マネジメントはここで言う療法上の指導には当たらないというふうに考えておりますので、私どもはそういう理解でこのことについて対応しているということをまず申し上げておきたいと存じます。まずこれが一点申し上げておきたいことであります。
 ただ、それはそれといたしまして、先生今言っておられるように、ケアマネジメント、介護予防ケアマネジメントも同じでございますけれども、主治医との連携は、これは極めて重要なことでございますので、新予防給付についても、介護予防ケアマネジメントの過程においてサービス担当者会議を開催することを基準省令に規定し、医師の専門的な見地からの意見を求めていくことを考えているところでございます。
 地域支援事業実施に当たりましても、対象者のうち、既往歴でありますとか治療状況、検診結果等に基づき医師の専門的な見地からの御意見が必要であると判断される方について、その意見が反映されるようマニュアル等の中で定めてまいります。

○足立信也君 介護予防マネジメントの中には新予防給付があって、それには医療機関に実際に掛かっている、主治医を持っている方が大多数おられるんだという事実ですね。それから、アセスメント、プランの段階ではなくて、私が言っているのは、ドゥーの段階で、実際やるときに指示が要るんだということになっているわけですから、私は必要だと思います。その点は申し上げておきます。
 次に、これも参考人質疑のところで申し上げましたが、今年の正月に広島県福山市の福山福寿園でノロウイルスの感染で七名の方が亡くなりました。これは特養ですね、特別養護老人ホームで亡くなりました。その後、厚生労働省から私ははっきりした報告書みたいなものはまだないと、そのように認識しておりますが、この冬の感染性胃腸炎を起こした方が全国二百三十六施設で七千八百二十一人、そのうちノロウイルスの検出者は五千三百七十一人、死亡者十二人というデータがございます。
 参考人からは、特別養護老人ホームでの医療提供体制の不備だと思うと、そのように発言がございましたし、私もそう思っております。集団的にそういう感染があるわけですから、そのときにどういうふうに対処するかということが特別養護老人ホームの中で決められていないということです。さらに、厚生労働省はその辺に関しては興味が薄いんじゃないかと、これは余り公言したくないというふうに参考人はおっしゃっておりましたが、そのような意見もありました。
 私は、厚生労働省に実態把握、報告書及び今後の対応について聞きました。ところが厚生労働省からは、福山市が自主的に調査をしているだけで、厚生労働省は調査の指示などは行っておらず、一切かかわっていないという返事でした。
 私は、やはり参考人の意見と同様に、これは法制上の医療提供体制の不備だと思います。これは福山市だけの問題だととらえているのかどうか、厚生労働省がですね。そして今後厚生労働省としてどのような対策を考えているのか、お聞かせください。

○国務大臣(尾辻秀久君) 昨年末から年始にかけまして福山市の特別養護老人ホームで七名の方がお亡くなりになったというこのことについて、私としても重く受け止めております。
 そこで、私もすぐ現地に参りました。そして福山市からも、それから施設の方からも話を伺いました。そのときに私がまず思いましたことは、当初は、集団発生した下痢、嘔吐等の原因がはっきりしていなかった。そして、実は、この福寿園という施設は、たしか私の記憶では平均の要介護度が四・五ぐらいだったと思いますけれども、極めて重度の方がお入りになっているものですから、そうしたことで、実は、お亡くなりになっても特別な事態が発生したとどうも施設は認識できなかった、認識していなかったというのが正直なところのようであります。私が行って話を聞きまして受けた感じというのは、ああ、そういうことかなというふうに思ったわけでございます。
 そんなこともありまして、速やかに行政への報告でありますとか外部への医療機関に協力を求めるということが行われておりませんでした。これは問題だと思いましたので、私、帰りましてすぐ、まず高齢者施設等における感染性胃腸炎の発生・蔓延防止対策を徹底するよう各都道府県に通知をいたしました。その後、社会福祉施設等において感染症等の発生について報告すべき場合を明らかにした通知を出しました。これは、現場でお話聞きましたら、どういうときに報告してくれというのをもっと明確にしてほしいと、そうでないと、お亡くなりになったたびに報告を出すというようなことでもないだろうから、その辺、どういうケース、ちゃんと報告を出せということを言ってもらった方がいいというようなこともございましたので、そういうことをいたしました。すなわち、報告規定もそのときに作ったところでございます。それから、高齢者施設等における感染症対策マニュアルの策定を急ぐというような対策を講じたところではございます。
 ただ、確かに今先生おっしゃるように、医療をどうやるかというようなことでまだ不十分な点も、今の御指摘いただきまして、あるんだろうと思いますから、そのことについてはまた対策を講じたいと存じます。

○足立信也君 対策を講じる。今度の冬も恐らく同じようなことが起きると思うんです。それは、対策を講じたいという気持ちは当然よく理解できますが、次の冬までにそれは何らかの形で明らかにするということでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 急ぎたいと存じます。

○足立信也君 同じく医療提供体制ということで、次の質問に行きます。
 私は、今、介護の中の医療行為が医療従事者以外に少しずつシフトしていると、これは実は私は危惧しております。その意味において、厚生労働省がGDPの成長率以内に医療費の増加を抑えるという経済財政諮問会議の方針に対して反対しているということをまず私は敬意を表したいと思います。私は、本会議質問で、経済が社会保障費を規制するのではなく、社会保障の必要性に経済が合わせるのだと、そういう宇沢先生の話をしました。それでこそ経世済民だと私は思っております。陰ながら応援したいと思います。
 そこで、先ほど朝日先生からありましたように、私は、医療従事者の多くが、最期はどこで亡くなりたいかと、死にたいかということに対しては自宅だと、二番目が介護施設だと。それに対して国民の多くが、死にたい場所は病院だと、二番目が老人ホームだと。自宅は三番目なんですね。ということを考えると、これは何といっても、いざというときの医療従事者の関与が手薄であると、安心ができないんだということにほかならないと思うんですね。
 今は、在宅療養者の病状はもう明らかに重症化、複雑化しております。それから、病院での平均在院日数の短縮によって、在宅へ移行する期間も非常に早くなっております。さらに、例えば今、訪問看護ステーションというのは全国に五千五百あります。そのうち、そのうちといいますか、在宅で介護を受けている方の介護利用者の十人に一人しか訪問看護は利用していないんですね。それぐらいの値にしかすぎない。
 例えば、状態が変化した際に、ヘルパーさんがその状態の変化を的確に医師に伝えることができるかと、あるいは、その変化に応じて医師がこういうふうにしようと判断した場合に、その指示をヘルパーさんが実行できるかと、その指示すら理解できるかという問題があるわけですね。実際どうなっているかと。ヘルパーさんは、どうも自分が介護している方がふだんと違うけれども、かといって医師には相談できない。救急で他の病院へ入院してしまうわけです。その事態が、最後まで施設あるいは自宅へおられないということを助長しているわけですね。ですから、私は、医療行為を介護の方へだんだんシフトしていくのに関して非常に危ないなと、そのように思っているわけです。
 例えば、地域密着型サービスがございますけれども、夜間対応型訪問介護、これはあります。ただ、夜間対応型訪問看護はないんですね。やっぱり、夜間急変あるいは変化があった場合に、診てもらいたいのは看護師さんだと思いますよ。あるいは医師だと思いますよ。そこら辺が足りないから不安でしようがないわけですよ。ということを申し上げて、訪問看護の利用を増やすための方策を取るべきじゃないかと思います。十人に一人しか使っておりません。
 私の友人の訪問看護をしている看護師さん、彼女が言ってたのは、建物あるいは施設によって看護師の行けるところ行けないところをつくるのではなく、看護を必要とする患者さんがいるところにはどこへでも看護師が行けるようにしてほしいと、そのように言っております。どう思われますか。

○副大臣(西博義君) 訪問看護に関して先生から御質問がございました。私も実は、訪問看護に執念を燃やしている医院、またそのスタッフ、身近に知っておりまして、しかし、その割には全体としてまだまだそういう体制というのはできていないなということは実感をしているところでございます。
 一方では、難病だとかそれから特にターミナルケアなど、医療と介護の間のニーズを併せ持つ重症者への対応が必要になってきていることは、これは事実でございます。特に在宅におけるターミナルケアへの対応など、これから訪問看護は大変重要なサービスの一つであるというふうに感じておるところでございます。
 しかしながら、近年の訪問看護サービスの利用状況を確認してみますと、訪問介護はもう年々伸びているにもかかわらず、看護の方は伸びがもう鈍っておると。ほぼ横ばい、若干のプラスはありますが、状態であるということで、それが医療と介護との連携にまだまだ改善の余地があるということに原因している可能性もあるということです。
 ケアマネジメントにおける介護ニーズの的確な把握、それから主治医と訪問看護ステーションとの連携、これを一層進めることによって訪問看護が必要な方に適切なサービスがあまねく届くようにこれからも努めてまいりたいと考えております。

○足立信也君 まあこれから努力していくということなんですが、それだけで信じてられるかということはございます。
 在宅の患者さんあるいは高齢者の方は、やっぱりコストの意識が非常に高いんですね。五百円でも千円でも安い方を選ぶ。どうしてもそうなってしまうんですね。同じサービス、似たようなサービスでありながら訪問看護と訪問介護では若干の違いがあると。それをやっぱり考慮してしまう。あるいはケアマネジメントをする段階でそこを考慮してしまうということはどうしてもあるわけですね。
 私は、先ほど言いました、何かあったときの安心感、これが与えられれば、在宅での率が、施設に比べて在宅の率が確実に上がると思います。その安心感を与える体制をつくるべきだと、そのように思います。是非お願いしたいと思います。
 続きまして、介護予防支援事業は、これは二年間の経過措置があるわけですけれども、早ければ来年の四月からもうスタートするところが、市町村があるかもしれない。それに合わせて、要介護認定の方法は来年の四月までに確定しなければいけないわけですね。
 第一次判定、これは市町村の職員が調査員として赴いて調査項目に、七十九項目、更に十項目ですか、チェックするわけですけれども、当然のことながら、今困っているのは、昼間独居である老人、休日しか家族の人に会えなくて意見も聴き取れない、当然そういう方が多いんですね。今調査している方々は当然のことながら夜間や休日に出掛けていっているわけです。当然、手当なんかはないですね。
 これ、市町村の職員が、自治体職員が、夜間、休日、調査のために確実に出掛けていきますでしょうか。それから、四月までに研修はきちんとできるんでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) まず、今最初の方のお話の要介護認定調査のやり方でございますが、現在、調査につきましては、できるだけ、介護者の方がいらっしゃる在宅の調査対象者の方については、その介護されている方などが不在の日は避けるようにするということでございまして、今委員御指摘のございました介護者の方が平日や昼間いらっしゃらないという場合には、夜間、休日の訪問調査ということも、不在の日は避けるようにする、御家族の方に御協力いただいて特定のアポイントメントを取ってそのときにお伺いするというようなことはしているわけでございますが、日時や場所について申請者やその家族の方々と調整した上で実施することといたしております。
 二つ目は、そういうやり方で今までやっておりますが、御指摘いただいていますように、市町村の方では認定調査について委託している場合が多かったということですが、今回は、初回、新規の申請に係る認定調査については市町村の実施を原則とするということにいたしておりますので、その実施につきましては、十八年四月からでございますが、経過措置は、若干猶予期間とか体制の整うまでの経過期間を置くというような工夫はさせていただきたいと思いますが、できるだけ早くこの原則を徹底するようにしてまいりたいと思っています。
 それから、認定調査員等の研修事業として、今年度予算におきましても都道府県に対する予算を事業費ベースで四億円補助を計上して、十分な回数の研修が実施できるようにいたしておりますので、この認定調査員研修事業ということで、市町村において混乱なく円滑に移行可能となるようにしてまいりたいと考えております。

○足立信也君 大半が夜間やあるいは休日でないと意見を調査することができなくて、残業手当や休日手当で一杯になってしまって、これは市町村の財政を圧迫しているとか、あるいは労働基準法に基づいて時間外業務が多過ぎる、だからもう行けない、こんなことにならないように、結局は、市町村がやるといいながらも、そういう財政的なことも含めて民間へやはり委託するという方向性にならないように、この認定調査に関しては全国一律であるということが大原則ですから、是非ならないような措置をよろしくお願いします。
 次に、今度ケアプランです。
 私は、中立的なケアプランを選択するということが今回一つ大きなことではあるんですが、それには、ケアマネジャーを先に決めて、それからマネジメントの段階でいろいろ検討するというよりも、やはり多様なケアプランが出て、そこから選択するんだというのが正しい考え方だと私は思うんですね。そうなった場合、介護給付に至らなかったプランを作成した方、今のところはそれは報酬としてはないわけですけれども、それではかえって中立性がやっぱり保てないんじゃないかと私は思います。
 それから、ケアマネジャーがいろんな介護者の主治医、関係者を、あるいは介護事業に携わっている業者の方を一堂に集めてケアカンファレンスを開く。ケアカンは実施率が一六%ですか。やっぱりケアマネジャーにそういうことをやってもらうのは無理がありますよ。それが一日に要介護者三人やるとしたら、今挙げた方々を三倍集めなきゃいけないわけですね。そんなことはとてもできるとは思えません。
 ですから、私は、ケアカンファレンスの招集、開催、場所の提供はやはり行政担当者がやるべきだと、そのように思います。その点についていかがでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 今委員からお話がございましたように、いろんな意味でケアカンファレンスの開催というのは重要になっております。先ほど来御指摘のございます主治医とケアマネジャーとの連携、そういった観点からもケアカンファレンスの開催は大事になってきております。
 今、ケアマネジャーさんたちのお話を聞きますと、非常に受持ち担当件数が多いので、ここでなかなかそういうケアカンファレンスの開催ができないというお話が一つと、やはり、お声掛けしても集まっていただけない、そういうケアカンファレンスを立ち上げるための非常に御努力、苦労があるというふうに伺っております。
 最初の方の担当人数の問題は小さくする方向で見直しを考えておりますし、今委員から御指摘のございました市町村が招集すべきではないかという点は、正にそういう観点から地域包括支援センターでケアマネジャーさんを支援するための主任ケアマネを置いてやっておりますので、積極的にそちらの方がお声掛けをして、ケアカンファレンスの開催を含めたケアマネジャーの支援を行うこととさせていただきたいと思います。

○足立信也君 センターを中心に、場所の提供も公的なということだと思います。そのように期待しております。
 次は、去年のように多くの災害に見舞われたとき、市町村が、この地域には要介護四ないしは五の人がいて、真っ先にそこへ駆け付けて救出しなければいけない、そのような、まあこれは個人情報公開法とどうなるかという問題なんですけれども、やはり市町村がそういった要介護者の存在をきちんと把握しているということが私は災害時の救出援助に非常に大事じゃないかと、そのように思っております。
 そして、それが狭い、例えば一つの町村でやった場合は、あのような大きな地震が起きたときにはその町村そのもののデータがなくなる可能性がございますから、少し広域でデータの共有、電子化したデータの共有が必要だと、私は災害時には特に必要だと思っておりますが、この点に関して御意見いかがでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) これはもうおっしゃるとおりだと思っております。
 要介護者など、災害時に、特に援護が必要な方々について災害時の避難支援を円滑に行うためには、どうしてもまず、市町村の中にあっても、福祉担当部局と防災担当部局が要援護者に関する情報を把握、共有しておくことは重要であると考えておりますし、また、大きく市町村を含めて、市町村を含めてというのは、市町村間でもまたそうした情報を共有しておくということは大変必要なことであると認識をいたしておるところでございます。
 この点に関しましては、本年三月に、有識者や関係省庁の担当課長で構成されました集中豪雨時等における情報伝達及び高齢者の避難支援に関する検討会においてガイドラインが取りまとめられておりまして、その中では、平時から市町村の福祉関係部局等が保有する要援護者情報を防災関係部局等も共有し、要援護者を網羅的に把握しておくことが必要とされているところでございます。
 なお、その際に、共有化されました情報を防災システム上どのように保有するかについては、今お話しのような点も含めまして、基本的には防災関係部局を中心に検討していただくことが適当と考えておりますけれども、厚生労働省といたしましては、ガイドラインに沿ってそれぞれの自治体の実情に応じた適切な情報の共有化が図られることが必要と考えておるところでございます。

○足立信也君 保有がやっぱり一番大事ですから、是非その点よろしくお願いします。
 四回目の必要がないように急いで行きます。
 特定疾病についてです。あえてこれ、特定疾病の中に脳血管疾患とございますね。これは例えば、御存じだと思いますが、クモ膜下出血なんかは、これは加齢による変化ではなくて動脈瘤が原因ですね。特に加齢による変化とは言えないわけです。脳の障害というのは、脳の障害で介護が必要になるのは、その脳のある領域の欠損症状なわけですね。これは何も脳血管疾患だけではなくて、例えば脳腫瘍の術後でも、あるいは外傷でも感染症でも同じ結果が起きるわけですよ。同じ状態になるわけですよ。なぜ脳血管疾患だけが、しかもそれは加齢とは言えない部分も含めてですね、含まれている。
 これは私は、状態としては、脳に関しては、あえて脳だけ言いますよ、本当は一杯言いたいことがございますが、脳だけ言います。どうしてそこだけ区別する必要があるのかということが一点。そして、がんの末期ということが入ると思いますが、脳腫瘍はその多くがやっぱり良性腫瘍なんですが、術後にはやはり同じような欠損症状が起きることがある。脳腫瘍はがんだと考えているのでしょうか。まずはその点を。

○政府参考人(中村秀一君) 今の脳腫瘍の点につきましては、今回末期がんの取扱いを特定疾病の観点からさせていただくときに、専門家の御意見も踏まえつつ検討させていただきたいと思いますが、現時点において、脳腫瘍の中で良性の腫瘍については介護保険の対象とはならないだろうと、こういうふうに考えております。
 そういたしますと、前の方の委員の御指摘に絡むわけですが、やはりそういった意味で、線引きをするという立場に立っておりますので、線を引きますと、線を引かれたところで、どうしてもちぐはぐ、矛盾あるいは整合性が取れない点が医学的に見ると出てくるというのは御指摘のとおりだと思いますが、それは今の制度に伴う必然的に生じてくるものであるというふうに認識いたしております。

○足立信也君 いみじくも、被保険者の範囲の拡大が必要だという結論だったと思います。
 私の質問を終わります。

050616厚生労働委員会会議録より
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平成17年6月14日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党・新緑風会の足立信也でございます。
 恐らくお昼休みもなく、大変お疲れのところ申し訳ありません。もう少しお付き合いください。私が終わった後に、今度はこちらの方が脱力感とかあるいは無力感に襲われないように、明快な答弁をよろしくお願いします。
 私は前回、もうそういいましても一か月近くなりますが、一人の高齢者の方が保険事業を受け、要介護者となり、そして終末期を迎えると、その過程の中でこの法案の問題点を明らかにしたいということで、前回はスクリーニングの段階まで行ったわけですけれども、それを継続して今日もやるつもりなんですが、その前に、前回、厚生労働省からモデル事業のデータをいただきました。十の市町村でちゃんと対象群というものを取って検討したところがあると、そのデータをいただきましたので、それを提示したいと思います。資料が配られると思いますが。
   〔資料配付〕

○足立信也君 そこで、まずその前に、モデル事業の目的に、前回これは委員会の答弁で局長からも答弁が明快にございましたし、それから印刷物にも書かれております。モデル事業の目的に、介護予防サービスを重点的に提供し、その効果測定及び評価分析を行うことにより、介護保険制度の見直しに資する、そのように書いております。
 しかしながら、五月三十日付けの毎日新聞に尾辻大臣のお話が出ているわけですけれども、モデル事業は問題点を把握することが最大の理由だった、効果を証明することが第一の目的だと誤解されて衆議院では議論がかみ合わなかったと、そのように話されております。
 これは、私の委員会での質問の後、取材がいつだったかはちょっと分かりませんが、あれほど確認して、この事業の目的はやはり効果測定と分析ということだったと、紙にも書かれてあると。その後で、実はそうじゃなかったんだと、誤解されたんだと、衆議院では、ということが出ているわけですけど、私、すべて新聞報道を信じるわけではございませんが、この点、事実関係を確認したいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただきましたモデル事業の目的は、これまで国会の御審議で申し上げてまいりましたように、介護予防事業の効果の測定及び評価を通じて事業実施に伴う実務上の問題点を把握するなどし、介護保険制度の見直しに資することにあるということでございまして、それはそのとおりでございます。ここでも申し上げておりますように、事業実施に伴う実務上の問題点を把握するというところを強調して表現いたしますと私の表現になるわけでございまして、そのように御理解をいただきたいというふうに存じます。
 特に、更に申し上げますと、私どもがどういうことを具体的にお願いしたかといいますと、まず、事業参加者の効果的な選定方法でありますとか、プログラム実施上工夫すべき点でありますとか、中断者の状況、その理由、スタッフ確保上の問題といったようなことを把握することにあると考えておりまして、そのことをお願いしたわけでございますので、正に実務上の問題点を把握するというところに重点があったということは改めて申し上げたいと思いますし、今までお答えしてきたこととそこにおいてそごはないというふうに理解をいたしております。

