民進党大分県参議院選挙区 第1総支部
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参議院議員 足立信也

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国会会議録

平成17年3月25日- - 参議院本会議

○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、意見を述べながら質問をいたします。
 冒頭、去る三月二十日、福岡県、佐賀県、そして大分県において、福岡県西方沖地震により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 いわゆる三位一体の改革について振り返ります。
 二〇〇二年五月二十一日の経済財政諮問会議、租税収入と歳出における国と地方の逆転現象を是正する手段として、国税と地方税を一対一にするという提案は、税金の配分を見直すという観点から正しいと私は思います。しかし、そのことが財務省、総務省及び他の省庁の三方一両損であるという発想は、正に中央集権の構造疲労を象徴する発言であり、三方一両損という暗い言葉を三位一体という形而上的な言葉で置き換え、えたいの知れぬ、至上命題であるかのごとき錯覚を与えました。
 基本方針二〇〇三では、官から民へ、国から地方へ、国と地方の役割分担とうたいながら、専ら国の財政事情のため、地方経費を圧縮する方針が打ち出されました。さらに、自立、インディペンデンスを目指す社会だという言葉から、自律、自らを律するオートノミーだと言葉をすり替えていきました。
 基本方針二〇〇四では、地方が自らの支出を自らの権限、責任、財源で賄うと明言し、しかしながら地方の裁量は認めず、そこにあるのは負担の転嫁だけ。相変わらず依存と分配の政治手法を繰り返しています。これが国と地方の構造改革と言えるでしょうか。
 私の地元の大分には、JリーグJ1の大分トリニータがあります。一九九四年設立のトリニティー大分が前身です。トリニティー、日本語に訳せば三位一体です。県民、地元企業と行政が魂でつながっています。その三位一体という言葉を、ただ経済主義で負担を分配することに使い、主権も裁量も与えない。本来、政治の三位一体とは国と自治体と国民ではないでしょうか。
 麻生総務大臣にお聞きします。いわゆる三位一体の改革案で、地方自治体は一体どのような裁量を新たに得たと言えるでしょうか。また、総務大臣が自治体の長であった場合、この改革案を歓迎するでしょうか。御意見を伺います。
 国と地方の協議について伺います。
 平成十六年度の地方財政が、一兆三百億円の補助金削減に対し、税源移譲はわずか四千五百七億円、さらに、地方交付税が二兆八千六百三十二億円削減され、総額三兆四千四百二十五億円の減少でした。確かに、地方には裏切られたという思いが強く、だからこそ、地方は総理からの丸投げにも真正面から向き合いました。当然のことながら、再びだまされないために前提条件を付けました。確実な税源移譲、負担転嫁の排除、新たな類似補助金の創設禁止等、地方の意見を確実に反映することです。提出案には、生活保護、児童扶養手当など格差なく国による統一的な措置が望まれるもの、そして老人医療、国民健康保険、介護保険など制度全般の見直しの中で検討すべきものは税源移譲の対象にしないことが明記されています。
 八月二十四日の地方案の提出、最初は判を押していない改革案を出し、総理の約束を得た後、判をついたものと差し替えました。不退転の決意がうかがえます。政府案の提示後、十一月二十四日、最後の協議の場でも、約束を破られたという思いがにじみ出ております。
 総務大臣に再び質問いたします。総理が度々発言した真摯に受け止めるという言葉の意味を説明してください。
 厚生労働省の対案として、地方案は老人医療、国民健康保険、介護保険などの負担金に対して具体案を示さないのは基本的に問題であるという認識は一体どこからくるのでしょうか。地方六団体提案の四十七項目九千四百四十億円に対し、十三項目八百五十億円の税源移譲、本日の法案分では四項目五百九十億円です。そして、唐突に都道府県財政調整交付金などの導入による六千八百五十億円。尾辻大臣は、医療保険制度改革で国と地方が議論をしていた、そこへちょうど税源移譲の話が出てきた、だから一年前倒しで行う、そのように答弁されました。
 今後の予定では、税制改正の前に医療保険制度改正がある、制度があって税源移譲がある、これは正しい過程だと私は思います。しかし、システムを変更する前に負担を先に決め?るのは論外です。
 財政調整交付金は、収入額が不足する市町村に対し、その不足額を埋めることを目的としています。都道府県が住民のために立案する健康増進計画、医療計画に財政調整交付金をどのように反映させられるのか、尾辻厚生労働大臣の認識を伺います。
 財政調整交付金で国の裁量と都道府県の裁量が全く相反した場合、市町村に利益はあるでしょうか。国と都道府県の財政調整交付金における役割の違い、どのような役割分担を想定しておられるのか、具体的にお聞かせください。
 国の財政調整交付金の一%、定率国庫負担分の六%、そして保険基盤安定制度分の二分の一、これらは所得譲与税によって人口比で都道府県へ配分され、凸凹の部分は交付税でならされます。一〇%から一六%に増えた財政調整交付金が収入の不確実な部分であるということは、市町村の収入が不安定となり、不足した場合、市町村は更なる一般財源を投入、又は保険料を上げることになるのではないですか、大臣の見識を伺います。
 私の尊敬する宇沢弘文東大名誉教授は、医療は市民の人間的尊厳を守り、魂の自立を保ち、自由を最大限に確保するために基幹的な役割を果たす、安定的な社会を具現化するための社会の安定装置である、官が全部をコントロールするのではなく、市場原理で支配されるものでもないとおっしゃっております。医療と教育は社会的共通資本であり、社会にとって共通の財産である、そしてまた、経済が医療に合わせるべきであって、医療が経済に合わせるべきではないとも経済学者の彼はおっしゃいます。
 本当の保険者の機能とは、被保険者が健康な生活を送ることができ、万が一病気になったときは安心して医療機関に掛かることができる、そしてお金もそんなに掛からない、そのような状態をつくり出すことです。
 健康寿命が最も長く、老人医療費の最も低い長野県の取組は、生活習慣、居住環境を改める、保健師や医師がどんどん地域へ踏み込み健康教育活動を展開する、これは長野全県下の取組です。これこそが自治体の裁量というものではないでしょうか。県が財政調整を行うから裁量権があるのではありません。国保のトップである市町村長と住民、医師、保健師が一体となって健康というものを生きがいのための手段ととらえる、正に三位一体です。
 国と地方の財政調整交付金が不確実であるため、市町村の医療政策は受診抑制に働きます。早期胃がんと進行胃がんを比較した場合、早期胃がんの方が症状を訴える率が高いことを御存じですか。ささいなことでも気軽に受診することによって早期がんの発見率は高まり、早期の状態で発見できるほど治癒率は高くなり、入院期間も短縮され、医療費も抑制できるのです。
 受診しやすいということが安心感を生むという観点からは、小児や超高齢者の医療を立替払ではなく現物給付にしたい、これも医療における裁量です。しかしながら、財政調整交付金では償還払しかあり得ないのです。
 医療における地方自治体の裁量というものをどのようにとらえるか、改めて尾辻大臣に伺います。
 尾辻大臣は、社会保障について、補助金の廃止を多くし地方自治体の裁量に任せれば、一定水準のサービスを地域格差なく保障するという国の責任が果たせないと答弁しておられますが、その補助金政策こそが地域間格差を生んだのではないですか。そしてまた、新たに創設される地域介護・福祉空間整備等交付金、次世代育成支援対策交付金がともに使途が限定された交付金であり、依然として事業計画の採択に中央省庁の権限が完全に維持されています。これでは、より煩雑な手続や混乱を生むだけではありませんか。
 国が大きな方針を決め、地方が実態に合った運用をする。税源移譲を行えば、地方六団体が言うように膨大な事務処理は不要となるのではないですか。総務大臣に見解を伺います。
 あわせて、厚生労働大臣に、今回の二つの補助金の交付金化によって、国と地方の事務作業量はどの程度減ると考えているのか、伺います。
 平成十五年度の国民健康保険の経常収支は約四千億円の赤字です。国は将来更に負担増になると思われるものから地方に押し付け始めています。まず取り組むべきは、保険料負担額の上限を支払っている世帯の割合が五・四%と、政管健保一・七%、組合健保一・三%に比較して約四倍という実態を改めるべきだと思います。大臣の判断を伺います。
  基礎年金国庫負担二分の一の財源についてですが、三分の一から引き上げるのに二兆八千億円必要です。その財源のために、現下の経済情勢で、定率減税の縮小、廃止は行うべきではないと考えます。保険料も引き上げ、国庫負担二分の一を実現するために所得税も引き上げられるのでは、国民は負担に耐えられません。年金抜本的再改革の入口に立ったという認識に立てば、現在ある財源から他の予算の無駄を省くことにより、国庫負担二分の一を実現すべきであると思います。
 年金抜本的再改革の議論中にかかわらず、定率減税の縮小によって財源とする。このことを先行議決することの道義的責任をどう考えますか。大臣の見識を伺います。
 理念を間違えたいわゆる三位一体の改革、そして、方法、手段を間違えた国民健康保険への都道府県の負担の導入は、例えて言うなら、最近胃の調子がどうも良くない、食事の指導を受けたいと訪れた患者さんに、今、日本では大腸がんが急激に増えている、食事指導よりも大腸がんの予防のために大腸を全部摘出しましょうと言っているようなものです。──笑い事ではありません。大腸がんについては食生活も改めますし、ちゃんと定期検査も受けますから摘出の必要はないのではないですか、そう質問する患者さんに、それでも全部摘出すれば大腸がんの危険性はなくなるんです、百年安心の治療法ですと強制します。
 我々は、これを政治過誤と呼びます。医療過誤を起こした医師は資格を失うか業務を停止します。政治過誤を起こした責任の取り方を国民は知っております。その最もシンプルな方法が政権交代であるということを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕

