国民民主党大分県参議院選挙区 第1総支部
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参議院議員 足立信也

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国会会議録

平成17年4月19日- - 厚生労働委員会

○足立信也君 民主党の足立信也でございます。よろしくお願いします。
 午前中の終わりに武見理事から、こういった問題あるいは医療制度改革の問題に引き続いて、これから続いてある問題は与野党の枠を超えて検討していかなければいけないとお話がございました。私はそのつもりで質問をしておりますし、是非その考え方で答弁をしていただきたいと、そのように思います。
 まず確認しておきたいことは、この法案の持つ意味合いです。今までの議論、いろいろ話はございますが、要はこの法案は何を意味しているかということについて確認をしておきたいと思います。
 三月三十一日の整理合理化計画では、社会保険庁が、施設ごとの、三種類に分けられると思うんですね、施設ごとの経営分析、それから評価分類を行った後に廃止する施設、それから評価分類はせずに、もう持続的に赤字のところは早期に廃止、売却するんだという種類のものが一つ、それから独立行政法人が廃止、売却する施設のこの三種類。これが三百十八施設だと思います。それに厚生年金病院十施設、それから社会保険病院五十三。この法案が国民年金法及び健康保険法事業のこれらの三百八十一施設を対象として、厚生労働大臣がそのうち独立行政法人に出資すると決める、出資すると決めた施設を譲渡又は廃止、これを独立行政法人が行う、そういう趣旨の法案だという解釈でよろしいですか。

○政府参考人(青柳親房君) 整理合理化計画とこの法案との関係についてのお尋ねかと理解をいたしました。
 この法案につきましては、独立行政法人という形で出資をした施設を譲渡、売却をすると、そのためにこの独立行政法人組織をつくって行うということを規定したものでございます。
 その場合のやり方等あるいは基本的な考え方、あるいはこの出資によらずに整理合理化を行うもの等については、整理合理化計画の中で、これは病院を除いてではございますが、規定をさせていただいているという関係になっております。

○足立信也君 それで、同じ三月三十一日に社会保険庁の在り方に関する有識者会議のグランドデザイン出されました。それと先ほどの整理合理化計画、条件はいろいろあるけれども、原則として一般競争入札だということでこれはよろしいわけですね。

○政府参考人(青柳親房君) 原則として一般競争入札であるということはおっしゃるとおりでございます。
 その際に、ただ、お尋ねにもございましたように、幾つか、その中心的機能を維持すべきということで配慮をするとされている、そういう意味で条件を付けるとされているものがあります。また、入居者がおられる老人ホームあるいは地域の医療に重要な役割を果たしている病院、これらについては慎重にその取扱いを行うべきということで整理合理化計画の中でも整理がされているところでございます。

○足立信也君 しかし、原則は一般競争入札だということだと思います。
 この法案が成立すれば、あとは大臣にお聞きしたいんですが、厚生労働大臣として、新しく設立される独立行政法人に、その整理機構に出資すべき施設を決めなければいけない。この中にはもちろん医療機関もありますし、介護のための施設もある、そしてまた政府・与党の大好きな介護予防のための施設も含まれています。福祉の施設ももちろんあると。
 これを大臣が出資すべき施設を決めるということは、この国の将来の医療、介護、福祉の姿を全部俯瞰して、そしてGHQ以来、昭和二十一年以来過去六十年近く国有民営方式でやられてきた、国の政策として行われてきた事業をここで一回整理して、過去にどれだけの総理大臣や厚生大臣、厚生労働大臣、それから官僚の方、利用者、医療従事者、どれぐらいの方がおられるかちょっと把握できないぐらいですが、そういう思いをここで一回大臣の判断で廃止、譲渡を決めるということになるわけです。非常に重い選択だと思います。
 これから質疑をしていく過程の中で、この選択が過去六十年近いものを総括する非常に重い選択だという認識はおありですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 決して小さなといいますか、そうした意味で、今正に小さなという言葉使いましたけれども、そうした判断ではないというふうに理解をいたしております。そして同時に、やはりこうした一つの時の流れなのかなというふうに思うところでもございます。