○足立信也君 趣旨は私も理解しているつもりです。効果の測定もやはり非常に重要だったということは間違いないことだと思いますし、そうじゃないと市町村もモデル事業参加しませんよねということだと思います。
 そこで、資料について行きます。
 これは十の市町村のデータを、生データを私いただきましたので、自分なりに解析しました。ちょっと気になっていることは、午前中からの答弁で中村局長が、正確な分析はこれからやれるけれども、有意な効果があったというふうに再三答弁されております。前回の委員会で私言いましたように、これは有意な効果じゃなくて変化があったということしか言えないんですね。その点は今後注意していただきたいと、まずは申し上げておきます。
 この表なんですが、右端にあるPというのは危険率ということで、これが低けりゃ低いほどいいというわけでなくて、この意味は、有意な差があるかどうかを検定しているわけですから、有意な差がないという仮説を危険率五%以下で棄却する、つまり〇・〇五以下であれば有意な差がないという仮説を棄却してもいいだろうという意味なんですね、統計学的には。ですから、Pを見ていただいて〇・〇五以下であれば有意な差があると考えてもいいという意味です。
 筋力トレーニングのみ、それから栄養改善のみ、一段目、二段目ですね、そして筋力トレーニングと栄養改善を行った群、これが三番目にあります。これが、介護予防のそのサービスをやったのが四十九例、右側に対象群として三十一例ございました。ここに実は、これを私比較したのは要介護度の変化だけです。便宜上度数化しなきゃいけませんから、一番上に書いていますように、自立を1、要支援を2、要介護度一を3と、そういうふうに度数化して計算したところで、筋力トレーニングに栄養改善を加えた群だけ実はここで有意差があります。効果ありという判定です。ところが、これにさらに、筋力トレーニングと栄養改善に更に口腔ケアも併用した群では全く差がないという、これが四段目の結果です。再現性がないということなんですね。
 ちなみに申し上げておきますが、確かなエビデンスというのは、一言で言いますと再現性があるということなんですね。この点が第一点。
 なぜこんなに合わない、再現性のない結果になってしまったかというと、まず僕は理由は二つあると思います。
 一つ目は、お分かりのように、要介護認定は二次判定でやるわけですけれども、介護予防サービスの後は一次判定しかできていませんから、結局、介護サービスの前の判定は一次判定に戻っているわけですね。ですから、一次判定の結果同士を比較しているということで、櫻井議員の質問の中でもありましたが、全国的には今、一次判定から三一・五%の方が二次判定で変更されます。
 この有意差の見られた三段目のところの対象群は、三十一例中十例が一次判定と二次判定で変更されております。三二・三%です。これ、全国平均からいうとこれが普通ということです。ところが、筋力トレーニングと栄養改善を行った群では、四十九例中六例、六人しか変わっていないんです、一二・二%。これは非常にというか、まれに見るほど低いわけです。口腔ケアを更に加えた群では、両方とも二例ずつが認定が一次と二次が違っているという結果で、これは、一つ目の理由として、筋力トレーニングと栄養改善を行ったその群と対象群の設定に何らかの意図があったんじゃないかという気がいたします。それだけ認定率の変化が差があるということ、これが第一点だと思います。
 二つ目の理由は、はっきり言って一次判定が当てにならないということです、だと私は思います。この結果は、要するに対象群を置いたスタディー、症例数が非常に少なくて当てにならないとは思いますが、筋力トレーニングと栄養改善を加えた群は有意差をもって効果があった、ところが、そこに口腔ケアを加えると全く差がなくなったという、この私なりの解析なんですが、その感想といいますか、西副大臣、大変急で申し訳ないんですが、どのようにお考えになるか、お聞きいたします。

○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。
 先ほど、軽度の対象者がなかなか確定しないというのは、これは以前も、過去のデータから見ても、かなり地方別に見てもばらつきがあるということは事実でして、そこの部分はこれからの大きな課題だというふうに感想としては思っております。
 それから、今回、大変先生御熱心にこれ統計取られたんですが、私、実は余り詳しいことはよく分かりませんもので申し訳ないんですが、自立が1、要支援2と、これで、多分数字が大きくなるにつれて介護度が高くなるから、このデータの平均値が下がればそれだけ改善されているということなんでしょうけれども、度数化ということの意味もちょっと、1、2、3、4という関連がどうなのかと、私も十分理解できておりません。その前提でお答えを申し上げますので、失礼なことがあるかもしれません。
 今回、十市町村のデータを利用いただいたんですが、私どもの方は、これから実はこの内容の分析を実施して、今現在やっているというところで、今の状態では結論的な判断は難しいというふうに考えております。
 いずれの介入群においても改善傾向が見られるということですが、その比較という意味では、先ほど御指摘の筋力向上トレーニングと栄養改善、この介入群では対象群と比較して統計的に有意な改善が見られるというふうに先生のデータを拝見いたしました。
 ただ、ここの実は人数が結構、まあこれでも十分とは言えないかもしれませんが、施行群が四十九例、それから対象群が三十一例と、結構多い。ほかに比べて約二倍程度の例が載ってるんですが、それ以外のところは比較的少なくて、例えば栄養改善を加えた群が合計で三十、十七例、十三例と、こういうふうな形でかなり少ないということも統計分析の中では影響があるのかなというふうな感じもいたしております。
 今日お示しいただいたこの資料も参考にさせていただきながら、私どもとしてもこれからまた分析をさせていただきます。

○足立信也君 これ以上はちょっと引きずりたくないので。私の判断としてはエビデンスにはならないということです。
 次に行きます。先ほどの流れの中でまたちょっと違う部分ですが、本法案の附則にある経過措置についてです。
 介護予防支援の見込量の確保が困難であると認められる市町村では、介護予防に関する事項は適用しないとあります。これは最長で平成二十年の四月一日までですから、今から考えると約三年近くあるということですね。ということは、これ介護予防支援のことですから、スクリーニングもそうですし、介護認定の認定度の問題もそうですし、地域包括支援センターのこともそうです。ということは、市町村によって違いがあると、端的に言うとですね。もう来年の四月一日からすぐここを、見込量の確保ができてすぐ始めるところもあれば、三年、約三年間始まらないところもあると。そういう市町村によってばらばらになってしまう、そういう解釈でよろしいんでしょうか。具体的に言いますと、要介護度一、この市町村では要介護度一、でも隣では要支援の二になったりということですね。
 何を問題にしているかというと、今の市町村合併ですね。今の町村であれば、これは三年近くの間、要介護度一であるけれども、合併した後には要支援二になって、給付の限度額が下がったということもあり得る。あるいは、介護が必要な状態になったときにお子さんが引き取りたいということで引っ越したような場合、そこで、市町村によって認定も違ってくる、限度額も違う、受けるサービスの内容も違う。
 限度額一杯、前と同じように受けたいと思ったら、自分で、自費で払わなきゃいけないということが生じるということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) この新予防給付でございますけれども、この法案をお認めいただきますと、平成十八年四月から原則実施をされるわけでございます。
 ただ、私どもが申し上げておりますのは、地域包括支援センターの設置など準備期間がどうしても要しますので、その準備のために、その準備が整わない市町村については市町村の判断で、今お話しいただいておりますけれども、平成二十年四月までの二年間、この間は条例で定める日から施行することができる、この日から条例で定めますというふうに言えばそういうふうにできるということでございまして、こうした経過措置を設けているところでございます。
 したがいまして、こうした経過措置によりますと、今議員お話しになりましたように、御指摘のように、同じ状態の方であっても居住地の市町村における新予防給付の実施のいかんによりまして受けられる給付の種類が異なるということも考えられます。そのことは率直に申し上げます。
 しかし、そのまま放置することは決していいことではありませんし、また、私どもがこの際申し上げております介護予防の効果を上げていただくためにも、できるだけ早期にすべての市町村において新予防給付が実施されることが極めて重要であると考えておりまして、私どもといたしましては、介護予防支援に必要な人材の確保でありますとか、地域包括支援センターの設置の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

○足立信也君 今日の議論でも、大体支給限度額の平均すると半分だということがございました。ところが、先日の委員会で出された、山本理事の出された資料で、限度額の一歩手前という方が実は金額別に見ると一番多かったわけですね。実際上、やはりそこを限度ぎりぎりまで利用しているという方が多いというこの認識の中で、引っ越す、あるいは子供の下に行く、あるいは合併が起きて変わる、そこで利用していたサービスが利用できなくなるんだと、これはもうあり得ることで、できるだけ早く新しい制度にできるように変えていきたいと今おっしゃったわけですけれども。となれば、その間はやはり経過措置の更に経過措置のような形で、自己負担にやむなくなってしまった人たちに対して、これは補償する、あるいは給付、手当を付ける、そういった方法もあるんではないかと私は思いますけれども、今の答弁に対してそのように率直に感じましたが、いかがでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) お引っ越しされた場合の問題は現在の介護保険制度でもないわけではございませんで、市町村またがって転居を行った場合には転入先において新たに要介護認定を受けていただくことが、まあなるわけですが、それでは煩わしいということで、現行制度では、転入先における認定審査会の審査判定経ることなく要介護状態区分の決定が行うことができるといった手続の簡素化を図っております。
 今度の場合、AとBという市町村があって、Aの方が十八年四月から移行された市町村で、Bの方は移行しない場合の市町村、AからBにという場合と、BからAにという場合でいろんなことが起こると思いますし、また、今委員御指摘のサービスの給付の内容でも変わってくることもあり得ると思います。
 基本は、経過措置でございますので、委員からもお話しございましたように、できるだけ早くその経過措置がなくなってそろうということが基本だとは思いますが、その際の移動の伴う不便、そういったものはできるだけ解消されるように、AからBの場合とBからAの場合、技術的に違う問題が生じるかもしれませんが、基本は、今、転入先における認定審査会の審査、判定を経ることなく要介護状態の区分決定を行うという扱いをしているのと同じように、手続の簡素化なりそういったことの御不便は最小限にするということで考えてまいりたいと思います。
 したがって、今、法律レベルの経過措置がございますけれども、その転居に伴う経過措置の経過措置的なことについて必要があれば考えてまいりたいと思います。

○足立信也君 じゃ、よろしくお願いします。
 次に、前回の質問の後、厚生労働省の方と、高齢者がスクリーニングあるいは要介護認定を受けていくというこのシェーマについて実は間違っているということを言いました。スクリーニングを受けて、要介護あるいは要支援と思われた人がぐるぐるぐるぐる回っちゃうんじゃないかという話、これを改善しようと思ったんですけれども、結局は、図は間違っているけれども、複雑でシェーマに表すのはちょっと無理だということになってしまいました。これは、老健局の方と相談しながらそのようになりました。なぜ難し過ぎてシェーマにできないのかということのその理由ですね。これは私は、スクリーニングということのとらえ方が我々と老健局といいますか、そこが違うんだということですね。その点について言います。
 私たちは、高齢者の医療費を抑制するためにはどうしたらいいか、医療の質を変えるんだと、その中で最も大きなものは予防医療あるいは保健事業だと、そのように考えています。介護予防という言葉は私は正しくないと思いますけれども、予防は大事だと、そのことに異論はございません。その第一歩がスクリーニングだと、これも皆さんそうだと思います。一見問題がなさそうな人でも、将来介護が必要になる可能性のある人を早く見付け出す、そして早く対処する、こう考えています、私たちは。だからこそきめ細かい検査項目が必要で、要介護認定に連動するようなその審査のシステムでなきゃいけないと、そのように思っています。
 そして、その結果、将来介護が必要にならないように地域支援事業で有効な予防サービスを受けていただく、これが成功すれば高齢者の健康観は変わっていくと思います。そのような壮大な事業だと思います。だからこそ、地域支援事業で介護給付費の三%以内に抑える、そんなことを言わないで、実はもっと大きな事業だと私たちは思うんです。
 ところが、どうも厚生労働省の中では、要介護認定で非該当になった人や市町村にいる保健師さんが虚弱な高齢者を発見するような、言葉がハイリスクアプローチというふうに言われています、そのような人たちだけを対象に、これをスクリーニングと称している。
 なお、スクリーニングのやり方で、そのハイリスクアプローチと、我々が考えるような、できるだけ多くの方をそこから拾い上げるんだと、そういうポピュレーション、ポピュレーションアプローチという二つの方法が考えられておりましたけれども、検討小委員会の途中で、どうも見ていますと、そのポピュレーションという考え方が立ち消えになっているんですね。途中から、これはもうハイリスクの人たちだけを対象にという感じで流れてきている。どうもこのスクリーニングの考え方が全く違うので、一つのこの図に表せないということに、私としては個人的に結論が行きました。
 西副大臣からは、前回、スクリーニングには、痴呆度の判定、抑うつ度の判定並びに歯科の衛生状態の把握をするためには精神科的な項目、歯科的な項目を加えてスコア化するという明快に答弁をいただきました。これは私はそのとおりだと思います。
 としたら、スクリーニングの範囲、先ほどのハイリスクかポピュレーションかということ、どの範囲を考えて最終的に三類型に分類する、責任を持って分類するのはだれなんでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君) 足立委員から今御説明いただきまして、前回も御議論になりました私どものこの出さしていただきました図、確かに、委員とやり取りがございまして、ぐるぐる回ったようなところがございます。
 その相違点を御説明していただいたわけでございますが、今の足立委員のおっしゃった意味でのスクリーニング、広く一般の住民の方を対象として実施するスクリーニング、そういったスクリーニングを私どもも実施してまいりたいと考えております。
 ですから、私どもの担当の方と委員と御議論いただいたということのようですが、私から御答弁さしていただきますのは、介護予防スクリーニングについては、高齢者が要支援・要介護状態になることを予防する観点から広く一般の住民の方を対象として実施するスクリーニングでもってやりたいと、それが一番の柱だというふうに考えています。
 具体的には、六十五歳以上のすべての高齢者の方を対象としている現行の老人保健事業の基本健康診査がございます。この基本健康診査が介護予防のスクリーニングとして適切かどうか、そういった議論もございますので、そこのところを踏まえながらこのスクリーニングを実施していくというふうに考えたいと思います。したがって、検査項目とかそういったことも考えていく。
 もちろん、これのほかに、そういうことをしなくても、今委員から御指摘ございました要介護認定に手を挙げたけれども非該当になられたというような方、あるいは日ごろの保健師さんの日常活動なりあるいは医療機関から、自分のかかりつけ医のお医者さん、主治医さんから、自分のところの患者さんが、あるいは御相談受けた方がこういう状態だからといって、言わばハイリスクアプローチの中に入るのではないかといって御紹介していただくことはあるかもしれませんけれども、先生のおっしゃる意味でのポピュレーションアプローチ的な部分は実施してまいりたいと考えております。

○足立信也君 先日の委員会でもありましたように、そうなると、福島議員から発言があったように、保険、いわゆる税との考えと社会保険との考え、これが一体どう峻別していけばいいのかという問題、新たな問題また生じてまいります。
 方向性は私は正しいと思いますが、それを今の時点で解決するのはまず不可能ですし、検討を速やかに入っていただきたいのはもちろんのことですが、まだ不明なまま終わってしまうという形になってしまうと思うんですね。ただ、方向性としては、やはりこの国の高齢者の疾病構造を変えていくんだというぐらいの気持ちで取り組まないと医療費抑制には向いていかないということだけは事実だと思いますので、その点は私もできる限りの協力をしたいと思いますし、そのようにお願いしたいと思っております。
 お一つ答えが、そのスクリーニング、今ポピュレーションも考えているということになりますと、だれが責任を持って最終的に判定するのかと、このことを。

○政府参考人(中村秀一君) 失礼いたしました。
 そういった意味で、地域支援事業の実施主体は市町村でございますので、市町村がこの事業を行っていくということになります。
 それから、非該当者、要支援、要介護になるおそれのある方、それから要支援、要介護の該当者、三つの分類はだれが行うのかということになりますが、要支援、要介護に該当されるかされないかはあくまでも介護保険の言わば本体給付の方のシステムでございまして、これは行政の方からあるいは勧奨するということはあるかもしれません、お勧めするということも場合によってはあるかもしれませんが、基本的には利用者の意思に基づき手を挙げて申請していただくということでございますので、申請の結果、要介護認定の審査会で該当者、非該当者が決まってくると、こういうところで、そこは介護認定審査会になるわけでございます。
 なお、地域支援事業の対象者につきましては、非該当の方が地域支援事業の対象者の受皿になる、あるいは該当された方が予防の効果があって非該当になった場合に継続的にアクティビティーをするために地域支援事業の対象になるということがあろうかと思いますが、基本的にはおそれのある方の中からスクリーニングするということでございますので、そのスクリーニングを実施するのは市町村であり、市町村が行うと。その具体的なマネジメントは地域包括支援センターが実施すると、こういうことを考えておるわけでございます。

○足立信也君 分かりました。ちょっと明確にしていきますね、更に、の関係上、三つぐらい質問を飛ばします。
 ということは、地域支援事業と新予防給付というところに来たわけですけれども、この内容は、筋力向上、栄養改善指導、口腔機能向上、痴呆予防、うつ予防、閉じこもり予防、大体挙げれば六つですね。内容としては、挙げた項目は同じなんですね。
 地域支援事業と新予防給付、この両者について、どこでだれがどのように行う、その違いを教えてください。

○政府参考人(中村秀一君) お答えを申し上げます。
 新予防給付は、言わばサービスを実施するという意味では、指定介護予防サービス事業者が、現行の要支援、要介護一といった軽度者の方、これが認定により新たに要支援一、要支援二になるわけですが、要介護状態の悪化の防止を目的として実施するものでございまして、介護予防マネジメント、介護予防プランに基づきまして具体的なサービス提供事業者は決まると。御利用者との話合いによって決まっていき、そういう予防プランが作られると思いますが、そういうところで定められた事業所、あるいは自宅に訪問介護のヘルパーさんが来ていただくと、そういった形で提供されることを予定しております。
 一方、地域支援事業は、先ほど申し上げましたポピュレーションアプローチなどに基づいてスクリーニングされた高齢者の方を対象となり、市町村の予防事業として実施するものでございますので、市町村保健センターや公民館あるいは市町村などの場所において直接実施する場合や民間事業者に委託して実施すると、そういったことが考えられるということでございます。

○足立信也君 要約しますと、恐らく地域支援事業はマスが対象で、新予防給付はインディビジュアルといいますか、個別だということですね、だと思います。
 そこで、私は二点問題があると思うんですけれども、そこに行く前に、今挙げました筋力トレーニングを始めとする内容について、これは、今までの表現上、あるいは省令上、機能訓練ですか、それともリハビリテーション、つまり理学療法ですか、どちらなんですか。

○政府参考人(中村秀一君) 基本的には、その対象者の方の状況にもよると思いますが、両方あり得るとは思いますが、機能訓練という位置付けになろうかと思います。

○足立信也君 なぜそういうことを聞いたかというと、両方あり得るということでしたが、リハビリテーションあるいは理学療法というのは医療行為ですね。機能訓練というのは医療行為ではないというふうになっています。
 先ほどポピュレーションという、スクリーニングが話になりましたが、ということは主治医がいる人といない人がいるんですね。理学療法士、作業療法士の施行法では、あるいは資格法といいますか、では医師又は歯科医師の指示の下に理学療法、作業療法を行うと書いています。これは医療行為ととらえる、つまり理学療法ととらえるんであれば、医師の指示がなくて彼らが理学療法をやることは違反であると。これが一点です。
 ということは、両方あり得るということでは困るということですね。それは医療じゃないという限定の下じゃないと彼らは自分たちの判断で機能訓練を行うことができないということだと私は思います。
 もう一つあります。保健師ですね。保健師、これも問題は、主治医がいる人とスクリーニングで見付かった、いない人がいるということなんですね。保健師は保健指導に従事することを業とする者と。保健師法三十五条で、傷病者の療養上の指導を行うに当たって主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければならないんです。
 この新予防給付になった場合、このマネジメントは地域包括支援センターで、保健師が恐らくトップだと思うんですが、そこで行う。主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければいけないんです。保健師の主体性といいますか、地域包括支援センターの中で、医師の関与がなければ、その主治の医師を持つ患者さん、要介護者の方々は保健師の単独のマネジメントではその新予防給付は受けられないということに私はなるんだと思います。
 整理しますと、医療行為か医療行為じゃないかという判断が不明確であるということ、それから主治医の医師又は歯科医師を持つ者と持たない者が混在すること、それにおいては法の上で医師の指示がなければできないと規定されているということ、この問題点だと思います。そこをどう整理されるつもりなんですか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 私が両方あり得ると、その方の置かれている状態によって両方あり得ると申し上げましたのは、今委員が御指摘のような問題も含むわけでございます。
 現在の介護保険制度におきましても、通所リハビリテーションなどにつきましては理学療法士によるリハビリテーションが行われておりまして、これは先日もこの委員会の場で御議論いただきましたけれども、そういった意味での医療行為は医療の分野で行われている医療行為と法的な差はないと、こういうことでございますので、正にその方の置かれている状況に応じ通所リハビリテーションの場でリハビリテーションとしての筋力向上を行う場合には、医療行為として医師の言わば指示の下に行われるという要件が入ってくると、こういうふうになるわけでございます。
 地域支援事業でも、運動器の向上といっても、内容、いろんな対象者がおられると思います。また、今委員御指摘のように、正に地域支援事業の実施の場合も、モデル事業もそうでございましたけれども、いろいろな、やってはいけない対象者の方の選別、逆選別と申しますか、こういう方はこういうプログラムは向いていないということもありますので、いずれにしてもそういう中で医師の関与ということが必要になりますので、今御指摘のございました、主治医がおられて医学的な管理が必要な対象者の方については、地域包括支援センターのマネジメントの際にやはり主治医との連携を図り、ケアプラン、予防プラン作る上でもそういったことも配慮していかなければならないというふうに思っております。