○国務大臣(尾辻秀久君) 都道府県策定の健康増進計画等と今回の国保制度改正との関係についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、都道府県は、健康増進計画、医療計画、介護保険事業支援計画の策定権限を有しておりまして、これらと整合的な医療費適正化のための計画の策定等を進めていただきたいと考えております。また、都道府県調整交付金の配分に当たりまして、これらを踏まえた市町村国保における医療費適正化の取組を考慮することはあり得ると考えております。
 次に、国と都道府県の調整交付金の役割についてお尋ねがございました。
 調整交付金は、医療費や被保険者の所得の状況等の違いにより生じる市町村間の財政力の不均衡を調整することを目的として交付することといたしております。このうち、国が行う財政調整は、医療費や所得格差等を全国レベルで調整するものであります。これに対して、都道府県が行います財政調整は、国の調整を考慮しつつ、保険運営の広域化や医療費の適正化を促進させるという都道府県の役割も踏まえ、地域の実情に応じて都道府県内の格差を調整することが基本となるものでございます。
 今回の国保改革による市町村の国保財政への影響についてお尋ねがありました。
 今回の国保における財政スキームの見直しに当たっては、都道府県が県内市町村の意見を十分に踏まえ、市町村の国保財政に急激な影響が生じないよう調整を行っていただきたいと考えております。
 医療における地方自治体の裁量についてお尋ねがございました。
 今回の国保法改正により、国保の基盤、体力の強化が図られ、市町村の保険者機能が強化され、地域の実情に応じた保健事業などの展開が可能になると考えています。
 また、平成十八年の医療制度改革に向けて、都道府県が自主性、裁量性をより発揮し、地域の実情に応じた保健医療体制の整備が図られるよう、医療計画の見直しを進めてまいります。
 地域介護・福祉空間整備等交付金及び次世代育成支援対策交付金についてのお尋ねがございました。
 これらの交付金は、個別の施設ではなく計画全体に対して交付金を交付いたしますために、個々の施設の図面審査が不要になります。あるいはまた、計画に記載した事業の廃止等でなければ、計画の内容に変更があっても変更協議は不要となりますなど、国、地方とも事務の簡素化が図られるものと考えております。
 国民健康保険の保険料の上限額についてのお尋ねがございました。
 国保の保険料の?上限額の在り方につきましては、受益に比して負担が過度にならないものとするという上限額設定の考え方や、被保険者間の負担の公平性の確保という観点から、実際に保険料の賦課を行う市町村の意見も踏まえて、見直しが必要かどうか検討する必要があると考えております。
 最後に、基礎年金の国庫負担引上げについてのお尋ねがございました。
 今回の法律案では、昨年の年金改正法で示された道筋に沿いまして、安定した財源を確保しつつ、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げを着実に実現するため、定率減税の見直しによる増収分の一定額を引上げの財源に充てることとしておりまして、年金制度を将来にわたって持続可能なものとし、国民の信頼の確保につながるものと考えております。
 一方、少子高齢化が進展する中で、年金を始めとする社会保障全体については、税や保険料の負担と給付の在り方も含め一体的見直しを行う必要があります。年金制度の在り方につきましては、これと整合性を図りつつ見直しを図る必要があると考えておりまして、与野党間で早急に具体的な議論を開始していただきたいと考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