○足立信也君 時の流れというお話がございましたが、ということは、この国の先ほど言いました将来の医療、介護、福祉のあるべき姿、これを既にもう大臣としては心の中に描いているものがあると、そういう認識でよろしいですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) お尋ねの、言っておられる医療だとか介護だとか、年金ということもおっしゃったかどうか、とにかくそうした社会保障全般のあるべき姿というのがどういう姿といいますか、どういうことでということが、どう理解をしてお答えをすればいいのかなということを今思いながら立ったところでございますけれども、今後の日本を考えていきますときに、社会保障全体をどうするのか、正に今、一体的見直しの議論というのが行われておりますが、それも幾つかの場所でやっていただいておる、そういうところでございますから、非常に大きな課題である、そのことは私もそういう認識を持っておりますということはまず申し上げたいと存じます。
 そして、一番のやはりそこでの課題というのが、持続可能なものにしなければいけない、どうしたらこれらのものが持続可能な姿で今後やっていけるかということだというふうに思っておるところであります。そうしたところで国民の皆さんの御理解いただきながら必要な負担もお願いをしなきゃいけない。その国民の皆さんの御理解をいただく、信頼していただくということが非常に大事なことだと思っておりまして、今回の見直しもその信頼回復ということのためにお願いをしておるというのが私の理解のいたしておるところでございます。

○足立信也君 それでは、描かれる将来像を質問をすることによって描き出していただければ、あるいははっきりさしていただければと、そのように思います。
 まず最初にお伺いしたいことは、私、参考人の方々の御意見、それから委員の先生方の御意見いろいろ伺っておりまして、自分自身これは違うと思うことがございます。それは、公的と公益性ということをどうも取り違えているという認識が私にはあります。国立病院、それから地方自治体立、あるいは年金病院、社会保険病院、厚生連、日赤、済生会、公的であるということとその施設が公益性を持っているということの認識の違いをはっきりさしていただきたい、あるいは大臣がどのように考えているかということを私はお聞きしたいと、そのように思っています。
 医療提供者がだれであるか、それで公益性を区別することは間違っていると私は思います。公益性イコール不採算だということも間違っていると私は思います。公的であるということは、午前中、西島委員から提示がありました、税の面あるいは補助の面で優遇されている面があるという、ただそれだけの違いだというふうに私は考えます。多くの患者さん、医療従事者が求めているのは非営利だという理念です。その施設で剰余金があった場合に、特定の個人に帰属するんではなくて全部医療のために使うと、それが公益性である、非営利であると私は考えます。その考え方を持っていないと医療制度改革は私はできない、そう思います。
 そこで、医療制度改革、何を考えるかと。今まで、政府案あるいは与党案かもしれませんが、どうも出口の方の診療報酬やあるいは保険料の話に終始してしまう。私は、医療制度改革という、まず第一に考えなきゃいけないことは医療提供体制、これをどうするか。そして、保険料を始めとする保険者機能、これをどう考えるかということが二番目に大事だと思います。もう一つ国としてやらなければいけないのは、どの分野に取り組んで、この国は将来この分野では間違いなくきちんとやるんだと、そういう方向性ですね、国が取り組むべき方向性、これを出すことが大事だと、そのように思います。
 それで、まず初めに、公的であるか否かと、そのことと病院の持つ公益性について大臣の御見解を伺わせてください。

○国務大臣(尾辻秀久君) これは午前中にも申し上げたところでありますけれども、公益性ということでいえば、何も公的な医療機関だけではなくて、民間の医療機関であれ何であれ、医療に携わるということで公益性ということがないはずはないわけでありますから、いずれにいたしましても公益性というのはある、それはまず基本的にそう思います。
 ただ、公益性がより高いかということはあると思いますので、例えて言いますと、今まででしたら小児救急医療でありますとかへき地医療だとか地域に不可欠な医療、そういうもの、あるいは不採算部門とでもいいましょうか、不採算になりがちなところといいましょうか、そうしたところが言うならば公益性の高い医療だというふうに考えます。公益性について、まずそのように思います。
 その公益性の高い医療を従来は公的な性格を有する医療機関が中心になって携わっていただいたということでありまして、そこは、申し上げておりますように、公益性の強い、高い医療を公的などちらかというと医療機関にやっていただいたことは事実でありますけれども、それは何も、そこまででありまして、公益性と公的な医療機関というものがイコールとか、そういう関係ではないというふうに理解しておりますということを申し上げたところであります。