○足立信也君 その規定がどこにあるのかと。地域包括支援センター、三つの職種の方々でやっていかれると。そこに医師の関与がどこにも書かれていない。マネジメントを決める段階でですよ、介護認定の段階ではございませんよ。マネジメントを決める段階で医師の関与、どこにも書かれていない。
 昨日の参考人質疑の中でも、やっぱり個別対応が必要だし、そこに、地域支援事業にも医師がかかわっていくべきだと、むしろ医師会の先生はそうおっしゃっていました。そこに医師の関与の規定がないということ。
 それから、もう一つ大事なことは、それは医療行為なのか、あるいは医療行為じゃない、だれがそれを判断するんだと。今の段階では地域包括支援センターの保健師さんにそれやってもらうんですか。だれが判断するんでしょう。

○政府参考人(中村秀一君) そのような問題は、例えば現在の老人保健事業でも、予防に関する事業の中で機能訓練とか、そういったことがございます。したがいまして、話を整理させていただきますと、医療行為として行うもの、あるいは医療行為としてサービスが行われなければならないものは医師の指示の下にという、例えば訪問看護にしてもそういう規定が入っているわけでございますので、そういうサービスを使う場合につきましては、それぞれ医師の指示を受けない限りサービスがスタートしないと、こういう話になっているわけで、マネジメントする際、保健師、これはケアマネジャーが同じ問題に逢着するわけですが、それぞれサービスのボタンをプッシュする場合には、その主治医なり、そういった訪問看護であれば訪問看護の指示書をいただく必要があるわけで、そういった形でこの問題はクリアされていると考えております。

○足立信也君 では、それ、条文に、やはり主治医がある場合、主治医の医師又は歯科医師がある場合はそこの関与を明確にしなければいけないと、そう思います。それを申し上げて、もう一部資料が、用意しましたので、これを使わないわけにはいかないので、資料をごらんください。
 嚥下訓練を行うと法律に明記されている職種は言語聴覚士、いわゆるSTのみです。これは午前中、中原委員がかなりの時間を割いておられました。このことを更に詳しくいきます。
 言語聴覚士が行う言語聴覚療法、介護保険制度の中でもっと活用すべきだと私は思います。局長の答弁にも、口腔ケアは低栄養、転倒、気道感染、閉じこもり、認知症の予防効果があると、口腔機能の向上には、口腔清掃、歯科保健指導、摂食機能訓練があると。さらに言えば、窒息や誤嚥性肺炎を防ぐことができる。ということは、明らかに高齢者のケアに関しては非常に重要な役割が期待されている職種なんですね。しかも、法律上、業務独占だと認められているのはこの言語聴覚士ただ一つなんですね。これを活用する手だてを講じない手はないと、むしろそうしなければいけないことだと思います。
 表をごらんいただきながら、現在の介護保険制度の中での位置付けはかなり限定的なものになっているということを理解していただきながら、言語聴覚士と同じようにリハビリテーションを専門とする理学療法士、作業療法士、この二段目のところです、その対比で見ていきたいと思います。
 まず、訪問看護です。居宅サービスの中の訪問看護では、介護保険法施行規則に、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士が行うと書かれております。ここに言語聴覚士を加えるべきだと。網掛けでバツを付けてあるのが、今はないけれどもやはり入れるべきではないかと私の考えを示しているところです。
 次に、訪問リハビリテーションでは、介護保険法の条文に「理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と書いてあります。これは一番下にある備考のところです。条文にそのように書かれております。ここにやはり、その他ではなくて言語聴覚療法というものを追加すべきだと私は思っております。今回の改正にそれが生かされるかどうかは別ですけれども、入れるべきだと私は思います。その人員基準では、理学療法士、作業療法士が行うとされているので、ここにもやはり言語聴覚士を入れるべきだと私は思います。
 通所リハビリテーション、通所系のところに行きます。通所系リハビリテーションでは、人員基準に、理学療法士、作業療法士と並んで言語聴覚士が定められております。しかしながら、法律にはやはり理学療法、作業療法その他の必要なリハビリテーション、その他になっております。ここはやはり言語聴覚療法ははっきりさせておいた方がよろしいんじゃないかと私は思います。
 その次の福祉用具貸与事業に関して、事業所に専門相談員を置くこととされております。その専門相談員とは、介護福祉士、義肢装具士、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士となっています。貸与品の中にはトーキングエイド、介護用補聴器、電気咽頭、会話補助機器、こういったものを私は貸与品の中に加えるべきだと思っております。その方がコミュニケーションを取れるということは、高齢者にとって最も大事なことだと思いますので、加えるべきだと思います。そして、その専門相談員に言語聴覚士を加えるべきだと、そのように思います。
 施設サービスの方を見ます。
 老健施設と療養型施設、医療施設ですね、療養型施設には理学療法士、作業療法士、栄養士が必置になっております。ここにもやはり、例えば老健施設などで言語聴覚士がいて誤嚥を予防する、口腔ケアを行う、口腔機能の向上を行う、このことがやはり非常に大事なんだと私は思っておりますので、窒息やもちろん誤嚥性肺炎の予防にもなりますから、ここに必置という形にすべきだと思います。
 最後に、介護予防の目玉になっている栄養改善、口腔ケアに関連して、訪問系のサービスですね、これ居宅療養管理指導があります。歯科衛生士、管理栄養士が行うこととなっておりますが、通所系サービスにはこれに相当するものがないんですね。通所介護でこのような指導を行うこととする、歯科衛生士、管理栄養士を基準に追加する、これは別の話ですけれども、すべきだと私は思います。
 今話してきたことは新設される介護予防サービスには全く関係ない話で、もちろん介護予防サービスにおいても今提案いたしましたようなことは必置あるいは条文で入れる、基準に置く、そのようなことがされるべきだと私は思っております。
 介護保険ではないんですが、一番右の医療保険、言語聴覚士の活用という観点からもう一つだけなんですが、医療保険において訪問看護ステーションの人員基準に理学療法士、作業療法士が必置ということが定められております。ところが、先ほど申し上げましたような理由で、やはりここにも言語聴覚士が加えられるべきだと私は思います。というのは、同じような訪問リハビリテーションで医療保険と介護保険併用できませんから、どっちか一方にしかないということは使えないという状態になってきます。当然入れるべきだと思います。
 というふうに表を用いながら私の考えを述べさせていただきましたが、広く言語聴覚療法を活用すると、言語聴覚士に働いていただくということを念頭に考えたものでございます。どのようにお考えになるでしょうか。感想でも結構ですから、よろしくお願いします。

○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘いただきましたとおりに、確かに現行の介護保険制度における訪問介護でありますとか訪問リハビリテーション等、訪問系サービスなどで言語聴覚士に関する規定は設けられていないところでございます。しかし、今日いろいろ御指摘をいただきました。そうしたことなどもまた踏まえまして、訪問系のサービスにおける言語聴覚士の活用につきましては、今後、社会保障審議会介護給付分科会における御議論などもお願いをいたしまして、検討してまいりたいと存じます。

○足立信也君 どうもありがとうございました。
 もう時間がないのでまたしても積み残しが出てしまいましたが、この改正案の目玉は、振り返りますと、やはり介護予防の導入とホテルコストを保険外にすると、この二点なんですね。ところが、先ほど言いましたように、経過措置の関係で介護予防に関しては今から三年近く考える時間がある。というか、考える時間がある、これから決めていくということですから、何も決まっていない状況に等しいわけですね。ところが、ホテルコストについては割合詳細に決められていて、しかも目の前、この十月だということになってくるわけですね。
 ということは、これから三年、約三年の間に政権が替わっていたりすると介護予防の考え方も大分変わってくるかもしれませんが、取りあえずこの十月からということを考えると、この法案に賛成するということはやはりホテルコストの導入に賛成なんだという意思表示になってしまうことが強いんですね。
 衆議院の確認答弁から約二か月近くなりました。その間に減免措置、あるいは先ほどからるるお話、答弁もございましたけれども、この二か月間で、実施まで四月から数えて五か月しかなかったうちの二か月がもうたっているわけですね、どのように改善を、確認答弁に基づいて改善を考えてこられたか、説明していただきたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) 施設給付の見直しにつきましてお尋ねでございますが、まず十月実施ということにつきましては、今、十八年四月を前にいたしまして、介護保険三年ごとでございますので、保険料の見直し、そういったことが市町村、保険者である市町村で大変大きな課題になっております。
 給付費が相当増えておりますので、このままでいきますと三割を超える保険料の引上げ、千円以上、今三千三百円ですが、四千三百円あるいはそれ以上平均で上げなければならないと、こういう状況にありますので、介護保険部会、社会保障審議会の部会でもとにかく保険料の上げ幅ができるだけ小さくなるようによろしくお願いしたいという強い意向もございまして、十月実施とさせていただいたところでございます。
 議論の中で、低所得の方々に対する補足的給付の在り方、また社会福祉法人の減免措置の問題等、審議の中でもお答えをさせていただきましたし、いたしましてきたところでございます。準備期間が少ないということは私どもも都道府県を通じて市町村の方からもそういう話が上がってきておりますので、何とぞ、御審議の上、速やかに御可決をいただきたいと考えている次第でございます。

○足立信也君 明後日、同僚議員がこの件に関して更に質問すると思います。取りあえず、私は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

050614厚生労働委員会会議録より
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平成17年6月13日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。
 まず、大変勉強になりました。それからまた、あしたからの質疑にできるだけこれを有効に生かしていきたいと、そのように思っております。
 ところで、私は昨年まで茨城県医師会に属しておりましたし、一昨年までは筑波大学の大学院の教官でございましたので、まずはそのなじみの方々から質問させていただきたいと思います。
 野中先生にお伺いしたいんですけれども、介護予防の新介護予防給付と介護予防給付、これを峻別しなきゃいけないんだと、そして地域に対して医師の役割、関与を広げていかなきゃいけないんだと、そのようなお話があったと思います。
 私どもは、高齢者をスクリーニングして、その中の方々、選び出した方々を地域支援事業として、いわゆる介護予防という言葉を使っておりますけれども、それをやるんだということは非常にいいことだと思ってはいるんですけれども、実はそのスクリーニングという考え方が、どうも厚生労働省と我々が、普通一般の方が考えるのと大分違うような気がしまして、我々はできるだけ多くの方々、高齢者を対象にスクリーニングってやるものだと。その中から将来介護が必要になる可能性があるような方を抽出することによって、あるいは今は大丈夫だけれどもという方も選んでやるというのがスクリーニングかなと思うんですけれども、どうも厚生労働省は、要介護認定に手を挙げて非該当になった方、あるいは保健師さんが地域からどうもこの人は虚弱で危険性があるよという方をピックアップする、非常に限定された対象がスクリーニングと表されているんですね。
 先生のお話の中で、要介護認定を受けて非該当になった方、これは私は、主治医としては関与があると思うんですね、医療を受けている方だと思うんです。ところが、医療を受けていない方々は仮にスクリーニング、我々が考えるようなスクリーニングの意味で介護予防給付に回った場合にどこで医師が関与するのか。医師の関与のシステムがこの場合成り立っていないんじゃないかと思うんですね。そこら辺の、峻別が必要だと先ほどおっしゃいましたが、峻別された場合は、医療機関に掛かっていない人は一体だれの指示でやるのかと。そこら辺のお考え、どうでしょう。

○参考人(野中博君) お答えしたいと思いますけれども、ある面では大切な質問でございまして、一つは大事なことは、一つ介護予防で大事な視点は、私は治すという視点ではなくて支えるという視点が大事だということをまずお話をしていいかと。そういう中で、確かに非該当という方々に対して医師が関与していないケースがございます。しかし、要介護認定を受けたり、あるいはその場合には医師の、主治医の意見書もございますし、それからスクリーニング、地域から保健婦さんとか様々な方々が連れてくる方々に関してはそこに医師が関与していかない場合が確かにあるのは事実でございます。
 しかし、これから新予防給付としてサービスを提供されるときには、先ほども何人かの先生方が介護予防の中で言われましたけれども、やはり医療で安全にサービスが実行できるかどうかの鑑別は実際に必要でございますから、私は、最終的にはそれは、サービスを提供する時点で一回医師との関係を設定すべきだろうというふうに考えています。従来は、医療に関係なくても、サービスを設定するときにやはりそこで医師が地区でどう関与するか。ある面では医師にとって予防という理念で患者さんと接点をするということが生まれるということもございますので。その視点で制度設計に対しては意見具申をしてまいりたいと思っていますので。以上のことがお答えでございます。

○足立信也君 その中の、地域支援事業の中に、そこからサービスを提供するときになったら医師の関与もはっきりしなきゃいけないと今おっしゃいました。今回の改正案では、そこに医師の関与が書いていないんですね。その点だけ申し上げておきます。
 もう一つ、ちょっと話題が変わりますが、予防サービスについては久野先生にまたお伺いしますので、ちょっと内容を変えます、野中先生なんですが。
 今年の正月に広島県福山市の福山福寿園、ノロウイルスの感染で七名の方が亡くなりましたですよね。その後、厚生労働省からこれといった報告書みたいなものはないんですね、いまだに。
 もちろん、医師ですから私がお伺いしたいのは、先ほど三施設とそれから医療との関係なんですけれども、今回、この事件をどのようにとらえられて、どうあるべきだとお考えでしょうか。実はその後、調査で、ノロウイルスに関しては、感染性胃腸炎を起こした方が全国二百三十六施設で七千八百二十一人、そのうちノロウイルスの検出者は五千三百七十一人、死亡者十二人というデータが出ております。いかがでしょうか。

○参考人(野中博君) 私自身は一つは、これは適切に、こういう場所であれですけれども、やっぱり起きた施設における医療提供体制の不備が一番やっぱり大きいだろうと思いますし、先ほど西島議員から御質問にありましたように、ある、特に特別養護老人ホームに対する医療提供体制という部分が、配置医師という、健康管理の下に配備、設定されているということが大きな問題だろうと思っています。実際にはそこで、そこの患者さんに関しては集団的にそういう感染があるわけでございますから、そのときに対してどういうふうに対処するかということが特別養護老人ホームの中では設定されていない現状がございます。
 私も三月三十一日までは浅草というところで特別養護老人ホームの配置医師でございましたけれども、盛んに、そういう休日とかあるいは夜間とか、そういうことに対する医療体制に対して具申しますけれども、なかなかその辺に関しては興味が薄いというのが現状でございます。

○足立信也君 その辺の対処がちょっと足りないという解釈でよろしいかと。ありがとうございました。
 それでは、久野先生にお伺いいたします。
 先生の研究事業は私もずっと前から存じ上げておりますし、昨年やられました厚生労働省のモデル事業なんかに比べてはるかにすばらしい。研究としてもすばらしいし、きちっと解析されていると、そのように思っております。
 三点お聞きしたいんですが、一つだけまずは確認なんですけれども、先生の述べられたことの中で、自体重を利用した筋力トレーニングは個別プログラムであることが大事だと、個々の人にとって個別プログラムが大事だ、そして時間を掛けることが大事だと。その二点は私のそういう解釈でよろしいでしょうか。

○参考人(久野譜也君) 先生のおっしゃるとおりです。
 非常に個別性と、あと、状況に応じて時間を掛けることということが非常にポイントです。そのためには、だれがそれを判断するかというと、良い指導者がそこにいることということになると思います。

○足立信也君 おっしゃるとおりだと思います。
 そこで、良い指導者のことについてお伺いしたいんですけれども、今現在は、地域支援事業にしても、それから新予防給付にしても、機能訓練指導員という名前で職種が挙げられております、PT、OTとか看護師さんだとかいろいろ入ってくるわけですけれども。先生の考える筋力トレーニング、自体重を利用した筋力トレーニングに必要な専門的な指導員という職種の方々はやはり今までのそういった国家資格を持たれた方々とは若干異なる、あるいはその方々に更に研修を加えるべきだ、そのように思われていますか。

○参考人(久野譜也君) 非常に対象者が多いと思っているんですね。いわゆる介護保険の適用者だけではなくて、その予備軍まで考えますと、一般的に高齢者、今、介護保険対象者が全体の二であり、そうじゃない方は八になるわけですね。すると、両方を視野に入れるとすると、今いる専門職だけではとても足りないだろうと。
 それからもう一つ、私が気になっておりますのは、いろんな講習会、資格のカリキュラムを精査、今しているところですが、非常にいわゆる指導法だけの講習会なんですね。いわゆるそこの評価をしてあげたり、あるいは非常にもう一つ気になるのは継続。先ほども申し上げましたが、始めて続けられなければ意味がないんですが、いかに続けていただけるかと。そういう指導法とか、そういう点では非常にまだ欠けている部分があると、そういう点が解決しないとなかなかうまくいかないだろうというふうに考えております。

○足立信也君 じゃ、久野先生に最後の質問なんですが、その自体重を利用した時間を掛けた個別プログラムの筋力トレーニング、これは、いわゆる高齢であるけれども自立された方あるいは今までの認定で要介護度一の方、それでもう一つ、いずれ要支援、要介護が必要になるであろうと思われるような方、このような方々にちゃんと群分けしてその有効性について検討されたことはありますか。

○参考人(久野譜也君) 今先生がおっしゃっていただいた群に関してはすべて検討しておりまして、いずれの群においても我々の研究室では効果を確認しておりますし、更に付け加えさしていただければ、いわゆる生活習慣病予備軍ですね、四十代、五十代に関しても効果は認められております。特に、いわゆる糖尿病対策として今非常に筋肉量の維持が重要だということが指摘されていますので、そういう面では幅広い層に対して必要だというふうに考えております。

○足立信也君 といいますと、できるだけ多くの方々に、生活習慣病の予防も含めて、できるだけ多くの方々が対象となるべきだということでよろしいですね。

○参考人(久野譜也君) 全くそのとおりだと思っております。特に私が気になっているのは、我々の、科学的には例えば三か月掛けて上げた筋力といいますか、生活機能は三か月やらなければ元に戻るということはもう科学的な常識なんですね。そうしますと、あるときだけやってその後の受皿というのが今非常に、指摘もされていますが、我々が全国いろいろ見ていて、あるいは調査を掛けても非常に不足をしていると。ですから、その点を同時にやはり進めていかないと、結果的にはうまくいかないだろうというふうに考えております。

○足立信也君 はい、ありがとうございます。
 宮島さんにお聞きいたします。
 長野県の取組としましては、私たちは、手前みそな民主党の話になって申し訳ないかもしれませんが、今井先生を始めとして、地域全体あるいは県全体で健康というものを考えて、そしてまずは啓蒙活動、啓発活動を住民にやっていくんだと、それから医師はできるだけ、あるいは看護師さんも地域へ入っていくんだと、そのような取組、私は先ほどおっしゃったことがその一環であるような気がするんですね。それを受け入れられるような県民の感覚もでき上がっているんだと思うんです。だから、やはり一人当たりの医療費が日本で一番少ないし、健康寿命は一番長くなっていると、そういうことだと思うんです。
 そこで、内閣府がやられている国民の意識調査というもので医療従事者、これは医師や看護師あるいは介護に携わっている方々の意識調査で、最後はどこで亡くなりたいかという質問に対して、医療従事者は自宅が一番なんです。で、次が介護施設、その次が療養型の医療施設、そういう順番なんですね。ところが、医療に全然関係ない一般の国民の方の意識調査では、自分がどこで亡くなりたいか、一番は病院なんですね。二番が老人ホーム、三番に自宅が出てくるんです。
 ということ、医療従事者と一般の国民の方は大分違うということなんですけれども、このような取組で、できるだけ地域へ、地元へ、我が家へという取組の中で意識が変わってきているという感覚はありますでしょうか、あるいはそのような分析をされたことがあるでしょうか、今の国民の意識としては、長野県民の意識として、あるいは「さなだ」の方の意識としては違いがあるでしょうか。