○国務大臣(麻生太郎君) 三位一体に関する評価についてのお尋ねがあっております。
 この改革により、様々な国庫補助負担金が一般財源化されたのは御存じのとおりです。
 これによりまして、いわゆる国の基準に縛られることなく、地域の実態に即した事業が期待できるようになりました。また、創意工夫というのも生かせますので、より効率的な事業執行が可能なものになると考えております。既に、公立保育所におきましては、これまで対象外でありましたいわゆる駅前の保育所などが実施できるようになるなど、その効果は、少しずつではありますけれども確実に出てきておると存じます。
 また、改革の全体像というものは、地方から提出をいただいたものに関して、その案を基に協議を重ねて取りまとめたものであります。その内容については地方から一定の評価もいただいておりますと、私どもは地方からの話から聞いております。
 最後に、もう一点、おまえが首長だったら同じようなことを考えたかという御質問でしたけれども、やったことがありませんので何とも分かりません。しかし、もし私が首長であっても同様の評価をしたものと存じます。
 次に、真摯に受け止めるという総理の発言についてのお尋ねがあっておりましたが、三位一体像の全体の取りまとめというものに関しては、地方に改革案の提出というものをお願いし、それを受けて総理から、地方からの改革案を真摯に受け止め、関係各大臣は、改革案の実現に向けて率先して、責任を持って全力で取り組み、平成十七年度予算に最大限生かしてもらいたいとの指示があっております。
 これを受けて取りまとめた全体像というものは、地方の改革案を一定程度反映されたものと考えておりまして、これをもって真摯に受け止めたものと理解をいたしております。
 税源移譲によりまして、事務量削減効果についてのお話があっております。
 国庫補助負担金にありましては、地方においては交付申請、実績報告、また変更手続など、膨大な事務手続が必要になっております。他方、国におきましては、審査、内示、また交付決定、検査などの事務を行っているのは御承知のとおりです。
 地方六団体が指摘しますように、一般財源化すればこれらの事務手続が不要になりますことから、地方の事務が大幅に効率化され、他方、国の事務の減量になるものと考えております。(拍手)

050325参議院会議録より
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