○足立信也君 大方は同意できるような内容だと思いますが、一つ私が大臣の午前中からの答弁で気になるのは、病院であれば公益性があるというのは、これは間違っていると思います。採算部門に特化する病院ももちろんございます。それは必ずしも公益性ではないということは一つ申し上げておきます。
 そして、今、日本が迎えている状況、高齢者の増加、少子高齢社会、少産多死社会の中で、医療費抑制のために、では方策としてはどういうことを思い描かれておりますか。

○国務大臣(尾辻秀久君) 今私どもが申し上げておりますのは、やはり介護でもそうですけれども、医療でも、医療費抑制ということでまずなさなければならないことは予防の分野だと、そこに力を入れることだというふうに思っております。したがいまして、健康フロンティア戦略ということも言っておりますけれども、そうした、申し上げますと予防というところに力を入れた施策ということを考えておるところであります。

○足立信也君 非常に広い意味で予防とおっしゃっているんだと思います。
 それには、でも、今のこの現状でまずやらなければいけないこと、それはあさっての法案審議でもあると思いますが、無駄を省くこと、これが第一。それから、予防ですね、予防医療。この中には、私はやっぱりこれから高齢者が増える中で非常に重要なのはリハビリテーションだと思うんです。介護予防のためのリハビリテーション医療です。あるいは、寝たきりの人を起こすと、そういったリハビリテーションというものにどのように取り組んでいくかということは医療費抑制に直結している問題だと私は思います。
 そして、リハビリテーション医療の特徴というものは、これは身体のリハビリだけではないんですね。精神的なフォローがないと途中で挫折して投げ出してしまう人が非常に多い。それを、心のケアをやっていかなければ続けることはできないんです。
 今の医療で何が足りないかと言われている、心の医療ですね、説明する医療、それからいやしの医療、こういったものはリハビリテーション医療の中に含まれていることなんです。これは今の日本の医療としては私は足りないところだと、午前中に質問の中で充実しているという話がございましたが、私は足りないんだという認識でおります。リハビリテーションで、先ほど言いました要介護度を下げるのもこれだ、あるいは介護予防をすることも、介護の状態にならないこと、これもリハビリテーションだと私は思いますし、廃用性萎縮あるいは廃用性症候群にならないようにする、これもリハビリテーション。
 その中でちょっと一例を申し上げますが、リハビリテーション医療の流れについてです。年間の脳卒中の患者さん、これは脳内出血あるいは脳梗塞、二十三万人。不幸にして亡くなる方を除けばほとんどすべての方が急性期のリハビリに入ります。そして、その後、急性期のリハビリが終わった後、そのまま家に帰られて維持期のリハビリというものに移る方が三、四〇%、大体三分の一。それから、残念ながら家に帰ることができずに施設の中で維持期のリハビリに移行してしまう、まあ安定期と、それ以上悪化しないという意味の維持期だということなんですが、これが大体一〇から二〇%。残る半分近くの方々は回復期リハビリと。これから改善していくんだと、日常生活がより良く送れるように回復していく過程ですね、改善していく過程の回復期リハビリというものが約半分。それを受けた後に家に帰る、在宅で維持期のリハビリできる方が七〇%。残念ながら施設に入ったままという方が三〇%。
 要約しますと、脳卒中発症後に在宅でのリハビリ、家に帰れる方が三分の一、施設に入られる方が三分の一、あとの三分の一の方が急性期から回復期へリハビリを続けながら在宅に帰る、生活ができる。つまり、この部分を多くしていかなきゃいけないんです、これからの医療は。
 そこで、その回復期リハビリ病棟、今全国にどれだけあるかという数をまず教えていただきたいと思います。

○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。
 診療報酬の算定に当たりまして、お尋ねの回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準に適合しているものとして届出のあった医療機関数ということでお答えをいたしたいと思いますけれども、平成十六年七月一日現在で、全国で五百二十一病院、六百五十六病棟、病床数にいたしまして二万七千八百九病床と、このようになってございます。