○参考人(宮島渡君) 大変申し訳ないんですけれども、まだそういった意識調査はしてございません。今後、ちょうど合併することを機会にして今の福祉サービスについての満足度を調べる調査を今年度行いたいというふうに考えておりますが、これだけ整備が進んでおりますので、どのような結果が出るのかは非常に楽しみにしておりますが、そういうふうに進めていきたいと思っております。

○足立信也君 残りのお三方、大変申し訳ありません。時間がなくなってしまいましたので、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。

050613厚生労働委員会会議録より
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平成17年5月19日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。  今日の、衆議院の通過を受けて、僕は、皆さん、党の方はどう思われるか分かりませんが、できるだけ、可能な限り淡々と進めていきたいと、そのように思っております。  衆議院では非常に議論が進んだところと全く議論されていないところが、本当にその凸凹が激しいという印象をまず持っております。私は、介護に近い場所にいる人間の一人として、今日の質問は、一人の高齢者が、保険事業を受け、要介護者となり、やがて死に行くと、その過程の中でこの法案の問題点を一つずつチェックしていきたいと、そのような態度で臨みたいと思っております。  そこで、衆議院の議事録を見て、そのように検討しますとか、また、そのような方向性で努力しますとか十分に参考にいたしますとか、そういう答弁はできるだけやめてもらいたいと。これだけ、一か月議論しているわけですから、やはり大臣あるいは局長の、その時点で判断を示していただきたいと、そのように思います。そうでないと、百六十もの政省令によって決めるという法案を審議すること自体の妥当性が問われると私は思います。是非そのようにお願いします。  まず、先ほどの一人の人間の過程を追ってという、その前の段階として、前段として二点だけ確認したいと思います。前段という意味は、衆議院で質疑が行われて納得が得られたような形になっているわけですけれども、私には納得できない。その点をまず聞いていきたいと思います。その後に、本論としては、先ほど言ったような流れの中でやっていきたい。ということのまず前段の話に移ります。  先ほどの質疑でちょっと気になったので、その前にもう一問だけやらしていただきます。これは質問通告はしておりませんけれども、保険給付、介護保険給付の範囲の拡大については国民的な合意が得られていないから今はできないと。ということは、それ以外のことは国民的合意が得られているという感じにも聞こえます。  そこで、私は単純に教えていただきたい。これは大臣に教えていただきたい。この改正法案で何が改正されて、次に大事なことは、介護を受ける人にとって何が良くなって、介護をする側の人間にとって何が良くなるのか、だから改正なんだと。その点だけ教えてください。

○国務大臣(尾辻秀久君) これは、ただいまの御議論にも関係するわけでございますが、まず、介護保険を始めましてそして五年たったわけでありまして、それなりに定着をしてきたと思います。ただ、その間で利用なさる皆さんの数が大変増えてまいりました。そのために、私どもとしてはどうしてもこの介護保険という制度を持続可能なものにしなきゃいけない。この持続可能なものにするためにということで今回の見直しをしたことは事実でございます。したがいまして、持続可能なものになったということが一つの大きな今回の見直しだということでございます。  そして、その中で、私どもはこのたび予防ということを強く申し上げましたので、皆さんが、利用なさる皆さんができるだけ、より状態が悪化しない、そういうサービスを受けていただくというふうに考えておるところでございます。

○足立信也君 私の質問は、介護を受ける側の人間にとって何が良くなったの、良くなると仮定して改正したのか、介護をする側の人間にとって何が良くなる、期待しているのかということであります。  持続可能性というのは、法の持続可能性ですか。それとも、介護を受ける人間が、今まで介護を受けられてきた、その受けられるということを持続させようと。どっちなんですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今二つに分けておっしゃいましたが、それはとどのつまりは同じことであるような気もいたしますけれども、あえて二つに分けて言われましたのでお答えをいたしますと、それはやっぱり介護を受けられる方が、利用しようとなさる方が介護を受けられる、そのことを続けたいというふうなことが一番基本でございます。  したがいまして、先ほど、介護を受ける者、介護をする者にとって何が今度の改正でいいことなのかという御質問に対しましても、私がそうお答え申し上げたのは、介護を受けようとなさる方がずっとそのサービスを受けられること、途中で制度が破綻しました、もう介護受けられませんとなるようなことが最悪の事態でございますから、そうならないようにしたということがやはり一番介護を受けられる方のお立場からもいいことだと思うものですからそういうお答えをしたところでございます。

○足立信也君 介護を受けられることを持続可能にしたと、それだけは受け止めておりますし、またそれは本来の目的であると思います。  ただ、実際の介護を受けている人にとって何が良くなったか。それは、受けられる、これからずっと受けられるんだよと。これからずっとというのがよく分かりません。介護を受けている方の平均の介護を受けている期間って三年ですね。これから先ずっと受けられるという、今正に受けている人は何が良くなるんだということの回答にはなっていない。  それから、介護をする側の人間も今非常に厳しい労働条件の中にあって、この改正で何が自分たちにとって良くなるのか、それも答えられていない。この点は多分答えられないんだろうと思いますので、ここにとどまることはちょっと控えます。もう一度機会があれば。  今回の改正は、介護制度の持続可能性ですね、サステーナビリティー、要するにそこに本があるわけですね。年金に関しては、同じような持続可能性ということで、保険料を上げて、給付を下げた。今回の介護法の改正は、保険外負担を増やして、給付を下げた。そして持続可能性を高めたという論法だと思うんですね。  給付を下げるという内容としては、今現在の要介護度認定で要介護度一の方の七割を要支援に回すことによって給付の上限額を下げる。大体利用している方は五〇%程度の利用額ですから、要介護度を一ランク下げることによって、上限を下げることによって給付を下げると、この二点だと思うんですね。というか、実際そうなっているわけです。  ということは、保険外負担を増やすことの根拠として、方法として、居宅ですね、在宅と施設の不公平を挙げたと。で、不公平を是正するという論法です。これは多分同僚議員からこの後質問があると思いますので、この点は私は触れません。  給付を下げたこと、このことについてお聞きいたします。  要介護度一の七割を要支援にすることに、そのことの根拠なんですが、サービスの内容が悪いから、今までのサービスの内容が悪かったから、エビデンスはないけれども、予防の方がいいはずだと、これが根拠ですよね。この点は間違いないと思うんです、今までの議事録ずっと読んでいまして。今までのサービスの内容が悪いからその内容を変えるんだと。その点に絞って、サービスの内容が本当に悪かったのかという点と、予防の方が有効だと、この二点、この点をちょっと確認したいと思います。  厚生労働省はいつも島根県では島根県ではと何度も何度も繰り返しておられますが、この島根県のデータは日本医師会の日医総研のデータで、対象が七千八百七十八人。確かに、要介護度が悪化した割合が、要介護度一が三四・八%で、確かに高いです。でも、同じ厚生労働省の資料で、例えば東京都の十八万一千五百二十七人を対象としたものでは、要介護度が悪化した割合は要介護度二が最も多くて、次が要介護度三、そしてその次が要介護度一で二三・一%。藤沢市の四千九百六十二人のデータでは、要介護度が悪化した割合は要介護度三が最も多くて、次が要介護二、そして要介護四、最後が要介護一で二五・七%です。横浜市の五万二千八百五十二人のデータでは、要介護度が悪化した割合は要介護二が最も多くて、次が要介護三、その次が要介護一で三一・八%ですよ。まだありますよ。仙台市、これも要介護三が最も悪化している。熊本県、要介護度が悪化したのは要介護二が最も多い。六つデータあるんですね。サンプル数は、島根県はかなり少ないですよ。  極め付けは、厚生労働省大臣官房統計情報部で行った実態調査です。これは、平成十五年四月から平成十六年三月まで一年間継続して介護サービスを受給した者が対象です。二百二万人です。全国調査です。しかも、最も最近です。これによると、要介護度が悪化した割合が最も高いのは要介護三で二九・九%、次が要介護二で二七・九%、次が要介護四で二二・〇%、そして最も低いのが要介護一で一八・〇%。これは、皆さんお持ちになっている参考資料にそのまま出ているものですね。  私の言っている質問、よろしいですか、私の言っているこのデータ、今のデータは正しいですよね。

○政府参考人(中村秀一君) ただいま先生がお示しになりましたデータは、私どもの「介護予防についてのQ&A」、平成十六年十二月から抜粋されたものと承知しておりますので、そういう性格の資料でございますので、資料自体については、私どもが集めまして御提供したものでございます。

○足立信也君 では、その中でサンプル数も比較的少なく、ほかのデータとは結果として異なっている島根県のデータを、なぜいつも島根県では島根県ではと言うんですか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  例えば島根県のデータなどが最初に御紹介、私どもの手で御紹介いたしましたのは、私どもの研究会であります高齢者リハビリテーション研究会などで引用をされているものでございます。この島根県のデータは、今委員が御紹介ありました各地のデータ、要介護認定の結果を時系列を追って、ある時点で要介護認定、要支援から要介護五までの六段階に該当した人が一定期間経過後どうなったかということを最初に行ったのが島根県のデータであり、我々、そういう分析が可能なんだということを島根県のデータによって教えられたと。  当時、私ども高齢者リハビリテーション研究会などでやり出したときに、検討し始めましたときには、そういうデータというのはまず日医総研のデータしかなかったということが第一点でございます。その後、こういう分析なり、そういったことが各地で行われるようになってきたということでございます。私ども、先ほど私どもの資料でいろいろなところのデータをお出ししておるように、厚生労働省なり老健局が島根県のデータだけを今言っているわけではございません。

○足立信也君 分かりました。すべてのデータを参考にするということだと思います。  先ほど言いました、とりわけ厚生労働省大臣官房統計情報部が行った調査、二百二万人の調査、これに基づいてお伺いします。  先ほど私が細かく言いました。今何をやっているかというと、これはサービスが悪かったと、その証拠として出していることの真偽を私は問うているわけですね。その厚生労働省がまとめたデータで、先ほどのデータのように、なぜ重度化率が高い要介護二、三、四、このサービスの見直しを悪いと言わない、あるいはこの見直しをしようと言わない、そして一番重度化率の低い要介護一、このサービスが良くなかった、だから変えるんだと。この論法はおかしいと思いますし、なぜ要介護一だけが対象になっているんですか。サービスが悪かったという面に関してですよ。

○政府参考人(中村秀一君) まず申し上げますと、委員は要介護一から五まで御紹介されておりますが、要支援のデータもございまして、実は一番悪化が、そういった意味で私どものデータで悪化率が高いのは要支援でございまして、三〇・一とか三一・八と、そういうことでございます。  私どもが、今の委員の御質問にお答えいたしますと、どういうことかと申し上げますと、要介護二以上を余り着目しないで要支援、要介護一に着目するのはどうしてかということでございますが、第一点は、この五年間、要介護認定該当者二百十八万人から今日では四百万人を超える四百、最新の数字では七万人になっておりますが、伸び率が一番高いのが要介護一、要支援でございまして、全体の要介護認定者に占める割合も四九%ということで、ほぼ要介護認定者の該当者の半数を占めるに至っていること、二百万人おられるということが一つ。ボリューム的にここの部分が一番伸びておりますし、費用増加増の一つの大きな要因になっている人数増の大半がここの部分であるというのが第一点でございます。  第二点は、これも要介護認定のデータが様々出てきたことで分かってまいったことでございますが、軽度の方、要支援や要介護一の方の要介護になった原因疾患が中度、重度の方とはかなり異なり、脳血管疾患や認知症の割合が他と比べて低く、様々な要因によって生活活動が不活発になり、生活機能が低下する部分が要支援、要介護一で極めて高いという点。要支援、要介護一、こういった方々に対して適切な介護サービス、予防サービスが提供されれば今以上に生活機能の維持あるいは改善ということ、あるいは重度化の期間が遅くなるということが可能になるのではないかと。そういう観点から、要支援、要介護一の方々を対象とし、要介護一の中で、現在要支援の方については予防給付の対象になっておりますので要介護一の中から、その中でも介護予防の対象としては困難な方々を除いて、要介護一の方々の中から介護予防に適切な方々を選び出し、そういった方々に対しては予防給付の対象としようと考えたわけでございます。  予防給付の内容も、今の予防給付は、先ほど御議論あったかもしれませんが、予防給付の内容も他の介護給付の内容とメニュー等同一でございますので、そういった点では予防給付のサービスの内容についても予防重視という観点から見直しをすることとしたいと、こう考えて御提案しているわけでございます。

○足立信也君 今二点に分けて答えられましたので、二点に分けて言います。  先ほどからずっと、というか、ずっと議論の最中から、介護保険って社会保険ですよ。で、定着した定着したって、まあ自画自賛という言い方がいいのかどうか分かりませんが、定着したと。その根拠は、利用者が増えてきた、伸び率が非常に高いってさっき言いましたが、利用者が増えてきた、これは定着したんだという中で、では利用者が一番増えてきたところはやっぱりちょっと外さないとっていう答えですよね。この第一点目は、まずその論法が言っていておかしくないですか、社会保険として。  で、二点目。私が聞いたのは、サービスが悪かったからその内容を変えるといいますか、サービスそのものを見直す、そのための根拠として要介護一が、要介護一にふさわしくないとか、それを要支援に回していきたいんだと、七割がそちらに回るんだと。動くのは要介護一のところだけなわけですよ。それは要介護一のサービスが悪かったからという説明で今まで来ているわけですよ。そのことに対しては答えていないじゃないですか。先ほどの私が出したデータで、要介護一が、一に対するサービスが悪かったということがどこにも示していないじゃないですか。私が聞いているのはそこですよ。要介護一のサービスが悪かったから、この要介護一の人たちの七割を要支援に移してサービスを変えるんだと。悪かったということを、先ほどのデータは正しいと、そう答えられました。悪かったという証明が全然できてないわけですよ。そのことについてはもう一度、回答ができるんであれば、お願いしたいと思います。

○政府参考人(中村秀一君) 先ほど申し上げましたように、要支援、要介護一の方々については、委員はそれほど悪化する程度が他と比べて差がないではないかという御指摘だったと思いますが、私どものただいま申し上げました考え方からいえば、要支援、要介護一になった原因疾患などの在り方からいえば、要支援、要介護一の人たちが要介護二以上の方々に比べて維持の度合いが今より高くてしかるべきではないかと。それはもっと、私ども、現行制度でも要支援の方に対しては予防給付と、こういうことでやっておりますけれども、やはり予防給付として十分ではなかったのではないか。  それは、サービス内容という、具体的な個々のサービス内容ということだけではなく、予防を重視していくという観点からのマネジメント、それからケアプランの作り方、そういったこと、それを含めまして見直していく必要があるんではないかと考え、その見直す際に、要支援の方だけではなく、予防給付の対象としては、現在要支援の方ですが、要介護一の方の中にもそういう方がおられるんではないかということで、要介護一の中から予防給付の対象者を、該当をする部分を作るということで、今回提案しておりますのは、委員御指摘のとおり、現行制度でいえば現在百三十三万人くらい要介護一の方がおられますが、この方が要介護認定、定期的に認定の更新がありますので、認定更新のときに受けていただいて、法律が施行されればでございますが、要支援二に該当する方であれば、予防給付のプログラムの方に移行していただくということになると。それから、これから新たに要介護認定を受けられるという方の場合には、要支援一、要支援二に該当することになれば、その方については予防給付の対象になると、こういう制度を提案しているところでございます。

○足立信也君 答えてない。要介護一のサービスが悪かった、その根拠を教えてくれと言っているんですよ。さっき私が出したデータは正しいと。それ見たら、どうして要介護一のサービスが悪かったと言えるんですか。そのことの答えはしてないですよ。

○政府参考人(中村秀一君) 申し上げていますように、要介護一の方の中で、生活不活発病と申し上げますか、そういうカテゴリーに該当することが非常に高いと、そういう方々に対して予防の観点から現行サービスを見直せばより改善が図られると、こういうことを提案しているわけでございます。  委員は、これまでの衆議院の議論等を踏まえて、サービスが悪かったからというふうに要約されておりますけれども、私どもの整理というのはそういうことではないので、そういう要約と違うといって答えていないというふうに言われるとなかなかつらい点があるので、そこをよろしくお願いしたいと思います。

○足立信也君 先ほどからの私の説明は、十分僕は論理的に話していると思いますよ。やはりそこを見直す、介護を受ける側の人間にとって何が良くなるのかって、今までのサービスが悪かったから、サービスをこれ変えれば良くなるんだということがないわけです。  今の局長の説明でいくと、じゃ、なぜ要介護一の人を、原因となった疾患別にきちんと分けて、その中のこの疾患が原因で今の要介護一の状態で、特にどこが悪い人が今のサービスではやっぱり駄目で、今のサービスでも良かったという人はいるわけですから、そこら辺はきちんと分けて出すのが当たり前じゃないですか。その要介護一の人は、全体で見ながら、全体で見ながら、その介護を受ける側の人間にとって何が良かったか、それは状態がどうだったから良かった、そういう分析が一切なくて、全体、マスと見て、一番利用者が増えてきた、そして一番定着したと言える根拠になっている人たちのサービスが悪かったからそれを変えていくという論法なんですよ、これは。そこの説明ができていないということを言っているわけです。それは皆さんそう感じられるんじゃないかと私は思うんですけれども。  少なくとも、要介護一の中で、やはり原因と、そして今の介護状態になった人、それを区分けして、どの状態の人には今のサービスは駄目だった、どの状態の人には今のサービスが良かった、その分析がないと変えるという根拠にならないですよ。そう思います。それぐらいのことは、僕はできると思うんですね、二万人のデータがあるわけですから。それを集計しているんですから、去年の三月までのデータを。この一年間何やっていたかという気がします。  僕は、前段の話をしておりますので、前段の中でもまだその一項目めの話をしているんで、なかなか時間の配分難しいんですが、いま一つ気になったのは、軽度者の人は維持率が高くて当たり前だと、これは衆議院の議論から大臣も含めてそう、もっといいはずだという答弁されているんですが。六十五歳以上の人で自立の方々がいる。ところが、表現悪いですけれども、介護が必要になってくる、これはある意味、今までぎりぎりで頑張っていた人がちょっと坂道を下り始めたような状況だと私は思っているんです。それに時間スケールが加わって、残念ながら、平均の介護期間というのは三年ぐらいで、介護も受けない状態になっていくわけですね。その坂道を下り始めたその段階で、これをその時点、最初の時点というのは物すごい力が働いていますから、当然車も発進するときは最初の力が一番でかいわけですから、その状況でそれを維持するだけでも大変だと思うんですよ。それを改善するのはもっと大変だと私はとらえているんです。ただ、軽度だからもっといいはずだというのは、僕は間違えていると思います。  それから、もう一つ気になっているのは、委員会の中でも、要支援だから歩けるはずだとか、要介護一だから身の回りのことはできるはずだと、もうはずだはずだというのが、要介護認定の仕組みから考えていろんなファクターがあって、最終的にトータルのスコアで時間が出ていくわけですよ。要支援だから絶対に歩けるはずだというイメージで、イメージで語られるのはちょっとやめてもらいたいと思うんですね。そんなことは言えないわけですよ、トータルのスコアですから。この点だけ、気になりますので言っておきたいと思います。  サービスが悪いからそのサービスを見直すということの証明はできていない、これは現時点での今までの話の取りあえずの結論だと思います。  次に、前段のやっと二点目に行きます。  では、予防の方が有効だと先ほどもおっしゃいました。介護状態になるのを予防するサービスには科学的根拠が必要だと、そしてエビデンスのあるものを介護予防の予防サービスとしてやっていくんだと、これ今までずっと委員会通じて説明されている。このことはまさか前言を翻すことはないと思いますが、多分そういうことだと思います。それで、介護予防が有効だと、そのエビデンスがあるものだけをやるんだと。で、昨年度行われた介護予防市町村モデル事業、このことについて科学的根拠を得るために多分行われたんだろうと思います、国としてやられたことですから。  で、御質問いたします。この事業、介護予防市町村モデル事業、この事業の目的は何ですか、そして昨年度使われた費用、それは幾らだったんですか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  この市町村モデル事業でございますが、今度の制度改革において、予防重視の観点から新たな予防給付を制度的に位置付けることとしていると。それで、制度的に位置付ける内容といたしまして、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上等を掲げたわけですが、これらにつきましては、私ども、様々な文献的な調査によって科学的根拠があるとされているわけでございますので、その対象としようと、こう考えたわけでございますが、その制度を実施するに当たりまして、円滑に市町村に導入していくための実施上の問題点を把握するために、平成十六年度六十九の市町村でモデル事業を実施いたしました。  その際、補助が必要な市町村については国、都道府県から補助を行ったところであり、四十七の市町村からの補助の申請に基づきまして、合計七千万円の国庫補助を行っております。一市町村当たり平均百五十万円の補助となっております。

○足立信也君 ちょっと目的のところが明確な答弁じゃなかったと思います。  私が持っている概要では、事業目的、軽度の要介護認定者を中心に介護予防サービスを重点的に提供し、その効果測定及び評価分析を行うとともに、事業実施に伴う問題を把握し、介護保険制度の見直しに資することを目的とする。効果の測定とそのサービスの評価、そして問題点、この三つですよ、この三つを目的にこの事業はされたと。まさかそれは違うとはおっしゃらないと思いますが、その三点について伺っていきます。  まず、中間報告しか私の手元にはありませんし、皆さんもそうだと思いますが、これは最終報告はされるんだと思うんですね。ということは、今、私、目的を特に要約して三点言いましたが、最終報告でその介護予防サービスと言われるものに効果があるというエビデンスが得られなかったとき、最終報告で効果あると言えなかったと、そのときは、このサービス、介護予防サービスというのは導入するんですか、しないんですか。

○政府参考人(中村秀一君) 御説明をいたします。  非常に、私ども、先ほど申し上げましたように、この三点につきましては、内外の調査研究によって厳密な意味でのエビデンスが得られていると、こういうことで三つの項目を立てておりますが、モデル事業を実施してみまして導入するのにふさわしくないと、こういう結果が出た場合には、やはりメニューに入れるということは見合わせると、こういうことになろうかと思います。

○足立信也君 ふさわしくないというのは、効果がないということも含まれているんですか。

○政府参考人(中村秀一君) それも当然含まれると思います。

○足立信也君 じゃ、この事業の目的、効果の測定及びこの各サービスが有効性があるかどうかの評価の分析、そしてそのサービスの問題点、この三つでした。その目的に対応する結果及び、結果というのは中間報告の段階でやむを得ないと思いますが、結果と及び得られた結論、これを教えてください。

○政府参考人(中村秀一君) 委員からもお話がございますように、中間報告になっております。そもそもこの事業につきましては、私ども、分析評価の委員会も置いてやっておるところでございますし、調査についてもその委員会とも御相談しながらも調査しているところでございますので、もちろん最終的な評価分析も専門家も含めて行うことといたしたいと思いますが、中間報告で出た結論を、中間報告の段階で私どもの責任で見いだした結論を御報告申し上げますと、市町村モデル事業につきましては、軽度の要介護認定者に対して、先ほど来お話ししている目的で実施しているわけでございますが、これまでの市町村から提出された報告書によれば、文献等による研究報告と同様に、身体機能等の改善効果が得られることが確認され、さらに、プログラムの内容については参加者を巻き込んで楽しさを出す等の工夫が必要、補助員として活動できるボランティアの確保が必要、対象者の身体レベルから見て送迎が必要といった実務上の課題も明らかになったところでございます。  今後、市町村のモデル事業の結果を踏まえて、その安全かつ効果的な介護予防サービスのための体制整備等に努めてまいりたいと考えております。

○足立信也君 中間の結果だけれども各サービスは効果が得られたと、今得られているとおっしゃいました。  ちょっとここから先は専門的になって申し訳ないかもしれませんが、この事業そのものの意義があったのかどうかについて言わせていただきます。  この事業の報告を見てますと、介護サービスの前後で測定あるいは判定していますね。で、差があったかどうかを検定している、ちゃんと詳しく書いています。パラメトリック、つまり連続変数には対応のあるt検定、それから要介護判定度や歯肉炎の有無などノンパラメトリックなものにはウィルコクソンの符号付順位和検定、これをやっていると、こう書いています。  それなりに配慮しているように見えます。でも、この方法では、サービスの前後で有意な変化があったかどうかしか分からないんですよ。つまり、効果があったかどうかって分からないんです。常識として、ある治療法あるいはあるサービスが効果があったかどうかを検定するには、それを受けた人と受けなかった二つの群がないといけないんですよ。当たり前なことなんですね。で、それ以外の条件は可能な限りそろえなければ意味がないんですよ。  また、その場合、検定方法も全然違うんですよ。これは前後で比較しているから、詳しく言いますと、反復する分散分析、リピーティッドアノーバというんですけど、これはもう全然やられてないです。分かりますよね、僕の言っている意味。  例えば、ここに糖尿病の患者さんが二十人いる。で、やせなければいけない。で、一日十分間のジョギングを一か月やってもらったと。その結果、非常に有意差を持ってやせることができた。で、一日十分間、わずか十分間のジョギングは大変有効だったと言えますか。実は全員厳しい食事制限をしていたと、あるいは十分間ではとても足りない、そんなの効くわけないだろうと思って自主的に一時間ジョギングしていたと、こういう人が当然いるわけですよ。そんなものを比較しても何の意味がないわけです。  実は、一昨日、西島先生が提出した資料で、機能訓練中は運動や散歩を心掛けると、非常に意欲的になって心掛けている。ところが、訓練が終わったら何もしなくなるというデータ出されていました。それは、これをやるという意欲が高まって、プラスアルファのことを頑張ってやっているんですよね。で、モチベーションが高くなるということなんですよ。  で、確認します。このモデル事業には、介護予防サービスを受ける群と受けない群の二群が設定されているんですか。

○政府参考人(中村秀一君) 幾つか申し上げた方がよろしいかと思いますが、そういった意味で私どもが文献調査で根拠があるというのは、委員が指摘している意味で対照群をつくりきちんとやられ、言わば医療などで言っているEBMにふさわしい研究成果があるもので選び出されたのがこの三つのメニューだということが第一点でございます。  そういった意味で、私どもも、この市町村のモデル事業をやる場合には、むしろ、導入するに当たってどういう問題点があるか、またその市町村でこういう形のモデル事業をやればどういう前後に変化があるかと、そういったことを調べることが市町村レベルでは行われているということでございます。  六十九の市町村モデルに参加した市町村のうち、十市町村においては介護予防サービスを受ける群と受けない群が設定されて事業が実施されたところがございます。こうした市町村の事業結果についてもこれから分析を行っていきたいとは思っておりますけれども、お答え申し上げますと、その対照群が設定されているというのは十市町村でございます。

○足立信也君 対照群が設定されたのは六十九のうちの十という意味ですね。で、その分析で効果があるかどうかはこれから解析するということですね。  じゃ、このモデル事業は、介護予防サービスを受けた方ですね、受けた方は無料ですよね。で、自治体職員のほか、医師、保健師、看護師、理学療法士がかかわっていますね。彼らの報酬はどうなっていますか。

○政府参考人(中村秀一君) 市町村モデル事業におきます、いろいろメニューございますが、筋力向上に携わった方々の平均的な配置状況を見ますと、配置人員が四人で、主要な職種は理学療法士、作業療法士、保健師、看護師、運動指導士などでありましたし、参加するに当たってこういう方は駄目ですよというふうなことは言っていますので、メディカルチェックなども必要になったと思いますので医師の方々の御協力もお願いしたと、こういうことでございます。  今回の市町村モデル事業におけるこれらに従事した方の報酬については、実施市町村で独自に定められているところであって、その額については私ども把握はしておりませんが、市町村が業務委託や雇い上げを行う際の標準的な額を参考として支払われているんではないかと思いますし、もちろん、市町村の職員の方が従事されている場合には、業務として従事されていますので特段の支出がないと、こういうふうなことも考えられると思います。

○足立信也君 分かりました。  こういう事業をやるときは条件設定が非常に大事だということと、もう一つ大事なことは、例えばサービスを受けた人が無料だったり、報酬が、この法の中で、将来それが施行されたときに受けるような報酬であり、なおかつ負担も同じような設定でないと、その事業のときだけ特別なことをしたということでは意味がないんですね。その点を十分御理解いただきたいと思います、私の言っていることをですね。  それから、先ほど十の市町村でとありました。これ、後の答弁のときで結構ですが、その十の市町村では合計何名かだけ教えてください。それが評価の対象に値するかどうかということになりますので。  で、先ほどから言っていますように、サービスを受けた人と受けない人の設定がないと、そもそも効果の判定はできないということはもう紛れもない事実なんですね。ですから、そういうペアでやったところをこれから解析するという答えなんですが、この方法で、この事業の中で一つだけ言えることがあるんですよ。それは安全性なんですね。医療とか科学の分野で第一相試験。要するに、こういうことをやってみたらそれが安全だったかという検定にはなるんですよ。そのことについて、このモデル事業中にけがをした人あるいは具合が悪くなった人、あるいは起きた事故が何かありましたか。

○政府参考人(中村秀一君) このモデル事業中に事故が起きたというケースは聞いておりませんけれども、例えば、参加者の中で途中で、何と申しますか、具合が悪くなってリタイアされた方とか、そういった方々で中断されたようなケースと、こういう方がいたことは報告されております。

○足立信也君 それは、この特別な介護予防サービスが原因でそういう途中で中断するような、事故とは言えないけれども、不都合なことがあったというためには、やはりふだんの、今まで行われていたサービスではどれぐらいの頻度があってという比較が必要だとは思うんですね。  そこで、中間報告から中間的な結論でやむを得ないわけですけれども、一番最初に戻ります。このモデル事業で、今言った、私が話を申し上げたようなことを踏まえて、介護予防サービスは有効であったと、あるいは安全であったという根拠は得られたんですか。

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  安全の点でございますが、ちょっと資料が見付からなくてはっきり申し上げられなかったんで、お答えさせていただきますと、参加者のうち一四%の事業中断者がおられたということでございますけれども、モデル事業の実施において事業参加者が負傷したと、そういう報告はございませんでした。  中断ケースは、本人の事情によるもののほか、家庭の事情、例えば配偶者の方が入院、介護、死亡等によるものが多いと。本人の事情としては、既往症の悪化が多いと。このほか、家庭内での転倒、風邪、検査入院等のこと、また他の参加者との関係により本人の参加が拒んでいるケースなどがあったと、こういうことが報告されております。  効果につきましては、私ども、委員のおっしゃる意味で、委員の定義では効果がないと、こういうことかもしれませんけれども、私どもでは、要介護者の握力や下肢の筋力などの身体機能、生活機能、QOL等、多くの評価指標において事業参加前後の値が統計学的に有意に改善しているとの結果が示されているということでございまして、このモデル事業で一応結論が得られたのではないかと考えておりますが、これはあくまでも私どもの分析でございますので、先ほど申し上げましたように、専門家も入れて評価をしていただきたいと考えております。

○足立信也君 ちょっと今の、僕はさらっと流そうかと思ったんですが、ちょっとそういうわけにはいかない答弁だったので。さっき、十の市町村で何名かというのはこの機会に教えてくださいって、まあいいです、その点は教えてくださいね。  それから、一四%が中断したと。これ、先ほどから言っていますように、無料なんですね。かなりモチベーション高くて意欲的な人が選ばれているわけです。で、一四%が中断したんですよ。だとすれば、実際これが介護保険法の中身でやるようになったら、これは中断はかなり増えるだろうなという予測は立ちますね。  それから、先ほど統計学的な有意差が得られたとおっしゃいました。これはだから、さっきから何度も言いますように、前後で変化があったということの証明にしかなってないんですよ。もう非常にモチベーション高い人がその間にどういうことを頑張ったかということは一切考慮されてないわけですよ。ですから、その表現はやめていただきたい。  ということを、私の意見を踏まえてもう一度お願いします。人数と、これは一四%中断というものをどういうふうに評価しているか、安全性に関してですね。それから効果。

○政府参考人(中村秀一君) 人数の点ですが、今、十市町村の人数直ちに出ませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。  その一四%の中断者の評価ということについては、どう評価すべきか、我々の方も更に検討をさせていただきたいと思います。  ただ、安全性という意味での御質問でございましたので、先ほど申し上げましたように、何かプログラムに参加することによって障害が生じ、それで中断しているわけではないと、こういう意味で御説明を申し上げました。

○足立信也君 いや、効果の評価についてもちょっと言及してほしいとさっき言いました。サービスの前後で有意な変化があったということは私は認めますよ、それは。ただ、それが介護サービスの統計学的に有意な効果があったと先ほど表現されたので、それは間違っていませんかということを言っているんです。

○政府参考人(中村秀一君) 私も、御答弁するときに、委員の方の見解からすればそれはそういうふうに評価されないとは思いますけれどもと申し上げたつもりでございます。  で、申し上げているとおり、私どもがこのモデル事業をいたしましたのは、文献学的に効果があると、こういうことで私ども導入自体を考えましたこの三種類の新規メニューについて、実際、市町村で実施するといった場合に、どういう実務上の問題があるのか、そういったことを検証するためにモデル事業を実施しているわけでございますし、市町村といっても、委員からも御指摘がありましたように多種多様でございますので、いろんな体制のところがあると。もちろん、調査としてきちっと規格がということの御指摘もございましたけれども、逆に言うと、我が国で導入する場合に、全国の市町村で行うとすると、いろんなバリエーション、いろんな状況の下で実施しなければならないわけでございますので、そういう市町村の、現実の市町村の中で、制度的にまだ確立しておりませんので、モデル事業でありますから、費用が一割の御負担いただけるとかいただけないとか、そういうことはあるかとも思いますが、とにかく現地でやってみると、こういうことでやった結果ということを御理解いただきたいと思います。

○足立信也君 まあ、七千万円掛けてとにかくやってみようという結論しかなくて、効果の判定にも資することはできなかった。中断の原因、中断の数から考えると余り安全性も高いとは言い切れないところがあるな、それぐらいの結論しか得られないですね、現時点では。そうだという認識を持つしかないと私は思います。  実は、御存じだと思いますが、私、筑波大学で教鞭を執っておりました。同じ大学で大洋村というところで高齢者の筋力トレーニングのプロジェクトをやっていました。高い評価を得ていますね。私は筋力トレーニングは有効だと思っているんです。そういう前提で私は話をしているので、だからはっきりした検証をすべきだと言っているんです。国民のコンセンサスが得られていないから受給者の拡大はできない、でも、このことに、予防に関してはきちんとした、自分たちもモデルケース、モデル事業をちゃんとやって検証できたんだということを示してほしいんですよ。  そういうことがあって、事業をやるからには、お金を使うからには、それがきちんとした結論が出せるもの。先ほど最終報告を出すと言いましたが、私は、この事業を結論を持っていくやり方でもし出されたら、非常に恥ずかしい思いをすると思うんですよ。事業のセッティングができていない。目的に合った、目的に即した結論あるいは結果を得るための事業の内容じゃないんですよ。だから、最終報告でどの程度がオープンされるか分かりませんけれども、世界の非常識だと言われないように。解析の仕方は、これでも、これ工夫すれば効果があったかどうか本当に解析する手だてはあります。それはお聞きに来てくだされば説明します。  前段の話がここまでになってしまいましたので、やっと本論に入っていきます。  私は、一人の高齢の方がどういう形で歩まれていくのかなという図がありますね。これは厚生労働省作られたもので、それに沿っていきたいと思うんです。  まず気になるのが介護予防のスクリーニングですね。このスクリーニングの結果、非該当者、あるいは要支援、要介護になるおそれのある者、あるいは要支援、要介護者である可能性が非常に高い者、この三類型に分類されるわけですね。これはもう間違いないと思うんです。  まず、基本的なところで、だれが、どこで、どのようにやるのか。おそれのある者と可能性の高い者を分けるなんというのは主観的な判断では絶対できませんよ。どうやって分けるんだろう。一つの可能性としてはスコアリングだと思いますけれども。実際に、基本的なところで、だれが、どこで、どのような方法でやるんですか。

○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。  結果的には先生おっしゃるように三分類ということになることは事実でございます。  まず初めに、要支援者、要介護者、この問題につきましては、基本的に本人の申請によって介護認定の審査会を通りまして審査、判定をされ、そしてその際に介護保険の非該当者である場合も若干あるかもしれませんが、そこで判定をされるということになります。また、介護保険の該当者である場合には、その後、要支援、要介護一から五までのどの区分になるかということについては今までどおりの作業ということになります。  一方で、今回新たに始まります地域支援事業の介護予防事業、これにつきましては、高齢者が要支援、要介護状態になることを予防するという観点から初めて実施されていくものでございますが、要支援、要介護状態になるおそれのある方を対象にという実施を考えているところでございます。  具体的にはこの対象者をどういうふうに絞るかと、こういうことでございますが、そのために、生活機能が低下している方を的確かつ早期に発見して、そして集中的な対応を今後行っていくということが重要だということで、まず介護予防の観点から実施するスクリーニング、それから主治医さんからの、医療機関からの連絡、それから要介護認定を行ったときの非該当者の把握をする、これ認定漏れの方ですね、それから保健師等によるふだんの訪問活動等による実態の把握というような様々な手段によって把握いたしました対象者、これを効果的な介護予防サービス、対象者を効果的な介護予防サービスに付したいというふうに考えているところでございます。

○足立信也君 だれが、どこで。

○委員長(岸宏一君) だれが、どこでという今質問あったんだけれども。中村局長。

○政府参考人(中村秀一君) お答えします。  要介護認定、つまり介護保険の給付の方のサービスを受けようとされる方は、御本人の申請になりますので、要介護認定になります。要介護認定は市町村が行いますので、市町村が実施すると。要介護認定審査会で決定することになりますので、そこの決定者は市町村要介護認定審査会ということで、これは従来と同じでございます。  介護予防事業、その非該当者、手を挙げない方も含めた非該当者の中で委員はどういう人を選び出すんだろうかということでありますが、この地域支援事業は市町村の事業でございますので、だれがということになりますと、市町村になります。  それから、いろんな経路で入ってくるということを副大臣から申し上げましたとおりでございまして、能動的に市町村が例えば介護予防事業を実施するので参加されたい方といって希望者を募り、その中でスクリーニングをするということになると、市町村が例えばある会場、公民館や保健センターに来ていただいていろいろスクリーニングをするということになろうかと思います。  それから、主治医からの連絡とか保健師さんの実態把握というのは、主治医の方から市町村に、要介護認定非該当者も市町村の方で把握できますので市町村と、こういうことになります。  実際上はこの地域支援事業の介護予防のマネジメントは地域包括支援センターで行っていただくという仕組みになっておりますので、市町村の方はこの地域包括支援センター、それは市町村がどこに置くかということは市町村の御判断でありますが、物理的な場所なり部署としては地域包括支援センターがここに当たるということになります。

○足立信也君 西副大臣の答弁の中でも、まだ足りないというか、私が聞いたことでお答えになっていないところがあるんですね。要支援、要介護になるおそれのある者と、要支援、要介護の可能性の高い者をどうやって分けるのかと、客観的に。全国共通ですよ。そこを聞いているんですよ。  どこでというのは、先ほどいろいろ例を挙げられました。それは、地域包括支援センター、そこにいる方の主体性に任せられているようなところが、そういう印象を持ってしまうんですね。だから、全国一律で介護予防のスクリーニングをしようと言っているわけですよね。スクリーニングするから来てくださいって、来る人だけを対象という考え方じゃないと思うんですよ。  そうすると、統一の尺度がなきゃいけない。同じような物差しがなきゃいけないわけですね。あるところでは、これは、いや、要支援あるいは要介護になる可能性が非常に高い、あるいはおそれがあるってある地域では思っても、こっちの地域では全然思わない。思わないのは勝手ですよ。だから、同じようなスケールがないとその区別ができないんじゃないかという話を先ほどしたわけですね。  で、これから考えますと言われたら何も、元も子もないので、もうこれだけ長い期間議論しているわけですから、全国統一性、客観性、それからおそれのある者と可能性の高い者、それから非該当の者、どうやって分けるのか、どのようなスケール、物差しを用意しようとしているのか、はっきり答えてください。

○副大臣(西博義君) 非常に難しい課題でございまして、全国統一のということでございますが、今後研究班において客観的な、いわゆるスコアのような判定票を作らしていただきたいと思っております。(発言する者あり)