○足立信也君 二万七千八百九病床。人口十万人当たりに換算しますと二十二・何人、人口一万人に二ベッド。これは足りていると考える方がおかしいんだと私は思います。
 先ほども言いましたように、維持期のリハビリというのは、これ以上悪化しないように防止する。回復期のリハビリというのは、これから改善していって一般生活が送れるようにしていく。そういったリハビリテーションの部門が人口一万人に対して二ベッドしかないという状況をまずとらえていただきたいと。
 ということで、今回の法案に直接結び付いております厚生年金病院と保養ホームのことについて絞ってお伺いをいたします。
 御存じのように、皆さん当然御案内のように、保養ホームは病院と家庭の中間的な施設であると。入退院を繰り返すなど長期にわたる患者さんへのリハビリテーション及び生活指導、栄養指導を行うと、こういったものが保養ホーム。今、全国四か所あるわけですが、そのうち三か所は厚生年金病院と非常に近い関係にあって、お互いに連携を取り合いながらやっていると。
 私の地元の湯布院厚生年金病院と保養ホームについて更に申し上げます。湯布院の保養ホームは、七十二室、八十一人、利用者数は二万七千人、利用率は九五%以上となっております。
 地域への貢献という言葉が盛んに出てまいりますが、湯布院の保養ホームの利用者を地域別に見てみますと、福岡が一番で約五〇%、二番目が広島で八・六%、三番目が大阪で六・一%、四番目が兵庫で四・九%、大分は四・一%で東京の三・七%とほとんど変わりません。それから、保養ホーム滞在者の病院利用率、九〇%です。午前中は自主トレーニングとして病院でリハビリテーションを行っております。紹介率は八五%から八九%。
 そして、私が取り立てて申し上げたいのは、反復して保養ホームを利用される方、これは何を意味するかというと、施設に入る必要がなくて在宅生活を送りながら、でも時々ここへ来てリハビリテーション、病院と連携しながらリハビリテーションやることによって在宅の生活を送れている人という意味です。この率が三八・一%。恐らくこういう施設がなかったら、施設に入ったままの維持期のリハビリテーションに行く人たちなんだと思います。ここが重要なんです。在宅へ帰していくための中間的な施設であって、それが病院と連携を取りながらある一定の成果を上げていると。そして、湯布院、湯河原、玉造の病院とホーム、一体として見た場合も収支はすべて黒字です。
 こういったことを考えていきますと、私は先ほど、この国の将来抱えている問題、あるいは医療費抑制するための問題として、このリハビリテーション医療を、先ほどの回復期リハビリ病棟の少なさも挙げましたが、国の政策医療として取り組むべきではないのかと、私はそう単純に思っております。そのことに対する御意見、いかがでしょうか。

○政府参考人(岩尾總一郎君) 患者のQOL向上の観点から、急性期の病院、そして急性期、回復期の施設における治療を経て自宅に、住み慣れた環境におけるかかりつけ医の下での療養という、患者の症状に応じた一連の流れが地域において確保されるということは、医療機関同士、それから医療機関と福祉施設の連携という意味では大変重要だと思っております。
 したがいまして、私ども十八年度に予定している医療制度改革においては、原則として、日常生活の圏域で急性期から回復期、在宅療養に至るまでの適切なサービスが切れ目なく提供できるように診療ネットワークを構築していくということを基本的な考えとして現在医療計画の見直しを検討しているところでございます。