○足立信也君 代弁していただきました。  やっぱり、ここまではでき上がっているよとか、具体的にこういうイメージでできている、例えば、一例は要介護認定の一次判定、これに近いものを出しますよとか、これを利用しますよと。それであればまだ許せますよ。でも、ここまで話が進んでいて、最も入口のところで、おそれのある者と可能性の高い者を分ける手段は今のところ提示できないって。それじゃ何を議論すればいいのか。今ここにいる高齢者の方はその判定を安心して受けられるのかと。分からないじゃないですか。  できるだけ淡々とやります。  で、今、スコアリングのようなものは考えていると、これだけはおっしゃっていただきました。要支援、要介護になるおそれのある者は将来地域支援事業として介護予防サービス、これを受けていただく、そういうことになるわけですね。その中には痴呆予防、うつ予防、閉じこもり予防というものも入ってくるわけですね。となるならば、スクリーニングの段階でおそれのある者を峻別するためには、痴呆度の判定、それから精神科的な抑うつ度の判定、それから口腔ケアも入ってくるわけですから歯科健診、そういったすべてのことがこのスクリーニングの段階で入っていないとおかしいですよね。その点についてはどうですか。

○副大臣(西博義君) 御指摘のように、それぞれ痴呆度の判定、抑うつ度、それから栄養状態も含めてでございますが、歯科衛生というような項目が今後入ってまいります。このために、介護予防のスクリーニングにおいてはそれらの状態を把握するということは必要なことでございまして、そのための問診の項目、それから検査の項目等を、これはそれぞれの項目に対して盛り込むことにしております。  この具体的な内容につきましては、この項目を盛り込むということは今のところきちっと私どもはしておるんですが、どういう形で、問診票という形でするかということについては今後更に検討をしていきたいというふうに考えております。

○足立信也君 盛り込むことは間違いないわけですね。ちょっとごめんなさい、確認だけさしてください。痴呆度の判定、抑うつ度の判定、これ精神科的なことですね。歯科の衛生に関して、これも全部盛り込むということですね。──分かりました。 じゃ、スコアリングがそれで果たしてできるのかなと非常な疑問を持ちながらも、盛り込むということは私は賛成ですし、そうしないと制度が成り立たないので、その点では理解しました。  ちょっと私気になっている、今私が言っているスクリーニングの段階の話は、先ほど、要介護認定で非該当となった人が重点的なことのどうもニュアンスでとらえられたんですけれども、介護予防のスクリーニングで、これは要支援・要介護者になる可能性が非常に高いという人は、依頼して、その人にその旨説明して要介護認定を受けてもらうわけですよね。そのように指導するわけですよね。  そこで、この図を見ますと、厚生労働省の図を見ますと、要介護認定を受けて非該当になったと。したら、またスクリーニングに戻ってくるわけですよ。それでまたスクリーニングをやると、これは可能性高いから要介護認定を受けてください。それで非該当。ぐるぐるぐるぐる回るんですよ。そういう説明の図なんですね。ですから、さっき私が非常に、要介護認定に近いようなスコアリングのものじゃないと、おそれのある者と可能性のある者は峻別できないし、この図からいったってぐるぐるぐるぐる回ってしまうわけですよ。一体どこに行けばいいのかという話になりますよ。それで、先ほどから、全国共通な物差し、一次判定に近いようなものを考えているんじゃないかという例示をしたんです。  そのスコアリングは目指したいという話は分かりました。一次判定に近いものを考えているんでしょうか。そのことだけ。

○政府参考人(中村秀一君) 委員がおっしゃっている、私どもの図を見て御疑問を感じていることはよく理解できました。  地域包括支援センターに保健師さん等がおられますから、その方々が地域で非常に虚弱になっている方を発見し、この方々はむしろ地域支援事業の対象者というよりは介護法の給付の対象者、新予防給付か介護給付かは別として、介護給付の対象者じゃないかということで要介護認定の方に回ると、こういうことは私どもは十分あり得ることだと思っておって、介護予防スクリーニングの方から要支援・要介護者は要介護認定の方に行くと、こういう方向性を出しているところでございます。  また、御自分が手を挙げて要介護認定を受けられましたけれども、まだ要介護認定で該当される程度ではないと、こう見られた方、これは御本人の自覚としては自分はいろんな援助が必要だと、こう思われている方でありますので、そういった方は言わば地域支援事業という受皿の中でその方の不安を解消し、またその生活機能の維持向上を図っていただきたいということで、非該当者の方が介護予防スクリーニングの方に来るような形になっています。  いずれにしても、御本人の様々な相談を受けてその事業の対象にするかどうか、客観的な物差しがなければなりませんので、公平性ということもありますけれども、委員が御心配しているような、ぐるぐるぐるぐる何度も何度も永久に回るということのないようにさしていただきたいと思っております。

○足立信也君 予定していた質問の三分の一も行っていないんですけれども、入口の段階でやっぱり、非常に困っているというか見えないという、このことだけは明らかになったと思われますし、今までのサービスが悪かったという説明、証明にもなっていない。予防サービスが日本で効果のあるものだという検証にもモデル事業ではならなかった、これだけは事実だということです。  介護保険が始まった当初、医療界ではこんなものが長続きするはずがないと、いずれ破綻するという見方が非常に強かったんです。それは医療と介護を分離しているからなんですよ。介護保険は老人医療費を抑えるために創設された。でも現実は、結果は老人医療費も増え続け、介護費用も増え続け、どちらも破綻が近いような感じになっている。一体的に検討できていないからこういうふうになっているんだと私は思います。少なくとも、当事者たち、介護を受ける人、それから介護をする側の人間が何が良くなるのか説明できないような法案は改正の名に値しないと私は思います。  以上申し上げて、質問を終わります。

050519厚生労働委員会会議録より
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平成17年4月21日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 昨年の臨時国会の当委員会の席で、この法案、委員長提案で、どうも審議なしで衆参ともに通過するような気配だと。この問題は審議は絶対に必要だと、その点を強く申し上げて、その御理解がいただけたんだと思いますが、理事の方、先生の方々始め御理解いただいて、私に質問の機会を与えられました。どうもありがとうございます。
 まず、お聞きいたします。
 ただいま提案理由については御説明がございました。その中で、臨床検査技師の定義の中で、医師の「指導監督の下に」という文言を医師の「指示の下に」、そのように変えた改正の目的は何か。言葉を換えますと、これによって何がどう変わることを期待しておられるのかと、その点をお聞きしたいと思います。

○衆議院議員(鴨下一郎君) 今先生からの御指摘は、医師の「指導監督の下に」というものを医師の「指示の下に」というふうに、こう変えた目的等についてはいかがなるものかと、こういうような話でございますけれども、もとより、臨床検査技師そのものは、主として患者の診療を行う言わば主治医若しくは臨床医から生理学的検査について指示書又は口頭によってオーダーを受けまして、これを確実に履行していくと、こういうような立場でありますので、その臨床検査技師の立場を正確に表現をしていく、こういうようなことが必要だと、こういうふうに言われていたわけでございます。また、理学療法士さらには作業療法士等、その他の医療関係資格の多くが、法律上、医師等との関係については指示の下にということで業務を行っていくと、こういうようなことが原則になっているわけであります。
 こういうようなことで、臨床検査技師がその業務を行う際の立場及びその医療関係資格業務に関する規定の表現との、まあある意味で均衡という、こういうような観点から指示に改めると、こういうようなことに相なったわけでございます。

○足立信也君 言葉を換えて私が聞き直した部分、これによって何がどう変わるのかという質問に対する答えは得られておりません。
 ほかの業種との均衡を図ると、それから立場を考えてと、それはよく分かりますが、「指導監督の下に」ということが「指示の下に」ということに変わることによって何がどう変わるのか、説明してください。

○衆議院議員(鴨下一郎君) これは、先生の御疑問のところというのは、指示と指導監督とどちらがある意味で拘束力が強いのかと、こういうようなこともお考えになっているんでしょうけれども、全体的なことでいいますと、この意味での、言ってみれば主治医からの指示と、それから指導監督との間に差はないと、こういうような解釈であろうというふうに思います。

○足立信也君 笑いが出ております。
 差はない、ただほかの業種との均衡を図った、ただそれだけですか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) この法改正の基になりました、になるんだろうと思います、私どもの方で臨床検査技師、衛生検査技師に関する在り方等検討会というのを開いておりまして、平成十五年の六月に中間取りまとめを受けております。
 その中で、この指示あるいは指導ということについて議論されておりまして、その中の検討会でのやり取りを見ると、いわゆる臨床医がそのオーダーを出すわけですが、多くは指示書ということで渡される、あるいは依頼されるということ、それから、今提案者が言いましたように、他の職種と医師との関係の均衡で指示とすべきという話、それから、指示とした場合であっても、検査の侵襲性に応じて具体的な指示から包括的な指示までの幅を持った解釈を認めるべきという意見と、患者検査項目の特定が指示であり、検査の業務は技師の責任で行うものというような考えも出たということで、様々この部分についての議論があったようです。
 加えて、その指導監督という表現も再考すべきという意見があって、最終的には、このときの中間取りまとめでは指示ということで大方の意見の流れになったというような当時の報告書をいただいております。

○足立信也君 今の医政局長のお話で、実情に合わせるようにするということと、それから指導監督と指示の文言の意味するところの違いと、そこの二点に分かれる、そのように思います。
 私、臨床検査技師、衛生検査技師に関する在り方等検討会の議事録を全部持っております。全部読みました。その中で、指導監督の下という表現は従属的な文言なので、放射線技師と同様に、医師又は歯科医師の指示の下にとしたい、しかし途中では、指示よりももっと拘束力の弱い、主体性を持てる指導という言葉を使おうとした、ところが最終的には、医師の指示書によって検査をしているんだから指示。これは、臨床検査技師会の方としては半分思いが通らなかったというような会議の流れです。
 そこで、その自主性あるいは主体性、裁量ということ、まずこの点についてお伺いします。
 昭和四十五年、臨床検査技師法ができたときですけれども、十二月三日の医務局長の通知で、臨床検査技師の定義の中の医師の指導監督、この意味を、検査業務の個々について個別具体的な指示に従うことではなく、一般的、包括的な業務の調整を行うことである、そのように通知がされました。
 これは、その当時の流れをまた追ってみますと、臨床検査技師制度ができてすぐ、指導監督という言葉は強過ぎると、そこで解釈を求めた。その結果、医務局長が、今私が申し上げたような通知を出してきた。その指導監督という言葉の意味、その解釈は今も妥当であると、そのようにお考えですか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のように、臨床検査技師を加えて四十五年に法律が改正されたわけですが、この改正法の施行に際して旧医務局長通知が出ております。
 先ほど先生がお話ししたように、オーダーを出してやり取りをするという、いわゆる臨床検査の業務というのが、検査業務の個々について個別的、具体的な指示を行うわけじゃなくて、一般的、包括的な業務の調整を行うことを意味するという解釈を出したわけでございまして、こういう解釈というのは、指導監督の解釈として現在でも私どもは適当と考えております。

○足立信也君 個々の法令のその文言の解釈ということなので、それはまあそのまま生きているという判断だと思います。
 「法令用語の常識」というものでは、指導は、拘束までを課するものではなく、相手方に採否の選択を許す余地がある。指示よりも軽く、弱い。監督というのは、監視し、必要に応じ指示命令等をすること、指揮監督、指導監督ともいう。指示というのは、指揮よりは法律的には拘束力のニュアンスが弱く、軽く、従うか従わないかを勝手に選択できるほどの自由はないということになっております。先ほどの通知の説明と相当な相違があると私は思います。これは「法令用語の常識」というところに出ております。
 この法案が関係するのは、どう考えても医療関係者。その中で、外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練は実地の指導監督の下に行うという文言があります。
 さらにもう一つ、昨年四月から始まりました卒後臨床研修の必修化を規定した新医師臨床研修制度、これは省令です。医政局長による通知には、指導医による研修医への指導とは、指導医が研修医を直接指導することだけではなく、指導医の指導監督の下、上級医が研修医を直接指導することも想定している、このように書いております。
 医療関係者はこういうものを見て、特に昨年四月以降、研修医が病院に回ってくる、これは直接指導する、指導する側の人間を大学あるいは大きな病院に確保しなければならない。それが地域の中核病院から医師がどんどん撤退していった一つの原因でもあるんです。私も大学におりまして、これに応じられるように指導医を何とかして集めようということをやってきました。
 先ほどの、現在も妥当だと思われたことと、今、医政局長名での通知、臨床研修に関する通知と整合性がありますか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) まず、最初の外国人医師の臨床研修の件でございますが、外国の方ですので言葉の問題とかそういうことがありますので、私ども、この臨床修練指導医、つまり外国人の医師に付いていただく指導医については実地の指導監督ということで規定しておりまして、共同で医業を行うということですから、四十五年通知で示しているこの指導監督の解釈とそごはないというふうに思っております。
 それから、昨年始まりました臨床研修でございますけれども、臨床研修の指導医が研修医に指導を行うとしておりますけれども、これは既に指導医の方も医師の資格を持っておりますし、それから研修医も医師の資格はございます。したがいまして、研修医に対して教育上の指導を行うということを指しておるわけでして、必ずしもその臨床研修指導医が研修医に付きっきりで研修を行うということまでを求めているものではございません。
 したがいまして、この臨床検査技師の業務の解釈の部分、指導監督の解釈とのそごは生じないというように考えております。

○足立信也君 今までの話をお聞きになって、大部分の方が、それは一般常識ではちょっと離れているんじゃないかと思われたんだと思います。これ以上は、解釈の問題なので多分堂々巡りになると思いますから言いませんが、私は、今回の改正の目的は、やはり臨床検査技師さんの主体性、裁量性を高めようということだと思いますし、私はそのこと自体は賛成なんです。その点と、先ほど実情に合わせてということがございましたので、その点について、実情について伺っていきます。
 その前に、法改正で厚生労働省令で定めるとされる生理学的検査ですね。この中には超音波検査と磁気共鳴画像検査が含まれていると、そのように解釈してよろしいですか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 結構です。

○足立信也君 実情に合わせてということに絞っていきます。
 現在、超音波検査で、臨床検査技師さんのみで行っている割合、医師のみが行っている割合、技師と医師が共同して行っている割合、それぞれ教えてください。並びに、磁気共鳴画像検査で、臨床検査技師が行っている割合、放射線技師が行っている割合について、それぞれ教えてください。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 御指摘の超音波の検査は、医師、歯科医師、臨床検査技師、そしてMRIの検査ですが、これは医師、歯科医師、放射線技師、臨床検査技師などが法律上行うことができます。身分法上は優先順位がございませんし、それから医療機関ごとに、だれが検査するかというのは、そのときのその病院の状態ですとかそれから患者の緊急性ですとか様々な要件があると思いますので、だれが検査をするかというのは、多分その医療機関ごとで適切に判断しているものと思います。
 したがいまして、先生御指摘のような割合、現実に状況を把握するということは多分困難ではないかというように思っております。

○足立信也君 鴨下委員長の目的の中で、指示ということの、指示書を出しているということの実情に合わせるということと、実際、検査に携わっていることの実情に合わせると、両方の意味があったと思うんです。その実情が把握できないという今の説明です。
 現状がこうだからその現状に合わせるのが目的であると、でもその現状は分かっていない、とらえられていない。それでよろしいんでしょうか、委員長。

○衆議院議員(鴨下一郎君) 現状が正確に数字的に言わば把握できていないというようなことについては多少私も問題かなとは思いますが、ただ、先生も臨床現場で現実になさっていらっしゃって、実際には、例えば主治医である医師がきちんとした形で最終的な判断をなさっていると、こういうようなことについては、そう言ってみれば変化をするというようなことではないんだろうというふうに思いますので、正確に、これから、例えば独自に判断をして検査をやっているというようなことがないようにというようなことは今後行政の中で努力していかなければいけないんだろうと思いますけれども、最終的な判断が医師が行うというようなことについては、これはもう原則でございますので、その辺は御理解をいただきたいというふうに思います。

○足立信也君 その診断ですね。最終的な診断については、後でまた私が説明、お話をします。質問もします、説明が多くなるかもしれませんが。
 私は、臨床検査技師さんが今後担っていく検査は超音波検査と細胞診だと、そのように認識しております。そこでかなりの将来性が開けているんだと、そのようにとらえております。
 この後は、ちょっと超音波検査について絞ってお伺いをいたします。
 先ほど、臨床検査技師制度ができたとき、生理学的検査には心電図検査、心音図検査、脳波、筋電図、基礎代謝、呼吸機能、脈波そして超音波検査の八項目でした。そのときの、先ほど医務局長通知で指導監督の意味合いが出たわけですけど、じゃ当時、超音波検査にはどのようなものがありましたか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) この臨床検査技師制度が創設されたのが昭和四十五年ごろで、ちょっとある会社の歴史を見させていただきましたが、昭和四十四年にAモードの超音波診断装置、Aモードというのは、先生の時代はもうすべての画面で出てきているかと思いますが、多分スリット一枚だけの幅でしか読めなかったような超音波の機械だろうと思っております。そして同時に、子供の心拍が分かるようなドップラーの機械ができたとかいうのがございます。それから、四十六年に、今度はBモードだから少しワイドバンドのものが出てきたと、あっ四十七年ですか、に機械が完成したということがありますので、ちょうどその検査技師制度ができた前後にかかる機械が出てきたものというふうに承知しております。

○足立信也君 分かりにくいと思いますので、詳しく話をします。
 四十五年当時は、今おっしゃったように一枚の写真として、まあ写真というか、出てくるわけですね、全く動かない、動きがとらえられないわけです。で、白と黒しかない、中間調はほとんどない状態。それから、胎児の心音というか、それと断層面をとらえればいいわけですから、妊娠の診断とかに使われていたわけですね、静止画像で一枚だけ。で、今超音波検査、その後どうなったかと。皆さんも御存じのように、リアルタイムで動きがとらえられる、それがこの検査の有用性であり、どんどん進歩してきた原因なんですね。で、今や精密検査に使われるようになってきて、機器の中では一番進歩している分野だと私はとらえております。
 そして、そのリアルタイムの走査できる、リアルタイムで描き出すことができる装置が発明されたのが昭和四十六年です。そして、これが販売開始になったのが昭和五十二年です。先ほどの通知を含め、この制度ができたのは四十五年ですよ。その後、今超音波検査と言われたら皆さんが思い描かれるような検査装置が発明され販売され、どんどん変わってきたんですよ。
 その中で、私たちはどうしたかというと、当然新しい機器で新しい診断ができるわけですから、医師主体にやってきました。そして、技師さんと共同しながら、一体何が分かるのか、どこまで分かるのかと、そのことを追求してきました。ですから、医師が主体であり、それが全国津々浦々装置が行き渡るようになり、やがて優れた技術を持った技師さんが出てきて、それが技師さんたちだけでも検査ができるようになりつつあるという状況だと思うんです。
 そのことに対して、先ほどのような指導監督という広い意味を持った包括的な問題だということの通知がなぜ変わらなかったのかと。検査そのものはどんどん変わってきているのに、そして医師主体でどこまでできるのか、どこまでやれるのかということを検討している段階で、その通知のままでやってきてよかったのかと。このことが私は問題があると思っているんですね。
 これはやっぱり行政側に、その通知行政というか通達行政というか、その部分を改善しなければいけなかったんじゃないかという思いが一つございます。その点についてはいかがでしょう。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 先ほど言いましたように、その四十五年の通知は、個々の検査業務の個別的、具体的な指示じゃなくて、一般的なあるいは包括的な業務の調整を行うものというふうに言っておりますが、先生御指摘のように、機器が新しくなれば、当然そういうものを業として仕事をする方々を教える検査技師の学校の養成所としても当然カリキュラムも変えていくと思われます。ですから、生理機能の検査という項目、非常に授業時間が増えたことも承知しておりますし、その教育内容というのも、当然検査方法が変わればその進歩にされてきたわけでございます。
 私ども、その資格を認定するために国家試験を行いますけれども、こういう検査方法が非常に一般的になってくれば、当然そういう当該検査に係る問題を出題をすることになりますので、通知の内容は、先ほど言った、我々解釈の変更をする必要はないと思っていますし、また、そういう技師の方々、免許を取得した方々についても、少なくとも質の担保がされているという状況にありますので、問題はなかったのではないかというように思っています。

○足立信也君 その点については大臣の感想も伺いたいなとは思うんですが、まずは先に行きます。
 診断についてです。最終的な診断の責任、もちろん診断すること自体も医師にあるわけで、責任は全部医師にあるわけです。その診断について言います。
 今回の法案は、先ほど言いましたように、やはり臨床検査技師さんの主体性、裁量性を高めるものだと思います。これについては私は賛成だと繰り返して言います。
 現在、超音波検査はどういうふうになっているかというと、完全に二極化しているんですね。まず、健診業務で行われるような超音波検査、それから、患者さんが病院に訪れたときに、取りあえずおなかを診ておきましょう、何か病気があるかもしれません、いわゆるスクリーニング、そういう検査の範疇と。欧米では、超音波検査というのは精密検査なんです。CT、MRIよりも上の検査なんです。で、専門家が携わっている最終確定診断の一つの装置というとらえ方。この二極があるんですね。そして、検者、検査をやる人間の能力によってその診断力というのがすごく差がある。これはもうお分かりだと思います。
 例えば、先ほど放射線技師さんの話が出ました。エックス線を撮って、例えば胸のレントゲンを撮って診察室に来ます。で、我々医師は、これは何とかです、骨折がありますとか、そういうふうに、これは何とかですと診断します。ところが、超音波画像はリアルタイムではなく、もちろん診察室にLANが引かれていてそれが動画で全部見られれば話は別ですけれども、静止画像が数枚送られてきて、そこで診断となった場合に医師はどう言うか。胆石があるようです、あるいは何々だそうです、何々みたいです。これは診断ではないんですね。そして、胆石が明らかにある場合、胆石が明らかにある場合、胆石ですとそれは言います、超音波画像、静止画像を見て。患者さんが次に聞いてくるのは、じゃ、がんはありませんか。医師はどういうふうに答えるか。見ていないから分かりません、あるかもしれません。その次に来るのは、もう一度やりましょうか、もう少し時間掛けてしっかりやりましょうか、そういうふうになってくるんですね。ちょっと横道にそれるかもしれませんが、患者さんというのはそういうものなんです。
 胆石の後発の方、それから胆のうがんの後発の方、これは同じリスクですよ。スリーFと言われますけれどもね。フォーティーないしはフィフティーズ、四、五十歳以上、フィーメル、女性、ファッティー、小太り、これは同じなんですね、該当する方は済みませんが。そうなった場合には、やはり見てないとはっきりしたことは言えませんということになるわけですよ。そこで、もう一度やりましょう、疑いがあるかもしれませんからもう一度やりましょうと。これそのまま従ってくださる患者さんはいいですよ。でも、胆石だって最初に言われたら、もう一回やれと言われたら不審に思いますよ。中にはやらないという人もいます。あるいは、病院変えてもう一回やってもらおうということになってくるんですね。
 だから、診断ということに関しては、やはりそこにいてリアルタイムで見ていないと診断できない部分がどうしてもあるということを是非理解しておいていただきたい。
 もう一つ、これは数年前ですけれども、やはり同じような事態で、胆石があるという、これは静止画像で分かったわけですね。実は胆のうがんもあった。でも、自分が見ていないわけですから、胆石はありますと、もう一度もっと詳しい検査をやりましょうと。患者さんは、胆石だったら、痛みもないし今のままでいいですと海外に行ってしまった。海外で発症して日本に慌てて帰ってきましたが、もう手術できない状態であった。亡くなりました。こういうことを起こさしてはいけないという思いが非常に強くあるんです。
 おとといの質問で、私は今後の医療政策を何点か挙げましたが、まず無駄を省くことが絶対に必要だと思うんですね。スクリーニングという意味合いは確かにあります。でも、これは何かあるかもしれない、試しにやってみなきゃいけない、そういうものは本来健診であって、診療、医療ではないんですね。診断をそこで、例えばおなかが痛い、そこに何があるかという診断をするためには、やはりそこには医師がいなきゃいけないと私は思っています。そこで診断をするんだと、最終診断を付けるんだというふうに思っています。
 アメリカでは、もう今超音波検査はほとんどソノグラファーという技師さんがやっております。そして、聞きました、その静止画像を見て診察すると診断力はどうなっていると。落ちていると答えました。それから、先ほども言いましたが、欧米ではもう超音波検査というものはCT、MRの次にある精密検査なんだという認識になっております。
 それから、例えば乳房の超音波、乳がんの精査などでは、これは検査、超音波を当てるだけというよりも診療の意味が非常に強いんですね。例えば、乳腺の中に超音波画像でどうも腫瘤のようなものがあった場合、これががんであるかないかと診断するときには、押さえてどれぐらい形が変わるかというのをやるんです。これはやらなきゃいけないんですね。やり過ぎると転移を誘発する可能性があるんです。また、同じように見える画像でも、中には化膿した巣、膿瘍ですね、を見ている場合がある。これを圧迫し過ぎると悪化させる。そういう診療という面もかなり含まれているんです。これを単独で行わせるということはやはり問題があるんではないかと。というよりも、安全性が保てないんではないか、医療費も無駄ではないのかと、きっちり分ける必要があると。
 スクリーニングの部分と、これは診療において診断を付けるんだという部分ははっきり分かれていないとおかしいと私は思っていますし、その分野で臨床検査技師さんがこれから研さんを積んで伸びていく分野があるんだと、業務独占できる分野なんだと、そのように私はとらえています。
 そこで、先ほどいろんな、なぜこれほど機器が開発され、発展してきたのに、通知も変わらず、その内容も変わらずやってきたのかということを質問いたしまして局長の答弁を伺いましたが、大臣の見解はいかがでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君) お話伺いながら私が理解いたしましたのは、いずれにいたしましても医療現場でありますから、その担当のお医者さんが責任を持ってやっておられる、最善の方法を尽くされる、そのことはいささかも変わりはないわけでございまして、そして、この通知においてお示ししておることも結局そういうことだと思います。
 具体的に、何もそのお医者さんが、今の超音波検査のことを言っておられますけれども、完全に付きっきりで検査をしてくださいということまではお願いをしないというような意味だと私はこの通知を読みながら解釈しておりましたけれども、それであれば何も変える必要がないということを今言っておる、このことに間違いはないんだろうというふうに理解をいたします。
 ただ、今の先生のお話でありますけれども、超音波検査のやり方について、お医者さんがもうすべての検査、付きっきりで横で見ておることがいいのか、いいのかというか、その方がより効率的なのか、あるいは検査技師の皆さんが見ておられて問題ありというふうに思われたところをドクターが判断される方が全体として効率的なのか、その辺の御議論は今後の御議論だろうと思いますので、また私どもも、それはその御議論を聞かせていただきながら検討をさせていただきたい、こういうふうに思います。

○足立信也君 そうなんですね。やっぱり文言変える、その裏にある意味は、正しいところはあるけれども、やはり危険性を伴うものはその段階で何らかの規制を新たに加えておかないと方向性を間違ってしまうという危惧が私にはあります。
 すべて医師が付き合って云々というお話が今ございましたが、私、筑波大学関係で十年ほど働いておりますが、一〇〇%医師が検査にかかわっております、超音波検査。そして、今週月曜日、私、健康診断やったんですが、東大の三内から来ていると思われます先生に聞きました。東大も一〇〇%医師がやっていますと。そういうことを、スクリーニングではなく、やっぱり診断ということになった場合は、それはそうあるべきだと私は思っているんですね。
 実は私、一年生議員ではありますが、もう本会議や委員会で十回ほど質問をやっておりますが、実は今日が一番緊張しているんです。
 それは私は、臨床検査技師さんの中にも、学会の中で認定施設を作って超音波検査士という資格がございます。非常に優秀な方、私なんかよりもはるかにできるなという方も一杯おられます。私がもう二十数年間超音波検査にかかわってきておりますが、私を指導して、あるいは切磋琢磨しながら技術を磨いてきたという方は臨床検査技師の方です。名前を出していいのかちょっと分かりませんが、高野さんとおっしゃいます。彼と本当に頑張りながらやってきました。
 数年前、彼は、超音波医学会副会長をやっておったんですが、学会場で急逝されました。彼とは年に二度ほどはゴルフもやるし、そういった仲でした。
 この検査に関しては、広い将来性がある、医師と技師が共同してやってこそ正しい診断が得られるんだと。是非この分野、臨床検査技師さんの中でも、専門とする超音波の領域をすべての臨床検査技師さんが持てるように自分はしていきたいと、そのように言っておりましたし、医師のやっぱり知識、経験がないと、例えば手術の後に形態が全く変わっているような人をいきなり検査技師さんに検査してくれと言っても、これは無理なんですね。どのように今変わっているか、そこをちゃんと説明してあげながら、その正常像と異常像をきちんと見極めなければいけないということなんです。
 私は、その当時、学会場で急逝された、心筋梗塞で急逝されたわけですけれども、かなりセンセーショナルでショッキングな出来事でした。今回、この法案の検討に当たって臨床検査技師会の会長さんにお会いしましたけれども、それほどの方を御存じではなかったようで、そのことに対してもショックを受けましたし、臨床検査技師さんにとって、超音波というものをどのように考えているのかということを改めて強調しなければいけないという思いを強く持ったんです。
 そして、彼の霊前でも、一件たりとも無駄な検査はしないと、患者さんが一度超音波検査室に来たら最終診断までおれはきちんと付けると、それまではこの検査をきちんと育てていくということを誓っておりますので、その点で、多少感傷的にはなって申し訳ないんですが、今、現状をきちんととらえるんであれば、それは技師さんの裁量を高めるような方向性にあって、しかも、そこに彼らの生きる道があるんだと私は思っていますから、そうあるべきだと思う。でも、それによって無駄なことが増えるような、あるいは誤りが増えるようなことを決してつくってはいけないと。それは私の責任でもあるし、厚生労働省の責任でもある、その思いが強い、そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

050421厚生労働委員会会議録より
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平成17年4月19日- - 厚生労働委員会


○足立信也君 民主党の足立信也でございます。よろしくお願いします。
 午前中の終わりに武見理事から、こういった問題あるいは医療制度改革の問題に引き続いて、これから続いてある問題は与野党の枠を超えて検討していかなければいけないとお話がございました。私はそのつもりで質問をしておりますし、是非その考え方で答弁をしていただきたいと、そのように思います。
 まず確認しておきたいことは、この法案の持つ意味合いです。今までの議論、いろいろ話はございますが、要はこの法案は何を意味しているかということについて確認をしておきたいと思います。
 三月三十一日の整理合理化計画では、社会保険庁が、施設ごとの、三種類に分けられると思うんですね、施設ごとの経営分析、それから評価分類を行った後に廃止する施設、それから評価分類はせずに、もう持続的に赤字のところは早期に廃止、売却するんだという種類のものが一つ、それから独立行政法人が廃止、売却する施設のこの三種類。これが三百十八施設だと思います。それに厚生年金病院十施設、それから社会保険病院五十三。この法案が国民年金法及び健康保険法事業のこれらの三百八十一施設を対象として、厚生労働大臣がそのうち独立行政法人に出資すると決める、出資すると決めた施設を譲渡又は廃止、これを独立行政法人が行う、そういう趣旨の法案だという解釈でよろしいですか。

○政府参考人(青柳親房君) 整理合理化計画とこの法案との関係についてのお尋ねかと理解をいたしました。
 この法案につきましては、独立行政法人という形で出資をした施設を譲渡、売却をすると、そのためにこの独立行政法人組織をつくって行うということを規定したものでございます。
 その場合のやり方等あるいは基本的な考え方、あるいはこの出資によらずに整理合理化を行うもの等については、整理合理化計画の中で、これは病院を除いてではございますが、規定をさせていただいているという関係になっております。

○足立信也君 それで、同じ三月三十一日に社会保険庁の在り方に関する有識者会議のグランドデザイン出されました。それと先ほどの整理合理化計画、条件はいろいろあるけれども、原則として一般競争入札だということでこれはよろしいわけですね。

○政府参考人(青柳親房君) 原則として一般競争入札であるということはおっしゃるとおりでございます。
 その際に、ただ、お尋ねにもございましたように、幾つか、その中心的機能を維持すべきということで配慮をするとされている、そういう意味で条件を付けるとされているものがあります。また、入居者がおられる老人ホームあるいは地域の医療に重要な役割を果たしている病院、これらについては慎重にその取扱いを行うべきということで整理合理化計画の中でも整理がされているところでございます。

○足立信也君 しかし、原則は一般競争入札だということだと思います。
 この法案が成立すれば、あとは大臣にお聞きしたいんですが、厚生労働大臣として、新しく設立される独立行政法人に、その整理機構に出資すべき施設を決めなければいけない。この中にはもちろん医療機関もありますし、介護のための施設もある、そしてまた政府・与党の大好きな介護予防のための施設も含まれています。福祉の施設ももちろんあると。
 これを大臣が出資すべき施設を決めるということは、この国の将来の医療、介護、福祉の姿を全部俯瞰して、そしてGHQ以来、昭和二十一年以来過去六十年近く国有民営方式でやられてきた、国の政策として行われてきた事業をここで一回整理して、過去にどれだけの総理大臣や厚生大臣、厚生労働大臣、それから官僚の方、利用者、医療従事者、どれぐらいの方がおられるかちょっと把握できないぐらいですが、そういう思いをここで一回大臣の判断で廃止、譲渡を決めるということになるわけです。非常に重い選択だと思います。
 これから質疑をしていく過程の中で、この選択が過去六十年近いものを総括する非常に重い選択だという認識はおありですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 決して小さなといいますか、そうした意味で、今正に小さなという言葉使いましたけれども、そうした判断ではないというふうに理解をいたしております。そして同時に、やはりこうした一つの時の流れなのかなというふうに思うところでもございます。

○足立信也君 時の流れというお話がございましたが、ということは、この国の先ほど言いました将来の医療、介護、福祉のあるべき姿、これを既にもう大臣としては心の中に描いているものがあると、そういう認識でよろしいですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) お尋ねの、言っておられる医療だとか介護だとか、年金ということもおっしゃったかどうか、とにかくそうした社会保障全般のあるべき姿というのがどういう姿といいますか、どういうことでということが、どう理解をしてお答えをすればいいのかなということを今思いながら立ったところでございますけれども、今後の日本を考えていきますときに、社会保障全体をどうするのか、正に今、一体的見直しの議論というのが行われておりますが、それも幾つかの場所でやっていただいておる、そういうところでございますから、非常に大きな課題である、そのことは私もそういう認識を持っておりますということはまず申し上げたいと存じます。
 そして、一番のやはりそこでの課題というのが、持続可能なものにしなければいけない、どうしたらこれらのものが持続可能な姿で今後やっていけるかということだというふうに思っておるところであります。そうしたところで国民の皆さんの御理解いただきながら必要な負担もお願いをしなきゃいけない。その国民の皆さんの御理解をいただく、信頼していただくということが非常に大事なことだと思っておりまして、今回の見直しもその信頼回復ということのためにお願いをしておるというのが私の理解のいたしておるところでございます。

○足立信也君 それでは、描かれる将来像を質問をすることによって描き出していただければ、あるいははっきりさしていただければと、そのように思います。
 まず最初にお伺いしたいことは、私、参考人の方々の御意見、それから委員の先生方の御意見いろいろ伺っておりまして、自分自身これは違うと思うことがございます。それは、公的と公益性ということをどうも取り違えているという認識が私にはあります。国立病院、それから地方自治体立、あるいは年金病院、社会保険病院、厚生連、日赤、済生会、公的であるということとその施設が公益性を持っているということの認識の違いをはっきりさしていただきたい、あるいは大臣がどのように考えているかということを私はお聞きしたいと、そのように思っています。
 医療提供者がだれであるか、それで公益性を区別することは間違っていると私は思います。公益性イコール不採算だということも間違っていると私は思います。公的であるということは、午前中、西島委員から提示がありました、税の面あるいは補助の面で優遇されている面があるという、ただそれだけの違いだというふうに私は考えます。多くの患者さん、医療従事者が求めているのは非営利だという理念です。その施設で剰余金があった場合に、特定の個人に帰属するんではなくて全部医療のために使うと、それが公益性である、非営利であると私は考えます。その考え方を持っていないと医療制度改革は私はできない、そう思います。
 そこで、医療制度改革、何を考えるかと。今まで、政府案あるいは与党案かもしれませんが、どうも出口の方の診療報酬やあるいは保険料の話に終始してしまう。私は、医療制度改革という、まず第一に考えなきゃいけないことは医療提供体制、これをどうするか。そして、保険料を始めとする保険者機能、これをどう考えるかということが二番目に大事だと思います。もう一つ国としてやらなければいけないのは、どの分野に取り組んで、この国は将来この分野では間違いなくきちんとやるんだと、そういう方向性ですね、国が取り組むべき方向性、これを出すことが大事だと、そのように思います。
 それで、まず初めに、公的であるか否かと、そのことと病院の持つ公益性について大臣の御見解を伺わせてください。

○国務大臣(尾辻秀久君) これは午前中にも申し上げたところでありますけれども、公益性ということでいえば、何も公的な医療機関だけではなくて、民間の医療機関であれ何であれ、医療に携わるということで公益性ということがないはずはないわけでありますから、いずれにいたしましても公益性というのはある、それはまず基本的にそう思います。
 ただ、公益性がより高いかということはあると思いますので、例えて言いますと、今まででしたら小児救急医療でありますとかへき地医療だとか地域に不可欠な医療、そういうもの、あるいは不採算部門とでもいいましょうか、不採算になりがちなところといいましょうか、そうしたところが言うならば公益性の高い医療だというふうに考えます。公益性について、まずそのように思います。
 その公益性の高い医療を従来は公的な性格を有する医療機関が中心になって携わっていただいたということでありまして、そこは、申し上げておりますように、公益性の強い、高い医療を公的などちらかというと医療機関にやっていただいたことは事実でありますけれども、それは何も、そこまででありまして、公益性と公的な医療機関というものがイコールとか、そういう関係ではないというふうに理解しておりますということを申し上げたところであります。

○足立信也君 大方は同意できるような内容だと思いますが、一つ私が大臣の午前中からの答弁で気になるのは、病院であれば公益性があるというのは、これは間違っていると思います。採算部門に特化する病院ももちろんございます。それは必ずしも公益性ではないということは一つ申し上げておきます。
 そして、今、日本が迎えている状況、高齢者の増加、少子高齢社会、少産多死社会の中で、医療費抑制のために、では方策としてはどういうことを思い描かれておりますか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今私どもが申し上げておりますのは、やはり介護でもそうですけれども、医療でも、医療費抑制ということでまずなさなければならないことは予防の分野だと、そこに力を入れることだというふうに思っております。したがいまして、健康フロンティア戦略ということも言っておりますけれども、そうした、申し上げますと予防というところに力を入れた施策ということを考えておるところであります。

○足立信也君 非常に広い意味で予防とおっしゃっているんだと思います。
 それには、でも、今のこの現状でまずやらなければいけないこと、それはあさっての法案審議でもあると思いますが、無駄を省くこと、これが第一。それから、予防ですね、予防医療。この中には、私はやっぱりこれから高齢者が増える中で非常に重要なのはリハビリテーションだと思うんです。介護予防のためのリハビリテーション医療です。あるいは、寝たきりの人を起こすと、そういったリハビリテーションというものにどのように取り組んでいくかということは医療費抑制に直結している問題だと私は思います。
 そして、リハビリテーション医療の特徴というものは、これは身体のリハビリだけではないんですね。精神的なフォローがないと途中で挫折して投げ出してしまう人が非常に多い。それを、心のケアをやっていかなければ続けることはできないんです。
 今の医療で何が足りないかと言われている、心の医療ですね、説明する医療、それからいやしの医療、こういったものはリハビリテーション医療の中に含まれていることなんです。これは今の日本の医療としては私は足りないところだと、午前中に質問の中で充実しているという話がございましたが、私は足りないんだという認識でおります。リハビリテーションで、先ほど言いました要介護度を下げるのもこれだ、あるいは介護予防をすることも、介護の状態にならないこと、これもリハビリテーションだと私は思いますし、廃用性萎縮あるいは廃用性症候群にならないようにする、これもリハビリテーション。
 その中でちょっと一例を申し上げますが、リハビリテーション医療の流れについてです。年間の脳卒中の患者さん、これは脳内出血あるいは脳梗塞、二十三万人。不幸にして亡くなる方を除けばほとんどすべての方が急性期のリハビリに入ります。そして、その後、急性期のリハビリが終わった後、そのまま家に帰られて維持期のリハビリというものに移る方が三、四〇%、大体三分の一。それから、残念ながら家に帰ることができずに施設の中で維持期のリハビリに移行してしまう、まあ安定期と、それ以上悪化しないという意味の維持期だということなんですが、これが大体一〇から二〇%。残る半分近くの方々は回復期リハビリと。これから改善していくんだと、日常生活がより良く送れるように回復していく過程ですね、改善していく過程の回復期リハビリというものが約半分。それを受けた後に家に帰る、在宅で維持期のリハビリできる方が七〇%。残念ながら施設に入ったままという方が三〇%。
 要約しますと、脳卒中発症後に在宅でのリハビリ、家に帰れる方が三分の一、施設に入られる方が三分の一、あとの三分の一の方が急性期から回復期へリハビリを続けながら在宅に帰る、生活ができる。つまり、この部分を多くしていかなきゃいけないんです、これからの医療は。
 そこで、その回復期リハビリ病棟、今全国にどれだけあるかという数をまず教えていただきたいと思います。