○足立信也君 ちょっと、どこがポイントか理解が難しかった答弁でしたので、もう一度繰り返します。
 リハビリテーション医療をこの国に広めていく、これは喫緊の課題、それから将来を見据えた課題、政策だと。このことをまずは認識する必要があると思います。
 となった場合に、先ほどのように厚生年金病院と保養ホームの連携、これはリハビリテーション医療の私はモデルケースだと思っております。そのモデルケースがすべていい評価を、いい成果を上げられていると、しかもそれが地域だけではなくて全国シェアであると。この状態でこの厚生年金病院と保養ホームを切り離すこと、その意義は一体どこにあるんですか。国の政策医療として取り組むべきだという意見と併せて、その二点についてお答えを願います。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、厚生年金病院に隣接をして設置をいたしております厚生年金保養ホーム、この果たしてきた役割についてでございますけれども、これはもう今先生もるるお述べいただきましたように、病院との連携の下で、食事療法でありますとか運動療法などを必要とする方々に、正に栄養士による栄養相談だとか温泉を利用した滞在型のリハビリテーションなどを行って利用者の社会復帰に貢献してきた、これはもう私もそのように認識をいたしております。
 その厚生年金保養ホーム、今回の厚生年金病院を譲渡するということの中でどうなるのだということでございますけれども、そして切り離していいのかというお話でございますけれども、この厚生年金の譲渡に当たりましては、施設の中心的な機能を維持することを条件としてというふうに私ども言っておりますので、そして原則一般競争入札でございますから、その原則どおり一般競争入札にはいたしますけれども、もう一度申し上げますと、施設の中心的な機能を維持することを条件にしてと言っておりますから、今日お話しいただいておりますように厚生年金保養ホームが果たしておる機能を考えますと、その必要な機能は一体化して維持されるものというふうに理解をいたしておるところでございます。

○足立信也君 ちょっと私が間違えているのかもしれません。今の大臣の説明は厚生年金病院に関することであって、保養ホームも今御説明にあった方針でしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) この点については、三月三十一日に私どもが策定をさせていただきました整理合理化計画の中に、地域医療に貢献している施設の中身といたしまして、社会保険診療所、健康管理センターと並びまして保養ホームを挙げさせていただいております。これらについては、一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とするというふうに明記させていただいております。

○足立信也君 今の説明ですと、厚生年金病院と保養ホームは同じに考えているというふうにも私は取られますし、でも実際は法案上は全く別に扱うというふうにも取られます。どちらなんでしょうか。
 私が実数を出したり説明してきたのは、リハビリテーション医療のモデルケースとして厚生年金病院と保養ホームが一体化して連携を取って成功しているということを申し上げたわけで、ですから切り離す必要はないんではないか、あるいは、当然のことながら一体化してこの形を進めるべきではないか、それが国の医療政策ではないかということを申し上げたわけです。今の説明はどちらにとらえればよろしいんでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 整理してお答えを申し上げますと、まず厚生年金病院につきましては、繰り返し申し上げておりますように、病院の譲渡に当たりまして、病院機能の公益性を損なうことがないように十分検証した上で適切な方法によってその結論を得ると、こういうふうに整理をしております。一方、保養ホームにつきましては、ただいまも申し上げましたように、譲渡をするということは大前提とした上で、施設の中心的な機能の維持を条件とした一般競争入札によるとしております。
 したがいまして、病院そのものについて、先ほど申し上げましたように、機能の公益性を損なうことがないようにという制約条件の中での譲渡を考えるわけでございまして、その際に、保養ホームについても、また保養ホームが現に果たしている中心的な機能の維持が果たされるようにということで譲渡をさせていただくということになりますので、両者、言わば併せて御理解をいただければ、基本的に現在それぞれの施設の果たしている機能というのがおおむね維持されるというふうに御理解をいただいて差し支えないかと存じます。

○足立信也君 役割というか、その施設の、地域における果たしていることですね、それは変わらないんではないかと。それは物は言いようですよ。でも、経営者あるいは施設を運営する人が違った形になることの可能性の方がはるかに高いわけですよね。一円でも高く売りたいんですよね。そこは、その地域にとっては、機能が保たれるということと、一体化で考えるんだということはまるで違う話ですよ。そこを明確にしていただきたい。
 やはり私は、一体化してこその施設だと思っているんです。しかも、それが国にとって大事なことなんだと思っているんです。その説明にはなっていない。そのことをもう一度お願いします。

○政府参考人(青柳親房君) 現在におきましても、保養ホームを利用しておられる方のサイドからこの利用の状況を見ますと、例えば保養ホームを利用しておられる方は、例えば厚生年金病院の診療から継続して利用しておられる方ばかりではございません。先ほど御紹介ございました例えば湯布院の厚生年金の保養ホームを一つ例として平成十五年度の利用実態を見てみますと、保養ホームの全利用者が二万七千九百九十五人、およそ二万八千人ぐらいこの十五年度にいらっしゃったわけでありますが、そのうち、厚生年金病院の診断書を言わば持参して、そういう意味では病院から継続した形でこの保養ホームを利用されたという方は三千八百人余にとどまっております。
 したがいまして、それ以外の方は、保養ホームで例えば温泉に入るために、それだけを目的にして見えた方というのが大部分ということでもございますので、その意味で申し上げれば、先ほど申し上げたような形で、それぞれの施設の機能の配慮というものの中で、従来どおりの利用が可能になるということを中心にこれらの施設についての取扱いを考えさせていただくのが適切ではないかと思う次第でございます。

○足立信也君 ちょっと墓穴を掘るような答弁なような気がします。
 私が言っているのは、そこの数に、じゃ、在宅で暮らしながら、短期間でもそこに反復して、保養ホームに反復してやっと在宅生活を維持できている人、この方が厚生年金病院の紹介状を持って来ますか。

○政府参考人(青柳親房君) 在宅でこの保養ホームの近隣にお住まいの方は、リハビリテーションという、医学的な意味でのリハビリテーションにとどまらず、広い意味での介護予防でありますとか、そういったことで広く御利用いただいているものと思いますので、そのような利用を引き続き、言わば中心的な機能として果たすことができるようにという譲渡条件を付させて私ども譲渡をさせていただきたいと考えている次第でございます。

○足立信也君 全国シェアだという説明はどこに消えたんですか。その回答の仕方というか答弁の仕方、やはり本質がつかまえられていないと言わざるを得ないですね。中間的な施設であるからこそ、しかも、そこに反復して通いながらやることによって在宅でいられることを維持できている人たちなんですね。
 これは、この方々は厚生年金病院から、急性期ではないですから、紹介状を持って訪れるという方に該当しないわけですよ。そういった方々を増やすことが、これからの少子高齢社会、高齢者が多くなる社会にとって大事なことなんではないかという問題提起をしているわけです。それが、地域の方が安易に温泉に入るために使われているとかそういった説明では、先ほど大分が実は東京の方とほとんど同じぐらいだということの説明には何もならないじゃないですか。
 これは、今の私の質問とそれから青柳部長の答弁聞かれていて、やはり大臣も、言っていることがかみ合っていないという認識は十分あると思うんです。私は、これから先目指すべき方向はそこなんだという提案に対して、しかも一体化していることが大事なんだというもう一つの提案に対して、大臣の御意見を伺わせてください。

○国務大臣(尾辻秀久君) リハビリテーション医療の重要性については、今先生のお話を伺っておりまして、改めてその重要性、認識をさせていただいておるところでございます。
 そしてまた、ちょっと話は違うのかもしれませんが、昨日、私は尾道に参りまして、あの尾道方式というものを見てまいりました。正に医療と介護が一体になっておるというあの姿を見て、これも今後の私どものあるべき姿として、取るべき姿として大変参考になるものを、いいものを見せていただいたと思って帰ってまいりました。
 その話と今日の今の先生のお話、かなり私の頭の中ではダブっておりまして、今後の医療のあるべき姿についての一つのまた答えをお示しいただいておるものだというふうに思います。まずそのことは申し上げます。
 その後の、一体ということは、完全に同一敷地内だとか、その運営する人が同一であるということまで言って一体というふうなことがどうかというのはあろうかと思いますが、正に一体的にこうした医療とまたリハビリテーションが行われること、これもまた大変好ましいことだというふうに存じます。

○足立信也君 そのお話ですと、じゃ、端的にポイントを絞ってお伺いします。
 この法案の取扱いの保養ホームと今年度中に検討する厚生年金病院に対して、事業者が一つになる可能性、あるいは全く別々になる可能性、地方自治体との協議も繰り返しながら恐らくやられると思うんですが、その見通しはいかがでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 大変申し訳ないお答えになろうかと存じますが、現時点で、個々の施設について、それをどのような方に個別具体に引き受けていただけるかというところについては、私ども全く見通しも立っておりませんし、ちょっとお答えするすべがないということでお許しをいただくしかございません。