○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 診療報酬の算定に当たりまして、お尋ねの回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準に適合しているものとして届出のあった医療機関数ということでお答えをいたしたいと思いますけれども、平成十六年七月一日現在で、全国で五百二十一病院、六百五十六病棟、病床数にいたしまして二万七千八百九病床と、このようになってございます。

○足立信也君 二万七千八百九病床。人口十万人当たりに換算しますと二十二・何人、人口一万人に二ベッド。これは足りていると考える方がおかしいんだと私は思います。
 先ほども言いましたように、維持期のリハビリというのは、これ以上悪化しないように防止する。回復期のリハビリというのは、これから改善していって一般生活が送れるようにしていく。そういったリハビリテーションの部門が人口一万人に対して二ベッドしかないという状況をまずとらえていただきたいと。
 ということで、今回の法案に直接結び付いております厚生年金病院と保養ホームのことについて絞ってお伺いをいたします。
 御存じのように、皆さん当然御案内のように、保養ホームは病院と家庭の中間的な施設であると。入退院を繰り返すなど長期にわたる患者さんへのリハビリテーション及び生活指導、栄養指導を行うと、こういったものが保養ホーム。今、全国四か所あるわけですが、そのうち三か所は厚生年金病院と非常に近い関係にあって、お互いに連携を取り合いながらやっていると。
 私の地元の湯布院厚生年金病院と保養ホームについて更に申し上げます。湯布院の保養ホームは、七十二室、八十一人、利用者数は二万七千人、利用率は九五%以上となっております。
 地域への貢献という言葉が盛んに出てまいりますが、湯布院の保養ホームの利用者を地域別に見てみますと、福岡が一番で約五〇%、二番目が広島で八・六%、三番目が大阪で六・一%、四番目が兵庫で四・九%、大分は四・一%で東京の三・七%とほとんど変わりません。それから、保養ホーム滞在者の病院利用率、九〇%です。午前中は自主トレーニングとして病院でリハビリテーションを行っております。紹介率は八五%から八九%。
 そして、私が取り立てて申し上げたいのは、反復して保養ホームを利用される方、これは何を意味するかというと、施設に入る必要がなくて在宅生活を送りながら、でも時々ここへ来てリハビリテーション、病院と連携しながらリハビリテーションやることによって在宅の生活を送れている人という意味です。この率が三八・一%。恐らくこういう施設がなかったら、施設に入ったままの維持期のリハビリテーションに行く人たちなんだと思います。ここが重要なんです。在宅へ帰していくための中間的な施設であって、それが病院と連携を取りながらある一定の成果を上げていると。そして、湯布院、湯河原、玉造の病院とホーム、一体として見た場合も収支はすべて黒字です。
 こういったことを考えていきますと、私は先ほど、この国の将来抱えている問題、あるいは医療費抑制するための問題として、このリハビリテーション医療を、先ほどの回復期リハビリ病棟の少なさも挙げましたが、国の政策医療として取り組むべきではないのかと、私はそう単純に思っております。そのことに対する御意見、いかがでしょうか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 患者のQOL向上の観点から、急性期の病院、そして急性期、回復期の施設における治療を経て自宅に、住み慣れた環境におけるかかりつけ医の下での療養という、患者の症状に応じた一連の流れが地域において確保されるということは、医療機関同士、それから医療機関と福祉施設の連携という意味では大変重要だと思っております。
 したがいまして、私ども十八年度に予定している医療制度改革においては、原則として、日常生活の圏域で急性期から回復期、在宅療養に至るまでの適切なサービスが切れ目なく提供できるように診療ネットワークを構築していくということを基本的な考えとして現在医療計画の見直しを検討しているところでございます。

○足立信也君 ちょっと、どこがポイントか理解が難しかった答弁でしたので、もう一度繰り返します。
 リハビリテーション医療をこの国に広めていく、これは喫緊の課題、それから将来を見据えた課題、政策だと。このことをまずは認識する必要があると思います。
 となった場合に、先ほどのように厚生年金病院と保養ホームの連携、これはリハビリテーション医療の私はモデルケースだと思っております。そのモデルケースがすべていい評価を、いい成果を上げられていると、しかもそれが地域だけではなくて全国シェアであると。この状態でこの厚生年金病院と保養ホームを切り離すこと、その意義は一体どこにあるんですか。国の政策医療として取り組むべきだという意見と併せて、その二点についてお答えを願います。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、厚生年金病院に隣接をして設置をいたしております厚生年金保養ホーム、この果たしてきた役割についてでございますけれども、これはもう今先生もるるお述べいただきましたように、病院との連携の下で、食事療法でありますとか運動療法などを必要とする方々に、正に栄養士による栄養相談だとか温泉を利用した滞在型のリハビリテーションなどを行って利用者の社会復帰に貢献してきた、これはもう私もそのように認識をいたしております。
 その厚生年金保養ホーム、今回の厚生年金病院を譲渡するということの中でどうなるのだということでございますけれども、そして切り離していいのかというお話でございますけれども、この厚生年金の譲渡に当たりましては、施設の中心的な機能を維持することを条件としてというふうに私ども言っておりますので、そして原則一般競争入札でございますから、その原則どおり一般競争入札にはいたしますけれども、もう一度申し上げますと、施設の中心的な機能を維持することを条件にしてと言っておりますから、今日お話しいただいておりますように厚生年金保養ホームが果たしておる機能を考えますと、その必要な機能は一体化して維持されるものというふうに理解をいたしておるところでございます。

○足立信也君 ちょっと私が間違えているのかもしれません。今の大臣の説明は厚生年金病院に関することであって、保養ホームも今御説明にあった方針でしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) この点については、三月三十一日に私どもが策定をさせていただきました整理合理化計画の中に、地域医療に貢献している施設の中身といたしまして、社会保険診療所、健康管理センターと並びまして保養ホームを挙げさせていただいております。これらについては、一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とするというふうに明記させていただいております。

○足立信也君 今の説明ですと、厚生年金病院と保養ホームは同じに考えているというふうにも私は取られますし、でも実際は法案上は全く別に扱うというふうにも取られます。どちらなんでしょうか。
 私が実数を出したり説明してきたのは、リハビリテーション医療のモデルケースとして厚生年金病院と保養ホームが一体化して連携を取って成功しているということを申し上げたわけで、ですから切り離す必要はないんではないか、あるいは、当然のことながら一体化してこの形を進めるべきではないか、それが国の医療政策ではないかということを申し上げたわけです。今の説明はどちらにとらえればよろしいんでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 整理してお答えを申し上げますと、まず厚生年金病院につきましては、繰り返し申し上げておりますように、病院の譲渡に当たりまして、病院機能の公益性を損なうことがないように十分検証した上で適切な方法によってその結論を得ると、こういうふうに整理をしております。一方、保養ホームにつきましては、ただいまも申し上げましたように、譲渡をするということは大前提とした上で、施設の中心的な機能の維持を条件とした一般競争入札によるとしております。
 したがいまして、病院そのものについて、先ほど申し上げましたように、機能の公益性を損なうことがないようにという制約条件の中での譲渡を考えるわけでございまして、その際に、保養ホームについても、また保養ホームが現に果たしている中心的な機能の維持が果たされるようにということで譲渡をさせていただくということになりますので、両者、言わば併せて御理解をいただければ、基本的に現在それぞれの施設の果たしている機能というのがおおむね維持されるというふうに御理解をいただいて差し支えないかと存じます。

○足立信也君 役割というか、その施設の、地域における果たしていることですね、それは変わらないんではないかと。それは物は言いようですよ。でも、経営者あるいは施設を運営する人が違った形になることの可能性の方がはるかに高いわけですよね。一円でも高く売りたいんですよね。そこは、その地域にとっては、機能が保たれるということと、一体化で考えるんだということはまるで違う話ですよ。そこを明確にしていただきたい。
 やはり私は、一体化してこその施設だと思っているんです。しかも、それが国にとって大事なことなんだと思っているんです。その説明にはなっていない。そのことをもう一度お願いします。

○政府参考人(青柳親房君) 現在におきましても、保養ホームを利用しておられる方のサイドからこの利用の状況を見ますと、例えば保養ホームを利用しておられる方は、例えば厚生年金病院の診療から継続して利用しておられる方ばかりではございません。先ほど御紹介ございました例えば湯布院の厚生年金の保養ホームを一つ例として平成十五年度の利用実態を見てみますと、保養ホームの全利用者が二万七千九百九十五人、およそ二万八千人ぐらいこの十五年度にいらっしゃったわけでありますが、そのうち、厚生年金病院の診断書を言わば持参して、そういう意味では病院から継続した形でこの保養ホームを利用されたという方は三千八百人余にとどまっております。
 したがいまして、それ以外の方は、保養ホームで例えば温泉に入るために、それだけを目的にして見えた方というのが大部分ということでもございますので、その意味で申し上げれば、先ほど申し上げたような形で、それぞれの施設の機能の配慮というものの中で、従来どおりの利用が可能になるということを中心にこれらの施設についての取扱いを考えさせていただくのが適切ではないかと思う次第でございます。

○足立信也君 ちょっと墓穴を掘るような答弁なような気がします。
 私が言っているのは、そこの数に、じゃ、在宅で暮らしながら、短期間でもそこに反復して、保養ホームに反復してやっと在宅生活を維持できている人、この方が厚生年金病院の紹介状を持って来ますか。

○政府参考人(青柳親房君) 在宅でこの保養ホームの近隣にお住まいの方は、リハビリテーションという、医学的な意味でのリハビリテーションにとどまらず、広い意味での介護予防でありますとか、そういったことで広く御利用いただいているものと思いますので、そのような利用を引き続き、言わば中心的な機能として果たすことができるようにという譲渡条件を付させて私ども譲渡をさせていただきたいと考えている次第でございます。

○足立信也君 全国シェアだという説明はどこに消えたんですか。その回答の仕方というか答弁の仕方、やはり本質がつかまえられていないと言わざるを得ないですね。中間的な施設であるからこそ、しかも、そこに反復して通いながらやることによって在宅でいられることを維持できている人たちなんですね。
 これは、この方々は厚生年金病院から、急性期ではないですから、紹介状を持って訪れるという方に該当しないわけですよ。そういった方々を増やすことが、これからの少子高齢社会、高齢者が多くなる社会にとって大事なことなんではないかという問題提起をしているわけです。それが、地域の方が安易に温泉に入るために使われているとかそういった説明では、先ほど大分が実は東京の方とほとんど同じぐらいだということの説明には何もならないじゃないですか。
 これは、今の私の質問とそれから青柳部長の答弁聞かれていて、やはり大臣も、言っていることがかみ合っていないという認識は十分あると思うんです。私は、これから先目指すべき方向はそこなんだという提案に対して、しかも一体化していることが大事なんだというもう一つの提案に対して、大臣の御意見を伺わせてください。

○国務大臣(尾辻秀久君) リハビリテーション医療の重要性については、今先生のお話を伺っておりまして、改めてその重要性、認識をさせていただいておるところでございます。
 そしてまた、ちょっと話は違うのかもしれませんが、昨日、私は尾道に参りまして、あの尾道方式というものを見てまいりました。正に医療と介護が一体になっておるというあの姿を見て、これも今後の私どものあるべき姿として、取るべき姿として大変参考になるものを、いいものを見せていただいたと思って帰ってまいりました。
 その話と今日の今の先生のお話、かなり私の頭の中ではダブっておりまして、今後の医療のあるべき姿についての一つのまた答えをお示しいただいておるものだというふうに思います。まずそのことは申し上げます。
 その後の、一体ということは、完全に同一敷地内だとか、その運営する人が同一であるということまで言って一体というふうなことがどうかというのはあろうかと思いますが、正に一体的にこうした医療とまたリハビリテーションが行われること、これもまた大変好ましいことだというふうに存じます。

○足立信也君 そのお話ですと、じゃ、端的にポイントを絞ってお伺いします。
 この法案の取扱いの保養ホームと今年度中に検討する厚生年金病院に対して、事業者が一つになる可能性、あるいは全く別々になる可能性、地方自治体との協議も繰り返しながら恐らくやられると思うんですが、その見通しはいかがでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 大変申し訳ないお答えになろうかと存じますが、現時点で、個々の施設について、それをどのような方に個別具体に引き受けていただけるかというところについては、私ども全く見通しも立っておりませんし、ちょっとお答えするすべがないということでお許しをいただくしかございません。

○足立信也君 個々の施設ではないですよ。厚生年金病院と保養ホーム、このくくりをどう考えて、それの今後の構想ですね、正に。今の法案で取り上げられることと、今後一年間、今年じゅうですか、決めることについて、その見通しは少なくともあるんじゃないですか。

○政府参考人(青柳親房君) 保養ホームにつきましては、先ほどの繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、いずれにしろ、現在この保養ホームが果たしている中心的な機能というものの維持、これを中心に譲渡していくということになります。
 したがいまして、いろんな可能性ということで申し上げれば、もちろん同一の主体がこれを、病院と保養ホームを引き受けていただく可能性もあると思いますし、全く別々の方々がそれぞれ引き受けて連携をしていただくような場合というのも当然予想されるわけでございますので、私ども、その点については、例えばこういう形でなければ売却をしないというような制約条件はなるべく付けないということで、それぞれの施設の中心的機能をどうやって維持していくかという点を重視して対処していくべきではないかと考えております。

○足立信也君 傍聴される方々には大変申し訳ないんですが、これ以上繰り返しても、前向きなというか、解決策というか、そういうものは得られないと思います。私の将来の医療政策、それから日本の現状をとらえた考え方は先ほど申し上げたとおりです。是非参考にしていただきたいと思います。
 続きまして、社会保険庁としての責任の取り方についてお伺いします。
 この法案は、私ども野党側の人間としましては非常にその取扱いに苦慮するものがございます。それは、元々この法案は社会保険庁廃止論から出た、で、委託先の公益法人、それからその先の福祉施設を廃止するためには、社会保険庁の廃止論があるからこういう独立行政法人が必要になるというところから出たものではないのかという認識があります。国民の信頼が失墜している社会保険庁を廃止するから新しい独立行政法人に廃止、売却をお願いすると、そういう立場なのではないかととらえております。
 社会保険庁を、これを独法化するなら新しいこの整理機構の独立行政法人は要らないわけですね。今、社会保険庁に関しては、自民党の行政改革推進本部は公務員型の独立行政法人を推している、自民党の社会保障制度調査会及び厚生労働省、社会保険庁そのものは、厚生労働省の外局、スリム化してそのまま残すと。この結論は武見理事に一任されているわけですが、私どもとしては、やはり廃止があるからこの独法の案が出てきたのであるというふうに考えます。
 社会保険庁を厚生労働省の外局で存続するなら、責任を持って徹底的に整理合理化する計画を作る、これがまず第一だと思います。そして、委託先公益法人と新たな契約を結べばいい、一年ごとに更新しているわけですから。そのやり方で十分だと思います。施設を整理合理化するためのそのまたプロジェクトチームを内部につくればいい。そういったことが責任持ったやり方だと私は考えます。
 今の流れですと、社会保険庁がやることは整理合理化計画とその後の中期の目標の策定だと、計画はもう終わったと。
 もう一つ大事な仕事は、委託先公益法人への指導監督の責任が社会保険庁にはあります。本庁に二百八十六人、社会保険業務センターに五百七十九人いるわけですから、まずやるべきことは、きちんとした分析から始めて、きちんと類型別に福祉施設を分類すること、整理合理化の目標設定だけではなく、その後の計画作り、そして実行することが、本当にこれから先つらい、大変なことだと思うんですね。
 この数年、民間企業が行ったことは血と涙を伴った整理合理化ですよ。その徹底だったわけです。その背景に恐らく年間三万四千人を超える自殺者まで生んできたんだと私は思います。そのつらいことを、実行するというつらいことを民間に学ぶという姿勢がどうも感じられない。その姿勢で国民に対する責任が取れるのかということがどうしても気になります。
 そこで、確認していきますが、まず、今回の独立行政法人整理機構法案は社会保険庁廃止論から出たのではないのかと。その点はいかがでしょう。それとは関係なく、将来の医療、介護、福祉の将来像、それに基づいてこういう形が出てきた。どちらでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 今回のこの年金福祉施設の整理合理化は、あくまでも年金財政の近時の財政状況、厳しい状況、それから施設を取り巻く社会環境の変化、そして国民ニーズの変化というものに対応して、年金福祉施設について年金の保険料を新たに投入しないということにとどまらず、現在ある施設についてもこれを譲渡、売却することによって整理合理化を図っていこうというものでありまして、まずは社会保険庁の組織の在り方とはいったん別のところでこういった年金福祉施設の整理合理化そのものの政策的必要性というものがあるものというふうに承知をしております。

○足立信也君 全く別のところからというお話でした。ならば、厚生労働省それから社会保険庁そのものも、今後の案として、今の社会保険庁を多少スリム化して厚生労働省の外局、つまり今のまま置くということになって、そして整理合理化のための機構を独立行政法人としてつくると、そういうことになるわけですが。
 ということは、社会保険庁には整理合理化を実行する力はないけども、民間に任しておけば無駄なものをきちんと廃止してくれるだろうというお考えがあるということですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、最初の方のお話についてもう一回申し上げますと、とにかく社会保険庁に対する御批判が高まりました。そして、このままではいけない、新しく生まれ変わる必要があるということからこの話が始まったのは、もう先生も繰り返しお述べのとおりであります。
 順番として、そのときに、この福祉施設、これをまず全部例外なく譲渡しよう、売却しようと、まずこのことが決まりました。そして、社会保険庁を新しく生まれ変わらすために二段構えでやろう。差し当たってできることといいますか、まずやれることということで、窓口業務のことだとか、そうしたようなすぐやれることをまずやろうということを言いました。そして最後に、じゃ、社会保険庁を抜本的に見直す、組織を見直すという答えを出そうというこのことで作業を進めてきたと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 そうした中で、じゃ、こういう独法をつくらなければ一体処分ができないのかという話でございますけれども、これももう先生御自身お述べいただいておりますように、三百を超える施設を対象にしておるわけでございますから、このような多くの施設を集中的かつ効率的に売却するには、これはもう理事長ですとか職員を民間から登用して、民間の持っておる知識、そうしたものを最大限活用できる専門の組織が必要だと今私たちは考えておるわけでございます。
 特に、年金への損失を最小化するという考え方で、これは先ほど来少しでも高く売りたいということでありますけれども、そうした考え方に立って施設の譲渡等を行うに当たりまして、より有利な価格で買い受けてくれる譲渡先の開拓等、こうしたことを国が自らやるということはなかなか難しいことでございますので、不動産売買の専門的な、先ほど来申し上げておりますように、知識持った民間人を活用することでこの作業をいたすということでこの法律案をお願いいたしておるところでございます。

○足立信也君 ということは、既に譲渡をされたグリーンピア、八施設が既に譲渡、で、二施設が今年度中に譲渡予定、これはまあ別に独立行政法人をつくって廃止、売却の方にしたわけでも何でもないわけで、じゃ、この十施設の譲渡に関しては失敗だったということですか。うまくなかった。もっといいやり方をしたいためにつくるということですか。

○政府参考人(渡辺芳樹君) ただいま、先生、グリーンピアの件についてお触れになりましたので、私の方から少し過去の経緯も含めまして簡単に申し上げたいと思いますが、現在のグリーンピアは特殊法人年金資金運用基金というところが設置運営をしておるわけでございます。この組織は間もなく独立行政法人に変わっていくということでございますが。
 このグリーンピアは、昭和五十年代からずっと整備されてきたものを、平成七年の閣議決定におきまして、地元の意向を踏まえつつ、県への譲渡など地域利用を図るという大きな方針転換を行って今日に至っております。そのために様々な条件設定をしました基本方針というものを定めてこれをやってきておりまして、ほぼ先生御指摘のように全体の処理が十七年度中に付きそうなところまで来ておるわけでございます。その年金資金運用基金を中心に、都道府県、市町村、場合によっては民間ということもありますが、一定の条件の下に処分が進み、残っておりますものも、地元の地方公共団体での予算措置等を含めて進んできておる、こんなような状況でございます。

○足立信也君 もう時間ですので質問を終わりますが、社会保険庁はスリム化して残す、政管健保の独立行政法人をつくる、整理合理化のための独立行政法人を結局二つつくる、そういうことはなかなか納得できないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

050419厚生労働委員会会議録より
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