○足立信也君 個々の施設ではないですよ。厚生年金病院と保養ホーム、このくくりをどう考えて、それの今後の構想ですね、正に。今の法案で取り上げられることと、今後一年間、今年じゅうですか、決めることについて、その見通しは少なくともあるんじゃないですか。

○政府参考人(青柳親房君) 保養ホームにつきましては、先ほどの繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、いずれにしろ、現在この保養ホームが果たしている中心的な機能というものの維持、これを中心に譲渡していくということになります。
 したがいまして、いろんな可能性ということで申し上げれば、もちろん同一の主体がこれを、病院と保養ホームを引き受けていただく可能性もあると思いますし、全く別々の方々がそれぞれ引き受けて連携をしていただくような場合というのも当然予想されるわけでございますので、私ども、その点については、例えばこういう形でなければ売却をしないというような制約条件はなるべく付けないということで、それぞれの施設の中心的機能をどうやって維持していくかという点を重視して対処していくべきではないかと考えております。

○足立信也君 傍聴される方々には大変申し訳ないんですが、これ以上繰り返しても、前向きなというか、解決策というか、そういうものは得られないと思います。私の将来の医療政策、それから日本の現状をとらえた考え方は先ほど申し上げたとおりです。是非参考にしていただきたいと思います。
 続きまして、社会保険庁としての責任の取り方についてお伺いします。
 この法案は、私ども野党側の人間としましては非常にその取扱いに苦慮するものがございます。それは、元々この法案は社会保険庁廃止論から出た、で、委託先の公益法人、それからその先の福祉施設を廃止するためには、社会保険庁の廃止論があるからこういう独立行政法人が必要になるというところから出たものではないのかという認識があります。国民の信頼が失墜している社会保険庁を廃止するから新しい独立行政法人に廃止、売却をお願いすると、そういう立場なのではないかととらえております。
 社会保険庁を、これを独法化するなら新しいこの整理機構の独立行政法人は要らないわけですね。今、社会保険庁に関しては、自民党の行政改革推進本部は公務員型の独立行政法人を推している、自民党の社会保障制度調査会及び厚生労働省、社会保険庁そのものは、厚生労働省の外局、スリム化してそのまま残すと。この結論は武見理事に一任されているわけですが、私どもとしては、やはり廃止があるからこの独法の案が出てきたのであるというふうに考えます。
 社会保険庁を厚生労働省の外局で存続するなら、責任を持って徹底的に整理合理化する計画を作る、これがまず第一だと思います。そして、委託先公益法人と新たな契約を結べばいい、一年ごとに更新しているわけですから。そのやり方で十分だと思います。施設を整理合理化するためのそのまたプロジェクトチームを内部につくればいい。そういったことが責任持ったやり方だと私は考えます。
 今の流れですと、社会保険庁がやることは整理合理化計画とその後の中期の目標の策定だと、計画はもう終わったと。
 もう一つ大事な仕事は、委託先公益法人への指導監督の責任が社会保険庁にはあります。本庁に二百八十六人、社会保険業務センターに五百七十九人いるわけですから、まずやるべきことは、きちんとした分析から始めて、きちんと類型別に福祉施設を分類すること、整理合理化の目標設定だけではなく、その後の計画作り、そして実行することが、本当にこれから先つらい、大変なことだと思うんですね。
 この数年、民間企業が行ったことは血と涙を伴った整理合理化ですよ。その徹底だったわけです。その背景に恐らく年間三万四千人を超える自殺者まで生んできたんだと私は思います。そのつらいことを、実行するというつらいことを民間に学ぶという姿勢がどうも感じられない。その姿勢で国民に対する責任が取れるのかということがどうしても気になります。
 そこで、確認していきますが、まず、今回の独立行政法人整理機構法案は社会保険庁廃止論から出たのではないのかと。その点はいかがでしょう。それとは関係なく、将来の医療、介護、福祉の将来像、それに基づいてこういう形が出てきた。どちらでしょうか。

○政府参考人(青柳親房君) 今回のこの年金福祉施設の整理合理化は、あくまでも年金財政の近時の財政状況、厳しい状況、それから施設を取り巻く社会環境の変化、そして国民ニーズの変化というものに対応して、年金福祉施設について年金の保険料を新たに投入しないということにとどまらず、現在ある施設についてもこれを譲渡、売却することによって整理合理化を図っていこうというものでありまして、まずは社会保険庁の組織の在り方とはいったん別のところでこういった年金福祉施設の整理合理化そのものの政策的必要性というものがあるものというふうに承知をしております。

○足立信也君 全く別のところからというお話でした。ならば、厚生労働省それから社会保険庁そのものも、今後の案として、今の社会保険庁を多少スリム化して厚生労働省の外局、つまり今のまま置くということになって、そして整理合理化のための機構を独立行政法人としてつくると、そういうことになるわけですが。
 ということは、社会保険庁には整理合理化を実行する力はないけども、民間に任しておけば無駄なものをきちんと廃止してくれるだろうというお考えがあるということですか。

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、最初の方のお話についてもう一回申し上げますと、とにかく社会保険庁に対する御批判が高まりました。そして、このままではいけない、新しく生まれ変わる必要があるということからこの話が始まったのは、もう先生も繰り返しお述べのとおりであります。
 順番として、そのときに、この福祉施設、これをまず全部例外なく譲渡しよう、売却しようと、まずこのことが決まりました。そして、社会保険庁を新しく生まれ変わらすために二段構えでやろう。差し当たってできることといいますか、まずやれることということで、窓口業務のことだとか、そうしたようなすぐやれることをまずやろうということを言いました。そして最後に、じゃ、社会保険庁を抜本的に見直す、組織を見直すという答えを出そうというこのことで作業を進めてきたと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 そうした中で、じゃ、こういう独法をつくらなければ一体処分ができないのかという話でございますけれども、これももう先生御自身お述べいただいておりますように、三百を超える施設を対象にしておるわけでございますから、このような多くの施設を集中的かつ効率的に売却するには、これはもう理事長ですとか職員を民間から登用して、民間の持っておる知識、そうしたものを最大限活用できる専門の組織が必要だと今私たちは考えておるわけでございます。
 特に、年金への損失を最小化するという考え方で、これは先ほど来少しでも高く売りたいということでありますけれども、そうした考え方に立って施設の譲渡等を行うに当たりまして、より有利な価格で買い受けてくれる譲渡先の開拓等、こうしたことを国が自らやるということはなかなか難しいことでございますので、不動産売買の専門的な、先ほど来申し上げておりますように、知識持った民間人を活用することでこの作業をいたすということでこの法律案をお願いいたしておるところでございます。

○足立信也君 ということは、既に譲渡をされたグリーンピア、八施設が既に譲渡、で、二施設が今年度中に譲渡予定、これはまあ別に独立行政法人をつくって廃止、売却の方にしたわけでも何でもないわけで、じゃ、この十施設の譲渡に関しては失敗だったということですか。うまくなかった。もっといいやり方をしたいためにつくるということですか。

○政府参考人(渡辺芳樹君) ただいま、先生、グリーンピアの件についてお触れになりましたので、私の方から少し過去の経緯も含めまして簡単に申し上げたいと思いますが、現在のグリーンピアは特殊法人年金資金運用基金というところが設置運営をしておるわけでございます。この組織は間もなく独立行政法人に変わっていくということでございますが。
 このグリーンピアは、昭和五十年代からずっと整備されてきたものを、平成七年の閣議決定におきまして、地元の意向を踏まえつつ、県への譲渡など地域利用を図るという大きな方針転換を行って今日に至っております。そのために様々な条件設定をしました基本方針というものを定めてこれをやってきておりまして、ほぼ先生御指摘のように全体の処理が十七年度中に付きそうなところまで来ておるわけでございます。その年金資金運用基金を中心に、都道府県、市町村、場合によっては民間ということもありますが、一定の条件の下に処分が進み、残っておりますものも、地元の地方公共団体での予算措置等を含めて進んできておる、こんなような状況でございます。

○足立信也君 もう時間ですので質問を終わりますが、社会保険庁はスリム化して残す、政管健保の独立行政法人をつくる、整理合理化のための独立行政法人を結局二つつくる、そういうことはなかなか納得できないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

050419厚生労働委員会会議録より
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